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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2010年08月24日
今日は、以前、商工会さんのほうから旧豊郷小学校校舎でのおみやげ物に関するお問い合わせをいただいたこともあってお昼の時間に立ち寄りました。いつも彦根に行く途中で右手に見える校舎なのですが、昔は現役の小学校ということもあって立ち入ることはできませんでしたが、魅力的な建物だなあといつも思っておりました。

全国的に有名になったのは、この校舎が新校舎を建てるためになくなってしまうということで、地元を中心に保存運動が起きたことです。私自身、中をみたことが無かったので、長年の歴史のために中はボロボロなのかなあと思っていたのですが、今日、中に初めて入らせていただき、しっかりとした広い廊下があって、この校舎が全ての小学校の原型になったのではないかと思う感じがしました。

旧校舎の裏には、新しい校舎があるのですが、新しい校舎は何十年かで建て替えられるだろうと思いますが、旧校舎は何十年たってもまだ健在のように思います。私自身古いものがすべてよいとは思わないのですが、昔に作った本物クラスは、今作ることすら難しいのにそれを壊してしまうのはもったいない気がします。

時間がなかったので、ほんの10分ほど立ち寄って中を見せていただいただけですが、入り口玄関付近にあった温度計は32度をさしていました。新しい場所に新築のコミュニティセンターを作るよりも、何倍も価値があるなあと思う地元の資産ではないかと思います。木の階段なども磨り減っているのがとても良い感じなのです。

こういう場所を観光地化してしまうことは、その良さを損ねることになってしまうのではないかと思います。観光地なんてものは、本当にたくさん作られまくっていますが、その観光地というものがどこに行っても同じにしか思えないレベルなのです。この校舎もそのような観光地のひとつになってしまわないでほしいと願います。ひっそりと何十年もそのままの良さを保っていただきたいと思いました。
2010年08月23日
10月13日、14日、15日のジャパンクリエーションに向けては、秋冬向けっぽいリネンを検討しております。通気性を遮断したリネンの高密度織物などは、秋冬に適しておりますし、林与のリネンのソフト仕上は、春夏秋の3シーズンを意識した素材です。リネンのキッチンタオル素材なんかも一年を通じて台所で活躍すると思います。

現在のファッション業界でのリネンのトレンド的な風合いというのは、必ずしもやわらかいものではなくなってきております。やわらかさよりもナチュラルさが重視される傾向が次第に強くなっており、リネンの糸そのものの良さや安全性に評価のポイントが移ってきていると思います。



2010年08月22日
布をおつくりしておりまして、林与は本当に恵まれていると感じております。有名ブランドさまにご利用いただくだけでなく、日本の伝統行事でありかつ皇室行事の新嘗祭に御献上いただく際に御献上酒を包んでいただくのが「林与」の麻布であったり、みのもんたさんのテレビに出演される際のシャツやプロゴルファーの福島晃子さんにも林与の生地で作られた洋服をご着用いただくなど、いろいろなご縁にも恵まれまして、良いものを作ろうという励みになっています。

ネットでお客様からお問い合わせをいただく際にも、林与の麻織物へのこだわりは、普通ではないことはご理解いただけるのではないかと感じます。今日は、京都の三十三間堂のお隣にありますハイアットホテルでの個展を開かれるということで、日本のものづくりの美学にこだわられるプロダクトデザイナー小林良一氏からも、林与のリネンが日本に観光で訪れられる世界各国の一流の方の目に触れるようなお話をいただきありがたく思っております。

一方で、こういう機会をいただくからには、他とは同じにならず本質的な部分を守り抜きなさいというご支持をいただいているのだと自戒の念に駆られます。それが安易に価格で妥協しないようなものづくりの厳しさを守ることにつながるのではないかと思います。近江の湖東産地で作り続けること自体が何十年も前から難しくなってしまっておりますので、せっかく作るからには良いものをという思いが強いです。
2010年08月21日
糸のロットの違いというのは、非常に大きいものです。ある商社さんから買う糸と別の商社さんから買う糸では同じ紡績メーカーの糸でも、問題があったり無かったりします。同じメーカーの糸でも商社さんの説明は異なることもあります。

仕事をしていて、値段を下げるために一工程減らすということが良く行われます。糸づくりの工程では糸の紡績メーカーは大事だと思ってやっていることでも、糸を使う側の機屋さんがそれをもったいないと判断すれば、だんだんとその工程が無駄な工程になっていってしまうのです。

同じメーカーの同じ銘柄のついた糸ですら、その品質が異なるというのは不思議なことですが、それほどまでに紡績メーカーのほうは柔軟に対応しているといえます。中国の紡績メーカーというのも、中国国内向け、資材系のインド向けなど、日本やヨーロッパ向けなど以外の価格重視の糸を作っているので、どれだけ良い糸を作ってもらうかは注文する側の責任でないかと思います。

フラックス原料にしても、ヨーロッパの大手のフラックス原料メーカーですらが、資材向けには中国やエジプトからの原料を使用しているのは当たり前のことですし、中国やエジプトにフラックス工場をもっていたベルギーの紡績工場が、ベルギー産リネン糸の顔みたいなご時世で、糸の良し悪しは本物を知る人間だけが判断できるのではないかといえます。

原料は原料の産地だけでなくそのグレード、紡績は紡績技術だけでなく経験値が大事です。リネン糸の世界でもほんとうに良いものが何なのか分からない時代だったりします。というのも、安いことが良いという一般消費者的な判断が、ものづくりの工程で行われてしまうことも一般的ではあるのです。

今の時代、オールマイティ的に無地に使える糸がなくなってしまっているのが実際のところです。何か糸に由来する問題があれば、使い方が悪いというような判断が多々なされるようになり、メーカーさんや商社さんによってその根本的な問題が解決すること自体放棄されているケースもほとんでです。

十数年前に、ある糸商さん経由でのヨーロッパ紡績のリネンがまったく織れないという事態がありました、再度、同じ銘柄の違うロットの糸を送ってもらうと、同じ設定で問題なく織れるのです。そのことに糸商さん自体が責任を感じておられず、糸を扱っておられる方が糸のことを分からなくなってしまっておられるのは実感するところです。長年使い続けたヨーロッパの糸の信頼性というものが1回の出来事で崩れてしまうのは悲しいことで、実際に、それは一回のことではなく、ヨーロッパ以外の他国の糸に抜かれていくような結果につながってしまうような前触れだったのだといえます。
2010年08月20日
来年に向けてのリネンのトレンドのひとつが、トップ糸の流れではないかと思います。トップ糸というのは、フラックスファイバーをステーブルの状態で染めて混ぜ合わせた霜降り調の糸のことです。トップ糸が今まで出てこなかった背景というのは、その製造工程でのロスの問題やロットごとの色ぶれの問題があります。全体的なファッショントレンドのカジュアル化の流れの中で、トップ糸の普及も加速すると考えます。

弊社は、一方で、何十年も昔の国産のトップの麻糸も大事に残しておりますが、それらは味わいのある色味をしており、糸作りにもワビサビの日本人のセンスが輝いていた時代の遺産です。使い切ればなくなってしまいます。現在、リネンのほうも中国で紡績された各社からのトップ糸が出揃いました。

トップ糸を使うときの問題はその製造に伴う供給背景です。ロットごとの色ブレの問題や小ロットでの手配ができるのか、また、色が廃盤になってしまわないのかなど、ものを作る部分よりも、本番を想定した準備をサンプルを作るときから考えておかないとなりません。
2010年08月19日
彦根青年会議所さんが地域資源をプロモートするような献身的な活動をくださり、高宮麻布のPRに力を入れておられます。近江湖東地域のウォークイベントの一連の行事の一つとして、この9月26日に中山道の宿場町高宮の宿で、彦根の文化の一つである高宮麻布のPRイベントを計画されておられます。滋賀の湖東地域にお住まいの方には地域の歴史や文化に触れる絶好の機会ではないかと思います。

地域活性化のために伝統的な地場産業に直接関わっておられないみなさんが、地域の住民ために動いてくださるその心意気というところを見るときに、伝統産業や地場産業というのは、別に誰のものでもないという結論に達するのかと思います。動かなければみんなの意識の中から消え去っていくであるおし、誰か一人でも動くことでその精神自体が残っていくのではないかと思います。

今日は、午後から県立大学の学生の方が弊社にお越しくださいました。学校の中で学ばれる知識的な部分以外の、現場を見ていただくような機会というのは、地場産業に携わる自分たちが提供しなければ他の方には難しいのではないかと思うのです。実際の現場というのは、クリエイティブなコストの掛からない部分は、評価されにくいことを知ってもらうのも大事ですし、クリエイティブなものをつくれば売れる世界ではないことを知ってもらうのも大事かと個人的には思うのです。

私自身が地場産業に関わるものづくりをしていて、ものづくりというのは損得の世界ではないことを実感しています。自分で作るより、日本で一番安いところ、世界で一番安いところで作ることこそが損得で考えるときにはベストであるのは王道的です。地場でものづくりを続けるからには、ものが高い安いの比較の世界ではなくなるのです。これは実際には、ハンドメイドされる方の精神的なものごとを尊重する世界に近いかと思います。そこに意味を感じていただけるのが非常に日本的な世界ではないかと思うのです。
2010年08月18日
先染の織物を作っていて、一番やっかいなのが色の問題です。色を与えられたところから選ぶのではなく、自分の頭の中に良いイメージの布の柄があって、その柄をつくるために色を合わせていく感じです。

ブランドのアパレルさんなども同じような流れでのものづくりをされる形になりますが、自分が思う色の色糸が売っているわけではありませんので、リネンの糸を染めるて一つ一つくみ上げていくところから始まります。ハンドメイドな皆さんも洗濯機で染められるような染料で布を染め上げられたこともあるかと思いますが、アパレル向けのリネンの染というのは非常に本格的な世界です。

というのもリネンは中まで色が染まりにくいので、科学染料を持ってしても中まで綺麗に染めることはなかなか難しいのです。この性質があるからこそ、リネンが昔からベッドシーツに使われたり、また、キッチンタオルなどに使われて、洗えば汚れが簡単に落ちるというリネンの清潔感を生み出しているといえます。
2010年08月17日
今日、午前中に来客があり、午後からもお友達の方がこられ、リネンのキッチンタオルをフランスでパティシェとコックさんをしているご友人のご夫婦にプレゼントするということで買いに来てくださいました。

ヨーロッパでのリネンも日本での本麻も、高級なものでありながらも必需品としての需要があったのですが、それが、他の布に置き換えられるだけでなく、歩かなくてもよい自動車の普及、エアコンという家電製品で、その機能性自体もがだんだんと不要になり始めてきたのです。

キッチン周りにしても、フキンというものが必需であったのに、織機乾燥機や快適な水周り環境のおかげで、カビなども生えにくくなり、布も何年も使うというよりも汚れれば捨てるという消耗品となり始めたので、重点を置くところが次第に布ではなくなってきたというところがあります。

今の時代にまだ布に意味を感じてくださるかたというのは、本当にわずかな違いを分かられる方かもしれないなあと思います。アレルギー体質の方が、天然素材をもとめて探される中で弊社のリネンにたどり着いてくださったケースも過去に何度もございます。リネンや麻という素材は、昔から長く人々に愛されてきたもので、人々に優しい素材です。

ライフスタイルが変わり、エアコンが発達した今、人間の体質がより弱くなってきているなかで、体に優しい素材をもとめる傾向は高まっているといえますし、エアコンというのが地球に優しくないということで、ライフスタイルを自然なスタイルに戻そうとするときに、昔からの世界で愛されてきた麻やリネンという素材に注目がもどってきているのではないかと思います。
2010年08月16日
朝一番で、染工場に糸を10kほど持っていきました。工場はまだ休みだというのに、社長がお一人で、事務所で作業をされておられました。企業というのは、人を雇いながらも最後はその人の分まで仕事を生み出している社長の意識に掛かっているんだなあと感じます。

まだ、お盆の最中の方も多いとは思いますが、行政関係は今日から動いておられるということで、打ち合わせに参ってきました。仕事ではなく、シンポジウム関連の書類の提出の打ち合わせです。

夕方には、近くの縫製工場に立ち寄り、そこでも、工場は休みだというのに、社長が一人、ネットで販売されているTシャツを畳んで、袋詰めされていました。たまたま、和装で有名な縫製工場の社長さんも居られ、私が和装関連の縫製のことを訪ねると非常に親切に教えてくださいました。一度、20人ほどの商工会議所主催の研修旅行で一緒させていただいたときに、その社長さんは私のことを覚えてくださっておりありがたい話です。休み中の社員というのはその部分は誰一人知らない影で会社を支えるために一人で、社員のために会社の将来性をさぐり、裏方としても動いておられるのは染工場さんの社長さんとも共通です。

日本の企業のスタイルというのは特別です。だから、世界で一番製造コストが高いといわれる日本でものづくりを裏で支えているのが、会社や社員の面倒をみようとする社長さんたちの影の献身なんだと思います。それを表に見せても今の世の中では通用しないので黙って当たり前のように自分の時間を単純な作業に費やされている姿をみると、この社長のいる会社というのはお付き合いさせていただくうえでも安心できるなあと実感いたします。このお盆に一人で会社を動かしておられる社長さんの姿こそが、地場産業を支えている表に見えない本質の部分です。
2010年08月15日
今日は、夕方クロネコでの出荷が終わってから、夏物の動向を見ておこうと近江八幡のショッピングモールに1時間ほど寄りました。婦人服関係を中心に眺めたのですが、リネンのシンプルなものもちらほらありました。

ハンドメイドテイストな手作りショップや手芸店も眺めましたが、コットンベースやコットンリネンのものが多い中で、リネン100%ものというのは触るだけで実感が出来て、林与の布でないながらもリネン100%ものですから、これをみなさん買ってくださいねとお勧めしたい気分になります。

盆と正月といいますが、駅前のショッピングセンターなのに、夜の7時頃なのにほんとうにお客さんがまばらで、さびしい感じがいたしました。今の時代というのが、店頭でものを買う時代ではなくなってきているというのを実感いたしますし、店頭に置かれているものが特別なものでなくなり始めているのを実感します。

イタリア製のリネンのランダムなマルチカラーストライプのストールが目に止まりました。40番手クラスでやや固めですが、色が原色の多色使いでイタリアっぽく、リネンらしく売り場でも非常に目立っていました。
2010年08月14日
今日は、朝7時から盆踊りの準備に評議員として出て、早く準備が終わったので午後4時からの再度集合ということになりました。この盆踊り大会というのは明治、大正から行われているのではないかという話でした。江州音頭というスタイルの踊りになりますが、近江商人の礼儀から来ているという話も今日の準備の際に聞きました。ということは、この地方では、どこもがすでに盆踊りをやめられている中で、伝統的な江州音頭の盆踊りとしてはかなり本格的なものであるということでしょう。

例年は、お盆の前の週に行われる盆踊り大会ですが、今年は始めて位にお盆と重ねられました。帰省される方が来られることを期待してのことでしょう。そういう方のための飲み物も用意されました。村づくり委員の方が、バザーで食べ物を用意され、子供たちは踊ることよりもそちらが楽しみかもなのです。弊社からは私も含めて6人が踊りました。夜、10時頃には、運動場いっぱいの人が踊っている状態でクライマックスを迎えました。

こういう大きな成功に終わる行事でも、来年もやるべきなのか、sどこかでやめるべきなのかという問題がつねに付きまとっています。こういう行事というのは「人々の幸せ」という本来の意味を失ってしまっては続けていても無意味ではないかと思うのが林与の考え方です。

こういう伝統的な村にも新しい住宅地区ができていますが、その地区の代表のかたも遅くまで片づけを手伝ってくださってただけでなく、前向きなお言葉を私にも掛けてくださっておられました。地域の人々の幸せのために善意でやっていることが伝われば、新しく参加される方にも理解が深まるのではないかと思います。

人々が気持ちで動けるというのが一番大事ではないかと思います。立場、建前や損得よりも、こういう日本的かつ献身的な行事を長く続けていくためには、本質的なものが最終的には大事ではないかと思います。
2010年08月11日
今日は、午後から京都の紋紙屋さんに行きました。弊社担当の方のほか、会長さまがおられ、ご無沙汰してますということで、近況報告を兼ねた仕事以外での長話をさせていただきました。京都の町屋を改造した会社はいつ行かせていただいてもステキだなあと思います。明日からはお盆休みということです。

紋紙の紙は、日本の業者さんが製造の継続が難しくなって来たということで、スイスからの輸入紙に戻ったそうです。日本国内での一級のものというのは段々と手に入りにくくなり始めています。海外のものと国内のものを比べると国内のもののほうが品質が一定で供給も安定しているという要素が今まであったのですが、それ自体を維持するのが難しくなり、海外のものにシフトして行かざる終えないところに差し掛かっているものと思います。自分が品質を信じて何十年も安定して使い続けてきたものを変えることは、自分自身の品質を守れなくなるのではないかという危惧すら伴います。

紋紙屋さんにしても、スイスの紙だからといって特別に評価する訳はなく、日本の今までの安定した製品と比べて、どの程度まで許容の範囲なのかを確かめられながらご自身での判断をもたれております。リネン糸の場合と同じく、何か問題があれば、結果として、今までの紙の特性を熟知している私自身も、そのスイスの紙の問題点があるなし判断に加わらせていただくことになってきます。

糸や織物云々だけでなく、織機のことや織機の部品、修理、ジャガード織機の紋紙の品質面での話なども知識を持っておくことが布づくりしていく上では大事だったりいたします。そういうのって経営者っぽくなく、職人っぽいと思うんです。価値観の違うところでのものづくりを生み出すのは、そういう知識の裏づけではないかと思います。

会社に帰ったら、加工工場から反物が上がってきていました。一部は盆明けになるとの連絡があったとのことです。何日も掛けて織って加工から上がるのを待っているので、加工から上がってくる商品を見るのは待ち遠しい気分なのです。
2010年08月09日
今日は、午後からひこね繊維シンポジウムの県立大学との打ち合わせに立ち合わせていただきました。大学生の皆さんにアイデアから新しい作品を生み出そうという試みです。大学生の皆さんも夏休みながらアルバイトなどでお忙しい中を産学のコラボに協力いただいています。

作ろうとする作品3点は絞られてきており、いくつかの作品には、素材に締め付けの少ない布帛や天然素材を使うような作品を考えていこうとすることも考えておられます。デザインという面では、作品に自由な色柄を乗せてみたいというところが学生の皆さんらしい発想だと思いました。

学生の皆さんが、作りたい物に対して、しっかりと話をされる姿が非常に好感をもてます。一度、私の会社にもお越しいただいて、素材を見ていただいたり、ファッションの実際の現場というものやものづくりの現場を実感してもらいたいなあと思います。

キッチンタオルですが、大判なので夏のエアコンの聞いた部屋でのひざ掛けにも良い感じです。普通のタオルにはちょっとゴツすぎて厳しいかなあと思いながらも、膝元に置いたらすごく良い感じでした。通常の大きさのリネンタオルも開発中ですので今しばらくお待ちくださいませ。
2010年08月08日
今日は、会社はお休みで、お昼の間、縫製工場の社長さんが軽トラを貸してほしいということで、縫製工場に向かいました。平日は活気のある縫製工場の中ですが、食堂の一角で、ひこにゃんグッズを撮影されている社長の姿がありました。

お話をきいていると、売れるとか売れないではなく自分の地域を盛り上げるためにグッズを手がけておられるのが伝わってきます。ひこにゃんブームが去ったあとも、ブームとは違う意味で支え続けられるというのはなかなか仕事ではできないことです。だからこそ、日曜日に、社長が一人献身的に作業をされている姿があるのだと思います。

午後には会社に戻りまして、私も、リネンキッチンタオルを撮影しました。かなり、きれいに撮れまして大満足です。このリネンキッチンタオル市販のものと違って優れものじゃあないでしょうか。綿の薄いフキンとは雲泥の差です。

林与が市販のものとは違う、リネンの本質的なキッチンタオルを作ろうと考え作ったものです。プロのバーテンダーがグラスを洗って、その場で拭けば、洗ったばかりのグラスをお客様にお使いいただけるイメージを想定して作りました。前回は生成のみでしたが、今回は、Wサイドラインタイプで10色のかわいい展開です。
2010年08月07日
今日は、ひこねシンポジウムの件で高校での打ち合わせがありました。高校生がつけたいファンデーションということで、描かれた20点余りのデッサン画をチョイスくださっており、その中から3点余りを学校の先生と一緒に選考いたしました。

私個人の感想としましては、デッサン画というのが非常に良く描けているので不思議でした。一見して、体系だけでなく顔から指先までしっかりと描かれているので、高校生には出来ない仕事だなあと感じました。お話をお聞きすると、お絵かきのような下書きのラインを先生たちが用意くださって、その上に高校生たちが服を着せるような感じで書かれていてるそうです。教育のプロの皆様が今回のプロジェクトを裏で献身的にサポートくださっているのを痛感いたしました。

前回は大学生のデッサンを見せていただきました。高校生たちが大学生になると、今度は、自分たちで下書きのラインから自由に描くようになり、顔も指などもすべてを自分でクリエートする力がついてくるのだなあと思います。学生たちにはものをつくる楽しさを知ってもらいたいなあと思う一方で、その難しさも感じてもらえたらなあと思います。

つくるデッサン画を3点選びましたので、後は企業側のほうで形にしていくことが重要だと考えます。1点物として作るのは簡単だったりして、再現性の必要性や品質また価格納期を考慮する商品の形まで考えるとものづくりのスタイルが非常に限られた物となります。今回のミーティングでも、ひとつの市松模様のニットの柄の素材があって、その素材の手配だけで、数千セット作らないといけないような話になってきます。それを避けるためには、品質や再現性など後のことを考えないで、ハンドメイド的な手法で1点だけを作る方法を取らざる終えないのが、後の流通形態も考慮してお店に並べることを想定した本当のプロの試作といえるのかどうかというところだと思います。
2010年08月06日
ミケランジェロが彫ったといわれるダビデ像とその有名な話にダビデ像の鼻の話があります。その像を注文した注文主がミケランジェロに鼻がもう少し低いほうが良いといわれて、ミケランジェロが鼻を削るふりをして、注文主は満足したということです。

私自身は、その対応には疑問です。できないものは出来ないとはっきりといえばよいと思うのです。芸術家や職人ならやった振りをしてては駄目でしょう。良いもの悪いものを見極める目は一番大事ですが、その話が一人歩きしてしまうことを危惧します。

布をおつくりするときも、いろいろな相談を持ちかけられます。すべてを予想してお客様の言われることを行うとどうなるか説明いたします。布を駄目にしてしまわないとその言っている意味の分からないお客様もおられますが、一度、二度は、駄目な見本を作ってでもその意味を見せてあげます。それは私自身が経験して理解していることで、その人にとっては初めてのことだからです。分かる人はその意味が分かりますし、分からない人はずーっとそのままです。私自身も自分自身のリスクで多くの経験を積むことで、作業している人以上の気持ちで全体を統括しています。

イタリアのプリントやテキスタイルのデザイナーはお客のリクエストで色を変えないという話を聞いたことがあります。そのことには自分のデザインを変えないという意味以外にも大きな意味合いが潜んでいます。自分自身で類似品を作り出さないことがオリジナリティを長続きさせるコツではあるのです。

ミケランジェロの場合、鼻を削ることは、自分の作品でなくなるという意味合いが含まれていたと思います。削る真似をしなければよいという簡単な結論です。その削る真似をしたという話が何百年も残るのは、ミケランジェロにとっては恥ずかしい話ではないかと思うのです。
2010年08月05日
今日は午後1時間ほど、加工工場さんに行った途中、東近江市(旧五個荘町)にある近江商人資料館に初めて脚を運びました。きっかけは、弊社には昔の近江上布の見本がたくさんあるので、資料館には近江上布がたくさんあるだろうから、林与以外の近江上布というのはどんな世界なのかを見ておこうと考えたからです。

実際、近江上布の資料は少なく、目的は達成できなかったのですが、近江商人の道徳的なことを解説する物語を見ることが出来たり、観光客に対してというより、地元の人に近江商人の文化を知っていただくために作られた資料館であると感じました。

資料館での三方善に対する解釈も私の持論とは異なる部分もあったりはするのですが、少しでも三方善の精神が広まることを考えれば細かいところを考えるべきではありません。大きな目で見て、世間全体がよくなるようなことを最終目標に商売をしていくことが大事だということだと思います。
2010年08月04日
糸を通し始めた筬があと30cmのところで端のほうが筬に微妙な問題があるのが見つかり、新しい筬で通し直しです。

別の台では、整経をビームに巻いたものと織機の織る場所とがずれていて、片方の耳のところが織り難いという問題が発生中で、原因は分かるのですがそれにどう対応するかが難しいところです。通常の整経機で、30cmとか40cmとかの幅が狭すぎる織物を巻き取ったときに、巻取りがうまく出来ないという問題は今までに何度か経験しているのですが、多少の位置のズレはカバーできていました。ところが今回の規格ではどうしても織るのが難しいということで、別の方法での解決法を考えます。

これは整経機の設置の問題から絡んできますので、通常の整経を優先した位置取りにするのか、特殊な狭い幅の織物を巻き取ることを想定するのかで、判断が分かれるところです。小幅織物などのようにビーム全長がの短い場合には問題としての認識は起こりえないかとも思いますが、広い幅の織機をつかって小幅織物を手がけるときには検討が必要な問題となってきます。

縫製のほうでも今日は手作業でやっている三巻の部分をアタッチメントでどういう処理が可能なのかという点を全員で検討しました。手作業でやる場合とアタッチメントを使用した場合との仕上がりの違いや、最終的な仕上がりにおいてどちらのほうがより見栄えするのかという点を議論しました。アタッチメントを使用した場合には、最後の仕上がりがつれたりしないように常に調整することの重要性を指導しました。ヨーロッパなどの市販のリネンの製品は縫製は、輸入されて日本の店頭に並んでいるものを見ても、アジア新興国の縫製の品質よりも良くないことが多く、日本製品のようにきっちりと布目などまでも考えて縫製されたものが少ないのです。

ジャカード織機の案件なども、夜、糸番手規格など設定を分析して、紋紙の製作などから前に進めていくことになり、織る前の紋紙の設計などで数週間必要になるような形で、お盆休みの予定の開いている前半がそれに費やされそうです。そのほか、新規に依頼があった来年もののインディゴ染の案件も検討を加えました。
2010年08月03日
夏が暑くないのを心配していましたら、とうとうすごく暑い夏になりました。アブラゼミもしっかりと、日の明けないうちから鳴くような感じで、まさに夏そのものです。最近は、沖縄とか北海道のお客様などから生地を買っていただくことが多いのですが、沖縄はもっと暑い夏をすごしておられるんだろうなとか、北海道も暑くなってきたんだろうなあとか、思います。

今朝は、朝9時から織機を1時間ほど調整しました。工場の中はすごく、すごく暑いのです。でも、そんな中で働くのが私自身は好きなのです。昔、大阪のコンピュータのプログラマーとして働いたことがあるのですが、夏、エアコンで、すごくオフィスが冷え冷えで寒かったのを覚えています。夏なのに毎日毎日寒いのです。夏に風邪を引いている人も多く、寒くて体調を崩される方もありました。コンピュータを作る会社では、365日24時間同じ環境で保たれていて、作られた空気の中で働いている気分で、特別酸素も供給されているのではないかと感じます。外に出ると、外の熱気で、浦島太郎の玉手箱現象を毎日体験しました。

先日、彦根のお城の近くの観光地にいったときに、暑い暑い中一日中、コンクリートと駐車された車からの太陽の光の反射の中で、ヘルメットをかぶり駐車場の番をされているのを眺め、礼儀正しく丁寧にお客様を誘導されているのを見て頭が下がる思いがします。雨の日は雨の日で一日中、雨の中で傘も差さずにびしょ濡れでの対応をされているはずです。それが毎日毎日で、人が送る一生というのは、たった一日を見ても、他の人の何十倍もの我慢をされて働かれ、他の人の幸せを支えられているような仕事もあるのだなあと感じます。そういう駐車場にたたれておられる皆さんというのが65歳を超えておられるような方であるのが日本の社会の実際の厳しさなのだなあとも感じます。

今日は、午前中お客様で、午後からは彦根の高校で打ち合わせ、会社に戻って、夜はまた彦根で別件の打ち合わせがありました。今日も、いろいろな皆さんとのお話の中で、ものが作れる体質とは何なのかということを考え、暑い中で我慢して働けることに意味があるのかないのかということも大きく関わってくるかと思います。
2010年08月02日
今日は、午前中加工工場に加工出しに行きました。いつもの担当の方がお休みだったのですが、他の方が対応くださいました。その後は、染色工場に行って、その後、別の加工工場に行く予定でしたが、かわいいヘビーデュティキッチンタオルのシリーズが出来上がりましたので、その写真を撮りたいなあと思いましたが長年使ってきたニコンの7年選手のデジカメが不調で…

家電屋さんを数件回りましまして、リネンの生成生地が上手に取れるカメラがないのかと探しましたが、リネンの生成の生地を取るのはほんと難しいものです。ニコンに慣れていたので、ニコンにしようかと思っていたのですが、ニコンよりもキャノンのほうが液晶が明るかったので撮った画像がよい感じがしてキャノンのデジカメにしました。

昔だと新しい電化製品を買うとこってりとマニュアルなどを調べて使ったものですが、最近は、マニュアルを開く時間もなく、基本的な機能だけを頼りに最後まで本当の使い方を知らずに電化製品と付き合うことが多くなり、デジタルな時代というのは不要な機能がどんどんと増えているだけじゃあないかと思います。見たままがただそのまま取れれば良いのですが、布の場合、カメラの機種やPCの画面設定で色が簡単に化けてしまうので正直に撮っているつもりでも、ご覧になられる方の環境で色は異なります。

今日は、夕方にストールが上がってまいりまして、ストールに作り上げる作業を行いました。夏が終わって秋になるとリネンストールが恋しい季節になるかと思います。午後からは、服地のほうの新規の注文もいただきました。
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