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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2009年11月13日
今日は、小学校を訪問しました。ミシンの授業で5年生と6年生の授業に参加させていただきました。6年生がエプロン、5年生がナップサックを作ります。私自身、じっくり一人一人に教えて生徒自身に縫ってもらっていると、担任の先生が授業を進められるペースに追いついていけなくて、私の班の担当した班だけが遅れ気味でした。

私が30年ほど昔に小学生だったころ、自分のエプロンを作ったのを思い出しました。生地も自分で用意して、切って、あとデザインを工夫するのですが、オバキューを大きくフェルトであしらったエプロンを作りました。少しでもみんなと違うもの作ろうと工夫したものです。今の子供たちのつくるのは、すべて、教材としてパッケージになっていて、既製品に近い感じのものが出来上がります。

小学生がミシンを使うというのは実際には無理といえば無理な話です。ほんとうは手で縫うという作業を中心にしてあげたほうがよいのではないかと思います。初めての人の場合、ミシンで縫うことよりも実際には糸が切れたときなどミシンを調整したりするほうが大変で、小学生にはそのあたりは難しいかなあと思いました。工業用ミシンでもミシンの調整は専門の人がやる場合が多いです。

今回の課題に絡んで、家でお母さんにミシンの使い方を習っているという子供が多いのでその点は学校だけで出来ない部分を家でカバーするという基本姿勢があり安心をいたしました。自分たちができないことを大人がいとも簡単にやっているという姿をみて、子供と大人の違いを感じてくれたとは思います。しかしながら、日本では、昔のように職人を育てるのは難しいだろうなあと感じた一日でした。
2009年11月12日
今日は朝は彦根のほうで、帰ってきてから、染屋さんに染めと染色テストのほうの依頼にいきました。ハンカチのプロジェクトでのための先染のテストです。

その後出機さんを回りまして、昼からお客さんの予定だったのですが、縫製上の問題でどうしても生地の物性検査に出したいものがありまして、京都の検査機関に出向いてまいりました。そこへは、以前からときどき検査の依頼を出しに行ったことはあったのですが、今回は、大きな柄の生地だったので、どれだけの生地が必要なのかわからなかったので持ち込んで検査の詳細などをお聞きしてお願いいたしました。

今週の初めに、別件でアパレルさんから生地のリクエストをいただいていた件で、担当の方と電話のやり取りがうまく行かず、すれ違いでようやく夕方に電話をいただいて、お話できました。せっかく、ご依頼いただいたので、なんらか手伝えるようなことがあればとおもってはいるのですが、サンプル生地と同じようなものがご必要ことで、私の手持ちの材料では難しく弊社の仕上げの場合、綿にしても麻にしても原糸からして違うので、同じ表情には仕上がりにくい旨をお伝えし、今回は、私としましても残念な結果でした。

会社では、明日はの小学校での縫製教室のためのプレゼンテーションの小物を準備などしておりました、家にあった家庭用ミシンの調子も調整しまして準備は整いました。明日は、社員二人が助っ人で小学校に向かいます。

今は、1台厚地を織っているのを除いては、動いている織機のほとんどがストールばかりになっています。最近では、タータンチェックやマドラスチェックなどが人気ですので、婦人物のチェック柄の洋服を作ってみたいなあと社員と話しておりました。ストールとおそろいのチェック柄の服というのも良いのではないかと思っています。アパレル関係の動きが鈍いので、ここらあたりで本格的に春夏向けの素材開発に取り組んでおきたいと考えております。
2009年11月11日
今日は、お客さんがお越しになる予定だったので慌ててリネンの生成の厚地生地のほうを織り上げました。この生地は、織り上げたあと簡単な処理をして使います。非常にナチュラルなままの生地で、リネンをそのまま楽しんでいただけるのではないかと、リネンのイメージをそのまま提案するための素材です。

使ったのはリネンの生成25番手で、シャトル織機で丁寧に織り上げました。糸の色味も良い感じで、洗い上げたものもチェックしましたが、ナチュラルな感じが良いのではないかと思っています。

夜には、一度仕上がったリネンを再加工する研究をしておりました。硬さをやわらかくする方法は知っているのですが、それをすることにより毛羽が出たりするのをどう抑えるかというのを考えていました。結局、いつもの方法でやわらかく仕上げてみましたが、明日、再度確認してみようと思っています。

縫製部隊のほうも、今日は、小物作りに励んでおりました。早速、出来上がった生地をカバンに向くかどうかのテストなどしておりました。コートやパンツにも使える厚手の生地なのでネットのほうでも販売していきたいと考えております。耳が赤いタイプと青いタイプを織り上げようと職人さんががんばってくれています。
2009年11月10日
今朝は、彦根の小学校に社員二人と出向きまして、校長先生と教頭先生と縫製教室の打ち合わせをいたしました。彦根の伝統産業としましては、仏壇、バルブ、縫製があります。世界的な下着のブランドの一つであるワコールの縫製などもこの地が発祥です。

打ち合わせの最後に、教室で家庭用ミシンを見せていただきました。工業用ミシンとは糸の通し方も違うので、私も家で家庭用ミシンを練習しようと考えています。授業の最初に、5分ほど時間をいただけ、彦根の縫製の歴史や実演をすることができるそうで、何をさせていただこうか考えています。

会社に戻ると、大阪からのお客様でお昼過ぎまでおられました。そのあとすぐ、名古屋からのお客様がこられまして、夜の7時ころまで居られ、あっという間の一日でした。いろいろな情報交換などをさせていただいて、自社の方向性などもかなり明確にして、出来るもの出来ないものをはっきりと分けるようにしています。

今日は、雨が降っていたので、社員たちを車で家まで送っていきました。その後は、メールの返答や書類作成などに時間を費やしております。
2009年11月09日
今日は、カジュアルリネンストールの色のほうが、本来はこげ茶のところが、茶になってて色を変更するために倉庫に行って在庫の糸の確認を行っておりました。在庫の糸ほうは大丈夫だったのですが、すでに整経してしまっており、結局、茶のほうも進行することにしました。

夕方には、出荷を一つ済ませて、在庫調べや提出予定の書類作成などをやっておりましたが、近くの縫製工場の社長さんが、夕方に彦根市のイベントで、観光客の皆さんに配る袋の試作品用の生地サンプルを探しに来られ、いろいろと作業していると夜8時を過ぎてしまっていました。近江湖東産地麻織物の現物の品揃えに関しては自信がありますので、それを頼りにいろいろな方が麻の素材探しに来てくださいます。在庫の布にしても、生地屋さんにいけばあるようなありきたりの素材でないところがミソです。

倉庫にはいろいろな生地があって、本当に昔のものはよいものが多いなあと思いました。今作るとなっても同じものは作れないなあと思っています。滋賀県の能登川というところに、トスコ滋賀という加工工場がありましたがそこも廃業され、そこで加工した超ソフト加工の朱子織のリネンなども倉庫の中で4色展開で合計20反近くありました。実際に今はもうつくれないクラスのもので、ソフトでよい感じです。

他にも珍しい生地としては、ずーっと昔に織ってある小幅の生平がたくさんあって、今は作ることの出来ないものとして、今後、少しづつでもホームページのほうでも数量限定で販売などしていきたいと思っております。見ているだけでも歴史を感じることのできる一品です。
2009年11月06日
今、シャトル織機で、やわらかなリネンギンガムストールを作っています。千鳥っぽい感じのものから大柄のものまで、4タイプで4色展開、横で3タイプなので、全部で48タイプのストールが出来上がると思っています。カジュアルな感じのものを目指してつくったので、ジーンズなんかに良く合います。来春のシーズンに向けて、ホームページでの販売を計画していますので、気になる方はチェックしてくださいね。

もうすぐ、小学校を訪問して縫製を教える事業があり、楽しみにしています。今はミシンというものが遠い存在になり、組合のほうでは、縫製に親しんでいただこうという企画の一環で、小学校のミシンの授業のお手伝いをすることになりました。ミシンを触ったことのない子供が増える中で一人の先生では全員の生徒の面倒を見ることができないということで、希望される学校には各社から先生のお手伝いをするために出向かせていただこうというボランティア事業です。
2009年11月05日
昨日、整経を巻いたビームを出機さんにもって行きました。林与の専属の出機さんで、本麻やリネン100%ものを中心に織ってもらっています。シャトル織機が20台近くあって、規模的には量産にも対応可能ですが、70歳を超えるご高齢ということもあって、一日に数台動かしてトータルで30mほどしか織れません。

夜だったので、工場の中に芝犬がいたのですが、最初気がつきませんでした。以前は、私を見ると常にほえていた芝犬だったのですが、大人になったと見えておとなしくなっています。10分ほど犬と遊んでいると、おばあさんが工場のほうに来てくれました。

「まあ、もう私も長くはない」というような話なので、「まあ、そんなこといわんと気張ってや」という話で、林与の仕事の中でも一番まとまった仕事をしてもらうようにはしています。林与の中でもできない仕事ではないのですが、織物の産地として職人さんたちに長く仕事をしてもらうことが大事だと考え、そういう部分は、生産性のことやや仕事のこととは考えずにできる範囲で仕事の依頼をしています。

おじいさんももう72歳で年よりは大分若く見えるのですが、なかなか、昔のように目が見えないようで、糸を通すのはおばあさんの仕事になっています。シャトル織機は織るスピードから計算しても、一日に15mほどしか織れませんので、無理せずに織ってもらおうとすると一日一台で10mほどので計算しています。
2009年11月03日
リネン関連ではまだ少ないのですが、テキスタイルの業界では先染めが人気の傾向があります。先染は2年ほど前の秋冬あたりからブームの兆しだといわれていましたが、無地ライクに見えるギンガムなどが中心でした。最近、マドラスチェックやタータンチェックなどの文様が本格的な人気になってきています。

もう20年以上前になりますが、チェッカーズが一世を風靡した頃は、どこを向いてもチェック柄という時代もありました。タータンやマドラスの柄を配したものというのは、つぶしが利くと言われます。といいますのも、後染や単純なギンガムなどと比べると作るのが大変だということがあるからです。デザインが大変であって、そのデザインに応じた小ロットの染が必要になってくるのです。

チェック柄というのはデザイン性が重視されますので、先染の無地などに比べると、染めの品質としてはそれほど高度なものは要求されませんが、先染でブラックウォッチなんか作っても、本当に色の濃いものを作るのは難しかったりして、売り場に普通にあるのは白っぽい感じがしたりするものが多いです。これは、糸が一様に染まっていなかったり、また、中までしっかりと染まっていないという問題があります。

チーズ染とかせ染では、かせ染のほうが一様に奇麗に染まるのですが、リネンやラミーの場合、かせ染ででも色むらの問題は起こります。ましてや、チーズ染色では、内外差は付き物だといわれ、織でそれを吸収することが要求されています。チーズ染で無地を作ると斑々感を消し去ることは難しいです。

この問題とは別の問題で、ノットレスといわれるスプライサーヤーンといわれる紡績時の結び目が少ない糸があるのですが、これも、糸の染めに関しては大きな問題を含んでいます。ローブのつなぎ目を貼り付けるために調子が悪いと、そこが2倍くらいになるだけでなく、その部分が染まりにくいという問題が生じてきます。生地になると糸が太くて色が薄い部分が出来るのです。

ほかの色斑の問題としましては、ワラの問題です。ラミーに良く観られるのですが、黄色いワラがところどころに入っています。これは白だと黄色いワラがそのまま織物に出てしまって、大きな問題となります。薄い色だとそのワラが逆に濃く染まってみえるという状態になり、これも大きな問題です。リネンの問題で多いのは中が奇麗に染まっていないという問題です。リネンの糸をほどくと白い部分が出てきます。最近は、とくに濃色でこの問題が多く起こるようになっています。通常は、織り上がると無視できるレベルのものですが、染めの本質的な問題につながっており常に注意はしています。
2009年11月02日
中国の展示会に行ったときに思ったのが、中国キバタが日本で加工されて、中国で販売されるという流れが起こり始めているということです。この背景には、中国の染色技術や加工技術が物性面で十分な基準に達していないということが上げられるかと思います。中国国内で流通する中国生地も、日本の技術を必要としている時代になりました。

中国のキバタというものは問題を含んでいることが多いのは事実のようで、一回染めて失敗するので一度色を抜きなおして染め直したらうまく行くというような話を聞きます。中国国内向けの糸のグレードは、日本向けの糸のグレードよりも低いことが当たり前なので、このような問題が起こりやすいのだと思います。

上海の展示会でも、中国のリネンの紡績メーカーが10社ほど弊社のブースに来てくれました。価格は安いものの明らかに中国糸であるといえる白っぽくそばかすの多いリネン糸を製造する紡績メーカーから、ヨーロッパ原料を使用したトップクラスの紡績メーカーまであります。トップメーカーのものでも中国向けと日本向けは使い分けているのでその辺りが品質のポイントかと思います。

以前、ヨーロピアンブランド糸を使用したときに、中国糸以上の問題が発生するような事態が起こり、本国紡績もの以外は注意して使わないといけないレベルまで来たということを実感しました。最近では、競争の成果もあって、中国紡績のトップクラスのブランドのほうが品質だけでなくフォローも良くなってきています。最高を誇っていたアイリッシュリネンが10数年前くらいから品質の低下がみられ、紡績産業自体が消えてしまったのも同じような流れで、このことは、同様に日本の製造業にもいえるのではないかと思います。
2009年11月01日
今日は、午後からかばんメーカーの社長さんが林与に起しになられました。かばんというのは革のものが良いというイメージがあるのですが、最近は、布かばんが人気だそうで、エコバックなんかも引き合いが多いそうです。

リネンの布というのも、大量に使われる場合、大手さんの生地をお使いになられるほうがお安くつくのですが、国産の本格的な語れるものを使いたいということで近江の織を使用したものを探しに来られました。林与は高級アパレル向けの素材が多いので、細番手を得意としており、生地の薄さ、軽さ、透明感が大事だったりするので、ずばりそのままかばんに使えるような素材が少ないので、新らたに布をおつくりすることをお約束しました。

特殊なものを覘いては、太い番手の布を織ることは難しくありません。林与の特殊な仕上げで、しわになりにくいポコポコ感のあるリネンを生み出すことも可能で、それにも興味を示していただいております。リネン100%のものとしては味があって面白いものです。

メーカーさんのものづくりにおいて素材コストを抑えることに走ると海外からの安いものに近づいてしまいます。語れるような素材に語れるような技術を掛け合わせて完成度の高いものを作ることで、世界的な市場で日本製の優位性をPRできるような商品開発が必要ではないかと考えます。
2009年10月31日
夕方には、リネンの100番単糸を使用した、リネンストールが加工から上がってきました。ふんわりとしていていい感じです。ブランドさま向けのリネン生地も上がってきて、検長などいたしまして、出荷いたしました。加工工場さんも林与を大事にしてくださっており、納期などに関して迅速な対応を下さっております。

夜には、中国市場の担当から電話がありまして、上海の展示会で私の名刺をもらったほかの方からの別件のサンプル送付の依頼があったということで、スワッチを今日の夕方発送しました。リネン紡績が盛んに行われている中国においても、リネンは高級なものとしての認識があり、人気は出てきているようです。

今、インターテキスタイルイン北京への出展も計画をしています。春先はアパレルさま向けの見本つくりなどもあるので忙しいのと、ジャパンクリエーションのほうも予定していますので、本当に出展できるかどうかは微妙なところなのですが出展して、いろいろと日本の麻やリネンというものの奥の深さをPRしてみたいと考えております。

仕事が終わってから、今日は社員の一人の誕生日だったので、ささやかながらみんなでレストランで誕生パーティをしました。
2009年10月30日
昨日は、午後から商標登録に関しての相談をお願いし、弊社までお越しいただきました。滋賀県を中心として複数の件のアドバイザーとして活躍されておられる方で、登録を予定している商標が登録可能かどうかを事前に調べてくださっており、スムーズにネーミングの登録が進みそうです。

リネンジーンズの案件が自社企画のもの以外にも進みはじめているのですが、色の調整などリネンをおるということ以外の部分で、リネンと深く取り組まないといけません。原色の濃淡だけでは大衆向けの色が多くて、ワビとワビの世界を作り出すのは難しいのです。わずかな色の違いにこだわるブランドでは、原色を使うことは少なく同系色で固めつつも微妙なトーンを使い分けることで、独特の世界を作り上げます。デニムの世界で日本のデニムが世界的に強いのも色出や仕上げにこだわることができるからで、糸や織以外の要素も重要となってきます。日本人の感性が世界から注目されているといえます。

高級なものを作ろうとするときに、絶対的に必要なのは確立された技術だと思います。安定してものづくりをすることが出来なければ、色柄を生み出しても、問題が生じて最終商品で完璧なものが作れないのです。そのためには、麻に関する知識が必要で、糸の知識はもちろん、染の知識、織の知識、加工の知識がなければ、麻をデザインしてもどこかで壁にぶつかったときに最初からやり直さなければならないことが多いのです。

日本のリネン業界においては、大手さんの取り扱う中国産テキスタイルが大部分を占めていますが、林与では、まったく逆の方向で、近江湖東産地の麻織の技術をベースに、アイリッシュリネンプロジェクト、リネンデニムプロジェクト、リネンストールプロジェクトなどに取り組み、メイドインジャパンのリネンとして誇れるようなクラスのものをつくりたいと考えています。小さいながらも麻にこだわり続ける老舗であることの違いを世界に向けてPRしたいと考えております。
2009年10月29日
今日は、朝からスワッチ見本つくりをしていました。送る人に応じて、英語と中国語を使い分けながら、台紙に布を貼り付けて手作りで作っていきます。手間は掛かるのですが、すごく楽しい瞬間です。他にはないものを林与自身がPRすることがとても大事だと感じています。メイドインジャパンの麻織物はあっても、麻の本場近江で品質にこだわりよいものを目指して続けてきた林与独自のラインは、単なるメイドインジャパンというだけでなく、本物の近江産麻布を代表するだけの品質と価値をもっていなければならないと考えています。今後、中国や欧米を中心とする世界のリネン市場が、麻の高いものを求めるときにその要望にこたえられるのではないかと考えています。

スワッチ見本の発送には郵便局のEMSを使いました。東京に荷物を送るのと同じ感覚で3日程度で上海だと届きます。また、反物を送るのも30kgまでは、1kgあたり1000程度で送れるので、海外への発送もほんとうに簡単になりました。物流に関しては国内発送と同じ感覚でものが動くことになります。海外への発送となるといろいろと手間がかかり、納期の問題も絡んで話がスムーズに進まないということが多かったのですが、通常の出荷とほとんど変わらない感覚でものを動かせる時代になりました。

JCの2010AWで発表しました、リネンデニムのほうも本格的なニューラインとしまして、オリジナル商標の登録やカラーバリエーションの拡充に着手し始めています。今日も午後からお問い合わせをいただきまして、林与のリネンデニムも、来シーズンはいろいろなところが取り扱ってくださるのではないかと準備しています。私自身も履いてみてますが、履き心地は綿のジーンズとは違って軽く疲れません。麻としてはしわにもなりにくく、適度なやわらかさもありますので、オールシーズン履いていただけます。

この、今週末は、スワッチの発送で時間が過ぎてしまいそうです。週末と書くと、なぜか、頭に、TGIFという文字が浮かびます。今日は金曜日なんですね。
2009年10月28日
今日は午後から大阪のお客さんが来てくださいまして日本のアパレル業界の情勢を話しました。ものづくりの方向性において、どこでも議論になるのですが、二つの方向性があるかと思っています。一つは大量に安くものを売る。もう一つは、品質にこだわり高いものを作ることです。最近ではコストを追求しながら安く作つくり、ブランド力やマーケティング力の違いで最高級品として売るような形が勝ち組のようです。

ファストブランドのように量を行くことで安いだけでなく中くらいの材料を使えるようになるケースもあり、必ずしもファストブランドの素材が悪いことはありません。百貨店ブランドが語れるクラスの材料から中クラスに落とすと素材の面で、ファストブランドも百貨店ブランドも同じレベルになってしまい。価格面で訴えることのできる顧客をたくさん持つファストブランドはマーケティング力では断然勢いがあるので、百貨店から客足が遠のくのは当然だと思います。

高いものが売れないといわれる今の時代において、百貨店ブランドさんが、ファストブランドさんと競争を意識されています。コストをどうやって抑えるかということがポイントとなり、高いものを作る人がいなくなっては、日本の高級な素材づくりが成り立たなくなり、素材においては品質面でも急上昇の中国に抜かれてしまうのも時間の問題かと思います。

今回の上海の展示会でも、日本の百貨店や商社が中国を消費市場と考え進出するときに、日本やメイドインジャパンを謳えるような商材を探しておられるというのが伝わってきました。また、中国のバイヤーや欧米のバイヤーも、「これはどこで作ったものなのか」という質問をされる方が多く、日本製であり、出展者自身が織っているということに意味を感じておられるのが伝わってきます。また、他で手に入らないものを探しておられ、直接、買いたいという気持ちも強いように感じました。
2009年10月27日
今日は、午後から袱紗屋さんの若大将(専務さん)がお越しくださいました。かねがね噂は伺っており、ブログなどを拝見していると強面の感じの方を想像していたのですが、非常に上品な感じでお若くハンサムな方でした。普段は、ちりめん生地をお使いのようですが、今回は、滋賀の伝統の麻を活用しようと林与の生地とのコラボを考えていて下さり、名刺入れなどの小物や暖簾など近江産湖東麻布を使用したものに取り組もうと興味を示してくださっています。

夜の7時ころから、上海の展示会で人気だった麻のトップの糸の在庫確認のため倉庫に行きました。ほかにも、倉庫の中には昔のものが一杯詰まっていて、その中から、手績糸を見つけました。林与が近江上布の機元だった半世紀以上昔のものです。買ったときのままの箱に入っていて、糊を付けたような状態の感じです。箱には、きぬあさ80番手、100番手、120番手の印刷があり見るからに特別の扱いをしていた糸のようです。手績糸の入手が困難になった今、昔の日本の手績糸が使える状態で残っているのは、日本の伝統の織の世界にとって昔のものを再現することができるという大きなチャンスだと思っています。アイリッシュリネン140番手にしましても昔の糸と今の糸では織物の風格が違うので、昔の良いものを再現するためには、昔の良い糸がベストの選択だと思います。今は作ることのできない、昔のものは本当によいものが多いのを実感します。

夜遅くに、カバンメーカーの社長と電話でお話しました。熱気のある上海での展示会のお話などをしまして、メイドインジャパンをどうやって世界に広めていくかを考えるとき、香港の展示会なども選択肢の一つではないかと薦めていただきました。カバン業界に置きましても高級ゾーンを扱っておられるところは今年は悪いようで、それを乗り越えるために、より価値を伝えることができるものづくりをしていかなければならないことを感じました。
2009年10月26日
10月の二つの展示会を乗り越え、ほっとしたのもつかの間、今日から会社が動きはじまりました。午前中には、彦根の組合に行き、開講式での挨拶など組合関係の仕事を済ませ、銀行に挨拶に寄ってから、お昼前に会社に戻りました。出荷の段取りを行って、お昼一番に溜まっていた加工出しを行って、夕方には、組合関係の身内の方のご不幸がありまして、お通夜に参列させていただきました。
2009年10月25日
昨日の夕方に日本に帰ってきました。疲れていないようでもやっぱりたくさんの荷物を抱えて移動をしていたので、疲れてました。眠って起きたのは土曜日の夜中です。日曜日は、仕事の段取りを見直して、中国での展示会の内容を整理して、サンプルの海外発送など準備を少しいたしました。

朝のうちに加工屋さんの社長さんからお電話をいただき、情勢的なことをお聞きいたしました。林与は今回の展示会で、近江の麻の織をPRする一環として、近江の手もみのシャンブレーをハンガー一つ分使って展示したのですが、世界的には、あまり人気がなかったです。ラミーよりもリネンに人気が集中していたという事実をお話しました。一方で、どのように林与が今後、日本のよい麻織物の手本であります、手もみの100番シリーズのよさを世界に語っていくかを考えなければいけないと思っています。

繊維ニュースで、上海の出展企業の企業紹介を兼ねたインターテキスタイルイン上海の連載をやっておられ、その中に、うちの会社の紹介が写真つきで出ていました。弊社の通訳の女性が、林与のリネンデニムをもって微笑んでいる写真で、林与の上海の展示会での楽しそうな感じがでていてよいかなあと思います。会期中には繊維新聞さんも取材に来てくださいました。

明日からは平常の仕事に戻らないといけないので、外注さんにお願いしていた反物を取りに行ったり、加工出しや染め出しの準備も夕方からやりました。リネンデニムの縫製やマフラーの製作なども注文が入ってくると忙しくなりそうです。

生地だけでなく、リネンハンカチも、リネンマフラーも、リネン業界のプロが考える究極のものを作りたいと考えています。リネンデニムにしても、綿からではなく、リネンからのアプローチですので、リネンのよさを引き出せるようなものを作り上げたいという気持ちで、織だけでなく、糸、染、加工に渡り、林与のノウハウを生かして最終形を他と違うクラスのものにしようと取り組んでいます。
2009年10月23日
今日は最終日でした。お祭りも終わった感じで朝から片付ける準備を始める出展者が多く、お世話になった皆さんへのあいさつ回りなどが目立ちました。最終日ということもあって、展示してあるアイリッシュリネン140番手のストールを買えないかというお話しも頂きましたが、PRのための参考出品の非売品ということで事情をご説明し、肌触りを楽しんでいただきました。リネンは番手だけではなく、原料の良し悪しや紡績技術も本当に大事なんだなあと感じてもらえると思います。今作ることのできない昔のものの良さというのはすべてが違います。

JCと同様、手作りっぽいブースで出展したのは、ほかのブースと違ってプラスチックっぽくないということで、芸術家やデザイナーの方から「他と違って素敵だ」と言ってもらえることが多かったので、しばらくこのままの形で出展を続けていきたいなあと思っています。ブースのネームプレートのしたに紙に手書きしたメモで「We speak Japanese, English, Chinese. 日本語、中国語、英語OK!」と表示したのも、林与の方向性の一つです。林与のブースの前を通り過ぎた何人もの方がそれを見て微笑んでいただけたことが、非常にありがたかったです。実際に、欧米の方とのお話のチャンスが多かったのもその表示のおかげかと思います。もちろん、中国国内の方もたくさん来てくださいましたが、気軽に立ち寄っていただき、林与のリネンを見て触って実感してもらいたい気持ちでした。

数年前にお会いした韓国の最大手の商社におられたバイヤーの方も「林与」を見つけて立ち寄っていただき、お話を久しぶりにいたしましたが、韓国国内のアパレル関連の現状のお話だけにとどまらず、来季に向けた取り組みへの熱い思いが伝わってきました。国内紡績関係の方には、また国内でよろしくお願いしますと双方がご挨拶など交わし、日本にいるとき以上に、日ごろのお得意先の皆様と密に連絡を取れる場として、インターテキスタイルイン上海は絶好の機会であると思いました。

心残りなのは、林与に興味を示してくださる中国バイヤーの方も3日間を通して何十件とあったのですが、上海に事務所があるのかという質問をいただいて、ありませんと答えると、ものは特別なのに残念だというお言葉をいただき、諦められてしまわれるケースが非常に多かったです。この辺りは検討課題として前向きに考えていきたいと考えております。中国や欧米の企業が、価格的に日本企業が買うことが難しいレベルの林与の布に興味を示してくださるということが分かったことで、さらに、麻の世界の誰もができないような高価なものに挑戦できるのではないかと考えております。

林与のブースにお越しいただいたみなさま並びに、お世話になった事務局のみなさんのほかに、準備の日から通訳でお世話になりましたお二人には心より御礼申し上げます。夜はリネン関係の方と夕食を食べ、今後の商品開発に関する課題などを検討しました。展示会中、メールなど連絡の取れなくなってしまった皆様にはご迷惑をおかけしました。明日の夕方には日本に戻りますので、また、よろしくお願いいたします。
2009年10月22日
インテキの3日目、上海の展示会にもようやく慣れてきた感じです。モンゴル出身の中国人のバイヤーに非常に気に入ってもらえたみたいで、3日間毎日来てもらっています。明日も来てくれるそうで、その目的が、展示しているストールのサンプルを分けてほしいということです。林与のリネンストールは普通のストールとはやわらかさが違うので、人気が高く、海外受けがよいです。林与の前のブースの香港の女の子も、林与のストールを分けてほしいということで、林与のブースに見に来てくれました。他の方でも毎日林与のブースにハンガーを見に来る中国人の人もいます。

リネンストールやリネンデニムを触った人たちは、必ずといってよいほど、名刺を取って行ってくださるので、用意していた日本語英語版が、100枚が初日でなくなって、「林与有限公司」の中国英語版を2日目は使って見ましたが、ちょっと響きが中国っぽすぎて、急遽、3日目に日本語英語版を作ってもらいました。よい勉強になりました、来年からは中国語版も「株式会社林与」で統一しようと思います。

今日は、午前中、長くお付き合いのあるアパレルさんの中国支店の責任者の方がお見えになられ、最近の動向をお話して認識が共通しているところを確認しました。中国市場向けに日本のよいものを提案して意向という気持ちが高まりました。日本の百貨店などが増えている中国で、本当によいものが必要になってきているとのことです。上海は、万博も控えているというせいもあってか、街自体が活気付いています。タクシーもたくさん走っていても空車のタクシーを見つけるのが難しいくらいで、この活気はなんなんだろうかと思えるくらいです。夜、ご飯は昨日と同じすごくおいしい中国料理店でみんなで60元です。上海は、もはや隙がなさすぎます。人を集めるには完璧すぎる街です。
2009年10月21日
今日は、一般にも公開がスタートする初日でした。昨日とは若干お客さんの感じが異なり、昨日のようにじっくりと話をできる方は少なめでした。日本製のリネンというのがどう違うのか見るのが目的の方が多かった気がしました。

欧米のバイヤーの方は、リネンの140番手の試作品をみて立ち止まられている方が多かったです。世界でも手に入らないもので参考商品で非売品であると説明させていただいているのですが、やはり、一番高いものに注目してくださる方が多く、価格などをお尋ねになられますので、参考想定価格をお話ししますと本当に驚かれていました。欧米のバイヤーの方も、もう手に入らない、本物のアイリッシュリネンの世界には興味があるようで、本物への憧れというものは、作る側だけでなく、買われる側の方はより求められる要素なのだと確信しました。

今日の弊社のブースでの人気は、リネンデニムではなく、60番手のシャトルリネンストールでした。10人くらいの方がその一つのタイプをピックアップして話を聞いてこられました。林与のリネンストールというのは、中国製のリネンストールの何十倍かはするかとは思うのですが、デザイン性、クオリティの面では、ほかのブースでは見つけることができないものということと日本製のストールということで注目くださいました。

今回の展示会におきましても、林与のブースの飾り付けが特殊なことは私自身も理解しています。たぶん、展示会のブースの中でも一番、ハンドメイドちっくな飾り付けで、展示数も少ないと思うのですが、プラスチックなテイストにならないように注意して展示するハンガーも選びました。日本の織物、近江の織物の重みを出したいという気持ちで、ヨーロッパのテイストとは違う世界で、リネンを提案してみました。
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