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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

綿糸

2012年05月19日

今日は、朝、綿の糸が届きました。綿の100番手双糸なのですが、昔から比べると綿の双糸も価値が落ちてしまったなあと感じます。昔は綿の100番手の糸でも買おうと思えば180kg買う覚悟が必要でしたが、今は、小出しで出てくるようになりました。

このことは、便利になったと喜んでいればよいのではなく、結局、しっかりと作らないとならない一級のものが消えていく流れにあって、そういう手軽なものを使うしか選択肢がなくなってきてしまったのです。品質の高さからカネボウの綿の糸なんかをメインに昔は使ってきたのですが、大手さんというのは不況の傾向が続くと工場を支えきれずに工場を閉鎖するというのが流れです。

紡績業というのは華やかに見えるものの存続させることは非常に難しいことであるのを感じます。通常、川上といわれるところから順番に産業が閉じていくものです。紡績業の前には、原材料を供給するような一次産業があったはずで、そこから担い手がなくなり消えてゆくものです。今の時代に、一次産業として糸の材料を供給することができるのかというと、コスト面での海外との競争の難しさだけでなく、品質面でもあるひとつの畑で生産をすることの品質の不安定さというのは、作柄などあり糸などの製品にしたときにも頭を悩ませる問題となると思います。

よくお尋ねをいただく、リネンの国産の糸はありませんか?という質問に関しても、産業レベルで使えるリネン糸というものは海外からの手配が100%となっています。(趣味の手紡績の世界は除いてです。)


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