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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

教えること

2012年03月02日

今日は、レピア織機の調整を新しい方に教えました。会社が人を増やすということは働く人が必要だからなのですが、人が増えると教える負担が増えるので余計に思い通りに物事が進まなくなるものです。でも、会社もそれを乗り越えることが大事で、その意味を教えてもらっている新しい人も理解しながら前向きに物事を吸収して早く一人前にならないと、というところです。

今、繊維業界では新たな人を育てることが難しくなっているのを感じます。新しい人を位置から育てることを考える以上に、世界で一番安く作れる場所を探したほうが手っ取り早いのです。日本の繊維産業の本質的な衰退の原因はそこにあるのだろうと思います。

新しい人を育てるためには失敗という要素が必要です。今の時代は失敗を嫌いますので、人が育たないといえるのです。一回の失敗というのは10回の仕事で取り返さないとならないことが多いもので、これは、完全に失敗といえなくても、ものづくりのセンスがなく売れないものを作ってしまった場合には、いくら仕事を正しくしていても基本失敗と同じ扱いで、10倍の仕事をしてその失敗をカバーする気持ちがないと駄目なのです。

私が仕事を始めたときに、サンプルをつくると「糸がもったいない」といわれました。がんばっていても挫かれるものですが、結果が伴わなければ当たり前のことです。今見ても結構面白いものが多いのですが、自分はそれなりに売れるものをつくるつもりが、なかなか簡単には売れるものがつくれません。そこで甘くされていても、負けていても駄目で、その失敗分をカバーするだけの通常の仕事を何倍もこなすことで取り戻せばよいのです。

毎日何倍かの仕事をこなせば一つの失敗分くらいは1週間で取り戻せますし、毎日何倍かの経験をすれば、たとえ数年であったとしても一生仕事を普通にした人以上のものが見えてきます。


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