for English speakers: Welcome to HayashiyoWelcome to Hayashiyo
リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

台風の雨

2011年09月02日

今日は朝から、ファンドの3年目の審査のためのパワーポイントを作りました。撮影した写真などをデジカメなどから探してなんとか10時頃に提出が完了です。写真をたくさん使ったプレゼン資料になっています。このプロジェクトも最初は織れるかどうかわからないところからスタートして無事に布もハンカチも出来上がり、林与の人生の中でも一つのメモリアル的なプロジェクトになりました。日本だけでなく、ヨーロッパでも文化として途絶えてしまった価値観の世界を、林与が求め続けられるのは何か大きなご縁に支えられていて不思議に思います。

ただ、珍しいものを作るだけだと皆さんにご評価いただく機会が少ないと思い、いろいろな展示会を通じて多くの方に見ていただく機会を求めました。同時に情報収集も行いました。200番手から300番手クラスの手織のものだと思われるリネンも拝見させていただき、それが、リネン1000番手を目指すような林与のライフワークとなるであろう「幻のリネン」プロジェクトの発足につながりました。北アイルランドの紡績産業の幕を閉じたといわれるハードマンズ社のサイオンミル。皆さんからもいろいろな情報をいただき、残念ではありますが北アイルランドでのリネン紡績というのは、とっくの昔に消えてしまったという結論にあります。

問屋さんやアパレルさんまではその情報が伝わっていないことが多かったりと、さらに、百貨店のバイヤーさんや消費者の方が正しい情報を得られることは、林与のホームページを通じて以外にはなかろうかと思います。私自身にとっても、最高峰というアイリッシュリネンの価値観だけが一人歩きしてしまっていて、実際のアイリッシュリネンの世界が何なのかというのを経験できる貴重なプロジェクトになりました。

アイリッシュリネンが消え去った背景には、織物業界に革新織機と呼ばれるレピア織機の登場が大きく影響していると思います。生産性の高いレピア織機で織れるものほど需要が高くなり、レピア織機で問題なく織れない糸というのは、より細くよい糸でも価値がないと判断されるような時代になったのです。これというのは手織りの時代には、細い細い糸があったのに、力織機の時代になってからは糸というものが量産のものになって扱う糸も太くなり均一性などが極端に落ちたのと似ています。

今日は、台風が近づいてきているということで雨と風がきついです。電柱などが根元から折れてしまっているような箇所もあったりで、丈夫に見えるものでも脆いのだなあと感じます。以前は風で電柱が折れることが少なかったように思うのですが、最近はいろいろなところで見かけるのも以前以上に価格的な問題で中身が脆く作らるようになってしまったのではないでしょうか。


ホーム | ショッピングカート 特定商取引法表示 | ご利用案内