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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2023年02月25日
デザイナーさんでも最近は、二人が組んでやってられたり、二人でブランドを立ち上げておられたりの方が多い。昔ながらの商売というのは家のものが一人背負ってみたいなところがあるのだけども、今の学生から業界を目指される場合には、友達同士二人が一つの仕事を協力してやっていくようなスタイルが見かけられる。

あるブランドさんも若い人たちが集まって立ち上げられて、勢いを持っておられたときもあったけども、それが難しくなって解散されて、デザイナーさんがもう一人の方と小さく動かれていたりする。私が思うに、物事をするときには一回全部のことを一人でやってみてすべてこなせるようになっていると、大きくも小さくも出来るんじゃないのかと思える。分業的に担当を決めて業務的になってしまうと人が多くなるほど全体的な話が通じにくくなる。

これ不思議なことなのだけども、二人でやっておられたりすると意思決定に時間が掛かる話になる。二人の中でもう一人がどうするかを決めるのを待たないといけない。一人でブランドをやっておられる方というのは、私が話をしてその場ですぐに現実的などうするかという話を、その方と進められる。多くの人が携わってやればやるほど、意思決定は遅くなって、人と人の考え方などの調整ごとに時間が使われたりする。

私なんかも自分が一人で仕事をしているときには、自分がとことん疲れるまで仕事出来たりもするけども、他のものがいたりすると休憩の時間を考えないと行けなかったり、できるかどうかの確認なども必要になって、人が増えて助かることもあるけども、できることも相手に合わせてあまりスピードアップできなかったり高度なことを要求できなかったりとかで、たとえば展示会などにも私は積極的に参加したいのだけども、一緒に行く人が増えると気を遣わないといけないことも増えてしまう。主催の方と話したりも大事なことなのだけどもそういうのは最初できないと後からや他の次の機会も同じようにないことになる。
2023年02月25日
電話でテキスタイルの相談を受けることがあって、こんなので来ますかみたいな話が来るとして、まあ、ほとんどの場合には麻100%でのものづくりを頼まれることが多いので、生地の企画というのは基本、どの番手の糸を使うかとか、どの密度にするかとかが重要になってくる。電話でテキスタイルの話をして、どんな糸を使ってどんな密度でどんな組織で、どんな幅のどんな風合いの、どんな用途向けの織物なのかの話。

こういうときには、今までの経験みたいなものが生きてくることも多いし、過去の経験を活かすためには、過去に毎回の仕事をしっかりと理解してやっている必要がある。それも一部の作業だけでなく、全体的な仕事を細部まで分かってやっている必要があるので、アパレルに出入りされている問屋さんとかはイメージだけの世界がほとんどだけど糸一本までの話になって来る。

たとえば、ギンガムチェックのようなものでも、何センチのギンガムが作りたいとかなると、最終の仕上がり想定でのピッチ予想などが必要になって来て、通常、織物というのは2本単位で柄割をするので、1cm角のギンガムをつくるのに、24本にするのか26本にするのか迷うことがある。一般的にデザイナーさんというのは、織物というのは碁盤の目のように、縦横の比率が1対1のような感覚があられるのだけども、通常良い織物とされるのは、経糸のほうが密度が高くて、横糸のほうが密度が少ない、くらいが良いのである。林与の織物の基本の規格も昔からそのようにしてある。

縦横の比率が違うことで、縦も横も同じ本数にするとやや縦長の長方形が出来てしまう。正方形にはならないのである。だから横糸を2本くらい縦よりも減らしてあげたりして、正方形に持っていくとかが普通の方法。また、正方形というのは、縦長気味につくるくらいが目の錯覚で正方形に見えるので、縦1割くらい長くしておくくらいで大丈夫なのである。ちょうと同じ長さにすると、横長に見えてしまう。

200本とか300本のチェック柄になってくると、シミュレーションをプリントアウトしたものなどから、糸の本数を決めるのだけども、この作業を出来る人というのが本当に少なくて、今だと、エクセルとかで簡単に割り振りができるのだけど、少数の切り上げ切り下げのさじ加減が大事で、トータルの本数が、想定の柄の大きさに合うようにこっちを減らしたり、あっちを減らしたり。この作業が出来ないと柄モノを正しく作るということは難しい。生機規格と加工上がりでは、加工上がりのほうが横が15%程度縮むので、そういうのも加味する必要がある。

また、そこから先にいくと、割り振った本数から、使用する糸の量を計算するのだけども、この作業になると、もうできる人が本当に少なくて、林与は最初の日からやって来たけども、計算量がすごく多いので、計算機の時代には結構大変だった。今は表計算ソフトがあるので、簡単に求めることができるのだけども、表計算ソフトを使いこなして糸量の計算を出来る人が繊維業界には少ないのである。また、理論値というのは、ロスを見ていないので、通常は経糸の場合には25%くらい理論値よりも多く染めて、横糸は理論値よりも10%ほど多く染める。

整形は15%くらい長めに整経して、織の縦縮などのロス見たらちょうどくらいになる感じかな。太い糸の場合や密度が高いと経糸がアップアンドダウンが激しいので、長めに整経しておかないといけない。糸も、均一な糸だとロスはすくないけども、スラブっぽい糸は織縮が大きくなる。

よく、アパレルの方が、在庫ゼロみたいな感覚で仕事をされているけども、テキスタイルの製造現場では100m必要な場合には、120mくらいは経糸を用意して、110m、ほど織って兆度くらいのイメージで、問題がある個所などをキズ引きしたり、長すぎたら5mほど残したりが普通の話で、誰かが在庫ゼロを目指せば、在庫を抱える話が普通。

計画的な生産はかっこよいのだけども、そういう計画的な生産というのは、最初に計画に余裕がないと難しく、1回でスムーズにいく時間しか考えていないと問題が起こったときにはどうするのかという問題。アパレルの展示会というのは、日本もそうだけども世界的にも、春夏の展示会は10月の後半くらいに行われることが多い。11月末とかに生産数量が決まって、染めるとなると、12月中に染めきることも難しいのが現実、また1月に入って加工出しをして1月末納めで動いても、その間に検査数値をとったりして、検査数値が良くなかったらどうするのかとか、もう、モノづくり自体が、最初から時間的に無理が多すぎるのである。それが2月末とかだとしてもフルに動いて普通にギリギリくらいの話。

9月から3月末くらいまでは、春夏物の生産期にあたり、それは昔から。昔はシーズンオフには農家の人たちは田んぼをしていたりするのが普通で、それで両立みたいなことができていたりしたが、今は織物の仕事というと高度化してしまって、今書いたようないろんな計算事などができて分かって作業して前に進めていけないと難しいような感じで、今の時代の仕事観からすると不思議なリズムで仕事が回っていたと思える。今の時代はどこまで仕事をこなせるかというのが一番大事なこととなって正常化したといえば正常化したのだろうと思える。
2023年02月24日
林与の仕事ってテキスタイルを作る仕事で、テキスタイルデザイナー向きなのかと思えるけども、実際には有名ブランドのデザイナーの方とお会いできるチャンスも多いし、デザイナーの方にとってはテキスタイルというのはデザイナーがデザインにこだわりたいアイテムだったりするんで、回りくどいかもしれないけども、ブランドのデザイナーがお客様であるデザインの仕事だったりもする。

それって、すごいことなんだけどもと私は思える。でも、その分、実力が必要で、デザイナーの方の話を理解して求められるものをつくれるような力が必要。デザインという要素だけでなく、素材の物性などにも精通していないといけないので、経験がすごく大事。麻織物の分野は特に、物性がカプリシャスなので、使える布をつくれるためには、デザイナーが求める色柄や風合いというだけでなく、物性の問題までも解決するような能力が必要で、麻関係で、そのあたりの話が出来る人って、日本で数人くらいしかいないのではないかと思う。

就職希望の人たちがデザイナーを目指していたりして、覚悟さえあれば、案外デザイナーの力が発揮できる仕事だったりもする。なぜなら、仕事の相手がデザイナーさんたちだから、多くのブランドのデザイナーさんと会話するとか、提案力さえあればテキスタイルデザインだけでなく、そのテキスタイルをつかってどのようなアイテムが出来るのかなども有名ブランドのデザイナーさん相手に提案出来たりする。

そういうのをチャンスととらえるかどうかなのだと思うけど。いろんなデザイナーさんと出会え、力さえあれば対等に話ができるような、すごい可能性があったりするのだけど、若い人でそういうのやってみないかなあと思う。また、織物会社もそういうチャンス多いけど、縫製会社も同じようにそういうチャンスがたくさんあるから、アパレル企業だけでなく、縫製会社に勤めて、多くのデザイナーさんと仕事の話ができるというのは、アパレル企業の中のひとつの仕事を担当する以上に、レベルの高い仕事なんじゃないだろうかと思うが・・・。

ブランドの方も、話し相手としては仕事に覚悟を決めているような人と話をしたい傾向があるとは思う。楽して稼ぎたいみたいな人と仕事を一緒にしたくはないだろうし、時間から時間で働いているサラリーマンタイプの人とも重要な話はしたくないだろう。仕事で大きな仕事をしたければ、そういうところから抜け出さないといけないんじゃないかと、思えたりする。週40時間普通に働いたところで、ブランドのデザイナーさんと話できるような知識も身につかないし経験も積むことは難しいだろうと思う。知識や経験よりも、実際に形にできる力や問題解決能力があるかどうか、が大事なあたりなんだろうと思える。

デザイナーさんたちにしても、例えば、専門の職人タイプの人と話すると、意味が理解してもらえなかったり、また、出来ない、分からない、ばっかりだろうと思う。既存の技術要素を新しい案件に応用する時には、いろいろな問題が生じてくるのだけども、そういうのを理解できる力がないとならないのだが、分業制でありがちな繊維の製造の現場では、縦割りの壁というのはなかなか超えにくい壁だったりするものであるが、大きなことをしようとするときにはそういう壁を普通に超えて問題解決してゆけないと難しい。一つのものごとを成し遂げるために自分を捨てられるかみたいなあたり、あるのかもしれないなあとは思う。
2023年02月24日
今、タイイングマシーンで糸を繋いでいるけども、その糸が切れ易くてどうしようもなく、1日がかりで繋ぎ始めたけどもあまりに問題が多いので後でコマを入れたり、右から左に糸を渡したりとかいろいろと細工が必要となりそうで断念。諦めて、手で繋ぐことに変更。手で繋ぐ作業というのも、悪いことではないのはこういうときのためで、手で繋ぐとより正確に糸を繋ぐことができるので、よい。

しかしながら手で繋ぐときには、そのスピードは大事で、1時間に100本、200本では仕事にはならない。1時間に300本くらいは結べないと。大体、10秒で1本繋いで、1分で6本で、1時間で360本くらい。そのあたりが、目標のところ。1時間200本でも他の織機を動かしながらとかならよいのだけども、そういうのが出来る人と出来ない人の差はあったりして、出来る人でないと他の作業にしても並行にいろんな作業をこなして行くことが難しい。

繋ぐスピードだけでなく正確さも大事で、そういうのは、慣れたらうまくなるとかじゃなく、最初の1週間くらいで慣れて普通にできるようにならないと、1回1回がいつまでも苦痛で遅かったりすると難しい。平均のスピードよりも遅い人がいくら頑張っているといっても通用しないのがプロの世界で、そういう厳しさが当り前でないと成り立つことも難しい。何十年の経験者でも遅かったり正しくできなかったら素人と同じでしかないし、そういうのがモノづくりの世界の厳しさ。

たとえば苦労して1日働いても結果が駄目だったらそれは1日仕事が遅れただけで何も仕事しなかったのと同じというのが外の評価。そういう感覚がないと仕事自体が難しいのがものづくりの世界。よくそこで文句言う働く人がいるけどもそういう人は仕事に向かず、結果が、その人ができた仕事なんだし。私の場合だと納期に合わせて遅れを取り戻すとか、他の人の問題でも解決するために夜働くとかあるから成り立っているところがある。
2023年02月15日
コロナ前の11月の大阪の展示会で、京都の晒加工で有名な織物加工工場さんが加工業をやめられた話をお聞きして、1m100円程度の加工賃を10円値上げしてほしいというのが受け入れられなかったということで加工業の廃業を決められたそう。コロナ前ながら消費税増税ならびに人手不足による人件費高騰などあって繊維業界にはすでに不況感が漂っていた時のこと。その方が1年以内に京都の加工工場の半分くらいが廃業になるというような予想をおっしゃっておられたが、それほどにコロナ前に京都の加工業界は悪化していたようである。

そして年が明けて2月3月にコロナが世界的に恐怖感を増し、5月には日本でも営業自粛などが行われた。そして早4年、その間も国内のアパレル業界や着物業界はコロナの影響を受けて大きく落ち込んで、特にイベントや外出、海外旅行などの市場が消えたせいで、高級ゾーンほど壊滅状態に。

業界の形態も変わり、展示会受注方式から、新しくモノを作るではなく、従来のの在庫品を活用するようなエコ、エシカル、サステイナブルな流れに移行してきた。林与においてもアパレル向けの比率は非常に小さくなり、キッチンクロスや雑貨、資材系の織物の生産を中心に、それなりに忙しくは仕事を回しては来れた。

店頭自体を自粛閉鎖状態にされていたところもあったりで、善意業界は一般的には雇用調整などの給付金を受けて休業状態にされているところも多かった。林与も昭和の先代のころは夏場というのは仕事がないような状況もあったりだけども、私の代に変わってからは年中やらないといけない仕事で手いっぱいの状況が続いては来た。だが、仕事内容は、新しいことを手掛けることが多いので、新しいことを当たり前にこなして答えを出していけないとならず、作業する人の能力の高さみたいなものが必要となり、今の現場は、昭和の時代のように分業でだれでもができるような作業ではなくなってしまった。

不思議なのだが、何十年の経験者ができないことが多くなり、初めての学生のアルバイトの人のほうがこなせることが多いというのも、仕事内容の高度化についていけるかいけないかというあたりの問題で、慣れで考えずにできる作業ではなく、確認確認ばかりで、学校の勉強の確認作業と似たようなところが多くなり、それに付いてゆけないとなかなか仕事が難しく、失敗が許されないという、昔の人にはついていくのが難しいような作業になってしまった感がある。何倍もの正確さで、何倍ものスピードで仕事をこなして行けないと、成り立たない今の繊維の仕事。
2023年02月12日
今日、ノートパソコンの交換用のキーボードが届いた。出荷を終えた後に、箱を開けてキーボードがプチプチに包まれて入っている。一つで良いのだけども、送料も掛かるし、今後のためにも2つ注文しておいた。1個はスペアに取っておく。

新品の交換用のキーボードなので、キーボードの裏面もまっ平らで、配線を繋いでから、両面テープを張り付けて本体のキーボードスペースに、密着させてできあがり、10分ほどの作業。これはやっぱり、新しいキーボードでないと駄目かもしれないと思える。

コンピュータの修理というのは織機の修理よりも簡単だったりしてプラモデルに近い世界。今はノートパソコンの分解方法などもネットで検索すれば簡単に見つかるので、あとは交換用のパーツを用意するだけのこと。

自動車のミラーやテールランプなんかも交換してみた、そのあとすぐに両方とも廃車にしたので、自分で中古のパーツを手に入れて交換してよかったなあと思える。自動車自体の価格が、下取り価格にしても数万円のものなので、それに一つの部品を交換するのに何万円も使うというのはあまりに意味もなく、中古の手に入るパーツを安く手に入れて自分で交換するのが今後のためにも役に立つ。

ひとつ心配なのは、壊してしまわないかとか、出来なかったらどうしようとか、壊してしまっても出来なかっても、その時にはプロの業者に頼めばよいじゃないかと思ったりする。プロとてやることは同じことなのだから。
2023年02月10日
出荷管理とメール管理用のノートパソコンのキーボードの調子が悪くなって、交換しないといけないと思いながらも、メーカー修理だと中のデータは初期化されるので、自分で交換しないといけない。交換の仕方は調べて分かっていて、いくつか同じノートパソコンを持っているから、あとは作業をするだけなのだが、今の状態をより悪くする可能性もあるから、ズルズルと1か月。

請求書などもウェブでの発行で添付しないといけないので、今日は夕方から必要に迫られ思い切って交換作業。交換はできてうまくキーボードは認識されているものの、別のノートパソコンからはがしたキーボードを移植するので、はがしたときにキーボードがベコベコになってしまって、両面テープで固着するもキーボードが波打っている。

やはり交換部品は新しいものを使うべきだと考えて、新品の交換部品を注文する。今回、良い練習になったので無駄ではないと言える。久しぶりになれたPCで作業に戻ると、やはりすべてが使いやすいように揃っているので、使い勝手がすごく良い。

でも、このノートパソコンも3年以上は使い続けているので、そろそろ、SSDなども、寿命に近くなってきているだろうから、1年以内には新しい環境に移行しようと考えている。新しい環境といっても、また同じ型番のノートパソコンを中古で買って、新しくデータなどを入れるだけのことだけども、毎日使っているパソコンというのどうしても、USBの差し込みも甘くなって、液晶も彩度が落ちて、経年劣化が激しい状況。

それにしても、外付けのキーボードとマウスも認識してたのに、今日は認識しなくなって、いざというときに余計にトラブルが起こるものだ。今日は関東方面が雪が降ったということで、予定されていた東京からのお客様は来られないことになった。今、春になって現物の生地が必要な時期で、在庫の生地を中心に作らずに対応をできる形。だんだんと、糸も高価になりさらに糸質が落ちていると言われている、生地を作ることも難しくなってきてしまった。
2023年02月08日
ブラックコーヒーが好きで、でも、それほどこだわりもないのでインスタントや缶コーヒーで十分なのだけど。味的には酸味感のあるキリマンジャロのテイストが一番好きで、でも、インスタントでもキリマンジャロはめったにみかけなくなって、アマゾンで買おうかなと思って調べると60gのしかなく、1200円ほど。

まあ、50杯くらいは飲めるだろうけど。インスタントコーヒーでも高級品なのである。私の苦手なのが、フィルタータイプのインスタントコーヒーであれはゴミがたくさん出すぎるからいやだったりする。缶コーヒーも缶がリサイクルするとはいっても罹災クスに使う資源の無駄だろうから、インスタントコーヒーが一番良いわ、とそれが自分との相性。

コーヒーというのはすごいなあと思うのは、昔から飲まれていたということで、その味というのもその間愛され続けてきたということ。ほかの清涼飲料水などが人工で作られるのに対して、コーヒーはもちろん交配などもあるだろうけども、自然の素材そのものの味である。紅茶もお茶も同じく。

ペットボトル一本2Lのお茶が150円で、350ml缶のお茶も120円とか、そのあたりが、ほんと、材料費の問題じゃなくて、販売のコストの問題なんだという問題。

先日、上水道の方と話をしていて上水道を止めても、地下水があるから大丈夫だという話をしていたら、その方が、飲めるんですか?みたいな話。それを聞いてこっちが、えっつ、となった。林与の家では、地下水は飲むためのもので、上水道は、停電の時にこまるからという理由で引いてある。地下水が飲めるということが田舎でも普通ではなくなってきているということだろう。

2023年01月29日
今縦つなぎの案件が3つある、その一つがデニムなのだけどもあまりに時間が掛かるのがデニム。繋ぎ終わってからも織りだすまでに半日以上かかる。半日というのは24時間の半日なので、普通の仕事とすると一日仕事みたいな感じ。経糸がインディゴ染めなので色が濃くて非常に見えにくく、作業がしずらいのも難点。

織物の仕事というのは壁が高ければ高いほど、ほかの人がマネはできないだろうから難しいことは悪いことではないのだけども、難しい仕事というのは会社のほかの人ができないので私が結局担当となってしまって、納期に追われて直線的にこなさないといけないことが多い。日本だと高度な織物が云々のイメージではあるだろうけども、少し高度になると普通のサラリーマンでは1日8時間の作業の中で生産ができるのかというと、難しいだろうなあと思える。

高度なイメージもいろいろだろうから一概には言えないだろうけども、与えられた状況の中で限界的な織物みたいな織物は無理が大きい。ほかに高度な設備という概念もあって、たとえば電子ジャガードで、デザイナーさんの求める織物を自由につくるみたいなのも高度な織物だろう。そちらの織物のほうが生産性はあるのかなあとも思えたりもするけども。資材系などの織物も電子ジャガー度を用いたものがある、車のシートなど。でもその世界というのは価格というのは本当に競争的な価格のようである。そういう企業のものづくりが理想には見えるのだけども、手作業の世界のほうがまだ田舎の人でもできるやさしさがあって、そういう産業的なものづくりというのはよほど優秀な人でないと難しいだろう。

日本も製造業が成り立つためには、構造的なものから考えていかないと、利益の取り合いというだけに終わってしまうようなところがあるような気がする。それは繊維産業だけでなく、国や行政と企業の関係なども含まれていて、繊維産業というのは人や土地が必要な産業で、人や土地を必要としない産業を基準とした課税体系や雇用ルールなどを、製造業にも一律に適用すれば、どんどんと苦しくなっていくのは当たり前で、右から左で利益を上げるところが残るだけ。その典型が熊本の産地偽装あさりとかだろう。カネしか見えなくなったときにはどうしてもそうなってしまうものである。ビジネスが大きくなればなるほどその傾向は強くなるのではないかなあと思えたり。

国内生産に移行するということを目指した百貨店もあったけども、それは百貨店だったら理想的なことのひとつかもしれないけども、百貨店にしても株主の集まりで、株主というのは配当とか利益しか考えないところがあって、結局、海外生産で駅率の高いものを売ったほうが儲かるという、国内生産のよう理想は捨てた路線に軌道修正がなされた。

百貨店に並んでいるものですら何分の1のコストでつくれる海外のものが多く、国内業者のつくるものもそれとの比較なのだから本当に厳しい世界であったりもする。ましてや、最終商品でなく、生地のような素材だと、その傾向は強いように思われる。実態がないのに、なぜか、国産の麻生地がでまわる。聞いたこともない業者さんから、聞くとあいまいな答えだったりしてほとんど国産とかで、具体的にどこかと聞くと仕入れ先ごとに違うからわからないとか売ってる人がいうからあさりと似たようなもの。国内で麻生地なんてつくってる人は非常に限られてきてしまっている状況で、何十年も前からそのあたりは変わっていないのである。百貨店店頭で売ってられる業者のかたもそのあたりを知られず、国産を謳ってしまっているような状況。

国内の繊維業界にですらも確かな情報がないというのがもう非常にあやういところで、偽造で問題になったアサリ業界と似たようなところがあって、国産と謳えば高く売れるという消費者だましが横行してしまっているのが普通のことになってしまっている。海外のものにしても別に悪いものではないのだけども、でも国産と謳わないと高く売れないということがあって、国産偽装は後を絶たない。だませばもうかるような業界の構造は繊維業界だけでなく、強度偽装が何十年も慣例化していたような国産の鉄の業界にもあったりもした。耐震偽装などもあったり。大事な謳いの部分が嘘で儲けるというビジネスモデルで大企業でも成り立ってしまっているあたりで、何十年というとブランドに明け暮れたバブル期あたりからの話なのである。ラベル商売の結果ともいえる。

自分自身が、日本で織物のようなものづくりをしていて意味があるのかどうかという問題。あえてもうからないスタイルを選んで仕事らしい仕事をやっているようなあたりが意味のあるところじゃないのかと思えたりもして。同じ物事をやっても成り立りたつ時と成り立たないときがあるだろうし、人が違えば同じことをやってもプラスとマイナスの結果に分かれる。

林与にこられたお客さんが、謳いみたいなものを探しておられるけども、なんで自分たちのやっていることの中にそれを求めていかないのかということも多い。幸せの青い鳥を探してうろうろと鳥を求めて産地めぐりされておられる方なども多いけども、林与と一緒に仕事する仕事のお客さんは大変だろうと思う。それでも自分でものを作っていくというブレないあたりを最重要視くださっているお客さんがいてくださって、失敗もあったりする難しい問題でも取り組んだりもできているから、それがまた全体の遅れの原因にもなったりするのだけども、許容してもらって成り立っているんだろう。

私自身は基本苦労や我慢は大事だと考えているタイプで、そういう部分が繊維の世界の価値観を生み出す部分だろうと思うし、それは特別な才能がなくても、だれでもが生み出せる価値観。経験というのは大事で、いろんな無駄かもしれない失敗も自分自身で乗り越えてできるようになって、そのあたりでのものづくりが最低ライン。することをどんどん簡単に楽にしていくような大企業的な考え方もあるだろうけども、そういうのが人のぶつかり合いの種になる。取る側と取られる側のような、それもものごとをするうえで大きな問題として考えておかないと、搾取構造で成り立っているようなモデルというのは、お金もうけだけのための仕事モデルであることが多い。

単純な作業に価値観を見いだせるとかそういうのも大事だと思う。単純な作業をしても、早くきれいにできる人とできない人の差は大きく、できない人ほど単純な作業を軽く見ていたりする。けど、ほとんどの人ができる作業をバカにしてできないようでは高度な作業というのは難しく、その人が理想としている賢く儲けるとかは、その人が実現して周りも養えるようなくらいの力があればそういう話も成り立つのだろうが。店舗をいくつも持っておられる大企業でもそれが難しいのが繊維業界の普通で、何の問題もないピカピカのきれいな店舗でも次々に閉鎖。
2023年01月27日
コロナに感染されたお二人の話を聞いていると70、80代でもないのに、悪化して入院手前くらいまでの感じ。入院してエクモとかつけないと重症化とは呼ばないそうなので、重症ではないという定義なのだろうけども、もう熱も肺もやられてそうとう大変な状態になられている。

コロナを軽く見てはいけないんだなあと思える。今、隔離が必要な2類から風と同様の5類に落とそうとしているけども、コロナ感染は放置していると全員が感染してしまうレベルだろう。つい前までなら、電車は大丈夫と言ってたけども、オミクロンレベルは隣に座って1時間だったらほぼ感染してしまうだろう。

学校なんかでも子供たちは感染しても無症状でも大人がそれをもらってとかで高齢者が感染してなくなる問題は防げないような気がする。普段は、普通にお仕事もされているお二人が、それぞれコロナに感染されて2週間ほど大変な状態のようなお話なのである。これ年配者だったら悪化は必至だろうと思う。

今、会社などでコロナ陽性や濃厚接触者ということで休まれる方が多くなられているようだけども、人数の多い会社でコロナを軽く考えてたら感染は止められない可能性が高いだろう。政府はもう飽きてきている感があるのだけども、状況は前と変わってはいないというよりも、感染は拡大中で、重症手前のところまで経験される方は多い。

そこから自然回復できると免疫ができてということなのだろうけども、たとえば2週間以上安静にできないと難しい問題がある。普通の風邪くらいなら2週間休むというのは仕事が回らなくなってしまうレベルなので、やっぱりコロナは2類指定のままでないといけないのではなかろうか。当然、治るまで安静にというような重大な感染病指定しておかないと。
2023年01月27日
チョモランマとか、登山家が上るときに、現地の案内人が道案内してくれる。登山家はその山の登頂に成功すると世界的なニュースになるけども、現地の案内人は小さなころからチョモランマでも経験して100回以上は登頂していたりで、登山家チームの荷物まで背負って、まあ案内人というのが商売なんだけども、名前も知られていない。

ものづくりの裏にも案内人みたいな人が必須で、その案内人見たい人はいろんな経験を持っていて、表の世界の人を道案内する。その道案内が仕事みたいなもので、仕事もらって作業しているみたいなのが、審査会なんかに行くとものづくり企業のイメージで、優秀なプロモーターのいうとおりにすれば、売れるものがつくれるのにとか考えられがち。

売れるもの売れない物って? 売る人次第のところもあって、売る人ががんばれば、売るのが難しいものでも売れることもあるし、売る人次第で売り上げは何倍も変わってくる。怖いのは、売れれば儲ければそれがすべてとかでやってしまうと駄目なんだけども、案外そういう企画の人は多かったりで、逆にそういう考えとは交わらないように気を付けている。

業界でもありえないような話はやっぱりあり得ない話なのだけども、そういうをブラックボックス的に素人の人が知識があいまいだったり理解不足でやってしまうことが多い。そういうあり得ない謳いというのは一人歩きして伝言ゲームで、業界だとありふれているものでも、素人のプロモーターにとっては無二の最高級品に思えたりもするだろう。

普通は通な人なら分かってて普通なのだけども、素人の人ほど普通のことが特別に思えて、あやふやな情報が重なってありえない希少なものに化けたりする。インド行ったときに、日本人の方がインドの織物業者さんの手織りの布を進めてくれて、それを見たときに手織りじゃないとすぐに思ったけども、その日本人の方は売れればよいと思っているだけのことなので、そういう説明も信じたらプロじゃない。

インドの織物を織っている人は、私が織機のことを聞くと、手織りではなくてシャトル織機で織っているということを説明くれる。念のためテクニカくなことも聞くとドロッパーのない織機だということをこたえてくれて、その織物が端のほうが傷が走っている理由がわかる。手織りだと経糸の切れたままプロが何センチも織るなんてことは基本あり得ないのである。そういうのも現地の人と直接しゃべるからわかることで、通訳を介していたら通訳が意味が分かっていなかったら本当の答えはわからない。

素人の業者さんの説明などはそういうあやふやな間違った知識が多かったりもして、すごいものだと説明を受けたりもして怖い話なのである。それを真に受けて、インドの手織りですとかで売ってしまうと、商売としてはなりたっても、プロの商売としては駄目なあたり。でも、繊維業界の大手の販売方法はどうも素人的な謳いで、すごいものがつくられているということになり、実態がどうなのかという話。

オーガニックコットンにしても、5000エーカーの自社開発的な農園の話が、問題が明らかになると、普通に、リソーサーから仕入れていただけだからわからないで、リソーサーの責任というコメントに変わる。人々を支えるためにオーガニック農園を開発したみたいな話が消えてしまって、リソーサーから仕入れてただけの話に変わる。そういう?なオーガニックが、普通のまじめなコットンの世界を悪者にして、?なものに置き換えてしまったところもあって、まじめにやって普通のコットンだと正直に語っている人たちを淘汰していくようなこともある。

オーガニックを扱う業者さんも繊維に関する経験の浅い人が多い、そういうときに、やはり昔から天然繊維の世界の価値観を知っている立場の人が、合成繊維と混ぜてオーガニックなんていうのは、あり得んわと思えるレベルの低い消費者だましのオーガニック。もしかすると普通のコットンのほうが人々の健康にとってはよいのとちゃうの。合成繊維混やと素材としては産業廃棄物としてもやっかいな問題。そんな素材が地球環境によいとかあかんし、また、火力発電所の産業廃棄物を汚染されていない農地にまいて活用するとか、重金属とか水銀とか含まれているのになあ。どこがエコで地球環境保護なんやろね。
2023年01月24日
今日の午後から明日にかけてが寒波のピークらしく、最強クラスが予想されている。この寒さというのを我慢して作業できる人というのはあまりないだろうし、それなりの覚悟が必要だろう。私は夜中も作業していたりするので、今夜は工場の中も氷点下になるだろうから完全な防寒対策で作業。私の場合には慣れているので、手なども適応できているけども、お昼の時間でも、慣れていない人だと指が冷たくなりすぎて糸も結べなくなってしまう。

私自身はこの仕事に就いた時からどこの作業の現場もそれなりにストーブが一つとかくらいで、寒いことは寒いのが普通で、それに慣れているけども、今の普通の生活をしているとそういう世界はあり得ない話だろう。本来は麻織物の場合には雪深く寒いところが織物の産地であることが多いのだけども、もう、そういう寒さの中から、麻織物が生まれてくるという概念は成り立たなくなってきているとは思える。

冬のぬくもりといえば、あっても火鉢しかなかったような時代の感覚が消え去って、部屋中があったかいような環境が普通でないといけないような今の時代の職場環境とは、真逆の寒い工場の中、そういうのが気にならずにというか無視して仕事に没頭できるのか、できないのか。綿織物にはあまり私自身はそういうイメージが少ないのだけども、麻織物にはそういう厳しさみたいものが手織りの時代からつきものであるような気もする。時代遅れみたいなところもつきもののような気もする。

衣というのは、体温を調整するための重要なもので、それがエアコンとか食べのもの置き換わったような気もして、衣の重要度は下がってきたように思われる。夏の暑いときにも麻のものを着れば涼しく過ごせるというチョイスよりも、エアコンの中で汗もかかずに涼しく。麻のものと綿のものとの違いもあまり感じられなく、麻は機能性よりも、エコであるとか、サステイナブルであるとかの部分のほうが重要視され始めている。こんな寒い時期に夏の暑さの話をしてもあれなんだけど、冬に麻のものを着るとほんと寒くて需要がないのかと思いきや、暖房の中で快適に冬に麻を着ることができるという需要もあまりよいことではないのかもしれないがあるだろう。冬場の重衣料が売れなくなっているのも、暖冬傾向でまた、家の中は暖かく快適なくらしみたいのが普及して、ウールの産地も苦戦されている話は多く聞き、ウールの産地でもウールだけでなく、冬の時期には麻をおるというような流れはあるようである。

私は、極端だから、一番我慢強いものが勝つだろうから、環境も過酷であれば自分は残るんじゃないかと思っていたりする。ほかの麻の織物をおってられる織物工場さんも我慢を乗り越えてえらいなあと自分が苦戦していることとかぶるところがあって、展示会などで話するとおなじような考えをもっておられるところは多かったりして仲間のような意識がある。
2023年01月23日
昨日は朝に柄物の在庫確認を行った。柄物なのであるとしたらすぐに見つかるかと思ってはいたのだけども、探そうとするとあるかないかわからない反物をここにないここにもないと探す作業。ない可能性もある反物の在庫確認なのでないものを一生懸命に探していたりする可能性も高いので、ある程度で切り上げないといけないのだけども、10種類くらいの反物を倉庫事務所やほかの思い当たる場所なども含めて2時間くらい。

林与の場合には、ほかのお客さんが来られてピックアップされたりすると反物が動いてしまう可能性もある。選ばれてすぐに返事いただいたりとかだと見つけやすかったりするのだけども、2週間、1か月、3か月とか経ってしまうと。話が流れてしまったのだろうかという判断をすることも多い。その場ですぐに決めてくださるお客様というのは反物自体をキープもしやすいが、いくつもの反物を選ばれて棚から移動してしまうと、流れた時にその反物を元の場所に確実に戻せるかどうかが微妙だったりして。とりあえず選ばれた反物にはしるしをつけるか、立てて置いておく。

私一人が倉庫で作業しているときには大丈夫なのだけども、ほかのものが倉庫で作業するとそういう立ててある反物を片付けてしまうこともあったりして、展示会などでもお客さんがピックアップされたものを机の上に置いておいて、また別のお客様の対応をしていると、それをほかのものが片付けてしまったりとかと同じで、私と別のものが生地のことを対応できるとよいのだけども、在庫の生地の説明できる人はいなかったりして、お客さん対応なども私になりがち。

今日は、ほかの倉庫の生地の在庫確認とサンプルカットもおこなったので、春に向けてネットで販売ができるように動けたらと考えている。工場の中の作業もいろいろと残る中でやらないといけないことは手一杯にあって、それはそれでやれば広がる可能性もいろいろとあってよいこと、それなりに並行しての作業でやってはいるけども、一つのことで集中しないと解決しない問題があったりするとほかが雪崩式に遅れていく。春ももうすぐで、麻素材の必要な時期はもうすぐ。
2023年01月22日
今年は、春になったらフラックスの種があるのでそれを植えてみようかと、もう10年以上前の種だけどもアパレルの展示会の時にいただいた種で、宿根タイプの観賞用ではなくて、背の高い繊維をとるための種ということでいただいたものである。だいぶ時間がたっているので、もう芽が出ない可能性もあるけども、一度試してみよう。

というのも、糸を作るような案件をフラックスだけでなくヘンプも含めていろいろな方が考えてはおられるものの、草までは育てることができても、その先がうまく行かない話。私自身も時間がないので、草を育ててそのあとにどうするのかというのを考察まではできてひとつ機材を作ろうかと考えていたくらいで、その機材というのがたまたま実験するためくらいなら使えるものが手に入った。うまく行けば少量の生産なら可能だろう、と頭で描いていうのは簡単だけど。。。。

こういうのはすごいことなのだけども手間がかかりすぎるからコスト的には成り立たないだろうことだろうし実験的なところで終わるだろう可能性は高い。一番の問題はその作業をしてくれる人がいないという問題があって、手で作業するのだから工業的な糸よりも良いものでないと意味がないというところもあるだろうけども、そこまでのものを生み出す労力というのは普通の仕事の世界をはるかに超えた世界。

電気や自動車、スーパーやコンビニで買うに依存してしまっている現代社会の中で、あえて、そういうのの逆を行くというのは耐えられない話でしかないだろう。林与の中の仕事で言うと、前かがみになって何千本もの糸をたんたん繋ぐ作業に似てて、それよりも何倍も大変なことなので、なかなかそういうのに耐えられる人というのは少ないもので、そういう単純作業のなかでも頂点を目指せるような人でないと成り立たっていくのも難しいだろう。
2023年01月17日
出荷の帰りに愛知川の堤防を走っていると真っ暗な狭い道路に道の右側に大きな白い人影、真っ暗な中で危ないなあと思ったとたんに、それが大きな鹿だと気が付いた。照らされてすぐに河原に逃げて行ったけども。初めて鹿をこんな市内でみた。もしかすると、10後には八日市とかは、奈良公園みたいになっているかもしれない。

小さなトンボや雀などは消えてゆき、代わりに、キツネやタヌキやサルや鹿など、変わり種ではアライグマとか。私が子供のころだとほとんど見かけないような大型の野生動物が人間の生活圏にまで下りてきている。もう山が山として動物を育む様な機能していないのだろう。あまり雪もふっていないから山でも食べ物探せそうなんだけども、食べるものすら山にない。

私自身は、ペットを飼っていないけども、周辺にはたくさんの大型の野生動物がいたりして、もしかすると犬を外で買わなくなったことによって、大型動物が安心して人里に下りてこられるようになったのかもしれない。滋賀県の山の向こうは三重県で、その山脈は鈴鹿山脈と呼ばれるほどに、鹿の生息地。山には鹿がいてもおかしくはないのだけども、それがかなり下のほうに間dえ下りてきていて、イメージとしては、野生の馬や牛がうろうろしているようなイメージ。

鹿も、歩くのは道路を歩くんだろう。交通事故にあわないように気を付けてもらいたい。
2023年01月16日
今日は、穏やかで温かい感じの1日。スマホでは愛荘町は12度くらいと出ている。動いて作業していても寒さもほとんど感じない。雪が降りそうにもないので、もしかすると、今年は今までの人生の中で滋賀県のこの地域では一番雪の少なかった年になるのではないだろうか。

ネット販売に使っているパソコンがまだキーボードが直っていないので、別のパソコンを使用しているけども、メールソフトなどがこのパソコンにはないので、確認などが不便で、キーボードだけの交換を行おうと考えてはいたのだけども、キーボードだけの交換が難しいかもしれず、今回4年ぶりくらいに新しいパソコンの環境に移り変わるような形にしないといけないのかもしれない状況。

今日、リネンの40番手の密度の高めの生地を織っていて、横糸のキャッチミスでよく止まるので、レピアが糸を取るタイミングを早くして、レピアヘッドのオーバーホールみたいなことをやってみたら多少は改善されたのだけども、この織物は普通といえば普通に近いレピアの織物なので、調子よく織れてくれないと困る織物。私が2年前に織っていた時には調子よく織れていた記憶があって、そのあと別の人が織ってくれた時にはすごく苦戦をしていたので、横糸のテンションとかいろんなのももう一度調整をし直した。

ほかに、キッチンクロスの織機の調整、リネン100番手の横にシルクを織っているのの続き、ヘンプの案件など宿題みたいなことがたくさんありすぎて、どの織機もやらないといけないことはわかっているのだけども、調整などが必要なことが多くなってきて、それをやっていると1台、1台しか相手にできず、ものごとがなかなか進みにくい。ほかにもリネンデニムの糸は割れたのだけども整経の案件などもやらないとならなかったり、在庫確認のしないといけない生地の件があったりと、ほかの人には頼めないような件ばかりになってしまって。

織物は織るだけでなく織れるようにするところまでがなかなか大変な仕事で、織るという作業は一番簡単といえば簡単な作業。織るにしても織機を織れるように調整できる人が織ってくれていると楽なのだけども、なかなかそこまでたどり着ける人というのはいないもので、今のように難度の高い織物になってくると、職人さんレベルでも綺麗に織ることが難しい問題が多くなりすぎて。

昭和のころのものづくりでもそうだったのだけども、綿の世界でのものづくりを麻に適用しようとするとどうしても難度が高くなるのだけども、そういうのを毎回毎回乗り越えていれば、今も昔の職人さんが活躍できるのだろうけども、毎回乗り越えられないで投げ出されるとどうしても私しか織るところまで持っていけない織物とか、私しか織れない織物とかがどんどんと増えてきてしまって、そういうのはよくない状況。

現場にいる人が一番簡単な仕事しかできなくなってしまうと、なかなか食べていくのも難しい話で、そういうのは昔からの織物の現場での課題。織物の現場というのはどうしても高齢の経験者ばかりになってしまうと慣れでの作業レベルに止まってしまって、慣れていない作業などはできないわからないとなってしまって、新しい織物をつくることが難しい。

たとえばスマホまでいかなくても、タグガンというホッチキスに似たようなものにしても、子供でも使えるような簡単なものなのだけども、経験者にはそれに対してのつかった経験がないと難しかったりもして、本当にそういうのはできることができないみたいな話につながる。人生経験の長いものほど新しい経験が苦手みたいな繊維業界や田舎社会にはよくありがちなことではあるのだけども、できなくてもやろうとする気持ちがないと仕事をやってもらうことすらも難しい問題であったりして、織物がどうこうとかじゃなく、素直に新しいことでもやってみることが大事で、プライドが勝ってしまう年配の人とかはややこしいのが、日本の昔からの経験者であふれてしまっている繊維業界にありがちな問題の一つではあろう。
2023年01月14日
今日は現場での作業、数日かけて織った分が、出荷しようと思ったら原因不明の微妙な織段が出てしまっていてびっくり。織機を確認すると、消極送りにしているビームのプーリーの錘が落ちてしまっていたようである。プーリーに錘をかけなおすも、何回やっても落ちてしまうのでやりなおしばかり数時間。錘が軽すぎることがあるのと、掛けている鎖がプーリーの面に引っかかってしまっているような感じなので、あんまりはやらないことなのだけども、鎖に油を少し縫って、スムーズにプーリーが回転して経糸を送り出すように調整。調整後は問題なく俺始める。2日3日分のロス。

今年はまだ雪がほとんど降っていないものの、年末年始寒かったので無理はしないようにしていた。今日は朝から雨が降っていて、雨降りというのはなぜか暖かい。

織物の仕事というのは力も必要だし、我慢も必要だし、忍耐も、頭も使うし、失敗も自分でリカバーしないといけないとか、普通の仕事とは違う要素があって、そういうのをなくそうとすれば、だれでも作りやすいような簡単なものしか作れなくなってしまう。そういうものが昔は流れていたりもしてそれが仕事だったんだけども、今の仕事というのは昔のような仕事では通用しなくなってしまっていて、いろんな問題を乗り越えて結果を出してゆかないといけないあたりが、仕事らしいのだけども普通の作業とは異なるあたり。

数日やった仕事の失敗のロスをこの週末取り戻さないといけない。1月も半分すぎかけていて、1月末の納期の案件などそろそろ調整に入り始めないといけない状況。
2023年01月13日
友人がコロナで39度の熱が出ているそうで、会社の仕事もうごいておられるだけに大変なこと。でも、コロナもほんと特別なことではなくなって、順番に回ってくるような一度は経験しないといけないようなものになってきたようである。普通に仕事している大人でも39度の熱というのはしんどいんだから、高齢者が39度の熱とかで、免疫力が落ちた状態でコロナ感染すると、体内でコロナが繁殖して重症化するのもわかる話ではある。

統計上は、日本もコロナでの死亡率の高さが世界でもトップというような状況も出ていて、日本も無症状で回復した人も含むと、たぶん、半数以上の人がコロナに感染済みではないだろうか。感染しても8割の人が無症状だといわれるので気が付いていないだけではないだろうか。症状が出ると検査するのでコロナとわかったりもする。

昨年と比べるとコロナは落ち着いたのかというと、表面上は落ち着いているように見えるけども、現状を受け入れて騒がなくなっただけなのかもしれないあたりもあって、昨年よりもコロナ過は悪化している状況であるのだろう。中国なんかも推定で4億人の感染者とかいわれているし、もうコロナ感染を抑えることは不可能な状況になりはじめている。

以前よりは弱毒化しているということとで、感染しても大騒ぎすることでもなくなっては来ている。感染者数が増えるとどうしても重症者の数は増えて、医療破壊と呼ばれる状況につながるので、慎重な対応は引き続き必要であろう。コロナは気を緩めたとたんに爆発的に感染が広がるようなものなので、人々との接触は限られた人と限定的にしておかないと難しいのだろう。
2023年01月12日
先日からネットショップ管理用のノートパソコンのキーボードが故障しておりまして、今、代わりのパソコンでネットショップを開いていますが、ネットショップ管理用のパソコンにパスワードが入力できずパソコンにログインができませんので、修理が完了するまでアウトルックメールなども開けず対応が遅れますが、数日中には復旧予定ですので今しばらくお待ちください。


2023年01月08日
将棋というのは定石的なものがあって、そういうのから外れると負けやすい。織物の生地にしても同じだったりもして、定石的な定番の商品のものづくりがあって、その基本が大事だったりするところがある。経験者でもそういうのを大事にできなくなったりするので、定番的な織物を織るときにも想定通りには作れないことが多くなる。そうなってしまうと定番商品をつくるのが精いっぱいとかで、経験者でも、定番商品をつくるのも危うくなると織物の仕事は難しくなる。

特殊な規格のものづくりは、失敗のリスクが高いので、将棋でいう定石的な部分を大事にして進めないといけない。商品企画で、織物に詳しくない方が企画する生地というのは思い付きとかアイデア重視で基本を度外視していることも多く、そういう織物がなぜ市場にはないのかというのを理解できていなかったりすることも多い。よくマーケットの専門家みたいな人のアイデアもそういうのが多すぎて、問題が起こったときにはそれはプロが片付けてくれるみたいな感覚で、特殊な成功事例の表面を語っていたりとか。

天女の羽衣と呼ばれる世界最細番手のポリエステルの生地があって、それが世界で一番薄い布。展示会などでも有名だったりもするけども、その裏の話というのは天池合繊の社長の話を、滋賀県の文化産業会館でお聞きすることがあって、なるほどなあと思った。もともとその生地というのは、アパレル用に作られたのでもなく、資材織物を得意としている天池合繊さんが、カネボウが当時の最先端のディスプレイ用に開発したその糸をカネボウの繊維撤退の時に譲り受けて、それをストール向けに形にしたものが天女の羽衣として繊維業界で世界で一番軽い布。

その裏には、当時行った何億円もの設備投資などの問題など抱えながら、その問題の中からそのようなアイテムを生み出したというあたりがあって、また、白い生地に終わるだけでなく、インクジェット設備も備えて、カラフルなストールの世界を商品化して、現実的な商品化。商品化するまでの設備投資や流通までもしっかりと成り立たせてこそ、失敗に終わったプロジェクトの何億円もの設備投資がようやく回収できるような話で、他の会社が真似しようと思っても真似もできないような裏の話。

プロジェクトの失敗を失敗で終わらせずに形にしていくような力こそが地力で、作る側としては、成功の成果だけを求めていては、さらに上の世界は望めなかったりもする。作る側が成功の成果を求めるときに、簡単な方法で成功するというような安直な考え方があったりもするけども、それは誰でも真似ができる話で、それがすごいすごいとか言ってもしばらくすればそれは普通のものだというのが分かってしまう。そういうビジネスモデルは長続きはしないだろうと思う。
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