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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

ラミーハンカチ

2011年05月28日

昔のラミー糸を使ったハンカチが3ケースありました。昔、トスコさんからいただいたものだと思います。国産のラミーを極めたフラグシップ的なハンカチで糸が細く細くきれいなのです。各箱には3枚つづハンカチが入っています。トスコさんのロイヤルラミーのマークがついていますのでラミー糸です。今では想像できないほど細いクラスですので、200番手を超えるクラスではないかと思います。今、そういうものが織れるかというと難しいと思います。それだけの糸の原料、紡績、糊付、織の技術が残っていないからです。

ヨーロッパのアンティークと同じクラスのハンカチの世界があり、日本の昔の技術というのもさすがだなあとは思います。技術というのはどんどんと進化していくのではありますが進化しすぎるとそこで限界に達して終わりを迎えます。進化するということは付加価値がマスのですが、安定した技術というのはわずかな違いを生み出すために大きなコストの差が出てくるものです。

糸が細いということは1本の糸が切れやすくなるだけでなく、織る密度も必然的に高くなってしまいますので、縦にしても横にしてもキズが出る確率が同じ1Mでも織るための時間と手間が何倍も増えてきます。

ジャパンアズナンバーワン的なものづくりができた時代が日本の過去にはあったのを懐かしく思うとともに、それが韓国に移り、そして今中国に移り始めています。産業として大量に生産することから生まれる余力を、技術を結集して何かに注ぎ込むことができた時代というのはさすがです。日本の昔のものがよかったのは番手的な規格だけでなく全体的な完成度の高さが高かったことにあると思います。細いなら細いなりによりよい工程を選び、よりよいものができたところがよいところなのだと思います。

一度、トスコさんのその当時のことを知っておられる方にお見せしてその当時の紡績のことを聞かせていただきたいなあと思いますが、もう会社には残っておられないでしょうから人づてにお話をお聞きするしかありません。


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