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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2021年12月05日
昨日パン屋さんの店頭で、100円均一税別だったのが税込み118円になって、今は128円になった。値段とボリューム的には128円でも安いくらいで、2個食べれば満足感があるので決して高いわけではないけども。人気のパン屋さんでも、10円値上げしてゆかないと成り立たない情勢はモノづくりしている側からすると成り立つか成り立たないかの厳しい状況が続いているのだろうと思う。儲けようとかそういうのではなくて続けて行ければよいと思う程度で一生懸命の値段だろうと思う。

京都の加工工場さんが、1m10円の加工代の値上げがどこも受け入れるのが難しいといっておられ廃業を決意された話を2年前に廃業された加工工場の方が言っておられた。そして加工業をやめて抗菌関係のグッズを展開される形に織物加工業よりもそちらのほうが商売としては簡単だったようで、新事業なのに一気に拡げられる形。

コロナで苦戦の飲食業界も同じく、コロナ対策で、経営時間が短くなったりまた、座席数を減らす形なのでどうしてもコスト高になりがちで、コロナ以前とでは1割とか2割弱値上がりしただろうか。ラーメン1杯は500円くらいからが長年のイメージだったが1000円くらいが普通になって来た。リネンの太い番手も5年前の2倍くらいの値段で、アパレル不況、繊維不況の中でコスト高は厳しい現実である。

今日は朝に農業用水の泥上げ作業。作業内容はそれほどは負荷もない程度。できる人が作業して高齢の無理をできない方でも見に来てみんなが参加するあたりに意味があったりする。できない人は無理してもらわなくてもよく、できる人が自分の判断で動いて進めてゆく。普段農業で作業しておられる方の作業と判断というのは参考になる。農業というのは自分の田んぼだけでなく、水利など含めるとどうしても共同意識がないと成り立たず、誰かが他のことも考えてボランティア的に動いておられる側面があって集落内での農業全体が成り立っている。
2021年12月04日
林与では、織物にどっぷり浸かりたい織物製造販売全般に動けるスタッフを随時募集しています。1日中立ち仕事でうごいたり、重いものもたまに運びますので、体力と気力が必要で、淡々と作業することが得意な方でないと難しいと思います。1週間の職場体験から経験してもらって適性など判断したうえでの採用となります。働いてみようと思われる方は、お問い合わせから、お問い合わせください。
2021年12月03日
本格的に寒くなってきて今年もやっぱり年末までには雪が降るのかなあと。大阪から帰って来て仕事に戻って、今週が明ければ、あと3週間ほどで外の世界は年末の休暇に入る。年末は1週間ほど自分が自由に仕事で動けて年始も1週間ほど自由に動ける。そして外の世界が明けると1月末納期がすぐにやってくる。1月末納期の仕事の話を先週から詰めていて、これから1月末までの生産が今シーズンの仕事の一番の山か、多色使いのシャトル織もこなさないといけない。

今までは平織の1色2色使いがほとんどだったので、シャトル織機1年目のスタッフの女の子がドビーと4色杼替えを経験する。ストールなんかを織っている時には、4色杼替えは当たり前だったけども、横糸が切れたりしたときにドビーカードを戻す作業が入ってくると今までとは異次元の複雑さになるだろう。ギアを戻す、横糸の処理、ドビーカードを戻す、その3つの作業を正しくこなさないと、織っていて正しいところに戻れなくなり迷子になってしまうのである。そういうのを乗り越えられる人というのは案外少ないもので、投げ出したくなる状況に一日何十回も遭遇するだろう。

こういうところで大事なのはそれぞれの作業の基本で基本がしっかりとしているとそれほど迷うこともない。一つ一つの作業を確実にこなせるかが大事な要素で、高度な織物というのは基本作業の積み重ねみたいなもので、織機よりも使う人の作業の正確さみたいなものが一番のよりどころとなる。理論的には分かっていても、頭と体が連動しないといけないし、あやふやな要素をどこまで消せるかが大事な要素。

織機の問題じゃなく人が織機を正しく理解して使えているかどうかというあたり、完全に一回正しい手順を体得できるところまでいかないと、あやふやなままの作業だと、ほんと迷子になってしまう。こういうのをこれからの人には乗り越えてもらいたいなあと思う。子供たちだと興味とゲーム感覚で乗り越えられることなのだけど、大人になってしまうとなかなかこういうのを乗り越えるのは難しいのが多いというのを、今まで職人さんとか経験者の方と接してきてじれったく思うところで、海外だと織物の仕事として普通にこなしていることでも今の日本ではまったく超えられない壁みたいな世界にトリップすることが多い。
2021年12月03日
昨日、大阪の帰りにスタッフの子と一緒に、京都市の北側周りで途中三千院を観光してから滋賀県に戻った。三千院はたぶん5回くらいは訪れたことのある場所で、京都の寺院の中でも市内からは離れているので自然の中の寺院というあたりが好きなところ。

スタッフの女の子が社長もおみくじを引きましょうとなって、おみくじをおごってもらって、別々に1枚づつおみくじを引いたのだが、同じような職場で働いて仕事しているものが、おみくじの内容が9割方同じだったのでびっくりした。私のほうが若干良いようで、あまりよい運にはいないようだけども、がんばれば報われるでしょうみたいな内容で、私の人生のスタイルともあっていて悪いなりに良い内容。

大阪に行く前に月末の出荷があったのだけども、運送会社の人が協力をしてくれて諦めてたのに月末納品に間に合ったとか。普通じゃあありえないような対応に救われたり恵まれているのに、おみくじは凶なのか。凶でいっぱい厳しいことが書いてあったのに、なぜか、あきないはすべてよし。というのが書いてあった。そこだけが違和感あるくらいにおみくじの他の部分と整合していない。

2021年12月02日
今日、昨日の商談会で購入した生分解ラメを少し試してみようと経糸に織ってみる。どうすれば織れるのかからの模索。素のスリットラメ糸なので、ツルツルのツルツルで、腰もなく糸を結ぶことすらも難しいような感じ。束ねて行けば織れるような太さまで持って行けるのだろうけど、強度との絡みでぎりぎりまで細くスリットされたラメというあたりの魅力を生かしたい気持ちもあって、とりあえずそのままでテスト的に数本織ってみようと思ったが、今日のところはなかなか難しく断念。

昔、織るのが難しいと言われた帝人さんのモルフォという糸を織ったことがある思い出がよみがえってきた。今だったらそのモルフォも織るのに解決方法を見出しているけども、当時はそのまま織ってささくれるのとの戦いみたいなあたり。みんなが織るのが難しいという糸というのは織るのがほんとうに難しいことが多いものである。合成繊維のフィラメント糸というのはなかなかの曲者で静電気などもたまりやすく、整経も難しいことが多い。そのために整経も工夫が必要。

今回の糸にしても、シャトルの場合、細いので糸が管に巻けるのかとか、巻けても滑って崩れてこないのかとか、光感フィーラーがちゃんと機能するのかとか、フォークが糸の有無を検知できるのかとか、レピアの場合には多分、レピアが糸をうまくもっていかないだろうからというあたり。麻とは別の世界だけども、そういうのをクリアしていくことを考えるだけなら案外楽しいものであるけども、実際にそれを乗り越えようとすると賽の河原の石積みの世界が待っている。

もうひとつ心配が織れたとして、織れた織物の布の強度の問題、密度を混めたとしてもスリット糸というのは強度が足りないことが多く、手で簡単に裂けるような強度だと、アパレル向けには難しい問題があり、合糸するなどの解決方法も必要となってくる。簡易的に織ってみて、そこからテストをしてみるのが一番良いのかもしれない。
2021年12月01日
昨日のビジネスマッチングのイベントの一番最後のお客さんが滋賀県の県の工業技術センターの繊維関係の後任の方でご挨拶に来てくださった。何十年も担当されてこられた方の次の世代の方。私が繊維の仕事に入った時でも、1970年代ころと比べると小さくなってしまっていた感のある日本の繊維業界がさらに25年ほどたった今から日本の繊維業界のサポート役を担われるのは大変なことだろうと思う。

自分で織物が織れますかみたいなご質問させていただいて、まだ織れませんみたいな状況だと、いろいろと依頼案件を受けるときにも専門分野外みたいなことも多く、総合的な解決方法に結び付かないとかあったりするだろうから、早いうちに織物はつくれるようになったほうがこれから先のことを考えると良いだろうなあと思ったりする。そこで、林与に1週間来たらたぶん織物を自分で作れるようになりますよみたいなこれからの方に期待してご提案をさせていただいた。そういうのをチャンスだと思って飛び込める人というのは経験がどんどんと増えてゆくだろう。立場は逆なんだろうけども次の世代の方を応援したいなあとは常々思っている。

林与に来て織物の経験をしていただくときに、呑み込みの早いひとと呑み込みの遅い人がいるけども、そういうのはそれまでの人生観が大きく影響をしていてい、これは自分の人生じゃないみたいな思いがあるとなかなか作業一つが難しいだろうなあと思う。そういうの割り切って1日でも作業するからにはそれが私の仕事みたいな感覚でやれる人がやはり何をやっても修得も速く、結局、すべてがうまく行くことにつながる。
2021年11月30日
今日は、朝7時に出発で大阪の本町の綿業会館での大阪府とせんば適塾主催のビジネスマッチングイベント。過去に10何回か毎回出席させて頂いていて、今は、大阪で仕事の商談で出てゆく機会もコロナ関係なくコロナ以前からほとんどなくなっているので、大阪で以前から取引のある方や顔見知りの方などに会えるチャンスの一つである。

テキスタイルマルシェで親しくしていただいている皆さんとも実際にお会いできたのは1年以上ぶりだろうか、お話した順番に、丹後の大江さん、東大阪の松尾捺染さん、泉大津の細川さん、テキスタイルマルシェを企画されている尾原さん、東大阪のヨシダさん。近況報告などをさせていただくも、どこも今はコロナで通常のアパレル関係の仕事がなかなか難しい流れでどこも同じ状況だなあ、でも、前向きに強く動いておられるのがやっぱりどんなことを今しているのか話していても面白いし、自分の会社以外の繊維の情報をたくさん知る機会になってそれだけでも大阪まで出て来た甲斐がある。

それ以外にも主催の皆さんからもいろいろと情報をいただいたりして、新しいことに挑戦したり、なぜ滋賀県の会社が大阪府の援助をいただけるのかは大阪府の関西の繊維業界をもりあげようとする意気込みなんだろうけども、立場は違っても、どんどん自分たちの手で現実的ないろんなことをやってみましょうみたいな人たちが集まる場というのはじれったい感がなく林与の方向性ともあっている。手法が自分でやるみたいなところが特に好きで自分でつくって自分で売っていくみたいなスタイルを支援くださっているようなところがありがたい。

出会いのチャンスというのは、自分のいろいろと疑問に思っていることを尋ねることもできる場であったりして、京都のカケンさんには、いろいろとアゾ染料の検査に関しての質問などをしてみた。一時期と違って今はアゾ染料不使用宣言に関してはだいぶ落ち着いてきているということらしいが、自分で染めたり加工したりするときにアゾ基の問題がないのかという問題は意識をしておかないといけないあたり。

染というのはなるべく堅牢に持っていくほうがよいのであって、リネンを生成のまま染めたりすることは染料が皮膚に付いたりする可能性があるから気を付けないといけないのである。とくにアパレル用のリネンは晒してある糸を染めるか、生成りの糸を晒してから染めるということが大事である。生成りのリネンをそのまま反応染料で染めたりするとやはり堅牢度が悪く色が落ちてゆく。最初から色落ちを意図した染料なら長年の実証もあって良いのだけども、晒すということが糸を弱くしたり、コストアップにつながるから生成りを晒さないというような概念を持ち込んでしまうと、色が落ちて生成っぽく変化してゆくようなことにつながる。その染色方法が直接染料とか反応染料とかだったらあんまりよくない結果である。特に肌に触れる洋服の安全性の面で。肌との接触がすくないカーテンとかなら大丈夫だろう。たとえば、生成りをそのまま染めているだろうリトアニアの糸から紡績しているメーカーのカーテンなんかはスカッとじゃなく草木染したようにすべての色がぼんやりと甘い色に染まって製品化されている、草木染じゃなく生成りを染めているからだろう。
2021年11月29日
今日は、朝から倉庫での11月に織った月末納期分の出荷の作業。検反機で最終の検反をしながら長さを計ってラベルを付けてビニール梱包して3反から4反を紙包みする。ひと包が30kgを超えてくるので持つのも一人では難しいくらい。トータルで500kgくらいの出荷作業になるかと思うが、体力を消耗する。奈良、岡山、岐阜の3か所への出荷。

出荷というのは荷造りだけでなく、納品書の記入や送り状の記入なども行わないといけないのだけども、それが案外時間の掛かる作業。奈良と岡山の荷物は夜の9時の便に乗せようと持ち込みしたけども少し遅れて別の便で送ってもらった。もう一つの岐阜行はあきらめモードだったけども夜中2時過ぎに持ち込んで通常のルートではない便に乗せてもらって届けてもらうことに。

この作業が済んで、朝から大阪でのビジネスマッチングイベントに安心して出発できる。この11月末納期のものとは別途に織れないものがあったので、それをなんとか織ろうとして1週間ほど時間使って、11月末納期物が時間ギリギリになり、ここ数日あまり寝ていなかったので、ようやく解放されて肩の荷が下りた感じ。

今日は出荷のためにもうちょっと長めに織るはずだったけど、月末までに済ませておかないといけない消費税納付に関する案件や、12月に整経と織り始める仕事の煮詰まっていない案件の最終調整、金融機関との融資案件の切り替えの話などで、確認事項なども入れると3時間とか使ってしまって、予定していた出荷作業がずれ込んで、焦りの一日だった。
2021年11月25日
仕事をしていて答えを知って仕事をしているのと答えを知らないで仕事をしているのとでは判断が変わってくる。問題が発生したときなどに、判断が変わってくるのも、答えを知っているか知っていないかというあたりだろうと思う。私自身、今まで現場で問題が発生したときにも、他の人が作業をしていた場合に、その問題が発生したときの状況を知らないことが多く、それでもこうやってこうやってこうやったからこうなったんでしょう、という憶測をすることが多い。

そういう憶測をすることは本来は作業している人の問題を指摘することにつながり怖い話なのであるが、避けては通れないところ。仕事の中で、そういう指摘をする人というのは働いている人同士ではほぼありえないことというのが、昔からの現場だったりする。経験者の人にそういう指摘を若いころからしてきたが、問題の解決が大事なのに経験の長い人ほどプライドが勝ってしまって問題の原因が自分の作業にあるときにはその作業を改めようとはしないもので、結果、仕事の本質がいつまでも分からないままでいることが多い。

私がなぜ経験の長い現場の人よりも答えを知っていることが多いかというと経験者のもつ先入観がないからということがあって機械の問題をみるのではなくて作業している人の作業の問題を考えることができるから。普通はがんばって仕事をしている人に駄目出しをすることは仲間同士ではなかなかできないもので指摘した途端に人間関係が崩れるというようなことも多い。

昔、出機さんの方が私に糸の重さの紙に書いた計算式を教えてくれたことがあったのだけども、その方というのは普段その計算式をほとんど活用されていないのと、私がその出機さんに糸を用意する時にはすべてグラム単位で計算をしてロスをみて糸を渡していることを知っておられないから、そういう式があることを私に教えようとされる。最初に仕事を始めた時からまず糸の重さと長さの関係を知ることから始めているので、現場で働いておられる多くの人が一度もやったことのない、糸量の計算を一日に何十回と計算機を叩いてやってきた。経験の長さではなく、答えを知っているのかいないのかが大事だったりする。もちろん、経験者の人のほうが答えを知っておられることもあるけどもそういうのを私は自分の頭のなかで理解して吸収してしまうからすぐに追いついたり、ちょっと違うんじゃないかと感じたりできる。

糸の量の計算というのは、織り巾とか織る織機によっても糸ロスが変わってくる。また、糸の番手によって、同じ式が通用するとは限らず、理論値と現実値が存在してくる。織物の規格によって微調整が必要だったりする。織密度や縦のテンションが異なれば織縮みみたいなものに差が出てくるし、加工方法によって加工での縮み率が変わってくる。糸自体も染ロス、整経ロス、織ロス、の計算。私が必要糸量を計算する時にはそういうところの想像も含めての計算の世界なので、単なる横糸が何キロ必要かという計算ではなかったりする。グラム単位で計算をするけども、実際は1k単位くらいに落とし込んで糸を用意するので、それほど細かい計算が意味のあることでもないのだけども、細かいところまで計算できるということはそれぞれの工程とその工程での糸量のロスなどを分かって仕事していることになる。それが結局、残った少量になった糸をどう使おうかとかするときにも生きてきて、少量の糸で織物のサンプルや作りたいものをつくったりすることができる力につながる。
2021年11月25日
今日は、織機の立ち上げ。立ち上げというのは機の規格変更などが伴うと非常に時間を使ってしまもので、二人して普通だと2日分くらいの立ち上げ作業。他の織機を動かしながらの作業なので余計に精神的な負担は大きい。よく、チーズワインダーで残糸を固めたりするときに、その作業はハンバーガーショップみたいなものだなあと思うことがある。追われながら次から次に糸のなくなった木管をあたらしい糸の残っている木管に交換して固めてゆく。単純な作業なのだけども、それを次々とこなしていけるかどうかで生産性は何倍も違ってくる。

機替えも1台今日行った。テスト用の小幅のL25の生成が終わったので、キッチンクロスに変更。テストはしておることが出来たのだけども、納期などを考えると難しい仕事なのかもしれない。このL25のテストは、林与のダブルラインのキッチンクロス用のテストと、もう一軒別のアパレルさんの企画の仕事のテストも兼ねているので、無理やりいろんなことが詰まっている中で入れ込んだけども、素受け月後とかには意味のある作業になったと思う。織ることが出来なければまた別の糸を探して作業となるのに、今織ることができて問題の改善方法なども見つかって加工方法のテストも兼ねた。加工方法に関しても一つの生機が3通りの別の布に見えるような結果となり、そういう結果には本当に満足。

林与も、ビンテージリネンの加工に関しての考察を重ねてはいるのだけども、その一つの仕上がりがビンテージのリネンのジャケット生地と似ている感じで、なかなかそういうリネンに出会うことが出来ないのでどうやって加工したのだろうという疑問をもっていた。別の加工方法は、柔らかくてシワになりにくいリネン。もう一つの加工方法はナチュラル仕上げっぽい感じ。興味深いことに、風合いだけでなくリネンの生成の色味もそれぞれとなる。

加工のことも久しぶりに短時間で思っていたことを深くやってみれて、長年疑問におもっていたことに答えみたいなものがみえたのはよい、しかも、使っている薬剤はすべてエコなもので人体に及ぶ影響などはよほどのことがないかぎり心配しなくてもよい。風合いというのは、不純物を取り除き、繊維をいかにピュアな状態に持っていくのかが大事な要素なんだろうと思ったりする。

こういう加工の応用で、ヨーロッパの100年前のビンテージライクな風合いのリネン織物の世界とか再現できる可能性はある。設備がないからできないとか、あまり硬く考えすぎないほうが良いのかも思うところもあって、自分のできる範囲でエコな薬剤を使いながらベーシックにやるのがそれが昔の繊維の世界のものづくりだろう。
2021年11月23日
ちょっと風邪気味か、喉が腫れぼったくて風邪のはじめっぽい。これはたぶんむりしなければすぐに直る範囲、葛根湯でも飲んでみよう。今日は、鍋が届いたのでIHで使えるかどうかのテスト。今のIHは家庭用なので3Lほどの水でもかなり沸騰まで時間がかかった30分くらいだろうか。これではちょっと厳しいので、明日には、より強いタイプのIHが届く予定で、たぶんそれだと3分くらいで水が沸騰するのではないかと予測。鍋も料理に使うのではなくて仕事に使う予定で、外で出来ないことを内部で工夫して行う予定。

今日は、軽自動車の車検だと思ってたら、軽バンの車検で、軽バンのほうは荷物が乗ったままで車検に出す準備がまだできていない。前に車検してから2年間ほとんど乗っていないが、母親が乗るということで、まだ廃車するのは早いようである。乗用車をハイエースに変えたので、荷物を運ぶことが出来るようになったので、軽バンも最後の車検になる可能性もあるけども誰か新しい社員が入ってくれたら残しておいて使えるようにするのもよいだろう。

11月30日は繊維の日のイベントで、本町の綿業会館でビジネスマッチングイベント。まだまだコロナ禍なので、あまり積極的な動きはできないけども、何か皆さんにお配りできるものを持って行って家に帰ってから使ってもらおうと考えている。この前織った、生成の小さなL25HDタイプのキッチンクロスがなかなかよさげな感じ。色のテストのために織ったのだけども悪くない。

韓国輸出用にカラーサンプルをEMSで韓国に先週の月曜日に送ったのだけども1週間たってもお客さんのところに届いていない。もはや、EMSもサービスが機能しにくくなってしまっているようである。一つは飛行機があまり飛んでいないことがあるだろう。中国からのEパケットなども届かないケースが増えている。日本中国間も便が減便されていて荷物の量が多すぎるのだろう。コロナ前には普通にできたことが、コロナでいろんなことが難しくなったようである。
2021年11月22日
今日は穏やかな日曜日、経糸を繋ぐ作業で工場で過ごす。何時間も経糸を繋ぐだけに人生の時間を使う。そういうのが出来ないと織物の仕事は難しいと思う。作業自体は単純作業だけども、1本も繋ぎ間違えせずに繋ぐためにドロッパーと整経の畔の上下が正しく繋がれるように注意はしている。頭の中では別のことを考えながら作業、IHコンロを手に入れたのでそのIHコンロを活用して加工のことや染のことなどを考えてみる。

手染めと手織りとは相性が良いだろうと思う。手染めだといろいろな色を生み出しやすいし面白い染も可能。また、合糸して撚りを掛けたりと、余った白い糸や余った染糸をうまく活用できる可能性が高い。

2021年11月20日
軽自動車が車検で気になるのがドアミラーが破損してテープ止めしてあるあたり、車検とは関係ないかもしれないけども、車検してくれる方も車検を通さないといけないときに気の毒なので、それを修理してから車検に出そうと思って、中古でパーツを手に入れて自分でドアミラーの交換。

普段、シャトル織機を修理していると自動車のほうがプラモデルみたいで簡単にパーツ交換が出来たりもして、ソケットレンチのような奥に入り込んだネジを外す工具が一つなかったので、近くの中古工具店にいって、三又のソケットレンチを120円で購入してネジは無事に外れた。手に入れた左ドアミラーと交換してあとはもとに戻すだけ。

試乗がてら、平和堂の100円ショップに行こうとすると中からドアが開かないことが判明した。内側のドアを開閉する動きが正しく伝わっていないんだろうなあと、会社に戻ってから再度中を確認してきっちりとドアの開閉する動きが伝わるようにセットし直すと直った。ドアミラーの交換というのも調整がほとんどなくて、それほど難しくないことなのだけども、母親が口を挟むと毒のようなことばかり、自動車屋さんに直してもらいなさい見たいなことをやっているのにいう。母親というのはお金払って解決してきたタイプの人なので、普段、自分が物事を解決してお金をもらう側の立場の行動をりかいしていない。扱うものは違っても基本的な作業は同じだったりする。

リースしているコピー機なんかもメーカーの保守から外れて、自分で中古のパーツを見つけて交換して修理してしまえば簡単ではないんかとおもうのだけども、そうするとリース物件なのでやっかいだったり、リース物件が新品のパーツがなくなり保守できなくなったときには、それ以上の修理は難しいことになる。知り合いの業者の方を通じているので、その方はいくらでも引き上げて来た中古のはあるけども、最初と最後の出し入れにお金が掛かってしまうので、問題があったときには交換とかする話になるとそういうのが高くついてしまうとか、親身な対応。

企業というものは、7年ほどでいろんなものを更新して常に新しいような状態で回っているのが一つの理想的なスタイルだろうけども、織物のような製造業では、その考えだともう織物が衰退する一方の日本では難しいだろうなあと。どうやって違いを生み出して行くのかは自己解決的な要素を増やして行くことだろうと思う。普通よりも器用になって普通の人だと無理なことを普通にやっていくみたいなあたり。人に頼むのと自分でやるのとでは、やはり自分でやるほうが、いろんなことが見えてくることも多い。

自分でやっていない人というのはやらせないタイプの人が多く、他の人にやってもらうことを仕事としている人が多く普通で、一からものごとをたちあげるとかやろうとするときに、いろんな綺麗な部分に当てはまらないとか問題発生などのようそを解決する人がやはり必要で、そこらあたりをどう解決して成り立たせてゆくかが本当の仕事の大変な部分だろうと思う。だれかが成り立たせてくれると思っている人が多いけども、物事というのはやってる人たちが成り立たせていくだけのことだろうと思う。
2021年11月16日
白黒の複合機が15年選手位になっただろうか、メンテナンスも保守部品がないということでとうとう引退にご苦労様でした。今は、文章や画像もメールでのやり取りが多くなり、ファックスで画像を送るようなことも減ってしまって将来的にはファックスというのは消えて行く運命にあるのだろう。スマフォがあればファックスの代りにもなるみたいな流れ。

最後の処分なども自分でするのもメーカー指定の処理業者に送ればよいだけということで思ったよりは難しくない作業。壊れていても構わないということで、上下二つに分けて返却。今は、電化製品も業務用は処分が難しかったりしてその点は簡単にすみありがたい。登録電話番号のデータなども消してから送ろうとは思うけども、メーカーのリース会社指定の処分業者だとそういう点は情報が漏れることもないだろう。処分する時にはそういうの本当に大事である。

電話機も調子が悪いのでこの年末には交換をする予定、30年以上使ったビジネスフォン。おじいさんの古時計じゃないけども、30年くらいはすぐに経ってしまう。本当の昔の電話機だと30年くらいでは壊れないだろうけど、多機能な電話機ほど壊れやすいもので、たぶん、コンデンサーの影響もあるのかもしれない。子供のころに音のなっていた昔のナショナルのラジオは何年放っておいても、今も現役で音が鳴るのに、今の電化製品はメーカーの延長保証5年を付けておかないと、1年2年で壊れて修理で、修理代が定価ほどかかり購入価格よりも高いみたいな話もありがち。

メーカーの人も修理が難しいから、結局、内部を全部取り換えるみたいな修理方法しかないのだろう。スマートフォンなんて、ドコモの安心サービスに入っていても、同じ機種が3年くらいでもう手に入らないから別の下のグレードの機種にしてとかの話で、慣れた同じ機種を手に入れるためには、中古で同じ機種を手に入れたほうが良い話。



2021年11月16日
仕事をしていて初めのひとほどいうことを聞いて仕事ができるのだけども、経験者ほど言われたことと違うことをやってしまうという問題があって、後でやるとかそういうのが多くなってくる。社会経験の少ない田舎の人の典型なのだけども、織物の問題などあっても、その場で対応せずに後でやるからといって、問題が自分で見えていないだけでなくそういうのにも対応できないタイプの人が現場には多かったりして、仕事としてはなかなか難しい人が多いのが田舎の実情だろうとは思う。

本来は分業の中でもしっかりと分業を成り立たせないといけないのだけども、そういう人たちが集まってしまうと、他の人に要求をするばかりになってどんどんと仕事がだらしなくなる。そして一番当たり前の正しく仕事をするも何十年の経験者が無理になったりして、その最たるものが先代だったりしたがだれもそれに気が付かづに大口をたたいているのでそういう人に頼ってしまう。その次が母親でそういう先代からお前はだまっていろといわれて仕事もせずに仕事を面倒がっての一生で、田舎にありがちの逆らい癖ばかりのおばちゃんの典型で、1日のアルバイトのようにも働けないような、まともなことが難しい田舎のおっちゃんおばちゃんの典型で、逆に指図ばかり。

あるイベントでトヨタで世界中を飛び回って現場を担ってた人が、5分ほどやっていることを見て、いろいろとできるひとがなぜ織物みたいなことをやっているのかが不思議だといわれるのも分かる話で、普通の話が通用せずに、だらしない話が多いのが田舎のおっちゃんおばちゃんの世界で、そういうのを立て直そうとすると普通の人の5人くらいの力がないと面倒も見ることは難しい。弟や妹は私があまりにあきれてそういう世界からは逃がしたけども、外の世界をしらない人たちというのは怖いくらいであったりして、地道にそういう人たちの準備や後片付けまで支えている人間にマウントしてくる人が多いのが壊滅的だろう。

織物なんて何十時間とか何百時間もかかって出来上がるものだけども、一つの仕事を面倒がる人が集まるとすべてが台無しになる。末端の仕事をなんで私がしないといけないのみたいな経験者をよく見かけるが、そうなったらその人は一番仕事が難しい人だと思う。先代も一番仕事ができない人になってしまっていて、結局そういう人が上に立つと仕事の本質、働くがみえなくなって、なにをやっても仕事を成り立たせるが難しいになってしまう。勘違いしてしまうと自分が働くのがおかしいみたいな、ワシがやるのか?みたいな世界があって、仕事で経験者なら年を取っていてもせめて仕事する気持ちくらいはもっていないと、そのあたりが一番成り立たない話になる。

偉そうそうに金をうごかしていたら働いているとおもってるからどうしようもない。ゼロやマイナスからでも成り立たせるようなまったく逆の発想がないと落ちた経営というものを逆に戻すのは無理な話で、戦争ですべて失ってそこから成り立たせた与一爺さんが、先代に厳しく行っていたのが、借金してまで仕事するなだけど、先代は6億の借金作ってどうしようもないのだが、借金自慢とかで、それを立て直すにはそういうのに甘えていた他の人たちを逃げさせて、立ち直らせるために働く覚悟と力が必要。けど、田舎商売の末路ってだいたいが驕った先代っぽい感じでというのを多く見ているだけに、大塚家具だと久美子さんっぽいのが先代だったりして、引き継いだものをどんどんと惰性でやって溶かして、わっはっはあで、大きな負債まで作ってしまうのが田舎商売にありがちな話。

私の手本となるのは真面目に働いて仕事を教えてくれた方々で、自分の親が一番仕事が駄目なタイプというのも厳しすぎる話で、そういう何億もの問題の話をを片付けて成り立たせてゆくのが私の仕事の一部で、普通に地道に仕事すればそれすらも無理ではない話だろうとは思う。大手企業が厳しいといっても、私も大手企業の製造現場で働いたこともあるけども、林与の先代経営も駄目でできなくて当たり前な仕事感覚でそれを穴埋めするのが大変なことばかりな状況。外の世界がみえないと、自分が作ったら売れると勘違いしてしまってたら怖い話で、ファッションの世界では、ブームでたまたま売れているものをいつまでも売れると思って、せっかくブームの終わりに使い切っても、もう一度、最後大量に材料を購入して抱えてしまうとか。

30年ほど昔のバブルの終わりかけのころに、三井物産の部長がこれからはインターネットが広がり土地や建物が必要なくなり始めると就職活動の学生相手に話。当時は私はインターネットもしらなかったが、土地バブルが崩壊し始めたときに、すべての価値観が変わってゆくというのを見極めることは必要で、今に浮かれるのではなくて、常に変化に敏感で順応してゆく能力をもっていないと、同じ仕事という土俵では、経験の長さなんて意味のないことで有ったりもする。根本的な価値観が変われないと難しい時があって、田舎というのはどうしても後追いでついていっているというような構造になりがちで、田舎でやるなら田舎の価値観をしっかりと持って地道にやればよいとおもうのだけども、私はそれが本当に大事だと思う。流行や流行りについていけないなら、地道に物事を成し遂げてゆくというようなぶれない精神が大事で、それも一つの大きな失敗をしない一つの手段だと思う。

地の利というものを享受しにくい田舎では人の地道な力というものが本当に大事だと思うのだけども、そういうのを失って世間になびいてしまうと、田舎で生きてゆくのは、政治や行政に頼る様な本来は成り立ちにくい構造を生みいびつな構造につながりやすい話だと思う。現状打破的にもっと地道にやっていこうみたいな外の世界では当たり前なことをいったりすると、それを嫌うのが変化したくない人たちで、経験の長い人たちがそんな難しいことをいうなよ、どうでもよいのよ、で成り立っている社会というもの外の世界の厳しさもなくどうしようもないのを感じる。次の世代に強いるよりも、自分たち世代がしっかりと覚悟も決めて一つ一つの問題を解決してゆかないと、問題の後送りとか我の世界の無理を押し付けてばかりでは次の世代は困る話。
2021年11月13日
仕事していると体も使うし頭も使う。体を使うのは、シャトルの横糸がなくなれば交換作業、これが2台3台動かしていると、太い糸だと2分毎くらいに作業。糸を巻いて糸を掃除。織れている布が問題がないかを見て回るとか、問題が起こったときにいろいろしてみるとか。

昨日は女の子がシャトルの木管の管を裸にする機械の調子が悪いようで、自分で修理しようと動いてた感じで直すのが難しかったようで、仕事終わりに見てほしいということで見てみる。モーターに掛かっているVベルトが緩いのでモーターをVベルトが張るように少し移動して、あとは、回転している糸を巻き取っている木枠の動きが重いようで、その両側の支えている軸のところに油を注してみる。

全体のバランスが整ったようで、力づよく動き出したが、力強く動きすぎるのももし、無理な負荷が掛かったときにモーターの回転が逃げられないといけないから、モーターの位置を少しVベルトが緩むくらいに戻しておく。

今日は、先染めの糸量などの計算で、糸量を計算するためには縦横につかわれている糸の本数をすべて計算しないといけないのだが、これがなかなか時間の掛かる作業。以前のリピートの仕事も含まれているのだけども、その時の仕事は当時の働いていた人の書いた記録を確認しながらなのだが、微妙に残っている当時のサンプルと本数が違ったりして、すべての本数を数え直す作業。

単純に、理論上の重さを計算しても駄目で、原糸での4%のロスとか、染の時のロスやチーズアップの時のロス、整経のときのロス、織るときの前後のロス、経糸が織れて縮むロス、織キズのロス、加工のロスなどを加味すると、難度の高い多色の先染めだと4割程度余分に染めることになる。織ってみないと厳密な縮み律やキズのロスなんて分からないし、途中で糸を巻き損ねるだけでも2割とかの余分では足りなくなる可能性は高い。多色の場合、1色の糸が足りなくなると他の糸が使われずに残ることになり、大きなロスが生まれる。

私は指図書なんかも最初から書けるので指図書を理解するなどは容易なことなのだけども、現場の人というのは指図書を理解できないことのほうが多いもので、そういう人が仕事をするときには間違いも起こりやすい。職人的な仕事というのは用意された材料を指図なしに慣れで仕事するみたいなところがあって、普段と違うやり方などが含まれたりすると、もうそれだけでやってみれば簡単なのだけどやるまえから説明を聞いただけで、できないとなることも多い。
2021年11月12日
昨日の仕事の終わり掛け、発送が終わって車の中で少しくつろいでいると、ふと、建物の壁際を丸々と太った大きな狸が歩いている。その数秒後あと、奥さん狸だろうか、これも立派に少し前の狸よりは若干小さいけどもおおきな狸が歩いている。その後に子供の狸が登場するのかと期待していたけどもそれはなかった。

子供のころなんてキツネや狸なんて家の周りで見ることはほとんどなかったが、逆に、今の方がキツネやタヌキが家の周りにいたりする。食べ物がないから食べ物を探しているんだろう。田舎でも狸が食べるような食べ物はもうあまりない。見かけるとキツネやタヌキの存在が自然に思えて、ほほえましく思うけども、逆に自然がないから人間の世界で食べ物を探しているような感じだろう。

そういえば、数年前までお寺にキツネが住んでいたけども、ここ2年ほどはみかけることもない。人を見ると犬のように吠えていた。親からはぐれ犬に育てられたのだろうかと思う。本来は自然の中で食べ物をみつけることのできる動物たちが居場所をなくして、人間界に出没して迷惑な存在に扱われる。森や茂みのような場所を動物のために残しておくべきなのだろうけども、そういう場所はどんどんと消えて行き整備される流れ。

2021年11月12日
10年ほど前まである特殊な染の織物を手掛けていたけども、その特殊な染というのが色のばらつきが激しくてそれをコントロールする必要があったこともあり、染工場もその染を廃版にしてしまわれた。そういう商品を手掛けるときには、失敗しないように1.5倍ほどの糸の投入を行って本生産に備えるのだけども色味のコントロールなども難しいのである。

輸出向けだったので数千メートルの話になったけども色ムラのコントロールだけでなく、色の濃度調整なども必要だったりして、サンプル時の色を再現するために、染工場に出向いて私自身が色の再現ができないのを解決するために作業を指図して濃度を上げる。結論としてはサンプルの時とは染料の付き方は違うので濃度を調整したりして近い色味に持ってゆく。濃淡のばらつきは激しくなる。そういうのは本当に怖いのだけども、限られた時間の中で、手段がないときに、どう織で解決できるかと掛け合わせると、全体的な色味をサンプル時に近く持っていける。

問題も多いけどもそういう織物というのは、作るのは難しいので出来上がったものというのは面白くていい感じである。結局、余った糸なども、上手に縦横使って使い切ったりして、余分に糸を作った分のロス分は自社で生地を国内向けに販売して吸収する形。そういうのができてやっと全体の企画として成り立つ話で、輸出企画だけでは数千メートルの話でも、余分に糸を投入するなどマイナス部分が大きすぎて普通だと成り立たない企画。

今も、草木染で有名だった染色工場さんが染色業からは撤退される話があって、そういうのは本当に残念な話で会社経営が難しいような大変な状況なので仕方ないことなのだけどども。同時にそういう糸を使われていた企業さんでは力をいれてやっていた一つのシリーズが丸ごと消えてしまう話になる。興味深く前向きに新し染のこともやっておられただけに、ただ、弊社がバタバタすぎてコラボできなかったこともあって、コラボが実現していなかったこともあって、弊社自身は商品シリーズが駄目になってしまったということはないのだけども。特殊な染などは、継続性の面なども含めて、十分に技術的なことやコスト的なものも含めて形にしてゆくべきだと思う。よくありがちな全部本生産で駄目になってしまう大きな問題を被れる人があればよいけども後から直すことは最初から作るよりも難しい話で、そういうのを分かっていないと素材というのは怖い話。

2021年11月11日
今、一台、手織りの機を改造中。竹筬からステンレス筬に変更して、ちょうどよい目の筬を新しく作ってまあうまく取り付けられて、あと、飾り(ヘルド)の本数を増やさないといけないなあと思う。飾り(ヘルド)も特殊で、天地がすごく短いので、天地25cmのヘルドが余っているので、そちらを短く加工する予定。そこまでできれば、あとは整経すればよいだけになる。

手織りの機を何台か持ってはいるものの、改造をしたほうが汎用品を使えるので使いやすくなるケースが多い。33cmのヘルドが使えると普段仕事で使っている部品が流用できるので機を作ったりするのに一番良いのだけどもとは思っている。縦本数の違うものをいろいろと織ったりするときに普段の仕事のように融通が利くと良いなあと思う。

今、改造しているのは卓上の手織り織機なのだけども、分解してみるといろいろと補強を重ねた感じの箇所がちらほら見えて、前に持っておられた方もいろいろと苦戦しながら使っておられたのかなあと。いろんなタイプの手織り織機に触れてみるとそれぞれの手織り織機の工夫が見て取れる。私自身はリジッドタイプの織機はあまり好きじゃないのが、筬が細かく調整しにくいから。糸番手に応じた目の細かさや、さらには、もうちょっと混んだかんじとか薄い感じとかがレジッドルームでは、横糸を混ませて密度を上げるのが普通なのだろうけど、そのあたりが、普段の仕事の感覚と違って。
2021年11月08日
今日は使ったことはある銘柄の糸だけども、その番手を使うのは初めての糸。糸質を整経しながら確かめる。結局、糸の良しあしというのは使う人が使ってみてどんな感じかということ。あと、生地になったあと、数年置いてみてその風合いがどんな感じに思えるかとか。加工から上がったばかりのリネンというのは、ちょっとペラペラしていることも多くて、あまりいい感じに思えないことが多い。今日も5年ほど前に作ったリネン。あの時は特別な生地には思わなかったけども、今見るとか倉庫で寝かせていたこともあるからか、かなりいい感じである。

スタッフの女の子と仕事が終わってから生地を探していて倉庫で、昔のリネンの2/1の綾織を見つけた。それが昔のリネンらしく光沢感のある仕上げで、40番手の糸も昔の糸らしくピュアなふっくら感もある。昔はそれが普通のリネンだったが今はそういうリネンをつくることは難しい。技法から違うあたりがあるけども、今はそういうことをやるのは失敗するリスクも高くなるので本当に珍しいケースということになる。失われた技法のようなものが麻の業界にはいくつかあって、昔のようなリネン糸の味を取り戻すことは難しいのである。
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