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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
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2012年07月27日
暑い毎日が続いています。夏らしい暑さで、夜7時回っても32度とか。蝉の声も聞こえてきました。毎日、半そでシャツと短パンで仕事をして、冬になれば暑さというのも懐かしくなるものだと思うもの。暑さから逃げようと思えば逃げられるけども、暑さと面倒くささとかは似ていて、どちらも我慢して乗り越えるのが普通でないと、暑いとか面倒とかで単純な仕事ができないのではメンタリティの面でよいものをつくるのは無理。

熱いときにどう集中を高めるのかがひとつの大きなポイントで、2L、3Lとかの冷たい水やお茶を呑むことで体をリフレッシュ、周りからは異常に思えるかもしれませんが,、あとは体の作用でクールダウンです。

頭で分かっているのと自分がそれをいつでも仕事に活用できるのとは別物で、いくら物事が分かっていてもそれを生み出す力がなければ意味がないのが、仕事を始めるスタートライン。自分が経験がないことや出来ないことを主張するのは仕事としてやっているのにどうしようもない話で最初からのその感覚では無理でミスマッチな気がします。

これは働いている人に言えることだけでなく、経営者自身にもいえることで経営者のメンタリティのレベルがいまどきの学生未満のメンタリティでは職人を育てることもできずどうしようもないなあと感じる現場に遭遇することは多いもの。一般論を理想にしていては、規模の大きい海外の企業にどんどんと越されていってしまうのも分かる気がします。

パリの展示会などでお話した他のブースの中国のリネン生地関連企業6社さんの姿勢というものが、どのブースの方も、仕事に関して非常に熱心で紳士的な対応で、すでに日本の仕事に興味のない職人レベルを超えてしまい始めているのは危惧をするところで、日本離れが進むのも仕方がないなあと感じます。
2012年07月26日
今日は、本当に暑い一日でしたが、私は幸せに水を触っていました。涼しい感じの布が出来ないかといろいろと生地を染めたり風合い出しをしたりと試行錯誤ですが、太陽が照っているときに水を触るのは気持ちが良いもので仕事しているのを忘れます。

水というのは、水分補給をするだけでなく、飲むと体の温度を下げることで不快な気持ちも落ち着きます。一日中外に立っている木なんかも暑いだろうなあと思いますが、地面から水分を吸い上げて生き生きとしているのが夏です。逆に過ごしやすいはずの秋に枯れてしまうのは水の循環こそが緑の源なんだと思います。

麻の藍染の作品が2つ出来ました。ひとつはムラっぽく染めてみて、もうひとつは出来るだけ濃く涼しげな感じを出したかったのでディープな紺、両方とも見ていて涼しげなので良いんじゃあないでしょうか。ワンピースなどに仕上げてもらうと素敵だろうなあと思います。

もう一方の風合い出しのほうはうまくいかずに失敗でやり直し。求めている風合いとは違うので、理想の風合いを求め続けてみたいです。
2012年07月25日
昨日は、前に染めのテストをしてからうまく行かずあきらめかけていたのですが今日はもう一回テストをやってみようという気持ちになってうまく濃く染まって問題解決です。今までの何倍もの濃さで染まるようになりました。

布に柄を印刷することに関しても、昨日はなんとなく出来る気がして思い切ってやってみたところ、きれいにプリントできる方法が見つかりました。テストプリントくらいならこの方法で出来き、柄の応用の範囲が広がりそうです。

麻布の表情を求めるプロジェクトの技術的な壁も、なぜか昨日くらいに頭の中で解決がしました。これは加工に関する問題で、不透明なところが多かったのですが解決をしていきそうです。どの問題も1年以上前からどうやったら出来るのだろうかと考えていたことばかりだったのですが解決方法が同時期に見つかったというのは面白いことです。

今日は、150番手の糊付に出しました。糊を付けも昨年の経験が生きています。今年はアパレル向けに150番手の先染ということで、薄く織るのではなく、通常の方法でアイリッシュリネンハンカチの規格くらいにしっかり目に織ってみようと思っています。素敵だなあとか欲しいなあと思う布を作りたいと思います。

これがうまくいくならリネン150番手の先染ハンカチもかなり手ごろに使ってもらえる世界のものになりそうですが、現行の糸で150番手にふさわしい質感が出るかどうかも評価のポイントではないでしょうか。
2012年07月24日
林与のリネン100番手ストールをお買い上げいただいた方には、リネン66番手と100番手との違いを感じていただけるものと思います。糸番手にすると、この1.5倍の差こそが麻業界でもなかなか超えることのできない世界だったのです。

細番手の糸というのは、手に入れるのが難しいだけでなく、当たり外れが大きく、織れない糸に当たると、それが仕事として進まないだけではなく、すべての時間がその仕事のために取られてしまいますので、ある程度努力して無理なら一からやり直すことになります。そしてそれをやり直したからといって同じことにならない保証すらないのです。

2000年くらいからリネンの糸を探しても良い糸が手に入らなくなりました。先染というのは、柄によっては糸一本がはっきりと見えてきますので、毛羽など糸の形状の問題などベストな糸を手に入れてもクレームなどが多く、糸商さんもその問題を把握されていなかったりで改善するすべもない。そんな中、林与のアイリッシュリネンの糸を探すプロジェクトは始まっています。

紡績関連の方の話を聞いていても、また、北アイルランドの語り部プロジェクトのいきさつからしても、1970年代くらいでアイリッシュリネン紡績というのは終焉を迎えてしまっていたということのようです。オイルショック後に糸がまったく売れなくなった時代に、日本が好景気でそういう名残の糸を買って使い尽くした感すらあります。

アイリッシュリネンの糸が売れなくなった背景には、ポンドショックや合成繊維の台頭のほかに、レピア織機の隆盛があったと思います。高速回転のレピア織機が導入され、織物の精度が高まり、生産性が追及されるようになって、細い糸というのは、織るのも難しいものとなってしまって消えていく運命になったと思うのです。ウォーターレッティングからデゥーレッティングへの移行もアイリッシュリネンがアイリッシュリネンとしてのゴールドな色味を保てなくなってしまい、北アイルランドの紡績工場が紡績を断念せざる終えなくなった大きな理由のひとつではなかったかと思います。

日本でも昭和の中ごろは働く9割の人が繊維産業に携わっているといわれた時代がありましたが、どんどんとその割合は小さくなり、今では繊維製品の9割以上が海外から輸入されその流れは変わらないと思います。多品種小ロット、ニッチェなものづくりが日本企業の生き残る道だといわれますが、それはいうのは簡単で理想ではありますが現実の商売がそれで長持ちするのかというと産業全体としては疲弊して残るところはどんどんと少なくなっていきます。
2012年07月23日
今日は、インターテキスタイル上海の会期中に会場内で行われますチャイナインターナショナルファブリックスデザインコンテストに提出する生地を準備しました。生地サイズが60cmサイズが2枚必要ということで提出する側としてもちょっと生地が大きすぎ覚悟のいるコンテストです。

今の「林与」らしいものづくりのスタイルの素材をピックアップしました。コンテスト向けには地味すぎるかもしれませんが、インターナショナルコンテストということで日本らしいものづくりを象徴するような側面を印象付けることができればと思います。

生地を提出するというのが生地をカットして送るだけで済まないのは、海外向けですのでインボイスなどの作成が必要なこと、プロフォーマインボイスをつくりましたが、今回の場合はコンテスト向けですので無償のサンプルとしての扱いでよいのかどうかも判断が難しいところで、世の中それほど親切に教えてくれ責任をもってくれる人は居てくれません。自分で前に進めて結果を見るしかないことも多いものです。

このことは仕事ができる出来ないと似ています。自分で仕事が出来る人というのはあやふやな部分を自分の判断で前に進めてそれが仕事として実際の成果になっていることです。目の前にあるひとつのことを自分がやらないとほかの人がそれをやってしまうと自分が仕事を経験するチャンスを逃してしまうだけでなく。最初の一回で苦手意識がつくその物事は次にやるときも苦手、全体的に何をやるにも苦手な人間になってしまいます。
2012年07月22日
雨上がりの私にとっては涼しげな1日、過ごしやすい夏の日です。日曜日で仕事していてもったいない気がして夕方出荷が終わってから琵琶湖を眺めに行きました。海水浴シーズンになりまして、海水浴場も混雑しているだろうから愛知川の河口近辺の寂れた漁港を散策しました。

琵琶湖までくると水というのはきれいではないので、海水浴をするのは普通は川の途中ですることが多いものです。永源寺とかまで上るときれいな冷たい水を体験ができたことを思い出します。琵琶湖の水がきれいではないのは本当に残念なことですが、子供のころから水が濁っていたのを覚えており琵琶湖の水というのは昔からそんなもので、それゆえに、濁った水を好むような生物が生息しているものです。
2012年07月21日
自動車で、走っていると赤苧が道にはみ出してきているところがたくさんあります。自生している植物の強さを感じます。私自身は、献上されるような細い近江上布の特徴である繊細な生地というのは、大麻や青苧ではなく、赤苧で作られていたのだろうと結論付けています。

これは、他の産地でも赤苧に関しての織物についてあまり報告がなされていないのが裏付けになるのではないかと思っております。近江では赤苧が特徴のあるものとして織られていたのです。林与の赤苧大絣が品評会で一等賞を得ていることからしても赤苧というのは、特級のものであったという証ではなかろうかと思います。

植物というのは、動物と比較すると存在感が少なく、軽く扱われてしまいがちですが
動物以上に長い命を持つものも多く、神社の桜にしても、子供のころから何十年もそのままの姿であり続けています。雑草として生える赤苧にしても、それはそれで何百年を超える自然が残っているということで、単なる藪や茂みに見える部分も自然として残していくことも大事だろうと思います。
2012年07月20日
今朝は、繊維ニュースをご覧になられた東京の方からお電話をいただいて、まだ、見ていなかったので確認しましたところ、JETROさんのインテキ上海の説明会の記事と同じページに、林与の記事も載っていました。

今年のインテキ上海に向けては、リネン150番手の先染生地、近江上布プリント和柄シリーズ、藍染や草木染などのシリーズも検討をしていきたいと思っております。リネンで150番手を先染で織るというのは簡単なことではないのですが、ビンテージアイリッシュリネン140番手を先染で織る取り組みを行った成果を現行の糸にアプライいたします。

ビンテージアイリッシュリネンの風合いというものは、同じ細さであったとしてもまったく違う世界を感じさせますので、単に糸の細さの問題ではないのです。現行の150番手も手に入れることすら難しいのですが、その糸でどこまでアイリッシュリネンの風合いに迫ることが出来るのかが課題です。

近江湖東の産地でも、もう麻を織っているところはないといわれながらも、林与が麻を織り続けたことが結局、産地に麻織物を残し続けることにつながる。売れるものだけを作ろうとすると海外でもできる普通なバルクの世界、やっているからには日本の麻の味をしっかりと守り続けたり、特別なものづくりに挑戦したりするところに意味があるような気がします。

お客さん以外にもいろいろなテキスタイルメーカーさんもが林与のものづくりに興味を示してくださることがあります。もちろん普通のものづくりもしますが、他の同業の方が見られても特別に見える織物を形にしているところが存在している意味なのかもしれないと感じるところです。
2012年07月19日
昨日はインターテキスタイル上海の出展者説明会が大阪でありました。大阪に着いたのがぎりぎり、会場探しに迷ってしまい少し遅刻で会場入り、運営の皆さんというのは存じ上げている方が多かったのですが、出展者の皆さんというのは会社のお名前は知っていても初めてお会いする皆さんがほとんどでした。トレンドコーナーに出す素材のカラーディクテーションなどがあって、頭の中ではどの素材を提出するか。トレンドの色とかを学ぶでなく、自分の作ったものや作ろうとするイメージにどこまでそれが近いのかが大事というところ。

夕方からは、繊維ニュースさんのインターテキスタイルに向けての取材で、ダイセン本社に出向いての取材でした。夜は、JR大阪駅サウスタワーで、西脇の機元さんで働いておられるデザイナーさんと夕食、もう1年以上ぶりになりますが彼が学生のときにコラボさせていたたいたことがあって、社会人になられて自分の理想の道に就かれてよかったなあと私も思います。

大阪は気温だけをみていると滋賀県よりも暑いと思っていたけど、どこを歩いていてもアーケードの下を歩いているようなコントロールされた風が吹いていてすごしやすい。大阪駅も改装されて洗練されたイメージが漂う、以前はリクルート姿が目立つのが大阪のイメージだったのに、今は、歩いている人のファッションも華やかに思える。電車で帰ってきて疲れていて駐車場で休憩、昨日は大阪に出て一日仕事ができていないので今日は仕事を取り戻そう。

今日は、側溝の水のたまりにドジョウがいた。私の地域では絶滅したかと思っていたけどもどこかにいたのか、どこからかやってきたのか。しかし、今年は蝉の声がまだ家の周辺では聞くことができない。これだけ田んぼに囲まれている農村でも、虫すらもが珍しいというのは砂漠化が相当進んでいるということだろう。
2012年07月18日
暑い中、スワッチの準備など夜中まで作業が続く、暑さには慣れないといけないなあと思うのが、あるお菓子やさんのお店で一日中警備服を着ながら駐車場でお客さんの車の誘導をしているおじいさんの姿を思い出すとき。実は、業種が違ってもその駐車場の留守番をしている方も職人と同じ以上の忍耐を持っている。

職人というのは体が道具になっていないとならない、そこから生まれてくるものこそが素人の作るものとは違う域の完成度を持つ、職人の作るものというのは揺らぎが少なく甘さがないものだ。

先日メールで受け取った日本の昔の織物もものづくり職人の技が生きていて、布というキャンバスに絵を描くアーティスト以上に神経を注ぎ、何百年後にも感動を与える布を生み出している。技法に甘んじることなく、とことん、人の力を注いでいるので、人の力が感じられるところにその当時の人の生活の厳しさすらもが感じられ、その中から生まれてくるもののすばらしさなのである。

なぜ、食べる物もない時代にほど良い織物が生まれてくるのかは、織物というのは農業の裏側ということを物語っているといえる。食の文化というのは進化し続けていても、衣の文化というのは昔を越えることができないのはなぜなのだろうか。食と住の文化に衣の文化が置き換えられてしまっている部分を感じる。

寒いときに着物をもう一枚着て火鉢に当たることで暖をとるのではなく、暖かいものをお腹いっぱい食べて部屋を暖かくして、人は自然の中で生活する動物のように季節の厳しさを感じることなく、歳月を重ねるようになってしまった。自然が破壊されてしまうのも自然の厳しさと向かい合うことがなくなってしまったことが一番の要因だろうと思う。

暑いときには暑中稽古、寒いときには寒中稽古、暑さ寒さから逃げるのではなく、暑さ寒さと向かい合うような部分が日本の仕事にも昔はあったのだろうが、今の時代、プロのものづくりが学生のものづくりを越えられなくなりつつあるのも、怖いといえば怖いこと。スポーツに励む小学生よりも普通でいてよいものが出来るような甘い感覚のものづくりというのは、ものづくりのスタイルすらもが昔とは違う。寒い冬に手を悴ませながら織り上げるのが本来の麻織物、そこには、自分の苦労が苦労すれば子供たちが食べることができるというような親の思いすらもが詰まっていたはず、今の時代の織物にはそれがないところが一番弱いところ。

今の時代は、暑い日中にも仕事をエアコンの効いた部屋でする。夏は、涼しい朝に仕事をするもいいじゃないかと、それが先人の知恵。自分がベストを出せるタイミングをコントロールできるようなものづくりこそ、他の人がつくれないものを作っていくのにつながってきます。インスタントラーメンや電子レンジでチンなものづくりも日本の誇る文化の一面ではありますが、そのものづくりとしっかりとしたものづくりの差を分かってもらえることが大事だろうなあと思うのです。
2012年07月17日
先日、田中染料店から案内が届いていたので、京都の烏丸松原西入にある田中直染料店に行きました。売り場の男性の店員さんに質問をするとすごく丁寧に答えてくださり、レジのところで1時間くらいは薬剤に関するお話に聞き入っておりました。頭の中でやりたかったことのひとつが出きるかもというところに来そうです。また、昔ライクな布をつくるための技法的なアイデアを検討していたのですが、それを実現するための適切な薬剤などを教えてもらいました。

実際に、薬剤の名前を挙げるだけでなく、具体的な商品の名前を提案できる人というのは本当の専門家だなあと思います。同じように見える薬剤などでもどれがベストなのかまで知っている人というのが本当に物事を進めていける人で、具体的な作業を進めていけなければ仕事としては意味のない話なのです。

別の案件で使えそうな薬剤なども見つかりました。私自身が薬剤を使うときに一番心配をするのが、その薬剤が体に接触することでどれほど人体に影響を与えるのか。いくら、アートしていて面白くても、特定の方が使われることを考えると安全性というものは何よりも優先をされるべきです。服に使った場合の安全性に関しての説明なども聞いたりしました。

昔、高校の化学の授業で、硫酸を入れたコップでも何度か水洗いすれば、それを使って水を飲んでも大丈夫というのを、安全性ということで勉強をしたことがあるのですが、それは正しいかもしれませんが、万が一を考える普通の感覚のほうが大事です。
2012年07月16日
今日、車で走っていて暑いなあと思っていたら外の温度は36度、本格的な夏の到来ですね。今日は事務所で仕事、エアコンはなるべく使わないようにと思っているので、窓を開けての仕事です。今日は、先日参加したJETORO主催の欧米輸出商談会のスワッチを用意したりしました。

また、中国のラグジュアリーブランドさんから2013AWの企画の話で、この月末に来日され企画のお話をする予定です。企画のコンセプトから見せていただいてものづくりを考えていけるのは、最終的なイメージとのブレが少なく、また、時間もあるので、お会いして具体的な話に進めばよいなあと思っております。

林与の昔の着物の世界の色柄の雰囲気とも少し似たところがありますので、今、進行中の近江上布のプリント柄の要素も応用して取り入れていけないかとは考えております。

夕方、愛知川の御幸橋を通りました、今年の花火は見ることが出来ませんでしたが、花火の後片付けを皆さんでしておられました。花火の裏方で働いておられる方というのは実際に花火を見ることもほとんどなく、まさに善意のボランティア、表で挨拶される方よりも、観客に見えないところで働いておられる方ほど欲のない献身的な本物だといえます。暑い中でご苦労様です。
2012年07月15日
暑くなりましたね。でも、昨年と比べると今年のほうが30度を超える日はまだまだ少ないという状況のようです。節電対策がいわれている中ですので、ありがたいことではないでしょうか。いつの間にか節電が悪のようにいわれていますが、原子力で命が常に危機に晒されることを考えると節電意識も大事に思うか、あるいは、海外のように命の危険を覚悟で原子力を推進していくかです。

日本というのは都合よくものごとを考えすぎで、安全だといって一番安全でないものを推進してしまう傾向があります。ふたを開けると専門家すらもが素人以下の状況で、一番心配なメルトダウンすらも想定外なのが怖いですね。これで大丈夫なら逆に安全対策なんて必要がありません。本来なら汚染された土壌は遠洋に投機されるべきですが、結局は費用が優先されて埋め立てに使われてしまうようです。更なる健康被害覚悟して掛からないとなりません。

水俣病、アスベスト、ミドリ十字、対費用的な考えで大きな被害が常に生まれるのも覚悟は必要で、あとは、行政の安全という言葉にゆだねることなく個人が自分の安全を守る必要がある時代です。安全な地域すらも危なくなるのはなぜでしょうか、人々の命を考えるなら逆に危険をしっかりと謳うことが大事なのです。人の命の軽さというものを感じます。

日本という国は原爆を実際に体験した唯一の国だといわれますが、その国が原子力発電を一番推進している国なのです。地震大国日本なら地震の危険性を考えると世界中で一番危ないところに原発を並べていることになります。そして、安全を謳っていた専門家や運営者たちも想定外ということで原発の危険性を立証しました。人々の安全意識とは裏腹に損得主義に目のくらんだ一部の人たちが危険性を安全だと謳っておいしいところを取っていていざ事故となると安全だと謳っていた人の誰も顔が見えてこない、怖さ。莫大な広告費をもらって推進してきたマスコミも同罪で、欲に目のくらんだマスメディアというのは有害ですらしかありません。

私自身は、普通の夏が戻ってくることは良いことではないかと思っています。エアコンが当たり前になってしまったのも、機密性の高い家を作りすぎたせいがあります。日本の家は、本来は木の家で通気性が大事なのですが、通気性がないとエアコンが必須になってきてしまいます。エアコンなしでは夏に弱い家ということです。原子力が普通になれば、衣食住がそれを基準にしてしまうのですが、命の覚悟をしてまで原子力を推進していくほど、自然というのは人の生活を守れないものなのでしょうか。電力へ依存を減らして、自然を活用するのが大事です。

暑さを経験しない子供たちが増えています。エアコンの効いた塾で勉強して大事なものが失われていくのを感じます。熱いときに外で運動をしてそれを乗り越えることができるようなところから本来は強い人が生まれてくるのです。今の時代というのは、人の力を引き出すということは非常に難しいものです。世の中が生活やものづくりが画一化されるなかで自分自身が普通な生活を考えていては特別なものづくりなど到底到達が無理なのですが、それを乗り越えてものづくりをできる人を求めているのが現場だといえます。

鳥インフルエンザで真摯な養鶏場経営者を自殺にまでも追い詰めるマスメディアとその一方で、東電から莫大な広告費をもらって原子力推進の記事に協力して口封じされてしまっているマスメディア。常に苦労をして生きている人と常に楽をして生きている人とでは同じ日本人でも価値観が違います。有名な、ピューリッツァー賞を受賞した「ハゲワシと少女」、その衝撃さに喜ぶ、道楽連中の神経が怖いです。まだ、まともなのは、なぜ少女を助けなかったのかというあたりまえの神経です。この写真を撮ったカメラマンは薬物の常習者であったということですが、日本のメディアも災害報道のときに人の命よりも欲に目のくらんだ報道姿勢が目立ちます。

そのカメラを持って、少女を助けることもなく、ハゲタカにとらわれる瞬間をまっている神経というものが怖いなあと感じ、そのカメラマン自身はスーダンの貧困なんてなんとも思っておらず、それを食い物にしているだけでしょう。その彼が自殺に追い込まれたのはまだ良心があったからでしょうが、その写真に喜んで賞を与えたビューリッツァーの連中の神経の怖さはマスメディアの陥りやすい罠そのものです。林与がテレビを見ないのは、テレビ業界というのは恵まれすぎていて、金に目がくらみやすい部分が大きいからです。

節電対策にしましても、小さなところはやんわりとした冷房されているところが多いようですが、大きなチェーンでは法で規制が掛かっても利益優先でかなり冷やしていつもと変わらない対応。大きなところとういうのは、人の気持ちが働かないので、残念ではありますが、やはり法律で縛る必要があるのを感じてしまいます。停電なんかも恐れていますが、実際に怖いのは万が一の原発事故なので、それと引き換えなら別にしばらくの停電なら我慢してもよいのではないかと思います。そういうゆとりの考えこそが、電力会社の殿様商売感覚を変え、日本を救うのではないかと思うのです。
2012年07月14日
今日は、朝、彦根のボックスギャラリーに商品の補充にいきました。ストール用生機が人気のようでいろいろなタイプを追加しました。(ネットの皆様にはすみません。)

夕方、ご案内をいただいた京都の大徳寺近くの町家で行われております、『くらしのかたち展 仕事する服と植物へ』を覗かせていただきました。詳細は、http://mo-circulate.jugem.jp/

松本高志氏が、林与のストール生地をベースに草木染したストールを展示してくださっており、きれいな色に染まりあがっていて素敵でした。私の好みは赤のストールです。他にも、丁子、矢車などしっかりと染まった色のものが目を引きました。お話をしていて、納得のいく染をしたいと考えられているのが伝わってきて贅沢な草木染です。

京都は祇園祭、夜は、四条界隈をうろうろとして祇園祭の余韻に浸りました。浴衣を着た人が多く、涼むという文化が残っていることを再認識です。明け方には雷を伴う土砂降りの雨、梅雨が終わり夏の到来を感じます。
2012年07月13日
ご活躍中の梅崎由起子氏の展示会のご案内です。

高島屋大阪店7階インテリアアクセサリー売場で、7月18日(水)~24日(火)の期間、関西女子の手仕事展ということで、関西を中心に活躍する藍染作家梅崎由起子氏と裂織作家平澤朋子氏による夏の手仕事展が開催されます。バッグ、ストールをはじめ、涼を楽しむ小物がいろいろです。

また、恵古箱で、7月27日(金)~8月7日(火)(8月1日(水)・2日(木)は定休日)の期間、梅崎由起子ナツドキ展が開催されます。「金魚」や「水」をテーマに藍で布を染めた金魚シリーズが展示されます。http://ekobacouti.exblog.jp/ 藍で染め上げられた和柄が素敵でいいですね。

今日は、リネン糸が届きました。この糸も海外から飛行機に乗せて日本にもってくるところでも、いろんなトラブルがあって、無事に手元に届いてよかったです。通関なんかもリネンが得意な業者さんに任せるほうがトラブルが少なくてよいと感じました。
2012年07月12日
昨日は、徹夜に近い状態でマス見本を織り上げて朝加工出し、朝11時に出発で、お昼過ぎから大阪でのJETROさんの商談会に参加させていただきました。余裕をもって出発するつもりが、今回もばたばたで会場に到着するとぎりぎりセーフ。3回目のホテルエルセーランのはずが、ホテルが新しすぎてホテル情報がカーナビになく、大阪駅周辺をぐるりぐるり回ってのホテル到着です。 すごく不思議なのは、計画を立ててもすべてがぎりぎりになってしまうこと、時間があればその時間をとことん使ってしまうので、全体的な時間の余裕というものがいつも生まれないのは駄目だろうなあと思います。完成できるものは完成したいなあという思いが強すぎて、壁にぶつかるとそれにすべての時間を費やしてしまうのがいつも時間が足りない原因です。 JETROの専門家の池田さんとも久しぶりにお会いしまして、パリの展示会のコーディネイトなどでお世話になったご報告ならびにいろんなヒントをいただきました。また、専門家武藤さんとも始めてお会いしまして、インド関連のお話を伺いました。世界で活躍をされている両氏が日本のものづくりのバックアップに動いてくださっておられます。 インターナショナルブランドの素材の専門家の皆さんに通常の林与のリネンのラインナップをご覧いただいたほか、近江上絣柄をプリントで再現するプロジェクトのコメントなどもいただいたことで、ここしばらく動いてきたことが現実のものとして新しいラインとして動いていきそうです。日本らしい柄のテイストを海外のブランドさんが良い感じに思ってくださっているのには、売れる売れないのことよりも、林与の曾おじいさんやおじいさんの作った柄が珍しく見てもらえてうれしく思います。
2012年07月11日
今日は、京都のプリント工場さんが、近江上布絣柄のプリントの染料と顔料で試作の仕上がったものを弊社まで持ってきてくださいました。イメージ的には非常に良い感じで、本麻に乗せたものは改良が必要ですが、リネンに乗せたものはそれなりに柄としては良い感じです。

ぼんやりとした感じにプリントするほうが和柄っぽいですが、メリハリをつけて、出したほうが柄のインパクトがあるので良い気もします。オフ白と生成に乗せることで同じ色を乗せても2タイプできますのでよいですね。定番のリネン素材に乗せたものも良い感じで、早速、1反の長さでのテストをお願いしました。

柄を生かす観点からすれば、柄がしっかりと出たほうが斬新な感じで良かろうと思います。このシリーズは、10月のインターテキスタイル上海で、林与のプリントシリーズとして日本の色柄を海外に向けて情報発信していきたいと考えております。

同じ柄でも色味の違いだけで、海外向けのイメージになったり、ワビサビのイメージになったり、カジュアルなイメージになったりと、いろいろな展開の可能性が広がり面白いですね。ネットでの販売も計画をしておりますのでお楽しみにしてください。
2012年07月10日
今日は、県から資料が届いて、しが新事業応援ファンドを事業化したものに対する販路開拓のための助成金の案内でした。チャンスそのものなのですが、不確定な要素がひとつでもあると、卵が先か鶏が先かで、迷うことも多いのです。

私の場合、ヨーロッパの展示会に出展をしたいと考えているのでそれに活用できればと思いますが、もし、応募して、展示会への出展がクオリファイされなければ、助成金のほうの計画が倒れてしまうことになります。チャンスがあるときに同じやるなら、安全な軒並みなことをやるよりも、逆にリスクを伴う難しいことに挑戦をしたいなあと思います。

日本の田舎の農村で、おっさんががんばってるのが、世界的に見ても、案外目新しくていい感じだったりするんじゃあないかとうぬぼれてみる。ほんと個性ってそんなもので、オンリーワンな世界というのは他の影響をあまり受けないほうが作り上げやすいもので、風合いがよいとか悪いとかよりも独自のテイストを守っていること自体が高い評価を受けることも多いものです。それって、結局は作っている人の強さみたいなところにつながっていくもので、それを周りが評価してくださるようになるんじゃあないかと思います。

今は田圃はやっていませんが、林与の家にしましても機元として本業化する前は、麻織物を農業のB面の女性の仕事として何百年もしかすると千年を超えて織りつづけていた家で、それって別に珍しいことでもなく、単なる田舎の農家で、お茶の葉を摘むのも梅干を作るのも織物を作るのも同じ農家の仕事だったところから始まっていますので、そのあたりにいつでも戻れる覚悟があるくらいが良いんじゃあなかろうかと思います。昔の人ができて今の人ができないことが多すぎるのは不思議すぎて、それって、案外メンタリティなところが壁になっているんだと思います。
2012年07月09日
今日は、午後から京都の草木染の染工場さんが起こしになられました。今進行中の案件のほかに、新規に何か取り組みができないものかと考えてはおります。自分の頭の中には作りたいもののイメージがあるので、それが技術的に実現が可能なのかどうかというところをいろいろと聞いてみたりしました。

草木染というのは色味が限られてしまうところがあって、私の頭にあるブルーの色を作りたいに関しては藍染を使わないと難しいようで、グリンというのも藍との掛け合わせ出ないと難しいということ、また強い赤を出すためにはコチニールあるいはログウッドが必要ということで、どうやって自分の思うところの色を草木染で表現するべきなのだろうかと迷うところです。

色の強弱そのものが自然の色の強弱であり、自然の中にはすべてがないということ、また、色によってその入手で気安さが異なるのは、天然繊維の種類ごとに価格がまちまちなのと似ています。たとえば、コンピュータの画面ではほぼ無限の色が手に入りますが、逆にその色には価値がないのと似ています。

草木染とは違いますが、インクジェットプリントなども布にプリントする話を検討するときにいつもインクの高さに驚かされるもので、そこまで高くなっても色を忠実に再現したいという欲望というものは、あきらめてはいけないことの一つなのかもしれません。昔はきっと使うことのできるきれいな色を組み合わせることで、数色の色使いながらも感じの良い色柄というものを生み出していったのが染の世界です。それは、色数が限られる先染織物と似ているかも知れませんし、目を広げれば、100手から200手ほどで常に決まる将棋の世界と似ているかもしれません。

夕方には、海外向けの運送業者さんが起こしになられ、海外向けの荷物を輸送することに関していろいろとお話をいたしました。自分の作りたい布を作ったときに、それは国内のブランドさんがピックアップくださるかもしれないし、海外のブランドさんがピックアップくださるチャンスもあるので、サンプルなどでも手元に届いて確認をしてもらいやすい方法が必要だと思います。発送部分なんて別に後から考えればよいんじゃあないかと思われるかもしれませんが、発送自体も不透明な要素が多い海外の取引では発送のことを煮詰めておくことも非常に重要な仕事の要素だったりします。

夜には、バタバタと出荷を行いました。ナチュラルな仕上げのものなので、巻き上げるだけでも一苦労ですが、それがこの布の表情があって良いところなんじゃあないかと思います。海外からメールが届いてリネン150番手が発送されるとのこと、頼んでからも半年以上待って手に入れることができる糸、本当に楽しみです。一生のうちの何十分の1かを待っても手に入れてものづくりしたい、そんな無駄とも思えることがものをつくる側の世界にあっても良いものです。
2012年07月08日
出張中は、良いものを食べ過ぎて普段の仕事のリズムに戻すには、まず、体を動かさないといけない感じで、倉庫で出荷などの手配を行い、仕事をするモードに戻ってまいりました。

物事を淡々と前に進めていると、時間の経つのもすごく早いのです。時間と競いながら仕事を進めていくのですが、いつも夜中ということも多いものです。出荷といっても、反物を巻いたりするだけでも何時間も掛かるケースも多いものです。

時には、1反の反物を巻くときに何時間も掛けることもあります。それは、糸の斑などが多いと、1本の糸を修正したり差し替えたり、織るよりも時間の掛かることも多いものです。

リネンの場合は、最近はフシが多いのが前提になってきましたので比較的問題がすくないですが、以前は、リネンでも糸がきれいなことが当たり前でしたので逆にそのことが問題を増やしていました。ラミーの糸というのは一般的に糸が均一なので余計に、数箇所のムラが目立ってしまうことも多いものです。
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