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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2011年10月15日
途中大きな混雑もなく、今朝朝3時に滋賀に戻りました。昨日は午後から上島先生がブースに顔を出してくださいました。アンコドーナツボールっぽいものを差し入れてくださり、お昼ご飯代わりにいただきました。それと、良いものを持ってきたとおっしゃられ見せてくださったのは、カリフォルニア大学サンディエゴ校の蔵書であったクラークという一族のリネンストーリーでした。

家にもどって起きてすぐに読んでみました。アイリッシュリネンの世界というものについて経営者的な視点から書かれてあり、なぜアイリッシュリネンが途絶えてしまったのかという問題に関するヒントが書いてありました。1970年代と言うのが終焉のピークとなったようで、林与に残る細番手アイリッシュリネンも1970年代に買ったものではありますがそれ以前に紡績されたものであろうと想像されます。
2011年10月14日
ジャパンクリエーションの最終日、ホテルのチェックアウトを早めにして展示会場に車で向かいました。ジャパンクリエーションは続けて出ていますのでもう慣れてきた感じで、この慣れ感みたいなものあんまり好きじゃないのです。出展者もお客さんもそうですが、毎年あるお祭りみたいな感覚になってしまうと長続きしないものじゃないかと思います。毎回あっても、そこには新鮮な感覚がないと。

昨日の夜はインドへの視察旅行の説明会がありました。展示会を中心としたイメージで、空いた時間に周辺のモールへ出かけマーケットリサーチというスケジュールで、林与の通常の展示会などと比べるとゆったりとしている旅になりそうです。

全体的な流れからすれば、関税が撤廃されて物の流れが自由になれば、インドの衣類なんかが日本に流れてきて、一方で日本の自動車や機械へをインドへ売り込みやすくするという国際分業を進めるためのような締結なのだろうと思います。私自身、自由競争はよいことだと思うのですが、本質的な部分で国内ももっと自由な政治経済にならないと海外との競争では重いハンディを背負った戦いになります。

ジャパンクリエーションの場では各地の地場産業の組合の出展などもあります。地域というひとくくりになるのが、ここのものあそこのものというような差別化を生み出す一方で、代替的な感覚で産地というものが捉われてしまうケースも多いのかなあと思います。

今日もたくさんの方とお会いすることができました。秋冬物のシーズンということにも関わらず、リネンのものに関心をもってくださる方というのが多い気がします。今年は昨年よりも多くのみなさんにPRまた情報交換などさせていただくことができたかと思います。秋冬にも麻を提案することで、年中麻を織っている本場である意気込みみたいなものも感じていただけるのではないかと期待しています。

出展者のみなさんとも回を重ねてまいりまして交流も深まり、お話しさせていただくケースが多くなりアットホームな気分でジャパンクリエーションに参加させていただける感じになりました。冒頭でも書いたのですが緩みみたいなものが出ないように、しっかりとスタイルを保っていかねばと考えています。
2011年10月13日
今回のジャパンクリエーションでは入り口のすぐのところだったこともあって人通りも多く、いろいろな方が前を通ってくださいました。初日のほうが人の流れは多かったと思いますが、弊社のブースにお越しくださった方の数は今日のほうが多かったです。今回用意させていただいた林与の企業紹介パンフもお昼前にはなくなりました。

ジャパンクリエーションのような場所で、初めて林与に興味を示していただいたかたにとっては、どこでつくっているのかとか、何を得意としているのかとか、の情報が、商品そのものよりもお尋ねになられるケースが多いので、作って大変便利です。表紙には、林与ロゴをあしらっていますので、林与ロゴに興味をもたれましてこれもらっていいですかとおっしゃってくださるかたもおられます。

オーガニックコットンを取り扱っておられるパノコトレーディングさんのご紹介で、今度一緒に展示会をさせていただく、青野パイルさん、カゲヤマさんにご挨拶。泉工業さんやモンドさんもプレミアムテキスタイルのゾーンに出ておられますので、明日の朝の準備の時にでもブースに伺ってどのようなものをされているのか拝見させていただこうと思います。

今回のジャパンクリエーションでピックアップが多かったのが、ビンテージアイリッシュリネンを本藍染にしたもの。これはさすがに皆さんが高い評価をくださいました。紺九さんの染めであるだけに評価が高いのは当たり前といえば当たり前なのですが、ベースとなる生地も林与の妥協のない世界のものです。

もうひとつ注目アイテムがありまして、それは、出発の前の日にできあがった、リネンの厚地素材です。バッグも林与オリジナルなデザインです。これはインパクトがあって、麻袋らしいインパクトです。一生もののエコバッグとしてブレークするのではないかと思います。使えばどんどんと味が出てきます。デザインも林与のサイドBな感じで素敵で、バッグとしての重量感もそこそこでよい感じなのです。シャトル織で、コンセプトもまさにエコです。サイトでも近々販売をスタートいたします。たぶん、中にはなぜか林与のパンフです。林与の麻袋バックを予約したい方があられましたらメールでどうぞ。今のタイプは幅50cmほどで、肩から掛けられるように少し大きめです。

今回は学生さんも2日間で、10組以上はお越しくださいまして、スワッチに関しましても、最初に「学生なのですけどよろしいですか」というお言葉で接してくださるのが好印象です。なんかおしゃれな方が多すぎて…、学生なのにプチゴージャス過ぎるではありませんか。ファッションは最終的には哲学的な部分に行き着くもので、見た目よりも真髄的な部分に到達していないと駄目だろうかなあと思います。

かわいい、かっこよいとかの人気投票じゃあないところ、それがものづくりです。お越しいただく方と接していて企業の大小ではない部分でお付き合いは考えています。林与自身小さな会社ですので、欲なんかに振り回されるとどこにでもありすぎて普通になって駄目なのです。まずは、お金儲けよりもお金を捨てることを考えて、自分の作ってみたいものを作ってみて、それで試行錯誤から始まります。ものづくりにおいて、そういうのって当たり前に大事じゃないですか。

ストールなんかも展示会からは消えつつありますが、実際によいものなら消えては駄目だろうと思います。流行を追うのではなく、最終、自分のものづくりのスタイルを貫くことこそが、ブランドのブランドらしい高貴なところだと思います。方向性を失うブランドさんというのは、最終的に人々が求めるような哲学的な部分がないのです。それは、どんなものであってもよいと思いますが、一貫したものがないと弱いのです。
2011年10月12日
今朝は、夜3時に出発しました。ここしばらくあまり寝ておらず、車で行くのを辞めて新幹線にしようかと迷ったのですが、荷物も多いので余計に大変になるだろうと思って、今回も車で行くことにいたしました。

途中2回休憩を取って、首都高速も混んでいてついたのは朝の11時で、展示会が始まるのが午後1時ですので、もうほとんどのブースが準備完了で、私もあわてて1時間ほどで準備を済ませました。今回からは、ジャパンクリエーションとプレミアムテキスタイルジャパンの2本立てになったので、どうしようかと迷ったのですが、秋冬ということもあって一般の方との交流もあるジャパンクリエーションでの出展いたしました。

今回は会場も2階になって秋冬の展示会、どうなるものかと心配したのですが、入り口近くのジャパンクリエーション事務局裏の一番便利なところが当たりまして、お客様の流れというのは非常に良い場所でした。林与の対角のコーナーには近江織物さんのブースが対角の場所にあって、会社が同じ近江湖東産地というだけでなく近江織物さんの展示会を担当されておられるも林与のご親戚のお方です。

近江織物さんのブースは今回も非常に人気でインクジェットプリンタを活用した日本の最新のものづくりを提案されています。そういう最新の技術と産地の昔からのものとが結びつくとほかに真似のできないものが生まれてくる最高のパターンなのです。リネンにインクジェットしたものも見せていただきまして、すべての技術的な心配しているような事象にもすでに取り組んでおられるのがお話からも伝わってきて安心というものを感じます。

お隣のブースは今治タオルに掛けては一番の有名どころ吉井タオルさん。正面には浜松の織物組合さんのご出展でリネン関連も手がけておられ後染めのものに関しては味のあるものが多いなあと思います。斜め前はミンク素材を扱っておられる貿易会社、そのお隣が、皮革なども手がけておられ、そこにディスプレイされている敷物になっている5Mほどのワニの外皮、本物なのかが終始気になります。

展示会だけでなく、ファッションショーなども力を入れて行われ、服飾系の専門学校の学生のみなさんの力というのが伝わってくるのです。今日は、ブースにも学生さんが何人かお越しくださいました。織物というものになかなか興味があられる学生さんというのは少ないかとも思うのですが、テキスタイル関連の専門学校の学生のお話をお聞きしましても織物に掛ける情熱みたいな真摯な姿勢が伝わってきます。大事なのは学生に本当の厳しさを厳しいまま体験させてあげることではないかと思います。それこそが普通では体験できない貴重な経験です。

アニメの一休さんの有名な話に、将軍様が贅沢な食べ物に飽きて一番おいしいものを食べたいという話があって、薪を割って火をくべて疲れ果てて作った、味噌汁とご飯が最高のものであるのと気がつき、本質がそんなもんで自分が働くことの大事さと、贅沢いっていた自分が馬鹿さに気がついてハッピーエンド。でも、今の時代だと、将軍は味噌汁とご飯を食べたけど満足せずに、コンビニのおにぎりのほうが働かなくても何倍もおいしいみたいな時代です。

夜にはビジネス交流会があり、主催の皆さんや出展者の皆さんがパーティ気分で交流を行いました。
2011年10月11日
連休明けで今日は朝から加工工場に伺って反物をとりに行ったのですがまだ上がっていおらず、午後一番に加工から上がってきました。この連休中も準備に追われてほとんど寝られないものの、ハイテンションな状態が続いています。ゆったりとした気分で物事が進むかというと、張り詰めた中で浮かんだひとつのひらめきみたいなものを信じて実践したほうがよいのです。

結局、自分が作ろうとおもったものを作るという、作業を繰り返したものほど経験値が高まり、ものづくりの甘さが消えていくのだと思います。

2011年10月10日
昨夜から、ジャパンクリエーションに向けての作業が続いています。布づくりはほぼ完了で、あとはプレゼンをするかという部分で、カバン生地を生地というだけでなく、カバンの形にしようと、バッグをデザインしました。

無理と縫製を減らすようなデザインで、それも織物屋のコンセプトがあって布らしくよい感じです。完璧なカバンというのは完成度が高いですが、布らしいインパクトを大事にするカバンを作りたいという意味での林与オリジナルのカバンです。

カバンと一緒に、帽子と手袋を作りました。リネンなので冬の手袋としての実用性はゼロに近いですが、キッチンなどで鍋持ちなんかに活躍しそうな気もします。帽子はエスニック調でそれなりにインパクトがあります。千利休がかぶっているようなタイプの袋状の帽子です。フサがかわいいのです。秋冬の展示会では、アパレルの方ではなく、資材、帽子、バッグ、靴などの業界の方がリネンという素材でものづくりをしたいというお話が多くありました。

企業紹介冊子の印刷に時間をつかっていますが、画像の色調整をしても紙の上で上手に色が出ないのです。大判のプリンタを使うことにしました。業務用のプリンタというのはさすがですね。色を一切調整しないでそのままで画面と同じ感じで出力ができます。
2011年10月09日
展示会の前で、展示会に向けての準備が続いているのですが、今日は村の運動会です。私の出る種目は2つだけにお願いしてムカデ競争と最後のリレーでした。リレーは通常の種目と違って、各区2人だけで私が一番年配くらいになって中学生なども出てきています。

スタート係の体育委員をしている私と同世代の子が、私のお腹がちょっと出てるの見て若い子に混じってかわいそうやねえ、若い子らに負けんときやみたいな話なので、1年に一度だけの全力疾走をしました。終わったあとすごく疲れてましたがあまりに速すぎたのか、幼稚園とか小学低学年くらいの子供の人気者になってしまって、どうやったら早く走れるのとか本気で聞かれて、「ほうれん草」を食べたんやと答えておきました。たぷんポパイを知らないと思うけど子供たちの頭の中が爆発してました。

鬼ごっこをしようと誘われて小さな5人子供に混じって大人一人が20分ほど運動会が終わるまで一緒に鬼ごっこなのです。子供みていると優しく、鬼になると、「氷鬼」というのでしょうか、動けない鬼になっているとタッチしに助けに来てくれるのです。子供たちも鬼ごっこが楽しいのではなくて一緒に遊べる仲間を探しているのだなあと、今日の運動会も私が参加したのは2時間ほどでしたが子供たちの遊び上手には感心します。

リーダーが私じゃなくリーダーになる子がいて、みんなを引っ張って楽しくまとめているのもさすがです。子供たちは私の雰囲気の中に自分たちに共通する何かを見つけたのか、普段話したこともない、おっちゃんに声を掛けられる優しい子供たちが多いのも、小さな村の良いところかもしれません。
2011年10月07日
インターテキスタイル上海などでは、インドの方のリネンに対する関心が非常に高く、セが高くてがっしりとしたインドの方が林与のブースにいろいろと興味を持ってくださっておりました。また、リネン紡績工場の方からも中国原料を使用したリネンなどの今最大の輸出先はインドであるという話で、インドの市場としての可能性を常に考えておりました。

また、業界内での情報だけでなく、インドの人口増加率や経済成長率、また、自由貿易の推進化など、日本国内でも中国の次はインドではないのかというムードが広がってきています。また、インドというのはイギリスの植民地であったがためにイギリスの文化の影響も受けています。リネンが好まれるのもその影響が大きいのではないかと思うところです。また、インドは暑い国で、麻というものが愛されるのは自然なことだと思います。

そんななか、11月に経済産業省委託のインド市場調査事業に参加させていただくことが決まりました。1週間の日程の中では、デリー近郊での展示会なども予定されていて、多くのインドのバイヤーのみなさんと情報交換ができるのではないかと思います。インドに興味をもっているときに、国の調査事業に参加でき、展示会や現地の工場やショッピングモールを見学する機会が巡ってまいり、ありがたいなあと思います。
2011年10月06日
今日は午後から東京からリネンバードさんがお越しくださいました。今作っているクロスの撮影に起こしになられました。織りのテスト、半分、残り半分と3本に分けて作業をしたので、きていただいたタイミングとも合って、いろいろな工程をごらんいただくことができました。

倉庫の生地なんかもごらんいただいて、特に昔っぽいようなイメージのものに興味を持ってくださり、作っても違う感じにしかあがらないなあと思うような年季というか、重厚さが詰まっているので珍しく見えるのではないかと思うのです。セピアな感じでしょうか。

昔の糸の白というのは独特に見えます。すごく白くって、これは、生成を日本で白に晒したからだといえます。本晒という工程で晒されているので昔のものは白いだけでなく、光沢感がより際立つのです。それが時を経て焼けた感じになるとベーキングしたような色味で光沢感がいい感じなのです。

そういう価値観の世界って面白いなあと思うのです。何十年も掛けて味が出てくるというのも気の長い話ですが、昔のものほど本質的な部分でしっかりと作ってあって、コスト競争の中ではその技術すらもが消えていくというのを反物が語っています。

反物に付いたラベルすらもが織物業界の歴史を語ります。反物を加工した工場や染工場さんがなくなってしまっていたりすることも多いというのを感じます。日本で一番の技術と言われたところが高度化しすぎ大きくなりすぎ消えていくのは常のことで、それは一般に共通するところではないかと思います。技術も行き着くところまで行き着くと何人もの人間がひとつのものを作るのに協力が必要だったり、工程が多岐にわたりすぎるのでさらに手を掛けることが難しくなったときが頂点でそこからは技術も落ち始めるのです。新しい技術を開発するよりもしっかりとものをつくれるような価値観や考え方こそが大事ではないかと思います。

倉庫に残るそういう反物を見ていると日本の技術というのは味があるなあと思うことも多いのです。探そうとするものが新しい技術で生み出されるものにあるのではなく、昔に作られた力を注いだものの中にあるというのはそれがものづくりの本質なのかとも思います。
2011年10月05日
今日は、オーガニックリネンのカラーカードを見ておりました。色に染めてある糸ですが、草木染ではなく、化学染料染です。オーガニックというと、日本人的感覚からすると染めも草木で染めでと希望される方が多いのですが、リネンは汚れが落ちやすいという性格をもっていますので、それは裏返すと染めた色が落ちやすいということなのです。

濃い赤の色をみると反応染料で染めてあるのかなあと思ったりします。色のついたものは、生成とオフ白の世界とは別世界で、それはそれでバリエーションを広げるのにはよいものだと思います。アパレルブランドに要求されるような摩擦堅牢度や耐光堅牢度をクリアするためには仕方のないところなのだといえます。

草木染で染めるようなオーガニックリネンの世界というのは、濃く染まりやすい藍染くらいが一番落ち着くのかとも思います。媒染剤として金属系のものを使えば、それは草木染であったとしても、オーガニックなんだろうかという部分にぶつかるでしょうし、藍染自体が昔から麻に使われていたということも昔に戻る自然な形でしかないのです。

無限の色が出せるかというと草木染の世界では制限が付いてきます。赤は茜の赤色を使う。でも、コチニールのような虫をすりつぶしたものがどうして、草木染なのかと疑問に思ったこともありましたが、より赤らしい赤を出すために自然もので一番きれいに出るものを探した結果がコチニールだったのでしょう。ログウッドにしても、コチニールにしても、遠く遠くから運ばれてくる話を聞くと、今の時代のLEDではありませんが、青色が開発されたことにより、瞬く間に世界中の照明がLEDに置き換えられたのと似ている気がします。
2011年10月04日
今日は、田んぼにコスモスが植えられているのが開花し始めています。寒くなる秋に花が咲くというのも考えてみると不思議なものです。昔だとこんな光景は珍しかったのが、ひまわりが植えられたり、コスモスが植えられたりが当たり前に感じられるようになりました。

遠めに眺めるにはきれいで、畑によっては、一つ二つほしいと思えば植えている方もどうぞお取りくださいという町をにぎわすような商売抜きの気持ちでの事業もあります。それはそれで、地産地消的な楽しみがあって家に持ってかえって眺めていても意味が深いものだと思います。

知り合いの方から聞いたのですが、昨年は大根が豊作気味でトラクターで最後つぶしてしまうそうで必要なら取っても良いというような農家の方があるとのお話を聞きました。せっかく育てたものが、何の価値もなくつぶされてしまうというのは、日本の国というのは豊かだなあと思います。

林与自身は、なるべくご飯などは最後まで残さず食べるタイプではありますが、それをしていても、その裏では、大量に食べ物が廃棄されてしまっているというのは、個人の努力というものがそれほど力にはなりえないという悲しさです。

ファーストフードチェーンで、何分か以上放置したものは廃棄処分にするというのが衛生品質管理の徹底でよいことのように謳われていますが、捨てても大丈夫な程度の食べ物であるというのは悲しい気がします。

コスモスを見ていても見るだけのためにこんなに大量に植えるのは贅沢だなあと思うのですが、そういうのが今の農業の一つの形なのだろうなあと感じます。食べ物も保存する技術がしっかりとあれば捨てなくても済むのになあと思いつつも、今の時代それが進んでいるから代替されてしまい嗜好が変り、新鮮な食べ物の価値というのが落ちてきたのだろうと思います。
2011年10月03日
今日は、朝一で加工出し、午後からは大津のプリンスホテルで、中小企業団体中央会の滋賀県大会がありました。そのあとレセプションもあったのですが欠席させていただいて、野洲の紺九さんにお邪魔しました。

紺九さんでは、林与の生地が本藍染めに染まりあがっていました。林与が織った140番手や100番手をストールに染め上げたものは、今までのソフトなストールとは違います。すこし、ハリがあるのですが、その肌あたりの自然さが魅力で、肌に痛くないのです。超高密度細番手の厚地も2mだけですが染めていただきました。こちらは、ワンピースにすると素敵ではないかと思います。ジャパンクリエーションの場で皆さんにご覧いただこうかと思っております。

紺九さんの魅力は藍染の中でも、重要文化財などの修復にも使われる古来からの藍染の形を守っておられるところです。そんな藍染のストール、本物の藍の香りがいたします。販売も計画いたしますので楽しみにしてくださいませ。

森さんとお話していると、つい昔のものづくりの話になります。野洲晒が近江上布を支えていたということも今日のお話では出ており、いろいろな謎が解けてきます。お話していて、林与が頭の中でたどり着いている昔の麻の世界のものづくりと整合していている感じがします。

出来上がるものだけでなく、作り手の普通とは違う価値観というものが、他とは違う世界を生み出すためには一番大事ではないかと思うところなのです。
2011年10月02日
リネンの特殊な糸を使ってウィンドウペンを作ってみています。予想通り良い感じに見えます。リネン100%の特殊な糸というのは非常に少なく、アクセントになる太い糸を作ろうとするとなるとなかなか難しかったりするのですが、この糸は良い感じに軽く仕上がりしかも上品です。

今日は、インターテキスタイル上海の飛行機の手配を行いました。もう間際過ぎて飛行機がとりにくい状態になってしまっていて、日程的に都合の良い飛行機というのは、トータルで9万円くらいします。現地で前後余分に宿泊することを考えるのも手ではありますが、生産時期に入って時間的には余裕がありませんので仕方のないことかと思います。

ジャパンクリエーションのホテルの手配なども行っておりますが、なかなかホテルの確保などは難しいようで、一方で、震災時期の状況とは打って変わって正常な経済が取り戻されつつあるのを感じます。ホテルが安く取れるのを喜んでいるというのは駄目で、ホテルがなかなか取れないくらいのほうが、本質的な意味ではよいのだと思います。

食材すらもがほとんど手に入らないというホテルのブッフェも春には経験しましたが、そんな状態を乗り越えられたホテルというのも大変な努力ではなかったかと思います。
2011年10月01日
今日は、10月1日の月始めながら土曜日だったので、1日ということを忘れたままの一日でした。でも、それに気がついたのが、夜、西濃運輸さんに荷物を持ち込んだときに、皆さんが着ておられた制服が白からブルーに変っていて、ああ、衣替えの季節なんだと思いました。

それなりに夜は外も寒くなり、もう暑さというのが昔のことのように思える感じです。ヨーロッパのフラックスのリポートも届きまして、今年のフラックスの作柄というのはあまりよろしくないようです。

土曜日というのは外からの電話などが少なくて落ち着くのですが、週休2日というのが当たり前の時代というのは、平日が修羅場で、これって、逆に職場環境が悪化してしまっているだけではないかとも思います。普通に働けるような環境ではなくなりつつあり、日本でのものづくりというのは難しいなあとつくづく思います。

今の時代、仕事を実際に動かしている人というのは、結局、週末に月曜日に向けて準備していることが多くなっているのではないでしょうか。大勢でやるものづくりというのは無機質で、一方、一人でやっている田舎の職人さんのものづくりのほうが味があるのもじっくりと時間を使えているからではないでしょうか。
2011年09月30日
昨晩は遅くまでストール関連の撮影を行っていましたので、今日はバテ気味でした。会社も期末なので、通常の月末とは違うような忙しさでした。月末というのはどうしても月末払いのものなどが多いので伝票の処理など増えてしまいます。9月を振り返ると、7月、8月よりは落ち着いてはいたのですが、詰まっている中に、毎日、新しいお話をいただきますので、どこまで一つ一つを丁寧にやるのかというところだと思います。

午後からはお客様で1ヶ月半ぶりくらいにお見えになられましたので近況などをお聞きしました。震災の影響で、資材関連の織物業の方というのは、かなりお忙しくされているようなお話です。「備えあれば憂いなし」ということわざがありますが、製造メーカーですら在庫ゼロを目指す体質ですので、全体としては備えることが悪とみなされる時代です。

電気、自動車関連が、組み立て産業になってしまった現状では、海外に移転することのほうが安定してものづくりをできるようなお話をよくきくようになりました。日本国内のものづくりがギリギリまで常に追いやられている状況で、さらに何かあると選択肢として海外のほうが自由度が高いというのが、ちょっとやそっとの努力ではどうしようもないというのがどの産業にも共通する部分だと思います。

リネンの糸なんかも国内で在庫をしっかりと持てるところも少なくなってきていますので、糸を作る力だけでなく糸を持つ力すらもが海外に依存する時代になりました。本来は国が急激な価値観などの変化を吸収するような役目をしないといけないのでしょうが、数年で180度変わってしまうような誰が見ても成り立たないようなものを考え失敗の多い政策に、大きなところは守られても小さなところの経済までもが、その尻拭いの悪影響を受けるという時代なのかなあと思います。
2011年09月27日
今日はファンドの説明会がありました。朝からバタバタと会社の中の用事を済ませて高速道路で大津に着いて午後2時くらいに会社に戻りました。電話がたくさん入ってきましてバタバタしているうちに夕方で、今日あがり予定の反物があって気になっていましたが、夕方になっても届かないので、夜8時前に加工工場のほうにもらいに行きました。

夜見るとなかなか良い感じに上がっています。中には、ちょっとなあと思うものもありますが合格点の感じです。色柄も含めると200から300種類を超えています。リネンの超細番手のシリーズでリネンも細くなると光沢感が増し、通常のカジュアルのリネンとは別世界です。

気がついたのですが、ストライプとボーダーの違いってやはりあるもんだなあと思います。縦横が違うだけで同じようなピンストライプの柄があるのですが、ストライプのタイプは高級な感じで、ボーダーのタイプはカジュアルな感じなのです。細番手使いだと正統派のストライプ使いのほうに軍配を上げたい気分です。今日上がった反物は薄いリネン生地なのにしわになりにくいのでハンカチ用途には最適かと思います。

リネンは、「WOVEN MOONLIGHT(織られた月光)」といわれるほどに、光沢感があります。たぶん、昔のリネンというのは手績糸だったでしょうからピカピカだったに違いありません。今日上がった超細番手のリネンも紡績糸ながらも光沢感が素敵です。

リネン生地も、朝見るのと夜見るのとでは違って見えたり、お天気の良い日と雨の日では風合いが違ったり、加工上がりが一番シカシカしていることが多いのですが、このリネンも寝かせることでどんな表情になっていくのかも楽しみです。リネンは放反して放っておくと比較的早く風合いが良くなる気がします。
2011年09月26日
ようやく連休が終わった!!!という感じで、やろうと思っていることが再び進み始めます。今日は、朝に加工からストールが上がってきてストールがほとんど完売状態になってしまっていたので、うれしかったです。先々週に上げてもらったときに少し硬く、それに再度手を加えてもらいました。一ヶ月くらいお待ちいただいたお客様には大変ご迷惑をお掛けしましたが、出来上がりの風合いには喜んでいただけると思います。

午後からも反物が上がってきて、明日も反物が上がってくる予定です。何ヶ月も掛けて新しい見本などを織って、それが加工から上がってきたときに、それがどんな風に上がったのかを確認するのは非常に楽しみな瞬間で、織の専門として企画し織るのに集中して、染めは染で染めの専門家、加工に関しては加工の専門の方に委ねることが一級のものを仕上げる一つの方法です。

今日は、お取引のある人気のネットショップさんから新しいご本をお送りいただきました。毎年、イギリスでロケをされてさすがだなあと思います。そういう本を眺めていると、ヨーロッパに出かけてみたい気分に誘われます。イギリスって格式があってよいなあと思うので、日本も日本らしいところを残して海外から良いなあと思ってもらえないといけないと思います。

林与の写真はプロがとっているわけではなくあんまり良くないかもしれませんが、自分なりに大事につくった布ですので、写真の見え方とは違うところで布が存在をしています。ものというよりも自分が作ったときの思い出のような感覚として布が存在しているのです。

今日はお世話になった別のお取引先の方から、この月末で退社されるとのご連絡をいただきました。その方が企画されて作ったストールも一つの思い出で、ストールの風合いとかそんなのを超えた、一緒に仕事をさせていただいた部分でストールの存在価値があったりいたします。
2011年09月25日
今日は連休の最終日ながらも明日が締め切りの書類があるので、朝からその書類つくりで、夕方なんとか完成しまして、クロネコにもっていくとすでにトラックが出てしまったということでガーンと頭を叩かれた気分、でも、佐川に持ち込みなんとか明日中に東京に到着するということで一安心です。実は連休であっても時間との戦いです。

いつも仕事をぎりぎりでするのは良い癖ではないのですが、一つ一つのものづくりをより完璧にしようとするとどこまでも時間がなくなってしまいます。どこで手を抜くかとなったときに仕事で紙や連絡のことは我慢ができても出来上がるもののことは我慢ができないことが多いのです。ものをつくる部分は守り抜くことが非常に難しく、それに力を注ぐことが一番だと考えています。

納期と価格を優先される安く手軽なものを求められるお客様と、高級かつ品質を優先されるお客様の二通りに分かれると思います。林与の場合は、後者のお客様のお客様の比率が高く、それが林与の特色のひとつであり、どうしてもそのタイプのものづくりに常に時間がとられてしまいまい、糸、染、織、加工とも、どこでも誰でもできるというのではなく、すべてにおいて制約を受けるので、製造工程においても待ち時間がすごく長くなってしまいます。
2011年09月24日
子供のころに秋にはよく、ヒガンバナが咲いていたものです。彦根の田んぼでちょこっと見かけてヒガンバナのことを思い出しました。毒があるので、子供のころヒガンバナは雑草かと思っていたのですが、動物が畦道を住処にするのを防ぐために意図的に田んぼの周りに植えられていたようです。

稲刈をするころには、赤とんぼが飛んでてもおかしくないころではありますが、田舎でもトンボもほとんど飛ぶことのないのが今の時代です。人にとっては住みやすい環境になったのですが、一方で、動植物にとっては厳しい環境になってしまっているのを感じます。

150年ほど昔に遡れば草から繊維をとって績んでいたのが日本です。彦根では井伊直弼と150年祭というのが行われましたが、まさに、文明が海外から入ってくると中にあった文化は手軽なものに置き換えられていってしまうのです。ヨーロッパですらもリネン文化があったのに、アメリカから安価でやわらかい綿が入ってくると、リネンは綿に置き換えられてしまいました。北アイルランドには100を超えるリネン紡績工場があったのに、ほんの100年ほどで、ひとつもなくなってしまうというほどの勢いです。

日本も60年ほど前まではほとんどの人が着物を着ていたのに、それが洋服になっているのですから、文化と文化の戦いなのかなあとも思います。実際には外からの力ではなく中から外のものを取り入れようとする中からの動きのほうが大きいのです。世界で何か便利なものが作られると、それが1年もしないうちに世界中に広まるのが今の時代です。
2011年09月23日
暑さ寒さも彼岸まで、という諺がありますが、今日は涼しい一日になりました。朝から秋晴れらしい透き通った空気を感じることができ、この感じというのは秋の紅葉を連想させます。夕方車で走っていると西の空は虹色に染まる夕暮れで、良いものを見たなあと思えました。太陽が昇るときと太陽が沈むときの違いって、空気そのものが違うのでしょうか、見え方がまったく違います。

今、冬によさそうなリネンに挑戦をしています。それが本当に冬に良いのかというのは出来上がってみないと分かりませんが、思い切った規格のリネンでよいものに仕上がると思っています。通常のリネンの2倍くらいの厚さのものが出来上がる予定で、織れたら面白いものです。

以前のリネンを分析したときに、糸自体の太さがそれほど細くないとう結論に達したことがありました。あの綺麗さというのは、糸の細さからくるのではなく、糸の均一性から来るものだと思うことも多いのです。均一な糸というのは織り上がりが綺麗で素敵です。昔のリネンの在庫のものは均一な感じがすごくするのですが、今のリネン糸というのはどこのメーカーのものでもスラブ感があります。

でも、リネンって見られる方によってほんと価値基準が違いますので、スラブを許容だとされるかたも多いし、スラブが少ない均一な良い糸を使って良いものができたと思っても、その後の縫製の技術の問題で、逆にスラブが多いもののほうがクレームが少ないことも多かったりします。百貨店の店頭向けなどはリネンは無地が多いのもスラブの問題が多く絡んでいます。ネップやフシの問題で昔はよくあったピンヘッドやハウンズトゥースのようなトラッドな高級な白黒の柄に使えるようなリネンというのは少ないのです。
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