for English speakers: Welcome to HayashiyoWelcome to Hayashiyo
リネンや麻を織る日々をつづっています。
ホームリネン日記
リネン日記
リネン日記:3680
«前のページ 1 ... | 153 | 154 | 155 | 156 | 157 | 158 | 159 | 160 | 161 | 162 | 163 | ... 184 次のページ»
2011年02月17日
今日は、キッチンタオルを織るシャトル織機が2台動き始めました。在庫が切れておりましてご迷惑おかけしています。キッチンタオルHDの64cm幅と36cm幅のタイプの両方が動き始めました。急いで仕事をしているつもりでも時間の経つのは非常に早いもので、1週間がほんとすぐに経ってしまいます。

今日は、リネンの40番手についてのお話をしますと、私が一番最初に整経をしたのが、本麻は100番手、リネンでは40番手だったのです。そのリネンは、ハードマンズ社の糸でした。正式には、L40/44と表記されており、生成だと40番手のローブが、ローブの状態で晒しになり、減量して44番手相当になっているというものです。糸を見たときに、真っ白なスノーホワイトで、今のリネンにあるようなオフホワイトとは異なります。

塩素系の晒が施されていた本晒のものと思います。当時糸を染めていた染工場さんには、このような晒の糸を送り染めてもらうことも多かったのですが、日本というのは水が良いこともあって、染色や加工技術は日本の技術水準は高いので、ブリーチトゥと呼ばれる晒された状態の糸を買うよりも、生成の糸を日本で本晒してカセ糊付けしたもののほうが織り上げた時の品質が高かったように思います。染色工場さんも、より安定した染をするためには白を染めるよりも生成を晒して染めるほうが色ブレが少ないといっておられました。

17年ほど前のハードマンズ社のリネンL40/44の糸は、白いことは白かったのですが、色を抜いた漂白の白というよりもペンキを塗ったような白に見えていた気がします。私もはじめの頃だったので晒というのは白い色をつけるのだと思っていました。当時は、なぜ白い糸があるのに、わざわざ、生成の糸を晒して白くするのか分かりませんでしたが、それにも意味があるのです。アパレルブランドによっては、生成の糸に色がついているのに、わざわざ、生成の糸を晒して生成に似た色に染色をするのももったいない話に思ったのですが、それにも意味があります。

シーツなどに使うリネンというのは大体40番手くらいが多く、キッチン周りなどに使われるのも大体25番手から40番手くらいが多いかと思います。アパレルにおいても40番手というのは万能選手なのです。メンズの中厚のシャツ地、ジャケット地などに使われたり、ワンピースに使われたりすることも良くあります。一般には、フォームファブリックとしては繊細なものに、服地としては、ちょっとカジュアルなしっかり目のものに使われるのが40番手クラスです。
2011年02月16日
昨日は、午後から組合に立ち寄りまして書類作成のための資料を集めていました、今日は、午後までにその書類を一応完成しまして事務局のほうに送りました。午後は、泥染の先生からお電話いただきましてよい感じで染まりそうということで、染まったあとどんな感じになるのか興味津々です。ハンドメイドや染色家の方が、ちょっと違う世界を求めて林与の生地にたどり着いて下さることは非常にありがたいことです。

午後からは連絡がありまして、サンプルに使った黒い色の糸がグレーの糸の摩擦堅牢度の問題があるということで、本番に向けて、本番用の糸の染めのテストを行わないとなりません。アパレルさん向けの素材づくりというのは、デザインだけでなく、品質が常に大事なのです。もともと、本麻のものなどに関しましても、黒に関しましては摩擦堅牢度というのは悪いのです。濃くしっかりと染めれば染めるほどその問題が出てくるのです。濃く染めないと中までしっかりと染まりませんので、白っぽいメローな黒になります。

一般的な黒の摩擦堅牢度の問題なのか、あるいは、サンプルに使った糸の問題なのかを見極める必要があるので、使用しているリネンの黒と、レーヨンのグレーの両方を本番用に染め直してみて、数値を見てみないことには判断ができませんので取り掛かります。

同じ規格であっても、色によって数値というのが異なるケースがあるのです。あまり染色工場の方もフィードバックがいかないとは思うのですが、色の濃度が濃いほど染料が素材と化学変化をしていますので、素材の物性もより変わってしまうのです。企画するときも麻関連は、生成、晒、黒のものを企画すると、その物性が極端に異なることになります。同マークで扱って、同じキバタを使っても、仕上げが、生成、晒、黒というだけで、風合いや物性ががまったく異なるということが起こるのです。

色が違えば別物というほどの気持ちでものづくりしていることも多かったりします。そのため、色に応じて染色方法や染料を変えたりもリネンや麻を扱う上では大事なノウハウの一つとなってきます。林与も単に織物をデザインして織るだけでなく、いろいろな数値をクリアするために素材のこと考えるのも仕事の一つです。
2011年02月15日
シャトルで織ると生地の綺麗な耳が出来ます。リネンの場合には、通常耳糸は、同じ番手くらいの綿糸の双糸を使います。生地の場合に綿の耳糸を使うときの品質表示というのは、耳の部分以外の生地本体の品質表示でよいことになっているので、リネン100%の表記が可能なのです。

洋服の場合でも同じです。縫製の糸にポリエステルや綿などの糸を使用するのが普通ですが、洋服の混率表示も、生地の混率を表記するということになっていて、縫製でポリエステル糸を使用してもリネン100%の洋服と謳うことが可能なのです。

さてさて、なぜ、耳があるのかです。どうして耳までリネン100%にしないのか。耳の部分の縦糸がよく切れて織機が止まってしまったりしてしまって、強くて伸縮性のある綿の双糸などをしっかりと入れてあげて、巻取りがしっかりできるようにしてあげるのが良いのです。

林与のキッチンタオルですが、無理して耳までリネン100%だったりするのです。これは、糸のテンション管理だけでも非常に気を使っているのですが、端は2本通しにしたりして、綺麗に織れるように工夫してあります。織る林与がそこまで気にしていても、お使いになられる方にとってはどうでもよいことかもしれません。耳まで使うのが日本の着物の世界ですので、日本で織られたシャトル織物というのは耳まで綺麗なものというのが多いのです。
2011年02月14日
今日は、月曜日、先週、整経の終わったストールサンプルのビームをつないだシャトル織機があんまりうまく動かないので、別の台に乗せ変えてストールのサンプルを織りました。ストールというのは長さが決まっているのですが、シャトル織機のいろいろな機能を組み合わせることにより、横糸を何本打ったら自動的に止まるような仕組みにしまして、一枚一枚房の部分を20cmとか引くことがあります。(ショップで販売させていただいているタイプというのは、後で糸を抜いて短い房を作るタイプです。)

午後一番に、染工場に行って急ぎの染を依頼しました。糸の件があったので、そのロットの糸で問題なく織れるのかどうかという問題を見極めてからのぎりぎりの染の依頼になり、染めていただく染工場には申し訳のない話です。

出機さんにお願いしいたストールを取りに行って出荷の準備、途中、機料屋さんがこられて、夜には、機械屋さんがこられて今日も時間が流れていきます。家に帰ると、お世話になっています生地ショップさんからクロネコの宅配便、新しいご本でも出版されたのかと思い開けてみるとイギリスから輸入されたチョコレート2枚とメッセージポストカードが入っていました。チョコレートは私と社員一同でいただきました。

3月18日に行われます、アジアンデザイナーズコレクション in Tokyo のご案内が届いていました。アジア各国の若手デザイナーさんによるショーで、2011東京コレクションの幕開的なイベントの一つです。東京に行ける時間ができるようなら、東京コレクションも含めまして拝見させていただきたいものです。
2011年02月13日
オーガニックコットン、オーガニックリネン、オーガニックウールとオーガニックがたくさんありますが、オーガニックウールに関しまして取り扱いのご注意を書かせていただきたいと思います。オーガニックで栽培したものというのは殺虫剤や化学肥料を使用していないという前提がありますが、あまり知られていないことだと思いますので、オーガニックウールに関しましては、取り扱いには注意が必要に思います。

通常のウールの糸を買いましてもある程度防虫の処理がしてあるせいか、箱の中に、防虫剤が入っていることはないのですが、オーガニックウールの糸には防虫剤が一緒に入っています。このことは糸が逆にオーガニックであることの証であるとは思うのですが、ウールの本質をしっかりと理解したうえでメンテしてあげないといけないことになります。

オーガニックなものに防虫剤がついていてどこまでオーガニックなものなのかは疑問だったりもするのですがこればかりは仕方のないことのように思います。糸の段階で虫が付いてしまえば、加工でいくら流したり消毒できたとしても良いもののではないと考えます。そこまで考える必要はないのかもしれませんが、うたい文句だけに目を奪われては大事なところが見えなくなるのです。また、化学物質過敏症の方にとっては、この防虫剤は曲者だとおもいますので、オーガニックウールをご検討の際には一考の材料にしてくださいませ。
2011年02月12日
今日はすごく寒いです。東京が暖かかったからというより本格的に冷え込んでいて土曜日ですが工場のほうは動かしていますが、手がかじかんでしまいます。2月というのは、一年で平均気温が一番低い月だと昔から言われていますので、これが普通なのかもしれませんが、つい先日、もう春ですねという感じだったのに、ここまで寒さが戻ると皆さんもウールの生地をお探しではないかと思います。

こちらのサイトをご覧いただいて生地をご購入くださる皆様には、生地の在庫がかなり少なくなってしまい、ご検討いただけるものが少なくすみません。春に向けて拡充していきたいと思っているのですが、2月後半は、新規におつくりするのが難しいので、倉庫にある在庫のビンテージな反物とか、去年いろいろと試作しましたものを数量限定的になりますが、アップしたいと考えています。

リネン25番手、43番手、66番手の定番生地のほうも在庫のないオフ白、生成に関しましては、麻織りの本場近江のシャトルで、じっくりと織りに掛かります。平均すると、1台の織機で、一時間に2Mほどしか織れませんので、織りあがり加工が終わるまで1ヶ月から1ヶ月半程度お待ちくださいませ。25番手オフ白と66番手生成はキバタがあったかもしれませんので、加工があがりましたら在庫のほうを更新させていただきます。

今日は、夜には字の評議委員会がありました。帰ってきてから、ジャガード織機を眺めました。2重ビームで織る本麻の白十文字と黒十文字が一台づつ動き始めています。普通の織物と比べると難しい織物で、お話をいただいてもお受けするのにかなり覚悟が必要なのですが、こういうものを残しておかないと日本の麻織物の世界というのが浅くなると思います。縦が綿だと何倍も簡単になるのですが、本麻の細番手は糸の問題も多いので難しいのです。

一反を織る際に何百回と縦糸切れ横糸切れで織機が止まりますが、50Mでのキスが5箇所程度に収めるのは至難の業です。着物以上に洋装の世界の織りが難しいのはあまり知られていないかも知れません。着物の世界だと手の込んだものが出来ても、洋装の世界では検査基準が厳しすぎて簡単なものづくりが出来ないことがあるのです。
2011年02月11日
彦根に戻ったのは朝の9時でした。途中、浜名湖を過ぎた辺りから横殴りの雪が降っていまして、50kmの速度規制が続いていました。関が原越えるの大丈夫かなあと思ってましたが滋賀のほうは雪はありませんでした。

滋賀県に戻って、祭日ということもあってかひっそりとしているなあというのを実感します。東京のようなにぎやかさがないので、滋賀県というのは布を使ってくださるお客さんを探すのには難しい場所だと思います。

東京に行く途中も、明け方の家の近くの24H営業のマクドナルドに立ち寄ってビッグマックセットを頼んだのですが、お客さんが私一人で15分ほど出来上がるまでに待ちました。お客さんが少ないと早いのではなく、お客さんが少ないと時間が掛かるのです。効率よくものを作るシステムというのは、一つのものを作るのは非常に苦手なのです。

これは、加工屋さんなども言われていることに共通します。テンターを掛けるのにボイラーを暖めるだけで冬場は1時間と掛かる、ものが常にたくさん流れているといつも準備できているので仕事が速いのですが、小さなロットでの仕事の場合には、一工程づつがハンドメイドちっくに進むので非常に時間が掛かるのです。

林与がそれを理解できなくなるとそういう手間暇な世界のものづくりというのを放棄してしまうことになりますので他で早く作るよりも待つことを選びます。待てなくなったら、ほかと同じ普通のものになってしまうのだろうなあと思うのです。
2011年02月10日
今日はアパレルさまの展示会がありまして午前中から東京に行きました。東京についてから道がだいぶ混んでおりまして、予定よりも遅れ気味での到着です。午後にも2件立ち寄らせていただきました。2012SSのお話がいろいろなところで始まりかけています。

合間の時間に東京の青山のスパイラルガーデンで行われています東京造形大学デザイン学科テキスタイルデザイン専攻 2011卒業制作展を覗かせていただきました。13日までですので、時間のあられます方はご覧になってくださいまし。http://www.spiral.co.jp/e_schedule/2011/02/texta.html

学生の方が、卒業制作展ということでテーマを決めておられ数点づつ出されているのですが、なにかアイデアや手法をベースに統一した作品群を作られています。アート的な意味合いを持つものが多く、実用性を兼ね備えた商品というよりも見て楽しむようなアート的な作品が主体ですが、一人一人の作り上げた世界というのを眺めることができます。

自分が作ったものではありませんので、客観的に見せていただくことが出来るのですが、私自身の評価のポイントは、一つ一つの作品自体を評価するというよりも、作られた方の織物に対する姿勢を評価してしまいます。そのアイデアや技法というのは自分を表現するための単に道具に過ぎず別に大事なのではなく、それを用いてどこまで自分を表現するかということだと思うのです。そこら辺りが実用的な商品の価値とは、別の判断基準になってくるのだと思います。
2011年02月09日
東京に行く前に準備をしないといけないのは、東京での容易ではなく、会社を空け、また、その後は連休に突入しますので、それまでに済ませておかないといけないことが多いのです。

朝のうちは、彦根の組合事務局に行きまして県に提出する書類を作りました。夕方くらいまで掛かりまして、会社に戻ってからは、組合の別件の処理を行い、出荷などを済ませました。

最近ですが、メインで使っていますノートパソコンのハードディスクの空き容量が少なくなってしまい、起動が時間がかかりすぎるようになりまして、急いでいるときに急いで仕事ができないということで、パソコン環境を立て直すため動いています。今使っているのと同じ機種の中古を手にいれまして、ハードディスクも容量の大きな新品が届きましたので、この週末には形がみえてくると思います。

普通の人にとっては面倒くさい作業なのですが、林与にとっては案外楽しみな作業であったりするのです。織物の世界というのは一つ試すときに大きなリスクを伴いますが、パソコンの世界というのは、時間が掛かるだけで、やり直しもできいろいろなことが試せるのです。

エクスペリアのほうは、まだまだ使いこなせていませんが、こちらのショップも携帯やスマートフォン対応にしていければなあと思っていたのですが、まずは、今のパソコンの環境が重すぎるので、それの改善に着手したというあたりです。ネット接続もドコモのハイスピードでやってますが、Xi接続というのがいつのまにか稼働しているようですので、そちらへの移行も考えています。
2011年02月08日
今日は、昨日手配してもらった糸が届きました。同じラミー100%で、同じ設定のままで織ってみて一目瞭然の違いです。すべてが解決されます。それが糸を選ぶだけの理由なのです。結局のところ、糸の細い部分が打ち切れを起こしていたのではないかと考えます。今回のトラブルの原因が原材料なのか紡績なのかは分かりませんが、普通に流通しているものの品質が極端に落ちてきているので気をつけておかないとなりません。

今日、出機さんに行きまして、何十年も織ってくださっている職人さんも同じように糸のことを感じているのだなあということが分かりました。指定があり、一つの商品に普段使う糸と別のメーカーの糸というのを使ったのですが、織ったあとに苦情を述べられたのです。それが、まったく、私が自分の工場で自分が経験して持った感想と同じなので、この職人さんの判断も正しいということです。林与がその職人さんに言ったのは、一般に、機屋さんというのは、これが普通でリネンを織ってられるんですよ、ということです。結局、産地でも、麻を織られるところがなくなっていった背景というのもそのようなことも要因しているのではないかと思います。
2011年02月07日
今日は、いろいろなキバタをオーバーロックミシンで縫製して、キッチンタオルを作ってみました。本来は、三つ巻にして本縫いミシンでかがるべきなのでしょうが、オーバーロックミシンで簡易的にタオルを作るのもかわいいのではないかと思ったからです。

倉庫から6種類の布を探してきて、オーバーロックして布を加工して、明日の仕上がりを待ちます。実際には、タオルというよりもハンカチくらいの大きさなのですが、出来上がったもので実際にどのような機能性があるのかをテストしようと思います。

そのほか、今日は、依頼をいただいていました綿麻サンプルの準備をしたり、ラミー糸の手配を行ったり、外注工場さんにビームを持っていって見本つくりの段取りを済ませたり、こちらのショップ向けの生地在庫の確認や、依頼のあった生地探しを2件、請求書の依頼、企画の段取りなど、3時ころにはお客様があり、月曜日だなあという感じでした。


■緊急募集■
今、リネン糸で林与のリネン生地にクロスステッチをしてくださる方を探しております。林与が50cm四方のキバタ布とリネン糸をお送りしまして、そこに得意とされる柄をいくつかクロスステッチしていただき、ご返送いただくという作業です。ご協力くださる方おられましたら、お問い合わせからよろしくお願いいたします。(ささやかながら、キッチンタオルHDダブルラインキバタのお好きな色1Mを謝礼として予定しております。)
2011年02月06日
倉庫には、本麻60番手をコンニャク糊加工した糸が各色たくさん残っています。着物に使うのが一番よいのではないかといろいろな甚平や浴衣向けの先染柄を作ろうかと考えています。先染め着物のシリーズなんか面白いのではないかと思います。ストライプは多いですが、チェック柄の小幅織物でつくられた着物というのはかなり珍しいのです。

先染というのは、プリントよりも奥の深さがあるのと、中まで染料がしっかりと染まっているので、色が長持ちします。着物でも、プリント柄や先染柄などで、白地のあるものというのは、その白い部分が黄ばむことが多いので、長くお使いいただくことは難しいことが多いのです。白地が部分的にあるものの場合には、長く使える良いものを作ろうとすれば、本麻の場合、白い糸に関してはしっかりとした加工を施しておかないと駄目ではないかと考えます。ただし、白無地の場合には、晒ことが出来ますのでその限りではないかもしれません。

昔の着物で、長年の着用に耐えるのは、しっかりと染めたものがほとんどです。白ベースのものなどはどうしても黄変してしまうので、難しいのではないかと思います。リネンの場合には、オフ白や生成というのは、化学変化の度合いが染めたものに比べると比較的少ないので、天然繊維としての性質が残っていることになり、変化しやすいのです。しかしながら、染めた染料や染め方が悪いと糸が弱る原因となるので、染めの質が悪いと染めたことで糸のほうが弱くなっていたり、染料の中の物質が変化して色が変色して見えるケースも多々あります。

麻糸というのは糸が染まりにくいですので、麻専門の染屋さんの染でないと長持ちしにくいことが多いのです。長く使える良いものを作ろうとするときには、染めに関しても、実績のある染屋さんであることが大事と思うのもそういう理由です。倉庫の染糸を見ていて、同じ原糸を使用したとしても、染工場さんによって染の技術と品質の差というのはかなりあるのを感じます。やはり、麻を得意とする染工場さんの染だと麻糸が麻糸らしく綺麗に染まります。

これは、加工に関しても同じで、林与の倉庫に眠る昔の反物を見ましても、他産地で加工したものというのは、綿ライクであったり、ウールライクに仕上がることが多いのです。暖かい系に仕上がってしまうのです。皆さんお気づきになられた方もあるかと思いますが、海外のリネンというのはある工程が行われていないケースが多いので、もやもやと起毛したような感じであることが多いのです。林与も秋冬物のリネンを作るときにはその工程をスキップしますが、初夏物の場合にはその工程は非常に大事です。清涼感が足りずに、もっちゃいなあと思うときには、その工程が不完全なことが多いのです。

商談会で、林与のビンテージなリネンをご覧になられて、海外のあるインターナショナルブランドのバイヤーさまが、これは何?とお尋ねになられましたが、たぶん、糸がしなやかで綺麗過ぎてリネンに見えなかったのだと思います。リネンの糸というのも糸加工を丁寧に行えば糸もよりよい表情になり、織りあがった布というのも通常のリネンとは異なった顔になります。そういう高価な糸加工というのも世の中では受け入れられなくなりだんだんと消えていく運命にあるのです。

糸の表情が変わるほどの糸加工というのは、昔から原糸の値段よりも高いことが多いので、それを施すのにはなかなか覚悟が必要なものです。世の中で、リネンにおいては、生成やオフ白の生地、後染、プリント生地が多いのはそういう背景があります。リネンに老いても、高級アパレル向けは総先染が多く、カジュアル向けは生成やオフ白ベース、後染やプリントが多いのもそんな理由からです。もちろん、後染やプリントにも高価なものはたくさんありますので、一般論ではありますが…
2011年02月05日
ここ数日ようやく暖かくなってきました。冬の厳しい寒さも林与は好きだったりするのですが、この暖かさというのは、車で走っているだけでも気分がよくなる気がします。そんななか、キッチンタオルに関する楽しいお話が飛び込んでまいりました。詳細のほうは、夏前には明らかになりそうなお話だそうで、内緒での進行になると思うのですが、時期がきましたらご報告いたします。

さてさて、昨日から調節をしていますジャガードですが、ジャガードのほうば問題なく動くようになったのですが、本麻の糸が、レピアでも起こった同様の打ち切れを起こしてしまっており、対策を考えています。この何十年と問題なく使ってきた銘柄の糸で、一度といってもよいほどに発生のなかった打ち切れですが、今回は、1Mに小さなものがいくつも見られ本質的な問題として恒常化しているようです。打ち切れというのは海外紡績の糸では何度か経験をして、品質の違いを実感していますが、今回ジャガード織機で打ち切れが起こったことは、普通の織機だと打ち切れ無しには織ることはできないという結論に達します。糸を買うときにそういうアナウンスもなかったので、糸の紡績メーカーさんもこのような致命的な問題に気が付いておられない可能性が高いのです。

これを短期的にしのぐ改善策はあるのですが、それはまやかしに過ぎないので、それを根本的に改善するためにはやはり糸捜しになります。当面は、在庫の糸をつかってしのぐことにしましても、よい糸を探す必要が急務になってまいりました。国産の麻糸というのは、最終的には消えてしまう運命にあるのかなあと思ったりします。

夏に涼しさを楽しめるのが細番手の麻織物の特色ですが、海外紡績のラミーもテスト的にはトライアルをしていますが、糸が織れる織れないの問題だけではなく、仕上がりの綺麗さや光沢感が海外紡績のラミーというのは、国内紡績のラミーには及ばないのです。肌が感じる清涼感も、同じ加工を施しても、加工から上がった布を触っていて明らかに国内紡績ラミーのほうが上だと感じます。

一方で、お客様においても、長年見続けられた方というのは、そのものを感覚的に知っているので、その違いに気が付かれますが、今、よい糸がなくなった時代に始めて麻というものに触れられる方にとっては大きな違いではないかとも思います。
2011年02月04日
リネンテスターという言葉をご存知ですか? リネンをテストする機械があるのかと思われるかもしれませんが、生地を見るための3つ折にできるインチ拡大鏡のことです。プロの人が使うものなのですが、昔からあるものなので見られた方は多いと思います。

何をするときに使うかというと、リネンの場合はそれほど高密度な織物であるということは少ないですし、高密度の場合には逆に拡大率が低すぎるので役に立ちません。リネンテスターで一生懸命に組織を眺めている人をみると大変だなあと思います。リネンテスターは、ほとんどの場合ちょうどインチの四角ですので、縦横の密度を計算するため縦横の本数を数えるのです。

リネンテスターという道具は、ほとんど形が変わることなく、たぶん100年以上使われてきている道具ではないでしょうか。子供のころは、すごくかっこよい道具に見えたものです。リネンの織物を拡大して覗くと万華鏡のようにきれいだなあと思うことがあります。リネン糸の一本一本がキラキラとしています。糸というのがまっすぐではなく、地撚りというものが掛かっているのも確認できるかと思います。地撚りというのは糸を紡績するときに掛ける撚りのことで、リネンの番手くらいの撚りが1M辺りに掛かっていることが多いようです。撚り方向は、Z方向とS方向があり、通常の糸はZ方向です。

昔は、リネンの糸もS方向の撚りも必要に応じて手配したこともありました。といいますのは、縦に綿などのS撚りの双糸を使うと、横方向は、S撚りのものを使うほうが、布がくるくると回るカーリングという現象がおきにくいのです。(加工してしまえば非常に微妙なものなので無視できる範囲ではあったと思います。)今では、S撚りのリネンを手に入れることはほとんどできないと思います。

林与には、リネンテスター以外に、普段使う道具としてオリンパスの拡大鏡が1つだけあります。今は手に入れることのできない特別な拡大鏡です。30倍くらいの倍率のもので、ルーペというよりも顕微鏡に属するものなのです。バックライト着きの200倍とか、400倍の顕微鏡もありますが、そこまで行くと逆に使いづらくなります。
2011年02月03日
古代エジプトではリネン織物というのは、WOVEN MOONLIGHT(織り上げられた月光)と称されることもあり、月光を織り上げたような美しさをもっていたと思われます。何千年も昔というのは、漂白技術も加工技術も化学的な部分に関しましては、今よりも劣っていたはずです。ですが、そのように称される背景には、何千年も昔のリネンには、今のリネンにはない、そう呼べるだけの光沢があったのではないかと思うのです。

私自身は、自然のリネンやラミーが持つ本来の光沢というのはシルクに迫るあるいは、シルクを超えるものと考えています。リネンというのは、これほど細くて長い繊維が取れる植物はないと言われます。麻業界では、一般に、ラミーのほうがリネンよりも繊維長が長いので紡績がしやすいといわれていますが、取り出せる繊維の細さと長さは似ています。

単に細いだけではなく、そのような糸というのは光を反射することで、この世のものとは思えない光沢があったと考えるのです。リネンというのは丁寧に加工してあげれば、科学的に漂白をせずしても自然の力で不純物を取り除いて上げれば色が落ち透明になるものなのです。光沢感を出すということは透明にしていくということなのです。それが、1本1本の糸が光を放つ月光を思わせる世界だったりいたします。

色を抜く際にも化学薬品を使わないので、出来上がった糸の色を、生成と呼ぶのか、晒と呼ぶのか、どう呼んでよいのか分かりません。WOVEN MOONLIGHTにちなんで、その色をムーンライトとでも呼びましょう。その糸というのは、普通のリネン糸とは、あまりに違いすぎてリネンと呼ぶことすら難しいのです。そのあたりが、「ITS VERY SINGULAR BEAUTY(その類まれなる美しさ)」と形容される部分じゃあないでしょうか。

以上のような解釈は一般的な解釈とは乖離した、経験や資料、手元の糸をベースに林与の考えるところなのですが、日本の麻織物の世界でも同じ世界があり、麻といえどもいろいろで、きぬあさと呼ばれるほどの糸の世界が日本にもあって、それは普通の糸とは別次元のものとされていたので、リネンの世界においても細い番手を極めていくときに、光沢と透明感が生み出されたのだと考えています。

月光を織り上げたと思ってもらえるような類まれなる美しさを持ったリネンを織ることができればよいなあと、幻のリネンプロジェクトは始まっています。ロマンを求めて、ゆっくり、ゆっくりと進行中です。
2011年02月02日
昨日、倉庫に行って、メンズのシャツ地向けに綿麻の生地サンプルをお客様に頼まれていたので適当なものがないかと探していたのですが、下のほうから、なぜかマグロを思わせる紺色の反物が出てきました。なぜ、こんなところにサブロク(91cm幅)の反物があるのかと思ってみると、それが、マグロのように黒光りしていたのも、きぬあさと呼ばれる着物用の麻糸を使用した織物だったのです。

完全に妥協のないつくりで、これが本麻かと思うと麻の価値というものを本当に感じることができる一品です。林与が和装から洋装に転換しはじめた、昭和40年ころの作だとおもうのですが、見た目は光沢感があって未来の織物のような感じがします。糸使いが異なるだけでなく、密度なども今、林与が作る織物の世界の1.5倍以上のスペックのものです。

誰が見ても価値がわかる簡単に売れるはずのものが、そのまま林与に残っていているというのは、林与特有のものづくりに思い入れが強すぎて売らずにとっておいたのだと思います。江戸時代なら大名が着るような素材だと思います。
2011年02月01日
遅ればせながらですが、ジャパンクリエーションやインターテキスタイル上海などで、お披露目いたしましたハードマンズ社サイオンミル紡績140番手のリネン糸を使用しましたアイリッシュリネンハンカチ生地とハンカチの一部の画像を「究極のリネン」のページにアップしました。

ベースは淡いアイボリーなオフ生成でゴールドな輝きを持っています。ラインには、きれいな色に染めた同じ糸を使用し、染めの色にもこだわっています。ハンカチなので特に堅牢度の高い染めに仕上げています。(実際にハンカチとして使われることのないものだとは思いますが…)

今は生地に仕上げたものだけの画像をアップしましたが、ハンカチとしてできあがり、縁取りの始末は、職人さんによる手かがりのハンドロールドヘム仕上げです。完璧な仕上げを目指した林与の考える究極のリネンハンカチです。

今は、初年度は、本当に35年前の糸が蘇るのか?というところからのトライアルで、無事織り上げ喜ぶだけでなく、何度も試織と加工テストを繰り返し、ハンカチとしての規格と風合いまでにこだわり、林与も見たことのないような別格の生地に仕上がりました。ビンテージアイリッシュリネンプロジェクトも、2年目に突入しまして、さらに進化を遂げさせたいと考えております。

ジャパンクリエーション2011SS展でのお披露目においては、ジャパンクリエーション全体の中でも一番くらいに注目いただけるような試みと評価いただきました。 http://www.japancreation.com/2011ss/news/20100423/index.html
2011年01月31日
今朝は、整経機で巻取りをしようと思うときにクラッチのあたりから異音がいたしました。昭和59年に良い状態の中古で購入した仕上がりで110cm幅までの整経ができる整経機なので、大型のものより何倍も使い勝手がよく、麻織物には非常に適しています。25年調子よく動いてきた整経機なので、調子が悪くなるということ自体が非常に不思議です。

原因は、クラッチの部分に掛かっていたカバーにかましてあったドロッパーが落ちて、カバーがクラッチと接触したということのようで、誰がいつドロッパーをかましたのかは謎ですが、大きな問題になる前に原因が究明できて良かったです。

整経機について語りますと、ほとんどが鉄なのですが、わざわざ、木で出来ている部分があるということが作業する人にどれほどぬくもりを感じさせるかということも感じます。鉄ばっかりでできた機械と言うのは冷たいものです。シャトル織機も同じです。筬をホールドする手で動かす分銅の部分は木なのです。

最初は、その部分が安っぽく見えるのでなんで、鉄を使わないんだろうかと思ったこともあるのですが、これも何十年の経験で、その部分というのは木で作るべきだという結論になっているのだと言えます。

弊社のシャトル織機の木の部分は化粧直ししてあるので、まだまだ、新しい感じがしますが、50年ほど使い込むと、木が手の力で磨り減って使う人の体の形に適合してきます。機械が人間になじむことが出来るのです。シャトル織機の筬をホールドしている部分というのは前後に動きますので、これが鉄だと非常に危険だということも言えます。ハンドメイドの方が使われる小型の手機などが木で出来ているのは、決して安く作るためでなく、人に優しく、糸に優しく正しいことだと思います。

織機のメーカーさんや整経機のメーカーさんは、メーカー自体がやめられてしまったり、生産をやめられたりしてしまっていることが多いのですが、その後も、織機や整経機は動き続けるのです。良いものを作りすぎると回転が悪く、自分で自分の首を絞めることになるのかもしれません。今は滅多に出会えませんが、「一生もの」と呼べる道具たちです。一人の人生以上に現役で動き続けるシャトル織機などもあり、伝統に培われた織物の世界というのは、他の製造業ではなかなか難しいこととは思いますが、語り継がれ引き継がれることができる世界なのだといえます。

今日は、糸を注文しましたがタイトになってきているのか、通常のようには、出にくくなってきているようで、もうすぐ、シーズンも終わりますので落ち着くとは思いますが、このような事態が増えると、安定した品質を守るためにも糸を作ってストックしておく方法のほうが良いのかとも思います。
2011年01月30日
今日は、資料のほうをつくったり、依頼のあったサンプルなどのピックアップを行っていました。月曜日の加工出しの準備や加工から上がってきた反物の出荷の準備に追われていました。出機さんも今日中に織って欲しいと依頼していました見本反をお休みにも関わらず織り上げてなんとか納期に関してもぎりぎりですが間に合いそうです。

リネンの本質に迫る幻のリネンプロジェクトのテストも、ちょこっと今の縦が掛かっているところでテスト織りをしました。織るのが難しくなる致命的な問題が発生したのですが、それが逆に別の部分で頭を抱えていた問題の新たなブレークスルーにつながります。

幻のリネンプロジェクトは、実は、麻織物についた頃からこれをやれたらすごいだろうなあと思っていたことの一つで、麻織物を知れば知るほど到底無理だと結論付けたことの一つです。それが、この数年の取り組みを行い、市場調査、情報収集など重ね、実際の動きに結びつけ、今日が最初の簡単な織りのテストとなりました。2月はさらにテストを積み重ねて、未知のリネン生地を試織できるようなところに近づいていければと思います。このプロジェクトも麻織りを極めるための挑戦の一環です。

考えているよりも、実際やってみるということが本当に大事だなあと思うことが多いのです。今の日本でモノづくりが難しくなっているのは、新しいものを作るためには、実際の作業が伴うので全てが必要になってくるのです。つくる商品が必要なのではなく、それ以前に安定して商品を作るための材料、設備、人、ノウハウなどが必要になってくるのです。それが安定的に社会を支える動力となってくるのだと思います。
2011年01月29日
ブランドさまなど2012期の春の展示会のお知らせが届きまして、伺わせていただこうと計画しています。2月10日頃にお伺いしますので、合間の時間などもあるかと思いますので、ジャパンクリエーションなどでお会いした皆様ともお会いできるのを楽しみにしています。いつも生地を置いていただいているショップさまや生地を買っていただいて店頭にならべてもらっているショップさんなども時間と場所の関係が許せば覗かせていただこうかと思います。

お昼には、生地ショップさまからのお電話があり、ご無沙汰してます、今年もよろしく、というお話してました、リネン関連は春がくると声が掛かるような感じなので、季節が来ないとご無沙汰になりがちですが、リピートでの生地をお使いいただける企画まで練って動いてくださるとうのはありがたい話です。2月というのは、そろそろ生地ショップさまなどもリネンの店頭準備に動かれる時期にはいります。

今日は、夜、VOGUEのサイトでパリコレ画像を見ました。たくさんある中でも、林与の生地は先染だったので服になっていてもすぐに分かりました。柄物というのはそういうところが良いですね。でも、画像で見るとプリントとほとんど違いが分かりませんので、先染の魅力というのは、糸自体がしっかりと色を発色していて、一本一本の糸に光の部分と影の部分が生まれますので実物を手にとって見てもらうのが一番かもと思います。

一方、どのブランドでも、数多くある無地を考えるときに、無地でも品質で責めるのが大事なのかなあと思いますが、画像で見る限り、レーヨンか、シルクかということまでは分かりませんので展示会では、合成繊維が会場の照明に映えて強いと思います。
«前のページ 1 ... | 153 | 154 | 155 | 156 | 157 | 158 | 159 | 160 | 161 | 162 | 163 | ... 184 次のページ»