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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

ファンド事業

2011年05月19日

明日は、ファンド事業の中間監査がありますので、書類関連の整理をしておりました。おおむね、事業のほうは予定をクリアしておりますので問題はないのですが、書類を整備するのはなかなか大変です。書類というのは各企業ごとに異なった形式になっています。今年は2年目ですので、昨年の資料を手本に書類を整備していくことになります。

今年は、ファンド事業に使う海外からのリネン糸を仕入れましたので、糸以外の部分で、送料、通関検査料、なんとかチャージと乙仲業者さんに払う分がありますので、そちらの処理がどう行われるのかが審査の方にもお手間を掛けることになるかとも思います。

ファンドの試作に使う糸なのでそれほど多い量ではありませんが、通常の流通している番手の糸を使うのではなく、特殊にあたるものをわざわざ探して使うというところが意味のあるところではないかと考えております。頭を悩ませて糸を捜し、また、その糸を染めるのには、一工夫が必要で昨年とは異なる2通りの糸加工を考えています。織のほうも今年はリネンの更なる細番手のアパレル素材向けの総先染に挑みたいと思っており実現すれば、海外などでも注目いただけるものになると思います。

ファンド事業を通じては普段やらない新規のことを実行していきますので、いろいろな皆さまとのご縁が広がってまいります。これは単にものを作るときにお世話になる縦の関係だけでなく、元気に情報発信しながら動いていることで、同じ業界の皆様の認識も高まり情報交換などしていただけるとかのメリットも生まれてきます。

滋賀県というのは布という文化を非常に大事にして下さっており、滋賀県には、麻のほかに、長浜の浜ちりめん、高島の綿クレープという天然素材が3つそろった地域です。先日のプレミアムテキスタイルジャパンでも、お隣のブースは高島の4社での出展をされていて高橋織物さんの社長以外にもお若い社長さんたちもおられましたのでご挨拶に伺いたかったのですが最終日も自分のブースも守れないくらいに追われてしまっており、ご挨拶もできず残念なことをしました。

繊維関係というのは代々やっておられる皆様が多いので、時代の流れに乗りなららも新しいものを生み出しつつも、一時のことに流されすぎることなくしっかりと本業的な部分を守られているという部分があって、そういうのが地域の文化的な特色を生み出しているのではないかと思います。特に昔は労働集約産業であったがために、地域全体が繊維産業に携わっていることが多かったと思います。

ものがありふれている時代ですので、消費者の方に選択権があるのです。以前、彦根のおみやげ物屋さんを見たときに、80歳くらいのおじいさんが微笑んだ感じで職人芸で和ろうそくを作っているビデオを見ました。このおじいさんの作った蝋燭なら使わなくても、それを見ればあのおじいさんを思い出し、日本人のものづくりの価値観的なものを堪能できるのではないでしょうか。


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