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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2011年06月29日
今日は、午前中、8月6日7日に行われます長栄座の周辺イベントといたしましてロビーで行われますブースでの展示に関する参加説明会が行われました。会社を出発前には、いろいろと今日の仕事の準備をしておって出掛けにお電話をいただいたり、また、お弁当屋さんのトラックで出発ができなかったり、今日の目的地に達するのはなかなか壁が多いなあという感じでした。

会場では、説明会が始まっており後ろのほうに座らせていただいたのですが、説明の重要部分は後のほうでして逃さずに助かりました。お世話になる運営の皆さんとご挨拶させていただきました。展示は会場のロビーで行われるのですが、オープンスペースなので、展示会のように小間みたいに囲って展示したほうが落ち着きそうです。

メインのイベントが古典芸能なので、お越しになられる皆様というのは、そういう歴史や文化的なものに興味のあられる方で年配の方が多いのではないかと思います。私も昔の近江上布なども展示して見ていただくのによい機会なのではないかと思います。他にも、リネンキッチンクロス、ストール、リネンシャツなども並べてみようかなあと思います。

終わってから生地を見に来られ、リネンの生地でつくられたステテコをはいておられました。ジーンズと比べると軽くて涼しいということで、ジーンズがもう履けないというくらいの心地だといっておられました。体感温度マイナス5度くらい違うと思います。
2011年06月28日
今日は、リネンの色糸の染め出しを行いました。今回の分は全部で20色以上あって、林与のカラーからいい感じの色をリネンの色として作ろうとしています。織物の色というのは、カジュアルカラーが一番リネンでも売りやすいのですが、実際に麻やリネンに合うのはワビサビの色じゃあないかと思うのです。特にオンリーワンなデザインのものを作るときには、わざわざ色を微妙にして自分好みの色の糸を作ります。

サンプルカラーを作るというのは、無料ではなく逆に高い費用が発生するのですが、オリジナルにこだわられるブランドさんなんかはそれを覚悟で色出しを行われます。色出しも一回勝負でよいなら簡単だったりします。色ブレを考える必要がないからです。見本に近い色を布という状態で再現しないといけないというのは非常に厳しいことが多いのです。特に多色使いの先染めとなると、ひとつの色のブレが案外気になるものです。

自分のつくりたいリネンをつくるのは本当に贅沢な世界だと思います。今回のリネン糸も、贅沢に120番手クラスと140番手クラスを染めてみました。リネンの細番手の先染の世界ってすごく珍しいのでインパクトがあるものなんですよ。染まってくるのが楽しみなだけでなく、それを使うのがまた楽しみです。そしてそれが加工からあがってきて、また、製品になっていくと色華やかな細番手のリネンの世界が生み出されます。

日本的なリネンを作ろうとするときに、糸が細いというだけでなく、日本人の色柄に対する感性なんかも、日本人である林与が吹き込めたらと思うのです。
2011年06月26日
今日は日曜日会社は休みでしたが、東京からのお客様が起こしになられました。今日は夏らしい一日だったので朝から事務所の建物は熱気で満ちています。林与のリネン生地でオリジナルシャツの企画の試みを考えておられます。

お客様だったので普段使わないエアコンを少し使いました。エアコンを使わないなら窓を開けて涼しくするのに、エアコンを使うためには窓を閉める、これは子供のころからの不思議で、答えは分かっていても不思議は不思議なのです。

午後から、長浜のDENさんにお客様をお送りしました。DENさんは、夏の間だけの木、金、土の晩に、木ノ本町の北山クロージングの縫製工場でビヤガーデンをされているのですが、もう20年になるそうです。一度、2年前の夏に、お招きいただいたときにはロッジ風の縫製工場のデッキでゆっくりさせていただきました。

今日は、本当に夏らしい暑い一日でした、会社に戻ってからは、溜まっている書類関係を進めました。昔のように、28度までに抑えることで十分15%ほどの節電になるとは思うのです。実際に、林与の工場でも冷房設備を動かすだけで機械を動かすのと同等の電力の消費で自然をコントロールすためには莫大なエネルギーが必要なのです。

逆に言えば、人が感じる暑さすらも自然の偉大なエネルギーでそれを否定してはならないのです。夏は暑くて当たり前、冬は寒くて当たり前、それとどう付き合うかなのです。近江湖東の産地は、日本でも一番くらいに麻織物に適した気候風土として言われています。私自身はそのことには懐疑的な部分もありますが、実際に、麻織物に携わってきた人の物事の独特な考え方までも自然に由来していると含めるとそれもそうなのかなあと思います。
2011年06月25日
昨夜は、2時間ほどのあいだ、1、2秒ごとくらいに空全体が調子が悪い蛍光灯が点こうとしているかのように、点滅し続けていました。夜なのに空が明るくて赤く焼けているような感じです。雲というよりも電界の層が出来上がっていて、それが、オーロラのように見えていました。こんな空を日本で見たのは生まれて始めて位の体験でした。

午前1時前でしたでしょうか、大粒の雨が10分ほど降って、すべてが何事もなかったかのように終わりすごく静かになりました。実は、これが異常気象というよりも自然なのかもしれません。滋賀県から見ると北のほうの空が集中的に光り続けていましたので、空気中の電界的な要素が極端に異常化されてしまっていたのが、昨夜の異常に思える現象で正常化されたのではないかと思います。昨日の午後なんかは気持ちのよい一日だったので、少し驚きではあります。夜の空に飛ぶ鳥も逃げ惑うような感じで飛んでおりました。

日本らしくない現象が自然界でも起こり始めているような感じですが、これが自然なのだと思います。自然というものはひずみを、自然の力が一晩で正常化してくれるようなものではないのかと思います。昨夜の地獄絵のような出来事は、自然を変えようとしても自然は自然に戻る力があるのだという証ではないでしょうか。

砂漠気候というと棲み難いかと思えば、雨が降らず、毎日晴れていて基本的に天気の心配もせずにすみやすいのです。カリフォルニアのアーバイン周辺は世界で一番気候のよい場所といわれるところで、夏でも天然のクーラーが利いていて、雨が降らないので本来は草木も生えないのですが、スプリンクラーで水を供給して緑を保っています。

砂漠というと悪いイメージがあるようですが、実際には、虫すらもいないような人にとっては住みやすい環境なのです。ポップコーンが1週間湿らずに食べ続けられるようなのも砂漠気候の特徴です。最近の日本は、ダムなど作って砂漠化することで人が住みやすい環境を作り上げてきたのだと思います。大事な要素というのは水で、水が自然の基礎なのですが、人が快適に住むためには水を自然に循環させないことを望みます。

日本の山形の蔵王スキー場ですらも、積雪が1.5mほどといわれるほど、温暖化は進みました。実は、日本で砂漠化が進んだのはこの何十年のことなのです。子供のころには滋賀でもしっかりと雪が降っていたことを考えると、原子力の力というのは自然に対する挑戦だったと思います。世界の中で、自然を変えることに日本が一番熱を上げてしまったのも日本人の国民性ではあるといえ、世界で一番、原子力発電を推進した日本で世界の中で一番くらいに温暖化が進んでいるというのもよく考えないといけない事実だと思います。焼畑すらもが地球温暖化の要因に上げつられ、一方で原子力が地球環境を守るなどといって、この問題が起こってからも、放射能は体によいという学者さえもたくさん出てきてしまいました。今時の日本らしいのです。

自然環境によいということで、天然繊維を使わないで、合成繊維を推進するのと似ているのです。何十年もつづいてきたことを、新興のビジネス推進のために法律などつくって代替し始めれば、人が共存してきた自然由来の環境すらも取り戻せないくらいに破壊されてしまいます。学者たちもようやく放射能の自然界に対する危険性に気がつき始めたようではありますが、推進してきた人間ならそのくらいのことは最初から分かっていないと欲に目のくらんだ素人のごときで駄目なことでしょう。人の欲というものは強いもので自然すらも人間の都合のよいようにコントロールしようとするほどの欲の大きさなのです。人間が折れて、自然に合わせて過ごすということも大事ではないでしょうか。
2011年06月24日
上島佳代子先生から、主婦の友社から発売されました「東京のおうちアトリエ」という本をいただきました。東京の女性アーティスト17人の中の一人としまして上島先生も紹介されていて、林与がコラボさせていただいて織っていますピンストライプのキッチンクロスも登場しています。

本の中は、カラフルな写真ばかりで、それが、活動の空間ということです。なんか、きれいな空間で皆さん仕事されてましてうらやましいですね。林与もカラフルな空間で仕事をしていますが、それらは糸や布が作り上げています。織ったものをほとんど捨てることはなく大事にしています。
2011年06月23日
今日は、午前中、彦根の組合で取材がありました。私自身は、取材そのものよりも取材の後にお聞きしたお話に興味がありました。記者の方は彦根の昭和をよくご存知で、彦根に来るのが楽しみなんだといってくださっています。彦根の先代の方々とのよき時代のお話も飛び出して、今の地場産業にとっては厳しい時代も重々に理解したうえで、日本に残して行きましょう、と応援の気持ちが伝わってきました。
2011年06月22日
今日は、朝6時起きで大阪、9時に大阪のホテルで夕方までの講習を受けました。大阪で大阪のお客さんと電話で話すと不思議な気分です。別にお会いする予定もないのですが、大阪にいることを言わないのが失礼な気持ちさえ起こさせます。

もし、林与が、東京や大阪にあったら、多くのお客様と近くて便利だろうにと思うこともありますが、流れに流されてしまって、作り方はもちろん、作るものというのも変わってしまうと思います。

林与の家では、曾おじいさんの前というのも織物をもちろんやっていたと思うのですが、曾おじいさんのときに、自分で織物を企画する機元としての創業があったことが、今の多くの賃機屋さんと違うところで、着物の時代が終わってもアパレル向けの広い幅の織機に入れ替えてものを作り続けることができたのです。

生地なんて、いつでも作れるものと思っていると、いつの間にか作れなくなってしまう時代がくるというのは、林与の場合、おじいさんのころから感じていた感覚です。倉庫にオイルショックのときのマルセル石鹸が今もたくさんの残っていて、糸というだけでなく、生産に使う道具まですべてを守っていかないとならない厳しさをもってものづくりを続けていたのを感じます。

在庫の布などを見て、助けるお気持ちでだと思うのですが、これが全部売れればよいのになあといわれることがあるのですが、林与は昔の近江上布の反物を今も残しているように売れてなくなればよいと考えてものづくりをしているのではありません。これは売らないで残すという選択もあったりするのです。
2011年06月21日
今日は、念を押してカット不可の要返却で貸し出して見本のいくつかがカットされて戻ってきました。ものを流すときにやはり価格の話をしっかりして本当に買っていただけるものだけを見ていただくのが一番で、自分自身でものを流していくことの重要性再認識するような出来事です。

林与の布から林与のものであることをなくしてしまうと価値は落ちてしまいます。麻業界の歴史のたどれる布であることが大事で、それがノーブランドになってしまうのであれば、海外の安価なものとの比較になるだけで、オリジナルであることが消えてしまう意味のなさなのです。

価格で勝負する布という世界もあるかもしれませんが、わざわざ日本で作るようなものは価格を下げて流そうとすると海外のものに近づいていくだけのものづくりで、ものを作る力すらも海外に負けてしまいます。ものづくりをする人間が価値を感じないといけないですし、使われる方に、うまくその価値が伝わらないといけないのです。気持ちが離れてしまいますので、出来上がったものは単にものの世界になります。

林与の布が他の布と比べて何倍も高いのにご評価をいただくのも、ひとつの布がどうこうではなく、トータルとして林与のコンセプトこそが大事ですので、それが崩れてしまうと林与が作る意味すらもなくなります。今のファストブランド的なものづくりとはまったく逆のスタイルですので、よく驚かれることもありますが、時代に流されない昔ながらのものづくりの価値観を守る厳しさではあります。
2011年06月19日
今日は、会社は休みでしたが自分仕事してまして夕方に発送を完了しました。リネン糸を双糸するのを頼む目処が立ちましたので、同時に刺繍用の糸なども作ろうかと考え、その糸の準備もしました。ほかに、先週こられたお客様用のサンプルなども手配をいたしました。

発送を完了した脚で、半年振りに近くのショッピングセンターに行きました。行く前から予想が立っていたのですが、以前は580円でジーンズを販売されていて、同じものかどうかはわかりませんが、一番安いのが850円になっていました。580円で販売されていたときでもお買い得という感覚はありませんでしたが、今、850円のジーンズというのは、現地で販売されている価格よりも安く、品質も良いのではないかと思います。

洋服にしても突拍子もないものが流行するということは少ないし流行を追うようなタイプではないので、どうしても洋服の形よりも素材のほうに目が行ってしまうのですが、リネン100というものはメンズで2つありましたが、一見見劣りしているのです。基本、麻のものは大手の量販店では売れにくいという結論になるのではないでしょうか。というのも、周りに合繊のものがたくさん置いてあると、麻の物というのは相当思い切ったことをしない限り無地などでは見劣りしてしまうのです。クオリティが高い売り場においてあると逆に味の面が引き出されるのですが、売り場全体の雰囲気が非常に大事だと感じます。

そういう理由からしても売り場の人などが普段から良いものを眺めていないと、なかなか麻が良さというものはわからないと思います。合繊や綿のものなら安くてきれいであって、フシやネップがあるというようなものが高いとう、一見矛盾する部分を評価できる目というのは普通だと難しいのです。弊社の素材ではありませんが、無地の後染めのものはしわが目立っていましたし、シャンブレーのものもネップが目立っていました。しかしながら、カジュアルなリネンながらも全体的な品というのはほかの素材に比べて勝っているというのが総評です。

今は合繊の安いものの方が見栄えがするのが普通です。昔の着物の麻というのは、非常なまでの贅沢が施されていて、見た目でも合繊に負けることはなかったのです。林与の使っていた昔の麻糸というのは本格的な世界で、ストーリーからしても海島綿やカシミヤの世界を超えるようなのが当たり前でした。今は糸からしまして、情報すらもが薄い時代になってしまいました。紡績会社の方に聞いても担当の方であってもしっかりとした知識がなく、糸商さんに尋ねて検討してほしいとのことで、日本企業もどこまで手を抜くものづくりが続けられるのかというところに差し掛かっていると思います。実質は海外企業になってしまっているところと、国内的なものづくりをされているところとの差が大きく出始めていて、当面は商社的になられたところが勝る時代が続きますが、最終的には商社化してしまうと売ることが大事になってきますので売れなくなれば終わりです。

今の時代、海外のフラックス工場や紡績メーカーの方のほうが正直なところでの話ができたりします。それは日本の企業以上にものづくりをされていて自分たちのやっていることにプライドをもたれているからで嘘をつく必要がないのです。逆に、日本の糸商さんが違うメーカーの箱に入れ替えただけと普通に言われる時代ですので、国内で流通するものへの信用という言葉は過去のものになってしまった感すらもあります。
2011年06月18日
林与は琵琶湖の東側の湖東産地にありまして、琵琶湖の反対側に高島という綿織物の産地があります。今日は朝から高島にお邪魔しました。高島織物工業協同組合さんにサイジングの機械を見せていただきにあがったのです。

サイジングというのは縦糸に糊をつける工程で、綿の単糸の場合、織機で高速で糸同士が上下運動をすると糸がももけて通常は糸切れを起こします。毛羽を押さえるために糸に糊をつけておいてあげると、縦糸が織るときにももけてしまう現象が軽減されます。綿の細い番手の単糸を縦に使った林与が考える特別な織物を作りたくって、糊をつけてもらえる工場を探していました。

お休みにもかかわらず工場長さんからサイジングの工程を教えていただきました。部分整経するのと似たような整経機が3台ありまして、それぞれに使う糸で使い分けているなど役目が違うということです。ひとつの整経をするのに荒巻するのにビームを何本も使って、最後にサイザーで糊をつけて、全体の糸を一本の織物用のビームに巻き取るという工程です。私の思っていたサイジングは、織物用のビームに巻いたものを別の織物用のビームに糊をつけながら巻き取るという形をイメージしていたのですが、荒巻用のビームを何本も使うという工程が分かって見本からお願いするのが申し訳ない気分です。

工場長さんとお話しさせていただいて職人さんだなあと感じるのです。林与のお願いする糸が通常されている綿の糸の半分くらいの細さで、さまざまな問題が予想されるということで、お話を聞かせていただいてその問題もよく分かります。ご自身が手間が掛かりそうなことよりも、うまくいかないときのことや糊をつけてみても織れない心配を一番して下さっていてありがたいのです。こういう方とのお出会いというのは非常に少なく、知識や経験云々ではなく、温かい人が生み出されるものというのは、ものにそれを作った人の要素が詰まっていてよいものであることが多いのです。

技術的に高い織物などはひとつの技術に依存することなく、いろいろなぎりぎりへの挑戦が積み重なって海外では見かけることのないような織物を生み出すことができるのだと思います。お昼すぎ帰ろうとしましたところ161号線が非常に混雑していまして、何十分も車が前に進まない状態で、琵琶湖大橋をわたって帰らずに引き返して琵琶湖の北側を回って帰ることにしました。帰ったら夜になってしまっていました。

リネンの細番手織物でもそうなのですが、細い番手に挑戦を繰り返してようやくアパレル市場も、リネン100番手以上の細番手なども、世界から興味を示していただけるようになりました。25番手40番手あたりが価格面でも手ごろ感があって主流で、その辺りがリネンのイメージを引っ張っている感じがあったのですが、海外の展示会などでも、きれいな表情のリネンをたびたび提案することで、世界のトレンドも日本が昔、麻の世界に憧れをもって作り上げていた世界に近づいてきています。

細番手のアイリッシュリネン糸に関しましては、単に本物というだけでなく、その見た目の別格な存在感は、リネンへのこだわり派の方ですらも魅了するのではないでしょうか。日本らしいものづくりを残していくためには、林与が考える難しいなあと思う布を作る世界があってもそれはそれでよいのではないかと思うのです。また、単にスペックで上回るだけでなく、全体的な商品に流れる感性を林与らしいものに落とし込みたいと考えています。
2011年06月17日
今日は午後からお客様がお二人おいでになられました。選ばれるものというのは、昔のしっかりとしたものづくりのものが多いので、目がお高いなあと感じるのです。国内市場での高いゾーンのものづくりですらもが安い工程で似たものをという要望が増えています。林与の考えるベストな麻のものづくりのラインと販売のラインは自社独自に構築して残していく必要を感じるところです。

林与の生地をお探しのかたで、林与のサイトにお越しの方というのはどこにもよい麻の生地がないということで、見つけていただいた方が多いのです。お客様の要望と作り手である林与のものづくりのコンセプトが合うとものに対するご評価も高くて、ときには、林与が通常によいものと考える以上のものを探しに来てくださるケースもあります。

そういう高くて良い物への需要はあっても、そういうものは流通をしていくのは難しくなっていますので、糸、染、織、加工などすべての技術が安い代替的な技術に置き換えられ消えて、海外の生地との格差はどんどんと狭まってきています。

一度安いほうに動くと自分のなかの価値観が変わってしまい逆戻りはなかなかできないので、林与の全体的な商品構成が高いものがほとんどであるのも、共通してよい材料、よい工程を貫こうとしているが故で、ひとつの生地をみて優劣の世界ではなく、日本の麻織物の高級な路線を維持していくため、何十年も昔から、流通や販売の方とは価値観が食い違うことも多いので、林与らしい独自の路線が守れているのではないかと思っています。

考え方の違いこそが大事で普通の考えだと高級なものというのは残せないのです。どこでもだれでもつくれるといわれることが多いですが、ものづくりを守るときに人の考えからはじまりますので、ものの価値観においては、ものそのものじゃないところが大事なのです。合成繊維が天然繊維以上に安くて優れていても、天然繊維に価値を感じるというのも人の価値判断であったりします。
2011年06月16日
今日は午前中、ひこねの組合から市役所と商工会議所にご挨拶に行きました。会社に戻ってからは、書類関連をやりまして、夕方前に野洲にある藍染の紺九さんにお邪魔させていただきました。森芳範氏から藍染めに関するご説明などをいただきまして、持参しましたビンテージアイリッシュリネン140番手のハンカチ生地が染められるのかどうかご相談させていただきました。

昔のヨーロッパのリネンなどが藍染が多いことなどに関してもお話を伺うことができ、ヨーロッパでは昔、アブラナ科の植物で染めておられたそうだという話で、それがインド藍に置き換わってしまって、ヨーロッパでは現在は、昔ながらの藍染の技術が途絶えてしまった状態だということだそうです。

こういう独自の世界というものを家族で守っておられるということは大変だろうなあと思います。昔ながらの方法を貫くということが当たり前の世界で、桶や銅釜、ムシロなどの道具すらも守っていかねばならないお話は、売れる売れないとか、売れるものをつくろうとするという考えすらもが大事ではない世界です。

こだわりとかいう言葉を使うことすらもこだわらないケースがあることを前提にの話があるのでこだわりという言葉すらもが使えないような。適切なのは昔のやりかたのままでやっておられるという文化財や国宝級のものというのは、理想的な環境つくりを育まれるところから始まるのだなあと実感します。

染めに関するお話などは興味深く聞かせていただいたのですが、やっていただくことというのはお任せしてやっていただいて、紺九さんがよいと思われる形で数点染めていただくのが一番私の求めるものだったりいたします。
2011年06月15日
人はそれぞれでさまざまな尺度があって、人それぞれも毎日のメンタリティというのは幅があり、さまざまな分散で正規分布しているイメージなのかなあと思います。物事を頼みやすいのは分散が少ないタイプの人です。一貫した作業を行って品質のものを作ってもらえます。

素人の人というのは品質水準も平均して低いですが、一つ一つ作るものというものの品質がまばらなのです。これはものづくりだけでなく、物流で企画されている方にも共通することで、素人の方だと全体的な要求水準も低いですが、価格を安くしてほしいといわれながらも相反する品質面を同時に要求されるというのが多いのです。

林与自身は、品質水準を上の方に保って、分散を小さくするように心がけているのですが、それと同じようなタイプのブランドさんとのお出会いというのが一番スムーズなものづくりになります。あまりそれがずれていると価値観の共有部分が少なくて、双方にとって居心地の悪いコラボレーションとなり、また、出来上がるものもアクセルを踏みながらブレーキを掛けるというようなちぐはぐなものになってしまいます。

何十年も布を扱っておられる方にでも、糸の違いや、糸を染める価値とか、糊をつける価値、織ときの問題、加工の価値など、また、見本をつくる作業の説明など、ハンドメイドの趣味でやられている方以上に理解がないケースがほとんどです。
2011年06月14日
今日はリネン日記の誕生日です。2年続きました。2年を振り返ると、リネン日記のおかげでいろいろな皆様とのお出会いすることができたと思います(実際にばたばたでお会いできるケースは少なくなっていますが、サイトを見て電話をいただいたというケースや展示会でお会いしたときに林与をよくご存知の方も多いものです)。

お昼過ぎに、和歌山県からキッチンクロス関係でお客様がお越しくださいました。綿のクロスを主体で企画販売されているのですが、リネンのクロスもこれからのラインナップで考えておられるとのことです。和歌山というのは生活雑貨関係が地場産業であるそうで、昔、弘法大師が棕櫚の木を唐から日本に持ち込んだことに起源があるとかで壮大なスケールの話です。

夕方には、滋賀県のコラボしがの担当の方がファンドの説明に来てくださいました。しが応援ファンドを受けておられる企業さんも、海外からの情報収集や海外に目を向けてPRされているところが多いそうです。世界中の人が集まるような場所こそ、地域性や歴史や伝統が評価されやすいとは思います。

8月6日、7日に明治の芝居小屋を再現する長栄座復活事業というのが、滋賀県立文化産業交流会館で行われます。明治になって、日本が西洋文化の波に押されて古来の文化が消えていくことを憂い、全国で芝居小屋がたくさん作られたそうです。

周辺イベントとしまして、会場ロビーに展示コーナーが設けられ、林与のほか、北川織物工場(ファブリカ村)さん、シルクライフジャパン(株)さん、井上仏壇店さん、明山陶業(株)さんなど滋賀県の地場産業企業が小物商品などを展示などする予定です。
2011年06月13日
林与は5月14日生まれで、今日が運転免許更新期限の前日でぎりぎりですが更新に行く時間を見つけていきました。教官は居眠りしている人を見逃さず、偉そうというよりも、今の厳しくすることを貫ける人が少なくなったながらも、こういう親身なひとが教官としてやっていないとわざわざ免許更新の講習に行っても意味がない気がします。しかも、更新手続きにこられておられる方というのは、ほとんどが自分よりもお若い方がほとんどなのに礼儀もわきまえられておられ立派です。ほんと今の時代に珍しい。

午後からは、染、加工、出荷の段取りを行って、夕方にはたくさんの電話をいただきまして、夜にはミーティングがあったので、いくつかお電話を掛けようとしてできない分がありました。今、頭の中のなかに二つの新商品があって、それらの実現に向けて前向きに進んでいます。どうせやるならリネン100%ものをとおもって、これらは完成しましたら海外に向けてのプレゼンテーションにも使いたいと思います。

夜には、ミーティングとは別件で、小幅で織った本麻の織物を見せていただき、それがもう生産できなくなってきているとかで、よく見させていただくと総カラミでうなずけるところです。織物の世界には、規格からしてもオンリーワン的な商品が多いので、売れなければ機自体も消えていく運命にあります。機が残っても織れる人がいなくなれば駄目で、人がいても、最終的にものづくりをする人を支えられるだけの力でコンスタントにものを流していくような流れづくりが必要になってきます。

今、震災などで思うのは、大手の自動車や半導体の工場が生産が比較的すぐに回復したことですが、これは被災地から他地域への代替が行われてしまって復興をしたとしても被災地での産業の復興は難しいのではないかと思います。放射能で汚染が心配される地域などにも、繊維関連の会社は多いとは思うのですが、ある1年、会社が仕事ができないとそこに戻ったとしても、特に特殊なものを企画していたとしたらそこに大きな穴が開いてしまって、代わりの企画で1年乗り越えられると、もうその会社に仕事はないという可能性は高いと思います。被災地での産業に対する被害というのはこれから見えてくるものも多いと思います。
2011年06月12日
昨日は土曜日だったので、工場の裏にテスト的に2年間放置してあった生成の糸を確認しました。リネンの生成の糸というのは、何もしなくても外に干しておくだけで漂白されるというのは真実でいわゆる自然での漂白です。これは特別なことではなく、藁なんかでもはじめは色がついていても、放置しておくと色が白っぽくなるのと同じ現象です。リネンというのが天然の植物から由来しているのを実感いたします。

生成の色はこのように、本来、太陽光に弱いものなのです。日の当たるところと当たらないところでは、色の変化が異なります。洗って干してあげることで、満遍なく太陽の光に当ててあげることで、全体が比較的均一に白くなっていきます。洗うときにも洗剤をあまり使わなくてもよいのがリネンの特徴で、フラックスの繊維は水にぬれると表面が滑らかになり汚れを吐き出しやすいのです。

晒というのは、白に染める(白い染料を使う)ということではありません。糸のなかの色素を抜いて白くすることなのです。生成の色にしましても畑が変わると色が違うといわれますので、畑の土(栄養)の色が繊維と繊維の間に付着しているような状態なのです。生成の色というのは一見一様に見えますが、生成の色というのは、顕微鏡でみるとまばらに色がついて汚れのように見えます。

昔、麻が高級品だったころは、百貨店ブランド向けなどは林与の場合、生成の色のロットごとのばらつきを押さえるために、また、耐光堅牢度をあげるために、生成のようなベージュ色に染めるということを行っておりました。最近ではそれも少なくなり、生成りのまま使うことが多くなってきています。

考えてみると、リネンの力というのは、徐々に変化していく部分にあるのではないかと思うところです。長い時間を掛けて変化することで自分が使った思い出なんかがそこに詰まるという部分が生まれてくるのかもしれません。変わらないものなら、また、買えばよいのですが使い込んだ良さをもつものというのは、新しくかって満足できるものではありません。
2011年06月11日
昨日、インターネットで生地加工に関して調べていて今までお取引のない、でもいつも業界紙でお名前を見かけていた大手の会社にお電話したところ非常に丁寧かつ積極的に対応いただいてありがたいなあという感じです。技術の部長さまがあとで折り返し電話をくださるということでしたが、私のほうが外出して不在のときにお電話いただいたみたいで留守番のものが電話を受けておりました。

夕方にその会社からお電話をいただき部長様がお電話くださったと思いきや話がまったく通じなくて、それが偶然にもリネン生地を探して動かれていて、林与のサイトを見つけられ、その会社の営業所の方が私の会社に同じに日お電話くださったという、何億円の宝くじの当たる以上の確率の出来事、きっと良い結果に結びつくのではないでしょうか。

また、以前ジャパンクリエーションでご挨拶させていただいた会社さんにも、やりたいことがありまして、この数日声を掛けさせていただいたところ早速サンプルを送ってくださいました。ものづくりされている企業というのはやはりすごいもので売れるものを作るためにいろいろな壁を越えて、どこまでできるのかできないのかというところをすでに把握しておられるケースが多いのです。ニーズに応えるようなためのものづくりではありますが、林与なりに別格のものができればありがたいなあと思うところです。

7月、10月、そして、来年にも、海外の方に見ていただけるチャンスというのが沢山あります。実は、今、2月にはパリでの展示会に出展したいなあという目標もできあがり、狭き門なので出展できるかどうかは分かりませんが準備に取り掛かっています。今年も、リネンの世界で世界中の人に感動してもらえるようなものを提案できればと新たなプロジェクトがいくつも立ち上がっています。うれしいのは初対面であってもそれはできませんといわれないことで、親身になってベストを考えてくださるところで職人魂を感じます。

また、ジャパンクリエーションでスワッチ生地のご依頼をいただくのは、アパレルさまだけでなく、世界中に展開されています日本の大手の生地商社さまからのご依頼も多く、リネンの世界に向けてのトレンドの発信としては十分な機能を果たせているのではないかと思うところです。今回の展示会でも、探しておられるような生地が弊社の開発した素材の中にあったようで、昨年は3社しかスワッチ依頼のなかった生地が、同じ生地でも今年は10数社以上がスワッチのご依頼いただき、大手様にスワッチをお送りすることでリネン業界のトレンド的な部分が加速するのではないかと思います。

展示会などでも、市場にはあまりないのですが、このテイストのよさが分かる人はあるのかなあと入れておくハンガーもいくつかあって、最初は受け入れられませんがしばらくすると注目され始めるのです。リネンの100番手を超えるような細番手も確実にマーケットとして定着するのではないかと思っております。2年、3年掛けてのリネン業界に向けてのご提案が少しづつ国内でも浸透し始めています。

これにしましても、2005年くらいにないないといわれた糸を独自に捜し始めてからはもう6年くらいの道程になります。3年前にジャパンクリエーション2010SS展で提案しました125番手のギンガムリネンストールあたりが今でも市場では受け入れられがたいですが、林与の中では別格のものとして数年跡の今も光っていたりしまして、今ならようやく大丈夫なのかなあとも思っております。そういうのが世界をリードできる技術なのではないかと思います。

糸の入手がむつかしいだけでなく、そのストールを織るがために一か八かで機械を改造したりするところまでして技術的な壁をいくつも乗り越えて作り上げているようなものだったりいたします。林与の生地というのは定番的なものもありますが、特別な技術水準を要求されるものも、林与プロジェクトとして自社で動けるようなプロジェクトX的なところがあったりで、織物の素材開発や研究関連に携わっておられる方などからもご注目をいただくところです。
2011年06月10日
L40番手のオーガニックリネンの糸を扱っているときにいつもとは違う現象が起こっています。前回のオーガニックリネンでは起こっていなかったのですが、今回のオーガニックリネンの原材料の問題でしょうか、製造工程の問題でしょうか、チーズに糸が堅く巻けないのです。イメージからするとより藁っぽい巻け具合です。

これが原材料の問題だとすれば糸がしなやかでない、すなわち、畑が荒れ始めているということなのかもしれません。オーガニックリネンの取れる畑というのは限られているのですから、何年かすれば本来の栄養がなくなって取れるものは品質がまばらになってくるはずです。基本、同じ畑ならオーガニックリネン当初のものと今のものでは昔のもののほうが品質が高いのが当たり前だと思います。業界でオーガニックの糸の話をすると、オーガニックリネンの糸というのは、一般的な品質でみると品質が低いのが当たり前なので、これに改善を求めるのは野暮なのだと思います。

基本的なオーガニックのコンセプトとしては、結局、原始的な生産にどこまで近づけるかなので、理想郷としては、先進国的な農業から原始的な農法にもどるということで、突き詰めていけば、管理されていない野生に生息するものを取るのが一番オーガニックなのです。自然というより大きなスコープから考えれば、最終は人間の管理そのものがオーガニックのコンセプトに反するというような結論にすら達してしまいます。

取り扱いに関しましても、実際に塩素系の漂白が行われなければ、結局、毎回洗うときに黄ばみを押さえるために漂白剤を使ってしまっていれば、どちらがエコなのかという問題だったりします。家庭での塩素系の漂白剤や柔軟剤は最終下水や川に流れてしまいます。オーガニックウールなどは、結局、糸にしましても製品にしましても、虫がつきやすいので防虫剤を使用するのかどうか迷うところです。スーパーに並ぶ何日たってもつやつやの野菜よりも、農家から直接いただく野菜に近いという感覚です。

また、オーガニックリネンの糸にしましてもヨーロッパのものなどは飛行機で空輸されますのでジェット燃料でオゾン層すらも破壊するという理論につながります。これは、逆に普通の大量に生産されてもそれほど環境に影響を及ぼさない普通のリネン以上にエコでない側面もあったりするのです。これはジャストタイムな生産が、ひとつあたりに使うエネルギーはより増加し環境にとっては悪いというのと似ています。農作物でも、品質基準を上げていけば捨てる部分が多くなり、結局はトータルとしてエコではなくなるのです。昔は、ものが希少ですべてを使った時代ですが、管理社会になると管理がすべてになり、エコなコンセプトそのものが全体としては成り立たないものになってしまっています。箱が壊れているので返品するという部分も正しかったのかどうかが林与自身迷うところです。

原子力発電をクリーンエネルギーと呼ぶ日本的な体質もあったりするのでそのあたりは気をつけないとと思っています。24時間、日本全体で「海を炊く」ようなことを行っては、CO2の影響以上に北極の氷も解けて、ツバルは沈むでしょうし、北極の氷は解けて自然環境そのものの破壊ではないかと思うのです。原子力発電所の取水口に遠い遠い南のほうのくらげが処理できないほど大量に浮遊してきていることからも当たり前に気がつかないといけないことではあると思うのですが、利害関係が絡みますので難しい問題です。太陽光発電にしましても劣化すると買い換えないといけないようなものなので、太陽光発電のパネルを作るために使われる有毒なものの廃棄の問題が生じてくるので、日本全体がそれひとつに動くことは何十年か後に莫大なごみを残すので危険な気もいたします。エコを考えると、どれがエコとは言いがたいのです、ある物事の価値を感じて長く使うように分散しておくことが非常に大事だと思うのです。
2011年06月09日
今日は、ある方の依頼で、倉庫に糸を捜しに行きました。その糸とは関係がないのですが、ブルーの見慣れない箱を見つけました。箱には、LBのロゴ、フランスのLE BLAN社のリネン25番手の糸です。

ひとつの箱はガムテープで補強してありますが、まだ未開封の状態で、もうひとつの小さくされた箱には残糸の状態で糸が入っていました。中の糸を見ると非常に綺麗で、番手は太いですが非常にゴールドです。番手は太いのですが、色が素敵で宝物のような糸です。この糸はフランスで引かれた本物のフランス紡績の糸なのだと思います。

ルブラン社も最後はリニフィチオ社に吸収されたような形になっているようですが、私自身は、リニフィチオの糸は、グレーっぽい生成の糸しかみたことがありませんので、この糸というのはルブランの色なのだと思います。色味が非常にアイリッシュリネンに違いのは、アイリッシュリネンも末期には原料をフランスなどから輸入していたというストーリーと整合をします。

先日も倉庫で40番手のフランスの糸を見ましたが、その糸はゴールドではありませんでしたので、フランス紡績の糸でも紡績工場によって、使う原料のレッティング方法の違いで糸の色に大きな違いがあるのだと思います。今の時代にこんな色の糸が手に入るなら素敵だなあと思います。

他にも、今日は、色は茶系の生成のL40番手で、強い撚糸のかかった生成の糸を何十キロか見つけました。昔の糸ですので、くたっとした落ち感のあるソフトなリネン織物が出来上がるのではないかと想像しています。ガーゼ織物にすると面白いかもで、ストールを作ってみようかと思います。あと、これはハードマンズ社の生成の100番手が、別の倉庫にあるとのは別のときに輸入されたものらしいのが20kgほどでてきましたが、中は大丈夫な状態でうれしい驚きです。他にもゴールドな40番手の糸が箱に入れ替えてあるのが出てきました。これは箱が入れ替えられてしまっているので紡績メーカーなどをたどることは難しそうです。

リネンが丈夫な繊維であるというのは、昔の糸を見ても感じます。箱や中の糸を包んでいる紙なんかはぼろぼろになってきていますが、糸自体はしっかりとして今の糸以上に品があるのはさすがにリネンであるなあと実感いたします。長く使えるのが当たり前で、使えば使うほどに味が出てくるというのがリネンの良いところです。

生成のキバタを買って、それを洗いこんで大事に使うというのがひとつの贅沢なリネンの楽しみ方です。リネンタオルHDも半年ほど使ってますとよい感じにやわらかくなってきています。
2011年06月08日
今日は午前中、京都からお客様が起こしになられました。オーガニックなプレゼンテーションを考えておられベストなものを考えておられるので、オーガニックリネンの糸を使用しながらもいろいろなご提案ができるのではないかと思います。

企画を進むときにひとつをやろうとして壁にぶつかると最終的な完成度が低くなりすぎることがありますので、いくつものプロジェクトを平行に進めてその中で、使えそうな素材をメインにしていくという方法をとろうかと思っています。そして他のものはじっくりと煮詰めて完成に近づけていくという手法です。

新商品を開発するときには頭でっかちになるよりも、この方法が一番柔軟性があってよいのです。新商品なんて完璧に出来上がったとしても売れるか売れないかは分からないことも多く、そういうのが成果の上がらないプロジェクトの見本で、計画通りに作れたけども成果がないという、計画をやるためのあまり意味のない結果に終わります。とりあえず、自分がやっていないことをいろいろとやってみて、トータルな力をアップすることのほうが大事ではあろうかと思います。それぞれのプロジェクトで出来上がったものの完成度を高めていくには、より時間が必要であったりします。

今日は、他に堅牢度検査の結果が返ってきました。チェック柄ですが黒の部分が当たり前ではありますが悪いようです。黒の無地と同じようなレベルの検査方法ですので、堅牢度の問題よりも毛羽移りの問題が起こっているのではないかと思っています。昨日、たまたま黒の堅牢度を上げるという問題も染工場の方とお話しておりましたので、それが解決方法に結びつくのではないかと考えていたりします。

JETROさんからは、7月に行われます欧米企業商談会のご案内が届きました。アメリカを中心にバイヤーさんが大阪にこられる予定ですので、今回も新しい雄出会いを期待しましてチャレンジしてみようかと思います。各ブランドのデザイナーやトップの方のお話を聞くことは非常に参考になります。
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