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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2016年06月02日
オーガニックを調べていて、SUVINというコットンの品種にたどり着いた。その袋にSEED TREATED WITH POISONとある。
http://2.imimg.com/data2/RI/MJ/MY-3303076/p11-500x500.jpg

発芽のための薬品が塗ってありということで、食べたら危険ということだろう。私自身も、もう7年ほど前になるだろうか、フラックスの種も発芽のためには薬品につける必要があるということを、中国の紡績工場を監督していたイタリアのリネンのスペシャリストにオーガニックリネンに関して話をしたときに聞いた。たぶん同じ意味なのだろうか。

毒をつけないと、発芽する前に、バクテリアに種が食べられちゃうんだろう。無薬品ではオーガニックが難しいということを厳密にプロは教えてくれるけども、商業的なオーガニックだと基準に合ってれば無視しがちになる。認証にしても全体としては、商業的にみて成り立つか成り立たないかという判断も、オーガニックの基準を左右する。

不思議なのは、やはりオーガニックは品質が安定性の面で劣るという感想をもつのは私だけなのだろうか、コットンなんかでも同じといわれているが、普通、化学肥料で栽培したものというのは均一に育ち品質も安定しているものだ。農家の人に聞いても普通有機栽培だと難しいというところから始まると思う、有機肥料が化学肥料には及ばなくても安心の面では上だろう。

オーガニックリネンでは、二つの銘柄を使用しているがどちらもオーガニックらしい普通の糸にはほとんど出ないない癖が頻繁に出たりする。それがオーガニックの味の部分でもあろうかと思い、それはそれで受け入れたい。
2016年05月29日
今日は、「流しの洋裁人」原田陽子さんが会社に来てくださり、布をセレクト。布の話よりも面白かったのが、見た目はほのぼの系だが、中身が完全に体育会系で、だから強いんやなあというのを実感。夢があってその夢を実現されている生き方を成り立たせておられるけども、それを成り立たせるためには、ほかのことやってでも当たり前やないのみたいのが、考え方も林与と似ている。

大学でも教えておられるけども、厳しすぎて学生が逃げてしまうとか、ありえるありえる。ほんとうはこういう人に付いて厳しく学べれば、なんでもできるようになるだろうけども。厳しく教えるのは甘くするよりも何倍も難しいことなのだけども、そういう努力すらもが否定されてできない社会。

自分自身で世界を持って成り立たせていける人って今の時代は少ない。洋裁道具を背中に担ぎながら移動していろんなイベントに出没。一着の洋服ができあがっていくところを眺められるのは素敵なこと。裁断から始めて一着作り終わるまでを実演される。普通はできないことやっておられる。

原田さんの生地を見る目というか、見る手が確かなのは、触ると綿麻とかリネンとか本麻とか素材を言い当て、ほぼ正解なところ。手で布を触る仕事されているだけに、違いの分かる女性なのである。基本は小さいときから興味があったという我流派、頭から出なく、実際に現場の経験から答えを自分の中にもっているというのが一番強い。織物の仕事でも同じだろう。
2016年05月28日
今日は、朝から会場近くでザサードバーガーを食べる。なんだか広々とした店内にお客さんが少なく、味はよいのだ。人を寄せ付けないのが、ハンバーガーショップやファーストふード店が赤を主体に子供ちっくにしているのに、ココはグレーな店内でおしゃれすぎるからだろうか。

ハンバーガー食べたので今日はアナキフィラシーが発症して、昼までは休憩モードで。わずかなかゆみが数時間続いただけで大事に至らず、午後からはお客様の対応。今日は、ヘルプの方がいてくれて本当によかった。帰りの片付けも想像以上にハードワーク。

出発は夜の7時前、なぜか渋谷で夕飯を食べたい気分で、車で渋谷に行って、丁度よい感じで市営駐車場があったので止める。センター街まで歩き、2時間ほど夕食をとったあと、困ったことに駐車場を見つけられなく、たどり着いたのが、公園通り前市営駐車場で、その中を延々と自分の車を探すけども、違う駐車場で見つかるはずもない。3時間ほどして初めて人に会ってその方に、この駐車場に管理の方おられますかと尋ねると、教えてくれて、駅の近くの駐車場に止めたということが判明。

もう夜中すぎ、車が見つかったのにほっとしながら滋賀に戻り始めるも、眠さが襲う。途中休憩を何度もしながら事故しないためにも無理はしないと自分との約束。岡崎に朝の7時、お客さんとの約束は9時。ここで休憩すると間に合わなくなるのだろうけどもお客さんに連絡。その間、ほかのものにお客さんを駅に迎えにいってもらって、結局11時過ぎに戻れた。
2016年05月27日
テキスタイルマルシェ2日目、今日は午後の2時間くらいを除いてお客様が続いていた。その2時間というのはお客様が食事を取られる時間のようで、南青山という場所。ファッションだけでなく、食事をおしゃれに取られるのもひとつの目的。

南青山周辺で強気だなあと思えるのが駐車料金。駐車料金なんかは景気のバロメーターなので、商業地の駐車料金が高いのは良いことなのだろう。と、海外でもいろんなものが日本以上に高くなってきているのをみて、安いばかりがよいことじゃない気もする。

日本も土地は個人所有に思えるけども、本当にそうなのかというと、土地を所有していても固定資産税はそれなりに払うので、家賃みたいなもの。やっぱり土地というのは結局、使わせてもらっているだけのものなのだ。

不思議に思ったのが、本当なら土地の高い場所では、食べ物などでも土地の価格に応じて高くないと駄目なのだろうと思う。そうでないと田舎というものの価値が相対的に下がる。全国チェーン展開するお店、コンビニとか、チェーンレストランとか、全国一律料金、お客さんの数の差で売り上げを作る。

土地の値段が集客が10倍違っても、人件費なんかも東京と田舎では2倍も変わらないのが普通。東京にビジネスが集中するのがよくわかる。田舎の仕事以上に、人をたくさん投入しているのが東京だったりして仕事に無理がないのも東京スタイルなんだろうと違うよと怒られるかもしれないが勝手に想像。

この仕事をしていて、田舎の機屋の私なんかにはもったいないくらいに、クリエイターの方とのお出会いがあり丁寧に接してもらえる。林与の仕事に対してのコンセプチャルな部分は、センス1割、根性9割タイプなので、仕事一筋なクリエイターの方とお話してもこいつは違うぞみたない部分が林与の特徴だろう。

今夜も、渋谷のセンター街で夕食。どこのお店がよいのかよくわからず、混んでいるという感じで元祖回転寿司というお店。あさり汁が、なぜか、私によく合う2杯いただく。店長が、目の前で注文を受けて握ってくれる。これって悪くない。お寿司の味ももちろんおいしいがほかのチェーン店の味とも違う。このお店女性のお客さんがなぜか多い。

お寿司の味が違うというのは、寿司が魚臭さがすこし残っているのだ。これが築地で上がる魚のひとつの証なのかもしれないと思うところもある。贅沢はしないのでよくわからない。でも違いがあるのはわかる。海魚なのに川魚のような臭いが、でも正直ならそれこそが一番。小さなお店で食べる魚というのは味が違う、ここもチェーン店ではあるが、コンセプトがしっかりして、仕入れ先が正しく限定されていればほかのお店とは違う味になってもそれが本物だろう。

土地の高い東京でほかの田舎のチェーンと変わらない値段、経営の苦労があろうと思える。それが一杯120円のあさり汁の味にでているような気もした。正直、びっくりするほとおいしかったのだ。
2016年05月26日
今日から東京テキスタイルマルシェ、朝7時に車に荷物を積んで出発。東京に着いたのは午後1時半、途中さすがに疲れていて休憩2度取る。会場に着くと、準備できていないのは、弊社ともう一社、午後3時からの開催なので、まだ時間に余裕があるが、これ以上遅いと回りの皆さんに心配や迷惑をかけることになる。

初日は、開催時間は短いけどもお客様が続いてくださって、あっという間に初日終了で、会場での缶ビールとワインを飲んでの主催と出展企業とお客様でのくつろぎタイム。最後に撮ってもらった写真が眠そうな感じで、その写真をみたかたから元気?という質問。実際に疲れてて眠かった。その後、8時からの直来が近くのお店であった。

京都の棉生テキスタイルの社長はお話していて常に目が輝いておられる。初めてお話しただけでも、私の中では考え方が仙人クラスの方なのだ。失敗もいろいろと経験されていて身の丈の中で上手にものづくりをされているところがすばらしく思える。

生き方が強いなあと思えるのもタクシーには乗られないで歩ける範囲なら歩かれる。歩いて迷うことも楽しみなのだろう。そういう人には、人としての自力があって、本当に強いのである。
2016年05月25日
今朝、ファックスを送ろうとして、ホテルではできないといわれて、コンビニに、すると、データ形式がPDFしかプリントアウトできずだめで、ワード文書ではコンビニでプリントアウトが無理。朝一番から難問、どうやってファックスを送るか。なぜか、セブンイレブンがすくなく、ファミリーマートばかり。

東京国際フォーラムには、9時50分くらいについたけど、ブースに行くこともできず、国際フォーラムのファミリーマートで11時くらいまで、会社にファックスを送るために試行錯誤。アンドロイドのアプリをダウンロードして、コピー機とのワイファイ接続がうまくいかなく、ファックス一枚会社に送るのに1時間半の無駄はきつい。ファックス自体が今時ではないのを感じるけども、ファックスでないと長い説明が難しいのも家族経営的なところ。

こういうのは、地場産業的な要素でもある。新しいことには対応が難しく、できないの一言で、できる側が時間も使っていろいろと対応を準備。産業というのは中の人の高齢化にともない衰退していき、それを成り立たせるために補完する時間と力も費やす必要がある、若い世代というのは私自身が十分に年を取り始めているだけにこれからの地場産業に対して心配するところで、できる人に重荷がかぶされり、責任感や能力のある人ほど追い込まれてしまう。

外からみれば、展示会に遅刻で駄目駄目な会社。ほかの会社ではそんなことは起こりえもしない。しかしながらも、プレミアムテキスタイルジャパンの最初のお客様も、一番よいお話だろうと思われるお客様で始まって、一番最後のお客様も国内でも一番よいお客様で応援もして下さっている暖かい方が、林与が対応不足なのに覚えて下さっていて、一緒にやっていきましょうと声を掛けにきて下さる。初めてジャパンクリエーションに出たときには、どこか小さな生地屋さんでも弊社の生地を扱って下さるところが見つかればと思っての出展だったが、毎回それの何倍もの出会いをいただきキャパオーバーである。

林与が恵まれていると思うのはそういうところ、ふつうない、チャンスをみなさん与えて下さり、そういう期待に応えるべくサンプルや量産を遂行していくだけのことなのだろう。けど、普通に思える仕事でも、一ヶ月普通の人の何倍の努力をしても解決にならなく追い込まれるだけのこともあり、それが連鎖的に自分の仕事の計画を狂わせてしまうこともある。けど、林与だけでなく、どこの機屋が受けても同じ窮地に立たされることなのだろうから、自分自身が解決を見つけられたら最高だろう。

展示会終了間際に記念撮影、お隣のパノコさんが手伝って下さる。撮影しようとしても携帯の電池がなくなり、携帯を起動すらできない。またもやピンチ。三保さんの携帯で撮ってもらう。もつべきものは友ということだろうが、おっさんを助けないとならない友のほうは大変だろう。今回は林与の布看板を忘れて、撮影されたブースの展示の写真をみても殺風景な現代アートのよう。会場内でも一番シンプルな展示だったろう。お立ち寄り下さったみなさん本当にありがとうございました。帰りの新幹線の乗り場で、この前のミラノウニカで一緒させていただいた古橋さんのお二人とお話、浜松も米原と一緒で新幹線がひかりしか止まらない。しかも1本逃すと1時間あと。境遇的に、お仲間なのである。

今回の展示会では女性の作家さんたちともお話しすることが多かった。女性の作家さんたちも一人で自分の世界を作り上げてられる皆さんが多く、強い人たちなのだろうなあと思える。おっさんがよわっちいことをいってたら駄目だろうが、布の世界では女性が輝いて華やかなイメージを展開してもらうほうが自然だろうと思える。ものづくりの側面から考えても、糸とか布というものは女性に馴染む気がするところがある。私自身は結構根気があるけども一般的に男というものは面倒がりなので細かな作業には向かない。
2016年05月24日
プレミアムテキスタイルジャパンが始まった。ネームが自分でネット登録ダウンロードを印刷して持っていく形になり、それが時間がなくてコンビニで印刷。10時10分前の準備スタート。遅れてないだけまだ良かった。

印象としては、海外のバイヤーさんが半数を占める形でなんでと驚くほど、歩いておられる方というのはもちろん日本人が多いのだが、ブースに来てお話しするお客さんというのは海外の方である比率が高い。

近江上布絣柄プロジェクトの絣のアーカイブをご覧になられて、日本らしいテキスタイルをみれてよかったなあという方が多く、この4月にプロジェクトが始まったばかりで、現在は、染料の確定、手法の確定、これから1年かけて一つの形にするという説明をさせていただくと、まだ、商品として形になっているものがないということでがっかりとされる。

それでも、横絣技法の説明などをさせていただくと、その気の遠くなるような手間の作業に驚かれる方が多い。イタリアのデザイナーの方は、いろんな展示会で20年テキスタイルをみてきたけど、とても感動をして下さっていた。

このプロジェクトは、作品として見せる部分とそれを実際につかっていただく部分の二つになるかと思える。弊社も一般的な流れで、売れるものづくりということで、市場のニーズに合わせてものをつくるという部分がメインではあるが、自分が作りたいものを作るとか、自分の力の限界にとか、ほかの人ができないとかやらないことをとかのあたりまで、実践する部分があってもよいのだろうと思うし、また、そういう部分があって世界から注目されるような生地が生まれてくるんだろうと思う。

別ラインとしては、近江上布プリント柄プロジェクトとして、量産向けにはデザイン性を活用し、プリント生地として使っていただくことも可能ではあり、この絣織物を広幅で織るというプロジェクトは、芸術的なものづくりの部分を残すという意味では日本の織物業界にとっても、存在して成り立ってもよいだろうチャンネルではないかと思うのだ。

滋賀県の技術センターの方も、滋賀県の企業の出展者を応援。滋賀県の麻関連でも、湖東産地からは、近江織物さん、麻糸商会さん、滋賀麻工業さん、高島からは杉岡織布さん、が出展されている。センターで、この冬には染色方法などに関してトライアルをできるような形になりそうで楽しみにしている。

今回は、テキスタイルツリーの成田さんにお会いできた。私のような中年世代の男というのは太ってないとだめなのだろうが、最近は食べても太らない。痩せたわねえと、心配されるくらい。普通は年をとると食の細くなる傾向があろうけど、食べるときには普通の人以上に大食いすることが多いので、経年劣化した電気の球みたいなものだろう。

以前使ったことのある国際フォーラムから一番近かった「富士屋ホテル」はなくなってしまった。夜は、「銀座ダイエイ」というホテル。名前が古めかしいけども、中はビジネスホテルとしてはよい感じ。15分ほどで歩いて国際会議場に通える。昨晩はほとんど寝ていないのでぐっすりと眠れた。
2016年05月23日
明日からプレミアムテキスタイルジャパンが始まる。前日準備はパスして、当日の朝の新幹線で、当日準備のパターン。いつも展示会で留守にするための準備に追われて、展示会の準備もできずに出発。林与が普通の会社と極端に違うのはそこ。

それでも、今回は、すでに外は真夏日。きっと麻には人気が集まるであろうからたくさんの来場者がブースにも着てくださるだろうという想定。今回は近江上布絣柄のプロジェクトが始まったので、そのリサーチのための出展。どの柄を再現していくかや、1mの価格設定など来場者の皆さんにお聞きしたいと考えている。

プレミアムテキスタイルジャパンというのは基本的にはプロ向けの商談会であり、招待状を持っておられる方以外の一般の方は中には入れない形なのでその点はご注意ください。

プレミアムテキスタイルジャパンでお会いできない皆様とは、東京テキスタイルマルシェでお会いしましょう。24日の夜には新幹線で帰って、25日の朝、東京に車で反物を積んで戻る予定。南青山ふくい291での東京テキスタイルマルシェ。東京テキスタイルマルシェは、26日は、午後3時から6時まで、27日は、午前11時から6時まで、28日は、午前11時から4時まで、生地の即売会です。

たぶん、25日は相当疲れているかと思います。26日、27日はゆっくり休んで元気だと思います。27日終了次第、滋賀県に戻る予定です。生地の購入以外に、麻の企画や商談を考えておられる方は、26日、27日のテキスタイルマルシェの会場で販売の手が空いたタイミングで、お話しすることは可能だと思います。
2016年05月20日
今日は、京都に来ているクリスティーナとディエゴのグループのうちの5人が、東京経由で帰る途中、滋賀県の家に来てくれて工場の中も少し案内。ディエゴのお父さんはベルムデスさんと一緒にメキシコで日本料理のレストランをしていたということで、日本の料理にも相当詳しい。それを忘れてて、見た目よりもお腹一杯食べてもらおうと思って、牛肉を1kg買って作りすぎた。すきやきを5kgくらいなべ一杯作って食べてもらう。絶対に6人では、食べきれないほど。

ベルムデスの奥さんカタリーナは、寝不足。昨晩ご主人とディエゴとイースタが滞在していた町屋で最後のパーティで深酒した後、大きないびきで眠れなかったそうで、その音を携帯で録音しておいたそうで、みんなに聞かせてくれたが、寝られなかったのもよくわかる。ベルムデスさんは本当にユーモアたっぷりなのだが寝ていても絵になる。

クリスティーナとディエゴはマサチューセッツに住んでいるけども、海に近い川辺で、ボートで海まで遊びにいけるそうで、マサチューセッツ大学で教授として魚類を研究しているディエゴは、私生活も水辺を大事にしている。テキーラをお土産に1本いただいた。ディエゴのなくなられたお父さんが10年前にやってたプロジェクトのテキーラで大事なもの。

昔、サンディエゴのときに一緒にいた、クリスティーナとディエゴが、今、幸せな生活を送っているのは嬉しいことである。22年間忘れないで、インターネットで私のことを探していてくれたようで、22年振りに再会できた。でも、会うと二人とも昔と変わらない。成功もされている二人だが偉そうなところもなく昔のままな感じ。私自身が彼らほどにナイスになれるのかという疑問が沸いてくる。
2016年05月19日
今、米軍のオペレーショントモダチの軍関係者の被爆問題がアメリカで裁判になっている。空母ロナルドレーガンに乗っていた5000人のうちの2000人がいろいろな被爆が疑われる症状に見舞われているという。

人々の命や健康を考えず保身に走り福島原発の放射能漏れを隠した東電や政府。米軍がその問題を追及初めて、福島原発の放射能漏れ隠匿事件に関しての嘘が再度クローズアップされる。クラスアクションで1000億円という金額を払えば和解してすむだろうが、これは米軍の軍人だけの問題ではなく、日本人にも同じように及ぶ被害であるだろう。160kmも離れた場所にいた空母ロナルドレーガンでこれほどの被害。日本人にも同様の健康被害がないとは考えられない。直ちに健康に及ぼす放射能汚染はないというのは、今頃になってオペレーショントモダチに参加した米軍の水兵たちが原因不明の病気に悩まされている。汚染された埃などを吸い込んで体内被曝という症状はある日突然というケースが多いのだろう。

周辺に住んでいた住民たちも、政府は大きな健康被害はないと対応しているが、因果関係を認めないケースは多いだろう。福島原発の所長も死んでしまったが典型的な甲状腺がんだろうが、原発は安全というのと同じで、因果関係を認めないことが前提にはあるようだ。そのことでどれだけの人が苦しむのかも想定はしていない。

昔、子供のころ、学校の予防接種で一人だけ予防接種を受けない子供がいた。母親が看護婦だったというのがアイロニーである。その危険性をよく知っていたんだろうと思える。肝炎問題など、注射器を使いまわしていれば当たり前なのだが、その程度が国の考える安全性なのである。

東電にもあるのが、役人的な、上から目線。バックに国がついているから何をやっても大丈夫みたいなところ、あれが一番だめなんだよなあ。原発爆発してもまだ上から目線だから体質は変わらない。原発が云々というよりも、原発に携わっている人たちの人間性に問題があるのではないかと思う。日本人はチェルノブイリを馬鹿にしているけども、多くの軍人や消防士などの公務員の命を犠牲にしてても一般民を守ろうとする姿勢は、旧のソビエトのほうが覚悟があったと思う。今回の福島は、人間が救ったのではなく、人間の力の足りなさが福島を救っただけ、地下から漏れてはいけない放射能が想定外で海に流れ出し拡散されて、チェルノブイリ化を防いだけのこと。人の力の足りなさに救われた形。

実際、原発がメルトダウンするときに無限拡散以外にベストな方法はないだろう。今、海に流れ出さないようにしているけど、もちろん海洋汚染も問題だろうが、本質を考えると逆じゃないのかと思う。人のミスの解決を人が解決できればよいけど放射能相手では無力に近い、自然の力というのは人の力の数万倍はあろう。流しださない裏には、福島利権をどう生み出すか、人の不幸もビジネスなんだよなあ。

東電も本来なら地震の被害者なのに、なぜ、これほどまでに叩かれるのかは、放射能漏れを隠していたこと。放射能レーダーも税金使ってあるのに、それを事故後6ヶ月隠匿して発表。人の命って、どうでもよいものなんだなあと国の行政が認識しているのがわかる。日本の行政の隠匿体質や保身は、日本人が駄目だと笑う旧の共産国以上だろうと思える。国会議員クラスなら、天下り保安院など信じずに、誰でも調査して放射能漏れの本当の真実を国民に公表すべきではなかったのかと思う。素人がみても、水蒸気爆発に終わらないヤバサ感じるのに、保安院がメルトダウンや放射能漏れを否定する。レーダーも放射能漏れを感知しているのに、隠匿。この隠匿に絡んだものは相当の悪者たち、私はあの甲状腺がんで死んだ一般的には評価の高い所長ですら、隠匿した主犯格の一人でなかったかと考える。所長なら、普通、放射能漏れレーダーも確認できるし、原子力発電所内の放射能漏れ検知器も当然作動しているはずだ。メルトダウンや放射能漏れわかるよなあ。テレビでも中継で状況報告していたのを、当時、ネットの動画でみたが、放射能漏れの事実については一言も口にしなかった。

恐ろしいのは、5年たって、メルトダウンに関して報告する基準があるのに気がついていなかったからその基準に照らし合わせてみれば報告が必要だったとか、漏れているの知っててそんなの理由に隠匿しながら、報告基準に気がつかなかったというようなショウモナイ理由で謝罪。何が問題なのかも分かっていない。そういう基準がなければ、メルトダウンしてもなんら報告の可能性も義務も考えない、本当の頭でっかちな素人未満の人たちが運営。これだけ大きな問題でも、行政の絡んだ問題なので、だれも捕まらないようにちゃんと法律も出来ている。
2016年05月15日
仕事って、毎日、新しいことを覚えて正しく積み重ねていくことで、ほかの人が真似できない領域に達するものだろうと思える。毎日、分からないまま、答えが出ないままでよいというのが基本的な考えになってしまったら成り立たないのも当たり前。

仕事には定石みたいなものがあって、成り立っているのもそういう定石みたいな方法でやってるから成り立つんだろうなあと思うところがある。正しく早く作業できる人というのは、一つ一つの作業が迷うことなく洗練されている。

仕事が難しいということよりも、簡単な仕事でも人にそれを正しくこなしてもらうのは難しいなあと思えることも多い。たとえば、今、すぐに車で3分ほどの運送屋さんにもって行ってと頼むけども、あとで、ついでがあるからそのときにもっていくということを言い出したりする。合理的かもしれないが、簡単なひとつの仕事でも仕事頼むのはすごく難しいタイプ。私も頼んでも今もっていってくれないなら自分が持っていくからいいよとなってしまう。だから、私はいつも時間が足りなくなるのかもしれないし仕事を抱えすぎるのかもしれない。家族経営というのは難しいというのはこんなショウモナイ問題がいつまでたっても解決しない部分なんだろうなあと思う。
2016年05月14日
22年前、サンディエゴのときにクラスメート4人でアパートで一緒に住んでいた友達の一人のクリスティーナがボーイフレンドのディエゴと一緒に、初めて観光で日本に来日。京都の町屋を10人くらいで借りて滞在しているので会いに行った。たまたま、今日は誕生日だったので居酒屋で食事をして夕食をおごるつもりがみんなに逆におごってもらった。

二人とは22年ぶりに会ったけど、なんかすごく違和感なかった。二人はマサチューセッツに住んでいて、クリスティーナは裁判所で通訳の仕事、ディエゴはマサチューセッツ大学で先生をしている。びっくりした話もひとつ聞いた、サンディエゴの同じアパートのコンプレックスに住んでいて毎日くらいに一緒に遊んでいたスペイン人のリカルド。私も旅行したときにスペインのマドリッドの家にも泊めてもらったこともあり、スペイン旅行も一緒にしてくれたリカルドなのだが、何年か前に自殺してしまったのだという。
2016年05月10日
羽毛布団の産地偽装が叩かれているけども、リネンにしても他人事ではなかろうかと思える。日本の業者が、安く買って高く売ろうとするとそういう結果になるので、日本の国内の問題であろうと思える。

日本の大手のハンバーガーなんかも、近年最大クラスのチキンナゲットのフェアをやったときには、裏があって、その仕入れ元である中国国内では鳥インフルエンザで中国国民の安全のために市場から鶏がほとんど消えていたときに、日本にはその中国産の鶏肉が大量に入ってきた。鳥インフルエンザが油で揚げたくらいで解決するなら中国でも市場から消えることはない。日本の食べているお母さんや子供たちはそんなこと知らない。ココイチの産廃問題あったけどもあれよりこっちのほうが危ない。

狂牛病も同じで、日本の大手の牛丼チェーンにとっては消費者の安全というものは二の次で利益優先、それは国の行政の姿勢だろう。何十万分の一とかいうのを無視できるというが、日本に入ってこないわけではなく、アメリカのショートプレートのほとんどが日本に入ってきているので、確実に日本で狂牛病肉が流通しているのだ。統計的に考えて日本で食べる牛丼の何十万杯に一杯が狂牛病肉であるという事実は正しく捉える必要があるだろう。政府も一緒に安全宣言して輸入再開では、なんで日本の農家に全頭検査させたのという話になる。日本国内はガチガチに締め上げて海外から入ってくるものに対しては緩い。安全という口実のもと安全意識がないのが行政、そういう行政こそ指導が必要だろう。

ビールなんかも日本では、普通のビールよりも、発泡酒やリキュール系の第二からはじまり第五のビールまで、安さを求めて、本物のビールが高嶺(高値)の花となりつつある。行政も絡んで、日本国内で流れるものが三流四流が普通になってしまっているのだ。

昔、視察でインドにいったときにも、知り合いが作っているからとインドのものを日本に売りたい日本人は手織りだという説明だけど、細番手の比較的密度を込めたガーゼ織物なのに手織り特有の織り斑がまったくみられないのと、どうみても縦切れキズがあるまま織っていて手織りでなんでキズだらけなのと思うけど、そういうのもわからない方がものを斡旋して、手織りでないものが手織りとして手間の掛かった高級品のように流れる。

実際に織っているインドの方と話す機会があって話を聞いて、日本の織機の説明を聞いてきたときに説明すると、インドのその業者さんの生地は縦糸切れ検知のドロッパーのついていない動力織機を使っているから、あのキズがあると納得、別にその業者さんが手織りと偽っているわけでもなく、斡旋する日本人の勇み足なのかもしれないが、偽装の発端はこういうのが多いのだが、販売するときにそれが謳い文句になってしまう。
2016年05月09日
タカタのエアバック問題、もともとインフレータの爆薬は、アジ化ナトリウムだったのが、毒性の問題で国内で使えなくなって、硝酸アンモニウムに変わったということらしい。硝酸グアニジンは日本ではいろいろな規制があって使えなさそう。チョイスとしては硝酸アンモニウムしかなかったんではないだろうか。

日本という国の中で、使える薬剤に、いろいろと制約があって、それが制約の少ない海外に出ると、バッドチョイスと判断されうる。日本人が日本の法律に従って薬剤を使っても国内規制があって国際的に使用が認められている薬剤が使えないことで、企業判断が間違っているとされてしまうのは、危うさを感じる。

先代の高田重一郎氏が、エアバックの開発の当初、普通の部品の千倍もの精度を要求されるエアバックを扱うことで、万が一があると会社がつぶれるとリスクと責任の大きさををよく理解していたのは聡明で、かつ、利益の前に目がくらんでいい加減なことをする人でないのもそういう逸話からわかる。日本のように行政が制約をいろいろと掛けて、チョイスが少ないと必然として今回のような問題にも繋がりかねない。

これはエアバックのような問題だけでなく、繊維の製造に関してもあれが危険これが危険と判断が分かれることがあるが、長年の実績のある方法というのまでもが禁止される。それまでベストではなかった別の新しい方法がどれほど安全なのかも検証をされずに移行を余儀なく迫られるときに、エアバックと同様の問題は起こりかねない。染料が廃番になったり、薬剤が廃番になったりが織物加工工程でよくある、長年やってきた安全への実績が揺らぐ要因になる。

今、アゾ染料と呼ばれるナフトール染料などは発がん性が疑われるということで日本では1970年代に日本の染料メーカーは製造を中止した。もうあまり出回ることの少なくなっている染料ではある。天然のアゾ染料である「茜」は草木染では人気のあるカラーだが、草木染をやっている人でも天然の茜に発がん性が疑われるなんてのを知っている人は少ないだろうとおもうが、天然に優る安心な色素があるのかとなってくるとどうなんでしょうね、ということも考えながら使う使わないの判断していけばよいだろうと思う。
2016年05月08日
ちょっと驚いたのが、ハイブリッド車の平均燃費、26年度の実際の走行でのハイブリッド車の平均燃費は、15.9km/Lであるという。私の2000ccのハイブリッドでない車7人のれるワゴンタイプでも、普通の加速で走れば、15km/Lが実燃費になる。スペースの制約をして小型化したものが主流なのに、実燃費が15.9km/Lというのは、信号なんかが多い都市部の数値が反映されているからだろうか。

私の車でも、燃費を気をつけて走れば、ハイブリッド車の平均を十分超えることができそうなので、ハイブリッド車の場合、バッテリーなんかが経年劣化して、車種自体の寿命があることを考えると、環境負荷ってそれほど変わらないあたりなのだろうか。

燃費のよい車に長く乗り続けることは、長期てきにみて環境負荷というものは少ないだろう。今回の三菱の燃費偽装問題とかでも、開発しているメーカーが考えているのが、消費者がガソリン代のエコノミー性での損得だけを考えているみたいな認識のところ。電力会社が原発考えるときに経済的だというのと同じ。エコというのはエコロジーの概念の部分が大事だと思うが、メーカー自体にそういう意識はなさそう。環境のことを考えていたら偽装なんて相反する概念なんだよなあ。

自動車メーカーのジャストインタイムなものづくりって、燃費でいうと最悪。笑い話じゃないのが、ジャストインタイムで、朝8時に納品なら駐車場もなく、駐車することも許されず、工場の外をトラックが駐車もできずにぐるぐる回るとか、エコを謳う自動車メーカーにエコの意識がまったくないのが日本のエコビジネスの正体。全部の無駄やリスクを外に押し付けて、利益は独り占め、一番あかんモデルやないのと思うけど。
2016年05月07日
今、助成金をいただいているプロジェクト、審査員の皆さんからは応援してますという暖かい言葉が多く、3年計画ながらその間にどこまで形にできるのかというプレッシャーもある。自分の中では完成までには10年計画。伝統工芸の領域と共有する部分も多く、さらに民芸の味や工芸の人の芸術的な部分だけではない、現代にどこまで通用するのかという応用的な部分が必要に思う。

昔の近江上布が伝統工芸品として認定させる前の時代には、今の何十倍もの人が携わっていたけども、今回のプロジェクトもいろいろな方の知恵をお借りさせていただく部分はあるのだけど、極論からすれば、多くの実際の作業は林与の一人プロジェクト的な部分が大きい。けど、だからこそ、そこにオリジナリティとかオンリーワンとかが詰まるという要素はある。たくさんの人が集まると逆に無理ができなくなることも多い。せっかく、とことんできるチャンスを手にしたのだから、とことん苦しんでみるのもいいだろう。

数年前に、染を自分でやろうとしたときに、プロのアドバイスをもらって、ほかの会社さんの設備を自由に使ってもよいというような話もあったのだけども、仕事の流れている会社さんの現場、お金を払っても自由に使えるのは正月三が日だけで、近くの駐車場に3日寝泊りして過ごした。

海外が既存のレベルだとなんても簡単に作ってくるのに、なんで日本ではこれほどまでにものづくりが難しくなってしまったのだろうかを感じた一件である。超えたものを作るためには、とことん追求できるような超えた環境というのも必要で、それを準備するのも自分次第というあたりなのだろう。特別な設備投資でなくてもいいけど独自の世界。

工場さんにとって成り立つような量産で入ったときには、工場さんに頼む形でよいけども、最初のデザイナーさんをうならせるような世界を持たないことには、世界の舞台ではやはり弱い。いろんな展示会に参加して、世界でも名の通ったデザイナーさんやテキスタイルディベロッパーの方に話するときに、林与にとってのとことんの世界みてもらうのがわかりやすいスタート地点ではあろう。
2016年05月06日
今日は、ミシンの糸調子が悪く、縫い目が時折飛ぶ。ちょっとやってみても直らないので、また夜にでも時間を掛けて直さないとならないのかと思いきや、服飾専門学校のアシスタントをやってるヘルプの女の子が、粘り強く調整で正しい答え。本当に嬉しい。

仕事って、答えを出さないとならないから仕事なんだろうと思うけど、なかなか答えを出せる人って少ない。よく言われるのが、仕事があっても仕事できる人がいないという問題。ほかの人に準備してもらって問題も片付けてもらって仕事みたいな考えの人も多いけども、自分の仕事を自分で準備して問題も片付けてできるひとだとどれだけでも仕事なんてある。

大臣経験者の大学教授が、「GDPを伸ばすためには働く時間を短くする分生産性を挙げて解決しかない」と学生?みたいなことを言っておられたけども、まあ、生産性を上げるということが設備投資で最新の設備にしてみたいな悪循環モデルもっておられるんだろうなあと。すでに、飽和して値崩れしているものを作るのに設備投資して生産性を上げてより過当競争で作っても売れても採算割れどうするのだ?その考え自体がコストを下げて競争に生き残るという海外生産モデル。日本の大型設備投資をした大手メーカーが軒並み経営が成り立たなくなるのも当たり前にも思える。

生産活動って、たとえば、ミシンの調子を出すような地道なところから始まるもので、どんぶり勘定でGDPを伸ばす目標作って、国民というのは政策の失敗を片付ける政治家や行政の奴隷じゃないぞ。ミシンの調子を出すとかまともな作業だと思うけど、政治家や行政も、そういう地道な努力からスタートしてほしいと思う。
2016年05月05日
子供の数の減少を国が心配しているけども、その理由が国の政策の失敗でできた借金を背負う人が必要だから。そういうだらしない人たちは国を駄目にする根源、早く行政から去ってもらったほうがよいだろう。

中国の一人っ子政策が日本でも問題になるけど、日本にしても子供生ませる理由が国策のためだったりするのは、ベクトルが違うだけで同じ。アメリカなんかがやはり個人主義で国が成り立ち、日本と中国はやはり思想自体は全体主義というか国家主義思想で国が成り立っているんなんだろうなあと思える部分である。日本と中国の違いは、それを法律までして縛るか否かだけのこと。
2016年05月04日
現在、オーガニックリネン60番手のオフ白と生成の両方を生産しております。出来上がるのは5月20日ころになろうかと思います。出来上がりましたらウェブでの販売も再開いたします。よろしくお願いいたします。
2016年05月03日
東京の二宮とみ先生のアトリエで、横絣の染料と捺染方法について教えてもらう。林与と二宮さんとの出会いは、東京の伊勢丹新宿店でのジャパンテキスタイルのみの市。テキスタイルデザイン協会のご紹介で、日展などで自分の作品を発表されていたりして、技法だけでなく、創作的な活動をされている方だなあという理解でいたのですが、横絣のプロジェクトで、林与のような機屋が通常のプリントとは別に、作品的なものづくりをするときに、二宮さんのような個人で創作活動をされておられる方に教えていただくのが一番よいのではないかと思って東京に飛び込んでレッスンを受けてきました。

初めてのお出会いのときにも、テキスタイルツリーの成田さんと二宮さんがお知り合いで、びっくりしました。そして、成田さんがご紹介下さった奥田染工さんで、二宮さんが昔修行をされていたとのことを今日お話している中で知って、また、びっくり。東京に知り合いも少ないですが、なんか強い方とのご縁に恵まれているのだなあと自分の中で感心。

横糸の染色に関しては、技法を吟味、昔はおじいさんが近江上布の横絣技法を進化させたので、今の私は私なりに、横絣技法を考えたいと思っており、本業ではないところの捺染工程は無理のない範囲でやりたいと考えるときに、お家のアトリエで作品つくりを完結されている二宮さんのモデルはベスト。

今回の林与の創作もプリントとは別ラインで、海外の有名ブランドのオートクチュール向けの作品を作ること。たくさん売ることは考えずに、力のある布を生み出すことが一番の目的で、1点もの的な濃い布の世界を復活したい。価格面や量産と量産のときの品質なったときには、プリント工場にプリントとしてお願いすればよい。

雑談のほうが長かったくらいに、作業は自体1時間から2時間程度であったろうか、目標としていたこと以上に、横糸に捺染も終わって、それを持って帰って一度織るという段階に。染料の廃番の話や染料の安全性の問題もあって、昔の技法に染色方法にはこだわらず、反応染料が一番悩むことが少なそうなので反応染料にしようと決める。

二宮さんは、大学でも講師をされているので、染めのことに関してはカバーされている知識が広く実践的で、聞いた疑問点に関してはどこどこの何があるからとそれを使ってみるとできますという、自分の経験に基づいて方法を教えて下さる。プロジェクトをはじめる一番最初の段階で、二宮さんの指導を受けて、今やりたいことの具体的な方法が見つかり、また、今後の技法の変化の余地も広がったに思う。

最後に、二宮さんの魚の絵の作品をみせてもらった。作業のやり過ぎで、肩があがらなくなってしまったとかおっしゃっておられる意味がよくわかった。技法だけでなく、頭のなかにデザインがあるのだなあと、特別な人であるのを感じる。幼稚園で毎日、クレヨンで、小さな魚の群れの絵を描くのが私の日課であった、楽しかったのを思い出した。なにごとにも打算的でない人というのはとことんまでできて強く、生み出されるものもいい感じなのである。私自身も、あと20年後とか30年後にそういう風にありたいものである。
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