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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
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2012年10月23日
今日は、よい天気、10月末なのにまだまだ暖かさを感じる上海です。今朝は、最初のお客さんの少ない30分くらいリネン紡績会社のブースに遊びに行ってリネンの本を10冊もらってきました。ブースに戻ってしばらくすると別のリネン紡績の会社も林与のブースに来てくれました。

今日は、受賞を受けたことで主催のメサゴの方やJFWさんやJETROさんの皆さんが見にきてくださいました。テーブルの上に、いただいた綜合三等賞の賞状とトロフィー、入賞の楯を飾っておきますと表彰を受けた感じが漂ってよい感じです。今年から5年間、国際ファブリックデザインコンテストもインターテキスタイル北京がコンテストのスタートの場で、インターテキスタイル上海がゴールの場という形になっているので、インターテキスタイル上海会場の中のどこかに、ファブリックデザインコンテストの展示セクションがあると思っているのですが、どういう風に展示されているのだろうかと思って探してみたのですがまだ見つかりません。

今日の商談に関して展示してある近江上布柄に対して興味を示してくださる方は多いのですが、オリジナルな本物の絣のガチッとした着物のものがよいといわれる方と、プリント柄に置き換えたものを良いと評価くださるケースと分かれてしまうのは仕方のないことで、その作る工程の違いを説明するのがものづくりをする側のものとして大事に思います。近江上布絣が簡単にできる思われているとそうではありませんので、その意

あるブランドの女性のデザイナーの方が昨年サンプル用にお分けした「林与」のストールをつけてブースに来てくださいました。リネンガーゼギンガムストールもいい感じにソフトになっていました。これって新しいパターンでびっくりだったのですが、「林与」のことを大事に思ってくださってうれしかったです。1年に一度しかお会いできない皆さんというのも多いものですが、一年ぶりにお会いすると仕事以外の部分でも楽しいものです。
2012年10月22日
今日は、雨、荷物をもっての出発で傘を買いに行ったりと余分なことが伴います。雨なので、タクシーはなかなかつかまらずでしたが、会場にはなんとか予定くらいの時間について、最初のお客さんの少ないうちに、リネンの糸の会社のブースに遊びに行きました。ブースから戻ってくると別のリネン糸の会社の方が来られて、糸の在庫状況などの確認を依頼しました。

午前中のお客様で、近江上布を大変気に入ってくださった韓国で織物の先生をしておられる方がおられ、いいね、いいね、という感じです。昔のものというのを分かってくださり、それに対しての高い評価というのをしていただけるというのもありがたいものです。織物を良くご存知の方なのでものを見たときにすぐにその価値を分かっていただけるのは、ありがたいところです。

午後2時くらいからは、シェラトンホテルで行われる国際ファブリックデザインコンテストの授賞式に出席のため、会場を出発し向かいました。シェラトンホテルの広間は、授賞式らしく、何百席分に相当するディナーのためのテーブルやディッシュやグラスなども整い、テレビ撮影も行われ、中国の繊維事業の国家行事のひとつとしての祭典らしい雰囲気です。

リハーサルの後の授賞式の本番は舞台の中央に立って、賞状とトロフィーをいただくだけで滞りなく済みました。ほっと一息です。日本の受賞者に対して非常に暖かく接してくださり、日本人の受賞は私と小松精錬さんだったのですが、どちらも、それぞれ舞台の中央の位置を与えてくださりありがたいことです。

授賞式終了後のディナーも、美味しく、緊張から解かれてワインをたくさん飲みました。貴重な経験を無事させていただいて、よかったです。この授賞式のために、ファブリックコンテストの主催の皆さんや、授賞式に向けていろいろとコーディネイトくださったメサゴ香港のスタッフのみなさん、授賞式に応援に駆けつけてくださったジェトロの方々、日本の取材のみなさま、受賞したことでいろいろな方にお世話になりましたが、受賞させていただいて本当に良い記念になりました。
2012年10月21日
昨日の晩から出発前に終えておかないことだらけでぎりぎりまで留守中のことを行って、徹夜での出発です。それでも関空に無事について、空港で海外WIFIのセットをピックアップしました。初めて海外で使うのでうまく使えるのか分かりませんが、中国のどこでもノートパソコンがネット接続できるのは強みです。

上海プートン国際空港に付いたのは3時過ぎ、入国ゲートから出るのに時間が掛かり、また、展示会場までのタクシーの列が長すぎて、結局準備には間に合わないということで、ホテルに先にチェックインをいたしました。

夕方6時半から会場近くのケリーホテルで、日本人出展者向けの夕食会がありました。豪華な中華料理でお腹が一杯になりました。途中で抜けさせていただいて、明日は、授賞式に出席するので、授賞式のための洋服を探しに夜8時過ぎですが街の中に向かいました。

ホテルに戻ってゆっくりと休息をとり、じっくりと数日の飛ばしすぎた疲れを癒しました。
2012年10月20日
今日は、インターテキスタイル上海出発前の準備に追われておりました。インターテキスタイル上海の準備が忙しいというよりも、工場を留守にする間の準備をしておかないとならないことが大変で…。
2012年10月19日
最近、サツマイモを買ってぐつぐつと1時間くらい水だけで茹でて食べます。味付けなんて必要なし、これって、ハンバーガーを買うよりも何倍もお腹が一杯になります。2本食べれば一日過ごせる。

考えてみると、人間は、いろいろなものを食べすぎではないかと思うのです。他の動物は旬な物を自然のまま食べて生きています。自然に近いものを食べることこそ、体にとっては一番よいのだろうと思います。

子供の頃なら味がないと食べられなかったものでも、今は、味を感じて食べることが出来ます。普段、味をつけすぎていると、水で炊いたサツマイモも味を感じることは少ないのでしょうが、味付けをしない食べ物というのも美味しいものです。

質素な食事ですが、贅沢な食事三昧の毎日よりも、逆にがんばれる気がします。たまには贅沢もしたいですが…。
2012年10月18日
一つの仕事がうまく行かないときに、すべてがとまってしまうことがあります。本当は並行して進めないとならないのですが、それを解決する知識というものはみんなが持っているものではありません。1回でも他人任せな人が、急に仕事ができるようになるはずもなく、仕事というのは出来る人に偏るのが今の時代です。

普通のものが流れにくくなっているので、上手じゃない人が仕事に手を出すと、ボロボロになります。理想は差別化できた特別のものを作ることですが、それがどれほど危ないがゆえであるということを認識できることは少ないものです。買う人もそうですし、働いている人もその危うさというものに気が付かない。

危うさに気が付くと、そこを評価できるようになるのですが、そういう危うさからは逃げるのが普通ですので、特別なものというのが消えていくのでしょう。そうやって行くうちに普通のものもつくれなくなってしまうものです。
2012年10月16日
今日は朝、商工会の方が火災保険の件でこられました。昔は商工会も青年部に入っていろいろな行事にも参加をさせていただいていたのですが、今は会社のことで手一杯になってしまって、参加させていただく機会と言うのもありません。

出来る限りということで今は疲れたら休憩という形で動いています。自分だけのことでなく、いろいろな方との兼ね合いや作業段取りなどありますので、そう簡単にものごとが進む訳ではありません。分担して仕事をすれば良いわけなのですが、分業的な体制があるとどうしても自分のことが後回しになって自分自身は追われてしまうことが多いのです。

荷物一つにしても、朝つくのか夕方に付くのかでは大きな違いであったりしますが、今は週休2日なので、週末までにつけばありがたいのですが、週明けについてしまうと、加工やいろいろなことを考えると1週間予定が狂ってしまいます。

一つのことがボトルネックになると他のことが手が付かなくなるもので、取引先さんなどにしましてもお互いがんばれる人と手を組まないと今は一つの仕事も非常に小さくなっているので乗り越えていくということは難しいものです。出来る仕事も出し惜しみしていては続けることは難しいだろうと思うことは多いのです。

ウサギとカメの話そのもので、日本の産業も昔はカメだったかもしれませんが、今はウサギになってしまったから、カメに追い越されて仕事が少ないとか出来ないとかいうケースが多いのではないかと思います。

ジャストインタイムなものづくりを支えるためには、経済が悪く失業率は高いほうがよいというのが背景にあります。経済がよくて下請けさんが他の仕事で忙しいとジャストインタイムは成り立たず、また、忙しいときに柔軟にある程度能力のある人を雇うことが出来なければジャストインタイムで対応は難しいのです。

繊維業界もジャストインタイムな対応が簡単だと日本でも生き残り易いのかとも思います。簡単なものなら対応可能でも、生き残っているということはそれなりに高度なものづくりですので、一番簡単に見える作業でも限られた時間でできないと仕事をもらうと余計に大変な結果になります。
2012年10月15日
今朝は朝関空での見送り。

今日は午後から京都の村田染工の社長が起しなられ、草木染のストールが上がってまいりました。色は暖色系に綺麗にしっかりと染めてもらいビビッドな感じで、通常の草木染よりも色が映えます。コラボということで、インターテキスタイル上海ならびにハーベスト展での展示を予定しております。

工場の中では一昨日から150番手のストール織っています。織機の上で張り詰めた糸が触るとぱらっと切れてしまうような繊細さが、織る側としても緊張です。夜に栗東のクロネコの基幹センターまでもっていって発送が完了しました。

インターテキスタイル上海出発までのあと5日ほど追われすぎていて足りない、寝ずにの仕事が続きそうです。
2012年10月14日
今日は日曜日、上海のインターテキスタイルに向かうための手土産を東近江の「たねや」さんで買いました。その後、向かいのアピアにある南蛮茶というレストランでランチセットを注文したのですが、ボリュームがあって美味しかったです。日曜日ということもあって非常に混んでいて、田舎で3時頃に飲食関係の商売で混んでいるのも珍しいなあと思います。

昨晩は、奈良のミルツルさんが、ご出版のご予定の目処が立ったということでご連絡をいただきました。弊社の素材もたくさん使っていただいておりまして感謝です。近々の発売予定とのことで、弊社の布がどのようなものに仕上げていただいたのか、本を手にするのが楽しみです。弊社の布の在庫なども確認してご報告しました。

今日は、日曜日ですが、シャトル織機で、超細番手のストールを織っています。なかなか糸が細いので、66番手や100番手以上に織るのにも緊張をいたします。オンリーワンに憧れることは多いですが、オンリーワンというのは他がしないような覚悟と努力が必要で、決して採算性のあるところではないものです。

ビンテージアイリッシュリネン140番手生成を使用したリネンハンカチなども仕上がってまいりました。会員コーナーで発売しておりますので、リネンハンカチとしてはフラグシップ的なもので、高価なものではありますが、リネンの高級なイメージを形にしたようなアイテムですのでよろしくお願いいたします。
2012年10月13日
工場の中では糸を割る作業が一杯です。糸を小割するのはチーズワインダーという機械を使います。昔のことですが、チーズワインダーもそのままだと使いにくいので改良を加えて見本や本番の仕事で使いやすいように改良が加えてあります。

糸を割る作業も基本作業の一つなのですが、現場で慣れていると思っている人に対しても、口うるさく正しい使い方を教えます。職人さんでも正しい使い方が出来ていないことは多く織機や機械が壊れていくことも多いのです。教えてもらったときの反応が大きく分けると二通り、素直に教えてもらってありがたいと次から使い方を注意する人といくら教えても変わらない人、もちろん、仕事が続くのは素直に聞いて自分の仕事のスタイルをステップアップして本職らしく仕事を進めていけるタイプの人です。

本当に人というのはそれぞれで、今のようにどの業種でも作業をマニュアルや契約で縛るようになったのも、人のやる気や能力というものを信じない時代になったということなのかと思います。実際のこと今の時代、意欲をもって仕事に取り組める人というのは見つけることも難しいものです。
2012年10月12日
最近、寒さを感じ、秋らしさが増しています。秋の透明感のある空は気持ちの良いものです。夕日なんかも秋の夕日は真っ赤で特別です。

加工工場から急ぎでお願いしていた反物が届いて、昔の糸や染のものと今の糸や染のものの違いを大きく感じます。同じ加工で仕上げても昔のもののほうが当たり前に良いのです。なんとか、昔のものづくりの世界が再現できないのかと思います。

糸からのこだわり、染のこだわり、織りのこだわり、加工のこだわりと、トータルなこだわりが再現できるのは麻織物の本場らしさではないのかと思います。
2012年10月11日
今日は海外に送金をしに行きました。海外からの生地の代金も送金も送金されてきました。送金というと実際にお金が動くのではなくて、銀行間での勘定の書き換えみたいなもの、国内と同じく1日とか2日後には送金が完了しているというスピーディーな時代です。

一方、物というのはなかなか動きがスローなもので、海外に輸出しようとすると輸出手続きにしてもかなり手間が掛かるというのが実情です。業者さんの力次第なのでしょうが、いくつ物業者さんが分業体制でやっていると本来はスムーズでないとならないのですが逆に時間とコストがかかります。

これは日本の産業に関してもいえるのかもしれません。織物というのもそうで、糸屋は糸屋、染屋は染屋、機屋は機屋、加工屋は加工屋、問屋は問屋、卸屋は卸屋、小売屋は小売屋みたいな、専業的な体制が敷かれて細分化されすぎているのでプロの仕事にはなりますが難しい時間がすごく掛かってしまいます。

世界をみていると今はそういうのではなかなか難しいという結論がありますが、一方で、もちつもたれつみたいな形で社会や文化として産業が発達するので、そういうのが魅力にところもあるのです。今の日本のものづくりが難しくなっているのもものづくりにともなうリスクの分散も含めてこういう分業的な体制がうまく行かないと新しい良いものが流れていきにくいということをいつも実感いたします。
2012年10月08日
roomsLINKのインビテーションをいただきました。インビテーションの写真ですが、感想は、やばい感じです。これはきっと男性用と女性用の招待状があって、男性用の中でも、一般用とおっさん用があるのではないかと思います。インビテーションからもなにやらお祭な雰囲気が伝わってきます。いければと思いますが、インターテキスタイル上海で1週間ほど会社を開けますので、これ以上会社を留守にはできそうになく…。

今朝は、クロネコから神戸の倉庫に海外向けの出荷を完了いたしました。西濃運輸も佐川も福山通運も、翌日の午前着が難しいということでクロネコとなりましたが、国内というものも少し変わった場所になると近くても遠いものだなあと思います。でも、遠いということが良い場合もあるのです。わざわざ日本から送るので遠くて当たり前で、遠ければ遠いほど価値が増す要素もあるものです。

最近は、織物をしていることで大事にしてもらえるなあと思うことも多いものです。運動会のときも、近所の人たちが夜遅くまで毎日がんばってるねえと暖かく言って下さいます。東京、大阪、上海の展示会などでも、いろいろな方から声を掛けてもらえることも多くなってきました。業界の中で元気そうに動いておられる方を見ると自分も元気そうにしてんと駄目だなあと思います。

他からの依頼を優先したりして、自分自身で織物のことにしても作りたいものはたくさんあるのですが、自分自身のものづくりの部分は壁が大きいものが多いので、いったん壁にぶつかると一年くらい放って置くこともありますし、織り上げた生機の状態で吟味しながらその生機が倉庫に何年か眠ることもあります。でも、他の人が取り組まないことを継続的に裏で取り組んで経験を積んでおくことは大事で、そういう経験が商談のときのwhat-if的なものづくりを言われるときに、どんな結果になるのか頭にイメージが浮かんできます。
2012年10月07日
今日は、午前中は海外輸出のためのパッキングでラベルなどの最終のチェックなどを行い明日発送です。午後からは運動会に参加してお昼を食べてビールを飲みすぎで最終のリレーに向かって2着でバトンをもらいながら3着でゴールです。全力疾走をしたのが一年ぶりくらいで満足は満足ですが、走った後に疲労感が強すぎてしばらく寝ました。

夜に、提出用の写真を撮ったり、一年前に作って残してあったリネンパイルなども撮影を済ませました。ほか、カバン用の生地も2種類写真取りを済ませました。リネンパイルはシーツにするといいんじゃあないかと思っております。夏に間に合わなくてすみません。

2012年10月06日
今日は午後から東京からのお客様でした。下着関連のお仕事の方で、リネンの100番手の素材なんかは薄くてソフトなのでとてもよいんではないかと思います。リネン100%織物は基本的にはストレッチ性に乏しいので、ストレッチ性が欲しいという要望があります。ストレッチ性がないと体にフィットするような形に仕上げてしまうとどうしても着るときに着にくいという問題が生じます。

以前、JCで坂口英明氏にコラボいただいたオーガニックリネンのマリエを非常に気に入っていただき、コルセットのような要素も取り入れた下着ならリネンを生かせるのかもしれないと思ったりもいたします。縫製の技術が非常に高くなってしまいます。他にもカバンなどに関してのお話や、近江上布の絣柄を見ていただいてプリントよりは本物の絣ほうに興味を示されるのです。本物を評価されることは仕方のないことで、それでいいんだと思います。
2012年10月05日
弊社のリネンストールに関しまして、滋賀のアイテムとしまして推薦をいただいたということで、県からアンケートをいただいたのですが、それに答えようとすると弊社のストールにもいろいろとあってどのリネンストールを提案させていただくべきなのか。

私自身が、自分のできるベストで挑んだ北アイルランド紡績のアイリッシュリネン140番手ストールなんかが国際的にみても最高の目玉だとおもうのですが、見ていただくのにはよろしくても、販売して皆様に使っていただくことを考えると一般的なもののほうがよろしいのではないかと思うのです。

ハンドメイドの皆様向けにご提案させていただいているリネンガーゼストール生機なんかが、おもしろいのではないでしょうか。ボリューム的には、何千メートルも一年でお使いいただいておりますので、最終で何千人の方にご愛用をいただいているベストセラーアイテムです。

あるいは、ブランドさま百貨店様向け仕様に仕上げた、リネン66クラスあるいは、ワンランク上のリネン100番手ストールが高品質なイメージでよいのかとも思います。今では当たり前になりました、やわらかなリネンガーゼストールに関しましても、手探りな状態からこの10年ほどの積み重ねで出来上がってきたもので、小さな機屋のものづくりが世界に広まっていくというのは面白いものだなあと思います。

不思議なことに、最初の頃に手作りに近い状態で作り上げたアイリッシュリネン140番手ストールが、今もリネンストールの手本とするには良いのです。海外の展示会でも、皆さんに見て触ってもらって、これがリネンなのと感動してもらって、私の取り戻そうとする昔のリネンの憧れの世界というものを形にしたもので、非常に高価ではありましても、海外のブランドデザイナーの皆様にも感動を与えるような世界だったりいたします。良質のリネンを使い化かしていないのも自分自身では気に入っているところです。

迷った挙句に、日本の麻織物の本場近江の麻織物をより多くの皆様に体験していただいたほうが良いのではないかと、一番手軽なリネンストール生機で応募させていただこうかと思いました。手軽といいましても、買っていただいた方ご自身で洗い上げて房を作って仕上げてもらうので、1枚のストールに仕上げるまでに凝ったことをされると何日も費やしてくださる方も多いのです。使い込むごとに風合いがまして、また思いいれも増していくというリネンの本質に迫る要素があるので、よろしいんではないかと思います。

多くの皆様から、自作したものを自分用にだけでなくプレゼントして喜ばれたというお話をいただいており、大事な方へのプレゼントにお使いいただけるというのは、手間を掛けて織っているだけに、本当にありがたいお話です。

プロの皆様も作品つくりのベースに使ってくださっているケースも多く、もともとプロ向けに作ってありますので決して安いものづくりのものではなく、リネンのシャトル織を極めた一つの形だと考えています。実は、日本の着物の小幅麻織物の流れを残しておけないものかという思いもあったりするのです。実際、本麻の小幅織物も将来的には生産が難しくなってくると思いますが、文化が途絶える前に、手を打って技術や生産環境を保全しておかないと、一度途絶えたものを復興できたとしても、数年だけの話題性はあってしばらくは出来ても長続きはしないものなのです。

今言われる、サステイナビリティという言葉ですが、商品のサステイナビリティを考えるよりも、生産環境のサステイナビリティに取り組んでいくべきではないかと思っています。ものづくりそのものが永続性がない世の中ですので、新しい商品に飛びつきながらサステイナビリティを求めるというのもおかしな話です。本当は自動車なんかでも、エコな車に買い換えるよりも使える車を大事に乗るほうが最終的にはエコだったりすることも多いのです。原発問題なんかがエコのコンセプトに潜む一番のパラドックスだったりして、国連を挙げて、原発を地球環境保全と称し推進するほど盲目的になってしまうと地球温暖化も防ぐことなどはできませんし、損得が優先して問題の先送りばかりで、人の命の軽るさにすらもつながっています。その裏で、日本国内では何百年も普通に続いてきた永続性のあることを禁止して自然の循環を妨げるようなことになってしまっています。
2012年10月04日
今日は繊維の日のイベントということで、りそな銀行本店の地下で展示会です。朝早くにおきて最終の準備を終えて出発したのですが、展示会というのは現実的に商談を成立させるための場ではなく、出会いの場ではないかと思うのです。

せんば適塾と大阪府の主催で、繊維関係だけでなく、地域が一体しての繊維業界を盛り上げるためのイベントで、出展者はもちろん、お越しくださったお客様というのも仲間意識をたかめ自分たちで前向きに取り組んでいこうという雰囲気が伝わってきます。滋賀の湖東産地からは、滋賀麻さん、麻糸商会さんも出展をされていて、近江湖東産地の麻織物が本場であるイメージが来場の皆さんにも伝わったものと思います。

最後の打ち上げてきな交流の時間も、仲間の輪をつくる場として機能していた気がします。林与は普段は外にでないタイプなので、皆さんと実際にお会いする機会と言うのはこういった展示会のときくらいなのです。私自身も糸、染、プリント、加工などを依頼する側でもありますので、ここしばらく間、頭の中で寝かせていたことなどに関して、こういうチャンスを生かして質問してみたりしますがその専門の方が専門的な知識を分けてくださいます。

今回の展示会に参加させてもらって思うのが、自分の商売云々よりももっと大きなスケールで動いていかんとならんなあと思うのです。林与も自分で織れるか織れないかわからないものを自分で試作したりしているので、自分みたいな馬鹿は他には少ないだろうと思っていましたが、ここにお集まりの皆さんというのはそれを当たり前にやっておられるところが多いのです。

無意味や無駄に思えることを積み重ねておられることが文化の形成につながっていく、結局は文化というのは人の考え方の違いで異なるものづくりに繋がっていくものなのだと思います。謳えるところというのが無意味や無駄に思える部分で、そういう無意味や無駄な部分に労力や費用を掛けられるかが、人の考え方の違いで、文化の違いにも結びついていくものだと思います。

文化といいましたが、それは一人の個人の考え方かもしれませんし、企業文化みたいなものかも、また、地域的なものなのかも、国家規模、世界的なものかもしれません。全体の考えがまとまって変わるということは、風見鳥的な逆に薄っぺらいメンタリティであったりするものです。文化を形成するためには一個人ベースからの変わらない価値観というものを受け入れるような土壌つくりが大事ではないかと思うのです。こういうイベントが、その土壌の一つなのだろうなあと、出展させていただき支えていただく側の立場ではありますがありがたく思いました。
2012年10月03日
ビンテージアイリッシュリネンのハンカチも織りにくい細い糸をなんとか織り上げた形ではあるものの、その生地をハンカチにしようとするとまた別の問題が、なかなか難しいのが小さなキズをどうやって避けるかです。大事に一枚分づつをキズを避けながら裁断をします。

洋服でもそうなのですが、今の時代は安全なものしか出来なくなってきたのも、危ないぎりぎりの生地というものをどううまく裁断の技術で使って一着に仕上げるのかでも、裁断一つでキズがうまく避けられたりもするものです。

麻のものなどどうしても傷がなかったとしても糸のフシなんかが無数にある素材を洋服という形に仕上げるときに、作る人によって、作り方によって、同じ生地を使っても出来上がるものというのはかなり異なります。
2012年10月02日
インターテキスタイル上海に向かう飛行機を7月に予約しておいたのに、10月になって欠航の連絡、海外が絡んでくるとこれくらいのことは普通にあるとは思いながらも、午前の便が午後の便に変わってしまい、あまりばたばたしないでおこうと思っていたのに、予定が狂ってしまいました。

会場準備も30分もあれば大丈夫なので夕方5時に会場入りしても1時間あればなんとか準備完了できるはず。林与のロゴ看板さえうまく吊るすことができれば、ほかの事は別に展示会の初日の朝に準備ができす。最悪でも展示会初日の朝に準備をしてもよさそうというか仕方ないこと。

今回は、最終日25日の午後か翌日26日に上海ブランドさんと会場外でお会いできないかと思っております。
2012年10月01日
同じ会社でも人が違うと対応も違います。以前資金繰りが苦しいから買って欲しいと頼まれて実際には取引を止める紡績工場の糸をつかまされたことがあったのですが、その会社の別の担当の方というのは信頼できそうな要素を持っておられます。ある糸を買おうとしたときにこの糸は弱いとネガティブな要素を告知されたのです。その糸を最初見て毛羽が大目なので織りにくいだろうなあという推測があったのですが別の要素に惹かれて使ってみようと思ったのです。

糸商さんにしてもわざわざ間に入ってもらう理由は糸のプロでないと駄目なわけで、間に入ってもらうことで問題が増えるようでは、自分で糸を手配したほうが安全でその必然性すらもが問われます。騙すことが商売になってしまっては、その方の印象が悪いだけでなく会社の品性が問われます。糸商さんにしても、海外の企業との取引の時には注意をしていないと安さに引かれて品質の悪いものに引っかかることも多いでしょうが、それを第三者に被せるようなことをすれば信用というものは崩れます。営業の人にしっかりというのではなく、その会社の体質なので、品位をまもるためには社長がしっかりせんと駄目だろうなあと思います。その会社でもできないといわれている人ほど正直な人だったりして正直に商売をすることの難しさを実感します。

老舗の糸商の人間が箱の中身は別物だと平気でいわれるのも驚きで、それが本当なら海外の偽物を引っ張ってこられて黙って売っていられるというのはどういうことなんだろうと思ったことも有りましたが、会社全体のことではなく個人の問題なのだろうと思いますが、社内で実力主義を取って営利重視の会社ほど偽装も多いものです。麻糸にしても信頼できる人やルートから買うことが非常に大事だと常に思うのです。

ヨーロッパブランドの糸でも実際どこの国で作られているのかはブラックボックスなことが多いものです。それは相手が悪いのではなく、イメージを作りあげることで商売をする日本の商社側に問題のあることも多いのです。実際に自分が紡績をしている会社は正直なものです。あとは日本人が日本の糸を使う業者さんにどう伝えるかです。業者さんも素人だと引っかかってしまいます。糸にしても、北アイルランド、イタリア、フランス、ベルギーで作られたことになりますが、実際に、高品位な細番手の糸が今は、中国、ポーランド、リトアニアなどで作られるようになっているのが実情で、幻想だけが一人歩きすることも多いものです。

生地にしても国産なのか海外産なのか産地を判断することも難しいですが、糸の紡績地にしても、ファイバー原料、さらには、フラックスの産地にしてもそれを扱っておられる会社の体質を見て、信頼の置けるルートで買うしかないのだろうなあと思います。
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