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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
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2011年03月19日
ハニカムと呼ばれる織組織は、蜂の巣組織と呼ばれます。一般にワッフル組織と呼ばれるものは四角なのですが、織物の世界ではどちらも同じような意味で使われます。ハニカムはハニーコーム(honeycomb)から来ていますので、蜂蜜の櫛という意味で、蜂蜜は分かるのですが、なんで櫛なのかが林与にとっては謎です。

キッチンクロス向けに蜂の巣組織を使おうかと今、テストを行っています。蜂の巣の組織にしたから良い感じというのではなく、縦横の密度や、蜂の巣組織もいろいろと大きさがありますので、どのくらいの大きさに調整が必要なのか考えているところです。

バスタオルなんかにする場合は、双糸にしたほうが撚りも戻ってボリューム感が出るので、良い感じになるのですが、キッチンクロスだけに、あまりボリュームは必要ないと考えています。

ひとまず、テストで、糸の感じは掴めました。やはり、糸のアップアンドダウンの少ない糸は緩みが生じてきていますので、織りには工夫が必要だなあと思います。だいたいが、この緩みを吸収するために縦糸に綿の双糸を使うことが多いのです。でも、リネン100%で作りたいなあと思うので、織で一工夫してみようと思います。
2011年03月18日
3月中ごろを予定しておりました、予約販売分のリネン40番手ソフト仕上げの加工上がりが遅れております。大変申し訳ございません。加工上がり次第に、発送に取り掛かります。

今日は、午前中、彦根の会社にお邪魔しまして組合関連の会議が夕方までございました。夕方、会社に戻ると地元の金融機関の方がお見えになられ、林与のほうがバタバタ続きで長い間ご無沙汰しておりましたので、リネンの季節も到来ということで今シーズンの弊社の取り組みなどをお話しました。

昨日には、リネンの後染めの素材が上がってまいりました。もともとP下素材であったものに色を付けて加工しました。一つの加工はソフト仕上げで、もう一つの加工はナチュラルっぽい仕上げになるのかなあと思っていたのですが、仕上がってみるとどちらも似たような感じに上がってしまっています。

ワッシャー加工が出来ないということで後染め素材にもいろいろな制約があるようです。一つストールの生地があってそれももうすぐ染まり上がり、生成のものとあわせて加工投入です。リネン100番手を超えるストールというのは、軽くてふんわりとした世界で非常に雰囲気の良いものです。

後染めにしようとしたらビーカーを取るだけで数メートルの生地を必要とするので、ストールに関しては結構ビーカー取りの生地の準備というのは2mほど用意しないといけません。本番の染めも、染色工場の社長さんの話では、染色機の中で6時間とか掛かるそうで機械に入っているだけでもほぼ一日掛り仕事です。
2011年03月17日
今日は、仕事とは別件で午前中、京都の伏見の食品会社にお邪魔しました。京都の南区というのは、工業地域で町工場などが住宅街の中にあります。業務用の高品質なレトルト食品などを扱っておられ、海外から材料をしいれられメイドインジャパンの品質を保っておられます。

昔、学生時代に、京都の南区の電子部品工場でアルバイトしたことがあったのですが、有名なメーカーの下請けの現場で、たくさんのアルバイトやパートさんが働いておられます。そういう町工場というのもより広い場所を求めて移動されてしまうのか、大学を卒業して10年ほど経ってからその工場付近に行ったのですが、もう見つけることは出来ませんでした。

午後に会社に戻ってキッチンクロスを織っているのを眺めました。たくさん、たくさん出来ているので、春に向けて楽しみです。夜は、彦根の縫製工場に行きました。その工場の社長のお話を聞いていると、東京のイベントのためのグッズを何万個も作る予定だったそうですが、それが流れてしまって、急にこの3週間ほどの間の仕事がなくなってしまったそうで困っておられました。

2011年03月16日
今日は朝から滋賀県でも雪が舞っています。この寒空、一番に思うことは、被災地で行方不明となっておられる方の安否と、救済されながらも肌身一つで食べ物も十分に食べることのできない被災者の方のことです。

JFWジャパンクリエーション事務局より、お知らせが来ました。今月予定されておりました、東京コレクション・ウィークならびに東京発日本ファッション・ウィークは中止になるとのことです。詳細に関しましては、http://www.jfw.jp/jp/

今月の東京コレクションが中止になるということは、日本の被災地の状況の回復を最優先にするためにも、国を挙げて動く力を、被災地に注ぐべきであろうという関係者の一つの決断だと思い評価いたします。

なにか、服飾、繊維関連のものが立ち上がって、東京コレクションの代わりに被災地を支援できるような企画が練れればよいのではないかと思います。林与自身も自分も負担しながら何か被災地の皆さんのために貢献できることはないかと考えており、実行に移したいと考えております。
2011年03月15日
福島原発では、次々と原子炉が爆発するような状況が続いています。制御することが不可能になってしまった原子炉の怖さを改めで感じるところではあるかと思います。想定はしていたはずのケースではあったとは思うのですが、その一つすらも爆発を食い止めるのが難しいというのは、受け止めなければならない事実だと思います。
2011年03月14日
組合の事務局で引継ぎの作業が始まり、午前中、少し立会いをさせていただきました。キッチンタオルに付けます、引っ掛けタブサイズの「林与」ロゴができました。これも、自分ではかっこいいなあと自己満足です。表は「林与」、裏は「LINEN100% www.hayashiyo.com」です。とりあえず、1000枚ほど作りました。今までも、引っ掛けたタブがあったほうが良いと、いろいろな方からリクエストをいただいたものです。

会社に戻って、電話連絡していると、隣のおじさんが来てくださり、評議委員の引継ぎも4月2日と3日に行うとのお知らせをいただきました。4月というのはいろいろところで新しい顔ぶれでのスタートとなります。

夜は、出荷を数点行いました。まだ、リネン43番手の白が加工から上がってきませんのでお待たせしております。また、東京以北は今日もまだ正常化していないようですので、到着までお時間をいただくことになります。

アメリカにいたときの台湾の友人とカリフォルニア大学UCIの英語プログラムのときの友人、ニューヨークのエミリー社の社長さま、から地震に関する心配のメールが届いていました。テレビで日本の惨事を見られたのだと思います。世界中の支援の手が被災地の皆様に届くことを祈ります。

組合の企業さんも支援物資を被災地に送る動きをされているところがあります。地震の影響を受けずに普通の生活を続けることのできる、林与も自分が出来ることが何なのかを考えて見たいと切に思います。被災地におにぎりなどの食べ物を送りたいのですが、なかなか難しいのを実感します。
2011年03月12日
東京以北の地域は、多大なダメージを受けられているというのがひしひしと伝わってきます。荷物を東京に送ろうとしても、宅配便のベースが機能していないといわれ、数日見てほしいとのこと。現地の方は本当に困られているだろうなあと実感します。

震度5地域の福島原発が爆発したのにも驚きました。なんで、震度5でという思いもあるのですが、電源供給が絶たれてしまって、温度上昇でメルトダウンという思いがけない出来事です。
2011年03月11日
今日は、午前中に彦根の組合で決算のための打ち合わせを会計士の先生を交えまして行いました。午後3時前に地震でした、震度3くらいということですが彦根商工会議所の建物は、感覚的には1分近く長くゆれていました。午後の4時過ぎくらいまで作業をしておりました。

会社に帰る途中で、東京から会社にお電話をいただいただき、携帯電話で掛けなおしたのですが、固定電話も携帯も回線がパンクしてつながらない状態になっていました。東京方面の通信というライフラインというものがキャパを完全にオーバーしてしまっているようですが、私の周辺では普通に仕事や生活が出来ているだけ幸せなので、平常を取り戻していだたくことが大事と思い、こんなときには、数回掛けて駄目なら逆に自分の電話を我慢することも必要かと思います。

海外からも、日本の地震のニュースが世界を駆け巡ったのか、リネンの紡績会社の方が心配して大丈夫だったかメールをいただきました。夜、津波などの被害をみて、やはり大きな地震だったのだなあと実感しています。こういう地震の被害で人がなくなられる痛ましさを感じる時に、人間が戦争などで同様の災害を生み出す空しさを感じます。
2011年03月10日
今日は、午後から30分ほど測量関係の立会いを行いました。夜には出機さんにビームを持っていって、加工に出さないといけない反物を取りに行きました。まだ、畳めてないということで、畳の機械で畳み始めているところにおばちゃんが帰ってこられて畳の作業をみんなで行いました。

そのあと、少し足りなくなったラミー100番の黒の糸探しをおこないました。ちょうど必要な分だけ糸が見つかってほっとしました。今日は、また、新しいキッチンタオルが出来上がりました。よい感じです。


2011年03月09日
今日は新しいリネンの加工方法をテストしてみました。この加工方法がうまくいくと面白いものができるのではないかと楽しみにしています。加工後上がったものをみて、予想していたのとは違う仕上がりですが、それはそれでなんとなく良い感じです。

応用範囲が広いのではないかと期待をしており、オーガニックリネンなどにアプライするとナチュラルな仕上げ以外の味が生まれて良いのではないかと考えています。市販のものとちょっと違うところに自己満足です。
2011年03月08日
今日は、午前中、生地に年輪のような段がでる問題が起こりましたので、それを検反しておりました。この問題の原因は染めにあるのは分かっているので、染工場に対応してもらう以外にはベストな方法がありません。

昨日、後染め素材が染めから上がってきまして加工工場に入りましたので、加工指図を求められ加工工場に伺いました。林与の指図は加工方法がややこしかったりしますので、それを今の製造の各工程にはめ込んでいくのが担当の方の仕事です。ベテランの方に支えられながら新しい方ががんばっておられます。

午後からは、カフーツの米田社長とお若い社員の方がお見えくださいました。生地や糸などを見ていただいて、リネンのこと以外にも働くということの意味みたいなところお話からでした。カフーツさんは、お若いスタッフの皆さんにデザインなどの仕事をしっかりと任せておられる感じでうらやましいなあと思います。

帰り際、焼肉屋さんで焼肉を食べながら気になっていたお若い社員の方との関係をお尋ねいたしました。米田社長と従兄弟だそうで、叔父さんと甥のようなご年齢の差があって、ご商売をされているお家で社長のもとご修行3年目だそうです。なんだかそういう辺りが恵まれた日本の中でも、何もなかったところから形にしていった日本人の力みたいな部分が残っていているようでよいなあと思います。
2011年03月06日
今日は自治会の役員改選の選挙があり、評議員で朝から選挙の立会いで、午後からは開票、隣組の組長という役目もあたっていまして、近所のお家にお邪魔しまして寄るにはすき焼きをいただきました。近江牛のすき焼きで、実はレストランで食べる近江牛はボリュームも少なくて普通な感じですが本当においしいのです。

田舎の小さな集落でもいろいろな考えで、昔のものも大事に、今の時代も大事に、将来のことも大事にバランスが大事だと、林与自身は地場産業に携わっていますのでそれを感じます。林与には田んぼがもう持っていませんので農業はしていないのですが、兼業として農業をされている方には畏敬の念を感じます。お金じゃない世界を大事にされているからです。

東円堂の親戚のお家が倉庫の脇をコンバインの倉庫にしていただいているお礼にお米を1袋毎年くださります。(その親戚のおばあさんは林与の家から嫁いだ方で、昔、近江上布の絣を織ってくださっていました。)東円堂の専業農家の方から買うお米もあるのですが、どちらのお米にしても味の違いなど分かりませんというか、考える必要がないのです。自分の食べるお米はこれだと決めてしまって、ほかのお米のことは考える必要がないと思っているからだと思います。

選挙の立会いの途中は、隣は親戚の別のおじさんだったのでいろいろと話をお聞きしました。そのおじさんの親父さんには昔、林与で整経の仕事をしてもらっていたのですが、今は、ご高齢で体の調子がお悪いとのことでお気の毒で、昔のことを尋ねるようなことは出来なくなってしまいました。

私が親戚のおじさんたちとお話しておりましても定年退職されて、小さな字が読めないといわれる方ばかりで、私ももうすぐそんな感じになるのかなあと…。年をとって、よい仕事が出来なくなるというのは気力の面だけでなく、視力や体力の低下などの面が大きく、良い仕事ができるのは40代中ごろまでなのかなあと心配です。
2011年03月04日
染色工場と加工工場に問い合わせました。まだまだ、この春夏ものの本番が動いているときなので、一杯の状態が続いておられるようで待たねばならないこともいた仕方のないところです。午後から組合に行きまして、年度末に向けての決算のための計算を行いました。夕方くらいまでかかったのですが、帰りには、組合事務局であまっていましたテレビビデオとパソコンを預かって帰りました。日本では、まだ、使えるものがゴミの時代です。私自身も、若かりしころなら、パソコンをばらしてパーツを取り出して自分で大事に取っておくとかがんばれたのですが…。林与もがんばりたい気持ちは今もあるのですが、無料回収にでも出すしかありません。

昔の人は、自生している苧や大麻から繊維を取り、績んで糸を作りました。今の日本人の7代、8代前までは、当時は農家がほとんどだったと思うのですが、そういうのがどの家でも内職的に当たり前に行われていたといいます。自分で糸から作ることが出来たのが江戸時代の人々で、今の林与にしましても、作業のごとにたくさんの残糸がゴミとなり捨てるようなことですので、昔の人からすれば、1Mの糸にしてももったいないでとっておいたのだろうから、林与にしましても、もったいないの度合いがまだまだ足りないんだろうなあと感じます。

午後からは、H TOKYOさんからも伊勢丹さんのご案件でお電話いただきました。ちょうど、林与のほうもH TOKYOさんにはお願いしたいことなどありまして、バレンタインまではハンカチ業界はお忙しいといわれていましたのでハンカチの縫製などもお願いしまして春に向けてサイトでも林与の生地で作ったハンカチをいろいろとならべられたらと考えております。スタジオGALAの小林良一氏も、この3月の終わりころに日本橋の三越伊勢丹さんでイベントを開催されるそうで林与のリネン生地を使ったものもシリーズのなかに検討くださっているとの予定です。3月の後半ころは東京コレクションの時期で参加メゾンの皆様のショーをいくつか拝見するほか、リネン教室の上島佳代子先生とリネンチームの皆様とお食事させていただく予定で楽しみにしています。

まだまだ、滋賀県は寒い日が続いていますが、3月の後半だと桜が咲いているのかもと期待をしております。リネンショップなどのお店の店頭もリネンのアイテムに切り替わっているころだと思いますので、日ごろお世話になっているショップさんなどにもお邪魔させていただこうと計画しています。リネンの好きな方はハンドメイド系の方が多いのでお話しさせていただいていても気持ちもほのぼのすることが多いです。私のほうがいつもバタバタしすぎてて、バタバタしながらも毎日毎日ものづくりをしているのではありますが、時間ができたらじっくりと林与らしい布つくりに取り組みたいなあと、そんなときに幸せなのが、自分の会社の中にその力があるということです。

近江湖東の産地を見ていましても、加工工場、染色工場、糊付工場さんなど70歳くらいの社長や会長さんがまだまだ現役で現場で立ち回って動いておられます。技術や知識を持っておられるだけでなく、会社や社員を支える気持ちをもって戦後の波の激しい時代を乗り越えられてこられましたので、社員がいなくても日曜日などに工場にお願いする糸などを届けると一人当たり前に体を動かして働いておられます。職人たちを厳しく指導できるだけの資質はそういうところから生まれてくるのだと思います。
2011年03月03日
今日は、お昼過ぎに神奈川からお客様が起こしになられました。yourwearの佐藤さんです。お電話でお話はしたことがあるものの初めてお会いするので駅で間違わずにお会いできるのか心配でしたが、ニットの帽子とマフラーが目に入ってこの方だとすぐに分かりました。

林与にお越しいただいて、リネンの話や、ニットの話やいろいろで、珍しいものも見せてもらいました。リネン25番手のニットのワンピースを着られていたのです。非常に良い感じのものでした。ほかにも、アルパカのリリアンの糸が太くって面白かったです。リネンでも、そんな糸ができないだろうかと京都のモンドさんにお尋ねくださるとのお言葉でした。昔、リネンモールというものを紡績工場に作ってもらったことがあったのでしたが、良い感じながらも重すぎて活用は難しかったので、リリアンだと軽くてボリュームのあるものができるのか、はたまた、リネンだけに、やっぱり紐状になってそれほどなのか、どういうお答えをいただけるのかは楽しみです。

あと水撚(みずより)のリネンで作ったかばんを持っておられました。水撚というのは、麻の糸というのは、硬いので撚りが入りにくいのです。強い追撚を掛けるためには、水に濡らしながら撚りを掛けていきます。乾式で撚りを掛けるよりも撚は掛けやすくなり、1m辺り番手くらいの撚を掛けることが可能です。撚を掛けると糸にトルクが生まれるので、反発力のあるしわになりにくい布が生まれます。

食事のあと、彦根の縫製工場にお邪魔しました。時間が遅かったので作業を見せていただくことはあまり出来ませんでしたが、林与のリネンで試作していただいている商品が一つあったので、リネンで作ってどんなものになったのか佐藤さんにも見ていただきました。非常に寒い一日だったので、滋賀県というところは寒いでしょうとお尋ねしますと、秋田のご出身なので寒いのにも慣れておられるとのことです。秋田には、織物工場は少ないそうですが、縫製工場はたくさんあるそうです。

佐藤さんがかぶっておられたニットの帽子が非常に良い物っぽくって印象的でした。ニットの帽子、女性の方にお勧めです。暖かく、かわいいだけでなく、若く見えます。日本の秋と冬のブランドyourwearのサイトです http://yourwear.jp/ 。
2011年03月02日
今日は、3月に入っているのに、また、すごく冷え込んでいます。年をとって寒く感じるのかと思って、若い社員に聞いてみて、その子も今日は寒いといっていたので安心しました。

今日は、アンティーク調のキッチンタオルが色柄含めて10種類くらい出来上がり、一枚を縫製して洗ってみます。しっかり1回洗って脱水し外に干して、ナチュラルでザラザラな仕上がりながらも、キバタから目の詰まった状態にしっかりとなってしかも鳥の足跡のような模様が浮き上がっている感じなのは、将来有望を思わせます。案の定、2回目、3回目と洗って、柔軟剤を入れて家庭洗濯に近い状態で洗って、手元にあるものをみるともう市販のものより味があっていい感じです。

これは、自分自身がハンドメイドしたという実感があるので、品物の良し悪しを見るのではなく、自分の作業の良し悪しをみているのだと思います。自分が洗って布を作り上げていくというのも乙なもので、35cm四方の一枚のタオルハンカチがどれほどの力をもっているかは分かりませんがその布を手にしているだけで満足感があります。

たぶん、その布をほかの人がいい感じだとは思わないのに、自分だけがその布のいい感じなのを分かっているということで、優越感に浸っているのだと自己分析してみました。決してそういうのって悪いことじゃなく、それがプライスレスな価値の世界なんだと思います。タオルハンカチとして使ってどう変化していくのかを見守りたい気分です。
2011年03月01日
今日はシャトル織機でタオルハンカチを織って作ってみました。生地はシャトル織りで平織です。大きさは厚い分、普通のハンカチよりも小さく、折りたたんでポケットに放り込んでおくようなタイプです。ビンテージアイリッシュリネンハンカチと同柄をあしらい、予定では20色柄ほど出来上がる予定です。

こちらは、こちらのサイトで近々販売を開始いたします。生機と製品の両方で出せば、木畠をお買い上げいただけるとご自身で、上下を三織にしていただくだけで、タオルハンカチを作っていたけるかと思います。リネンのものとしましては、林与のシャトル織で謳えるだけのものではあると思います。

先日、キッチンタオル生機をハンドメイドされるときのミシンの糸に関してのご質問がありました。林与では、工業用ミシンの本縫ミシンを使っています。糸は、綿の60番ミシン糸です。通常の60番手の糸を3子にZ撚してある普通のミシン糸です。天然にこだわるために綿の糸を使っただけで、それは、ポリエステルの糸のほうが強度は増すと思います。番手も、50番手や30番手でも大丈夫だと思います。

みなさんが、縫い糸にもこだわってくださっており、リネン糸が縫い糸として使えないかというお話はいろいろな方からご相談を受けているのですが、ミシンを使うときにリネン糸は非常に難しいと思います。まずはフシがあること、そして強度の面です。ミシン糸というのは、通常の単糸や双糸と比べると非常に強く作ってあります。

ミシン糸の話になりましたので手芸などに使われます。アイリッシュリネンコードについても触れておきたいと思います。今も、アイリッシュリネンコードを作るメーカーさんはイギリスに現在も結構たくさんありまして、元糸に強い撚りを掛けたものを束ね合わせて逆撚りを掛けるかたちで、綱のようなイメージの糸が出来上がります。これを蜜蝋で固めて出来上がりです。よく、毛糸玉のような形でラッピングされて売られているのを見かけます。

アイリッシュリネンの紡績工場がなくなった後も、糸加工や織工場が残り続けるというのは、材料の代替がなんとかできたからだと思います。オイルショック後というのは、北アイルランドだけでなく、イタリアの名門のリネン紡績にも危機が訪れ、オイルショック後の世界的にものが売れない時代が、ヨーロッパのリネン紡績産業に与えたダメージは大きすぎたといえます。
2011年02月28日
今日は加工工場に加工の準備をしていると、少し前まで受付にいてくださった女性の方が、ニコニコと「お世話になりました、今日で終わりなんです。」と声を掛けてくださいました。ご結婚が決まったようでおめでとうございますということです。林与の車の中になにかお祝いにプレゼントできるようなリネン小物でもないかと探しましたが、なかったので残念です。

加工出しの前に、キバタ倉庫でキバタ生地を探している際に、リネン60番手と書かれた平織りの布がありました。その生地がなぜかシンナリとしていたので、おやっ?っと感じて、キバタながらも、それが非常にビンテージリネンらしいシンナリとした光沢感を出していたのです。

そこでなぜか頭の中で、昔のリネンの60番手というのは追撚を掛けると落ち感が出て食ったりとなるのに、どうして今のリネンというのは追撚が難しいのか、また、硬くなってしまうのかという問題の答えみたいなものが浮かんできました。

今のリネンというのが昔のリネン以上に逆に強くなってきているのもそこに答えがあるのだとは考えています。昔は紡績が可能だった200番手を超える細いリネン糸が作れなくなった原因もそこにあるのではないかと頭の中で推測しました。何で、紡績できる糸の限界が昔の半分に落ちちゃったのかです。
2011年02月27日
倉庫に行って、加工出しの準備を行いました。3年ほど前におったギンガムチェック柄のものやスペック染の生機などがあったので、そのあたりの織物が上がってくるのが楽しみです。今週は、リネン80番手のキバタがないかみたいなお話を3社からいただきましたので、リネン80番手の糸が残ってないかなあと糸などを捜してみました。御用途に応じた適切な在庫のL80クラスの生地が残っていないのでテスト的に織ってみないといけないのです。

在庫の生地というのは、よい糸が使ってあることが多いので見た目や風合いも違ったりしてよいのですがお高くなりがちですので、お客様には現行の糸を使ったリピート性のあるものづくりを提案させていただくことが多いのです。

今日は夕方、京都祇園で行われています「ここくらし」展を見に伺いました。京都三条京阪から祇園まで歩いてみたのですが、ほんのりと春の陽気が漂う祇園界隈は日曜日ということもあって人通りはにぎやかです。

滋賀県立大学の印南教授から湖国滋賀の企業さんのご説明のあと、二階の作品をみせていただき最後にお土産用のよくできた箱をもらって帰りました。繊維関連では、北川織物さん、清原さん、双葉工芸さんなど昭和情緒を漂わせる作品が並んでおりました。

京都からの帰りがけ、地元のお寺の若和尚さまのご婚礼のお返しの品に、林与のリネンジャガードのテーブルセンターを使っていただけるということになり、その箱の中に入れる説明文を印刷する和紙をお土産に買って帰りました。リネンジャガードというと北アイルランドではダマスクが有名ですが、林与の今回のジャガードのモチーフは日本の和室にも洋室にも置ける草木文様を配したジャパネスクなテーブルセンターです。
2011年02月26日
昨日の夜は、ひこねの組合で海の幸を食べる会がありました。カニと刺身がメインでした。1年前に食べたのと同じ越前蟹の水蟹だそうですが、今年のは、色が赤くて身もしっかりしていておいしかったです。

蟹のシーズンは終わりを迎えますが、リネンに関するお問い合わせが多くなり春も近づいてきたのを感じます。仕事の合間に外に出ても、ほんのりと暖かいので幸せな気分になります。

今日は、平織リネンキッチンタオルをいろいろと織っています。色をいろいろと着けていますので、キッチンに一枚あるだけでもキッチンが華やかになります。普通のタイプではなく、すべてしっかりと拭けるようにHDタイプにしています。製品だけでなく、ハンドメイダー向けの生機での販売も予定しております。毎日使うキッチンクロスを、シャトル織なので手軽にハンドメイドできるのは素敵ですよね。

林与のキッチンタオルのOEM生産なども始まりました。お店の店頭などでもごらんになられるかもしれません。
2011年02月25日
今、織物業界では綿花プライスの値上がりがここ2年ほど毎日のようにいわれています。この1年半でNY綿花プライスも2倍ほどになっています。おとといも糸屋さんがおこしになられましてお話していると、100番単という糸が手に入らないというようなお話で… ウールも48などの普通のものが探しにくくなり始めているとのこと。

リネンも同じで、通常25番手という通常の糸もシーズンということもありますが、ものがなかなか届きにくくなり始めています。リネン100番手などもケースで出すのが難しいような話です。シルクの糸なども数割の上昇となり、原油高で石油から生まれる合成繊維関連が上昇しているだけでなく、天然材料というものが、日本では手に入りにくくなってきているということがいえます。

時代はめぐるといいますが、この傾向はオイルショック前の40年ほど前の日本に似ています。ものがなくなりすべての物価が上がり始め、製造に携わるみなさんが普通のものを探すのに困り始めておられます。しかし、この後には何も売れなくなる時代が続くことで、決して、ものの価値が評価されているということではないと思います。

先日も、リネン80番手キバタのお話が数日の間に3社からありました。最終に使われる先が同じお客さまかとおもいきや異なります。どこもがよいものが品薄になり動かれ始めているのを感じるところではあります。

NY綿花の話を書きましたが、市場相場が形成されているような場所ではよりその動向は激しいものと思います。価格が高騰しものの動きが非常に活発になってきているのではなく、特殊な需要がより高まっているといえます。今日も、先月商談させていただきましたニューヨークのアパレルさまからのメールでのお問い合わせなどもいただき日本の素材を前向きに検討くださっているのが伝わってきます。

昨日の夕方は、ストール関連、また、カジュアルリネンの出荷など済ませ、夜には倉庫で、何十年も前に、ギザ綿の160/2Xアイリッシュリネン140番手クラスで仕上げた布が一巻き見つけました。ビンテージ生地ということもあって、その肌にとろけるような肌触りというのは別格です。ロマン吉忠さんなど特注クラスへの提案素材の残りだったのだと思います。色が白かったので何十年も昔のビンテージということで巻きの外が黄色くなっていたので、ピックアップされにくかったのでしょう。

また、昔の品質の高いシャンブレーの綿麻などもあります。今の素材にはない良質の糸の透き通るような透明感と光沢感が魅力です。それらにしましても、綺麗すぎて小さな難が目立つということで残っている布などもあったりで、数メートル出しのオートクチュールな素材向けとしてホームページのほうでごらんいただきたいと思っております。
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