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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
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2009年06月15日
今日は、朝一番で、染工場に30kgくらいのリネンの糸の箱を4ケースを持っていきました。私の会社は染工程はそのほとんどを地元の染工場に依頼しています。箱の中の糸は、プラスチックのコーンというものに巻かれています。その状態から染め上げるまでが、染工場の仕事です。

リネンの細番手の糸は、普通の会社は横糸にしか使わないので、糊を付ける必要がないのでチーズ染で染めるケースが多いようです。が、私の会社では、リネンの糸は、通常で縦用1回糊というのを付けて、時には、2度糊という糊を付けて、縦にも横にも使えることを前提にしています。そのため、チーズ染ではなく、糊を付けることができるカセ染という方法で染めています。カセ染はコストが掛かるのですが、チーズ染色でありがちな染めの内外差というのがほとんどありません。(厳密にはカセ染めでも内外差や染ムラは存在しますので、常に染め上がり後、チェックしています。)

糸を車から降ろして、染色工場の事務所に立ち寄ると社長さんが居られましたので、草木染についてお尋ねしました。オーガニックリネンを今、オフ白と生成で織っているのですが、染のバリエーションを展開したいなあと思っているからです。

社長さんいわく、オーガニックコットンなどの染めには反応染料なども使われるとのことで、オーガニックコットンだからといって草木染100%ではなく、百貨店に置くためには耐光堅牢度が要求されるため、100%草木染のものはできないことはないが、趣味の世界とか和装などの世界になるとのこと。

「林与」がやるからには、せっかくのオーガニックリネン糸なんだから、草木染100%で染めたいなあと思いました。ほかにも、糊を付けると糊はオーガニックなのものでも、すべりを良くするために油剤を使用するからオーガニックではないなど勉強させてもらいました。油剤抜きで草木染で染色した細番手のリネンを織る方法を考えてみたいと思っています。

今日の画像は、「林与」の茶色のリネントップ染生地の上で、先日おじゃましたかばん工場でお土産にいただいた皮ヒモを撮影したものです。
2009年06月14日
「林与」には、レピア織機とシャトル織機があります。本業のコレクションブランド、百貨店ブランド向けに量産する素材は、織段になりにくい生産性の高いレピア織機で織ります。一方、シャトル織機では、手間暇掛けて丁寧に織ることで語れる布を織っています。シャトル織機で、切れやすいリネンの細番手の服地を織るときには一時間に2Mくらいしか織れません。織機一台をフルに動かして、ようやく一日10Mから15Mほど。材料の違いだけでなく、通常に流通しているリネンの何倍もの手間、技術、時間を布に注ぎ込んでいます。

「林与」は、世界で流通しているリネンの単糸では一番太いくらいの麻番の5番手クラスから、世界中探しても購入することのできない弊社デッドストックのビンテージアイリッシュリネンの150番手クラスの超細番手まで織ることができる日本の麻業界ではもちろん、世界的に見てたリネン業界の中でも希少な存在です。

昨年、杼替(ヒガエ)の出来るシャトル織機がどうしてもほしくって、機械屋さんに探してほしいと頼んだら、40年この織機を守ってこられた方が、弊社にすべての織機を譲ってくださることになり、弊社にあったW幅のレピア織機を廃棄して設置しました。シャトル織機のメンテナンスは大変で、部品も入手が困難で、技術力がないと動かせない織機ですが、それだけに語れる布を織ることができるのは幸せです。

服地の幅まで織れるので、シャトル織のチェック柄などのリネンのワンピース素材などもこの織機が活躍しています。画像のほうご覧いただくと昭和レトロな織機だということがお分かりいただけるかと思います。
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