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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
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2013年09月23日
今日は夕方出荷、高速道路に乗った途端、もう一杯の車。連休明けに届けようと思った荷物が、翌日着に。今回は、あきらめるしかない。次のインターまで1時間ほどかかって到着、気持ちを切り替えて次の仕事のことを考えよう。

上島佳代子先生から、パリへのリネンツアー(11月12日から18日)のお誘いがありました。林与は、現在、手が一杯になってしまっていて参加できないのですが、リネン好きのみなさんにもご案内させていただこうと思います。詳しくは、トップページの画像をクリック、あるいは、http://www.hayashiyo.com/page/21 をご覧ください。上島先生と一緒に行くと、本場のおいしいパンが食べられたり、リネン生地を買ったりする穴場を教えてもらえるのだろうと思います。

ミルツルさんからも、この夏に作らせていただいたシルク麻素材を染めておられるとのことご連絡いただきました。素材としては、今は手に入れることのできないカネボウブランドのシルクとロイヤルラミーを掛け合わせて染が可能なようにP下に仕上げさせていただきました。

さてさて、秋も深まり、今年も本生産の時期に入ります。気温も下がって動いていても非常に気持ちのよい日々。暑い夏を乗り切ることができたので、同じ調子で仕事をしても個の過ごし易さが救いです。
2013年09月22日
アパレル以外の仕事で、フランスの工場に生地を発注したけども納期が間に合わないと言う話を聞いて、フランスでも、まだ、おじいさんおばあさんが織機を動かしているんだろうなあと思いました。そういう生地というのは本当に希少な気がします。

林与の倉庫にもたぶん30年以上前の糸だと思いますが、フランスのルブランのリネンの糸が70kgほど残っています。これは本当に金色の糸で、幻のフランス紡績のリネン糸。

事務所の箱の中に、地元の繊維工場さんの名前が絣で入っているリネンのセンスのよいテーブルセンターを見たときに、すごい良いものをその繊維工場さんは昔作っていたのだなあとこの地域の水準の高さに感心をしていて、50周年の祝いに招かれて、その会社から貰ってきたものだと思っていたけども。母親の話を聞くとその繊維工場の社長に頼まれて、林与が作って、お集まりの麻関連のみなさんにお配りになられたものだという。そんな記念品に使ったのがルブランの糸。

上島佳代子先生に昔東京の出版社で見せていただいたのが、フランスのアンティークリネンのドビーの柄の豪華な感じのマングルクロス。まさに、ゴールドっぽい色をしていてフランスリネンの風格が漂っていました。フランスのリネンは、アイリッシュリネンと比べると資材系のリネンなので番手が太い。アイリッシュリネンは同じゴールドでも細くても強いというのが特色。

もし、まだフランスで金色のリネン糸を手に入れることができるなら、フランスの機屋さんがうらやましいなあと思う。エジプトの糸はややマットなイエローなのである。私自身もフランスに行っていろいろと調査してみたいものだと思い当たる節が何度もあったが、北アイルランド以上に紡績が途絶えるのが早かったフランス。フランス産のリネン糸にめぐり合えることがありうるのだろうか。雑貨用の太い糸なら手紡という手もあろうかと思う。
2013年09月21日
今日は太陽が朝から強く照り、外に出るたびに工場の中で仕事しているのがもったいないような気がしました。工場の中の空気と外の空気とではまったく違うというのを特に今年感じます。外に出ると感じるのが空気が透き通っている感じで、外で糸を触る仕事なら一日中していてもそれほど疲れないだろうなあと思います。

この週末は、リネン25番手をアパレル向けに織る仕事をこなす予定。定番のリネン25番手は、シャトルで通常織るのですが、アパレル向けということで、織段の問題や納期の問題があるので、このお仕事はレピアでこなす。使うレピア織機は、カバン用の太い糸を織っていて、縦を残したまま、半年動かしておらず、他の台ので、レピアのヘッドの調子が悪かったので、レピアバンドを交換して、ネジを締めない状態にしておいたら、それを知らないものが、動かしてレピアバンドが左右とも折れてしまって、レピア交換から。

カッターもカバン用の太い糸を織っていたので切れにくくなっていて、これも交換。捨て耳のローラーのチューブも緩んで来たので左右とも短く調整。織り出した時に縦糸のテンションがきつすぎる、ビームの送り出しが怪しいなあと思いながらも様子を見ながら、久々の運転。半年ほど使っていない織機でしたが、動き出すと、計算上の理論値にほぼ近い1時間7mのペース。休み明けの加工出しに間に合いそう。

もしこれがシャトルだと糸のロットの中でシャトルが替わるときのテンション差の問題や、紡績の錐の差、一つの巻きのなかでの太さ加減のゆったりとした変化などが、織り段として現れてくることがある。また、後染めなどに使われると、糸の太さムラによる織り段は染でもより、細いところが濃く染まり、太いところは染まり難いという問題と絡んで段の問題が加速されることが多い。

麻織物って織るのは難しいのですか?と聞かれることがありますが、太い番手の麻糸だと、テンションに関しての違いはあるものの綿の織物のように切れることなく織ることができるので、高密度とかでなければ、良い糸さえ選べば織ること自体はそれほど難しいものではありません。が、細い糸の場合は、普通くらいの企画でも、糸が切れやすいだけでなく、縦も横も本数が多くなるので織るのが難しいこと多いです。

150番手クラスのアパレル向けに密度を上げたタイプは、2ヶ月で100mちょっと織れるかどうかとか、実働が半分としても、一日に3メートル程度しか織れていないことになります。糸切れで織機がとまれば止まるほど織り段などの問題も増え神経を使います。
2013年09月20日
この1ヶ月ほど動いていた案件の最終出荷が昨日の晩遅く。ぎりぎり間に合ってほっとしていたら、今日の午後に電話をいただいて荷物が届かないという状況。お客さんの側で調べて下さるということで、お任せすると、近くの営業所まで届いていたということで助かりました。
2013年09月19日
今日は一つの目標の納期のものを出荷完了。ギアを使うと送り出しがうまく行かない問題などが出てきて、整経を10回以上に分けて繋ぐ、見本のような作業の繰り返しで対応、人の手の感覚で見本と同じものを作り出して行きました。

一苦労の詰まった布というものは、ハギレであっても何か使えるはずだと思って用途を探すと、いろいろなものに使える結果になりました。L25HDのシリーズは非常に好評をいただいておりますが、そのコンセプトを引き継ぐ、より厚いタイプの布です。

今回の仕事も始めての量産ということがあって、通常の2倍くらいの糸を用意して対応したため、様々な問題にぶつかりながらでも、試行錯誤を繰り返し、途中で方法を変えながらでも、必要な長さを用意できました。納期がぎりぎりで失敗ができない、また、問題が起こりうる可能性も考えて安全に準備して足りた話です。

こういう無駄な想定は、否定されることも多い要素ではありますが、必要になって来ることも多いものです。納期のある仕事で難しい仕事をするとうまく行くことなんてほぼないというのが実際の話で、本生産で、1回、2回うまく行ったとしても10回やって1回、2回失敗すると織物の会社なんて回らなくなるもので、経験上、つねに、無駄な想定をしておけるようなスキームは大事だろうと思います。

どうやって無駄を減らしぎりぎりでやるかばかり、それでは、無駄な経験や失敗の経験も積むことが出来ません。失敗をしたくなければ難しいことは避けて通ればよいだけのこと。失敗を避けて通ってこられた方と失敗の経験を積んでこられた方では、失敗の経験を積んでこられた方のほうが何倍も仕事に精通しておられるものです。

デザイナーや企画の皆さんとお話しするときに、こんなことは出来ますかとか、ここをこういう風に変更できますか、という話が多いのですが、話している流れのスピードで、それに答えられるかどうかは、失敗してそれをどこまで乗り越えようとした経験を持っているかどうかが大事だったりするものです。
2013年09月18日
今日は東京でアパレルさんの麻をテーマにした商談会、初めての参加の機会をいただいたのですが、麻関連の企業さんが集まっておられましたが昔からの知り合いの方も多く、商談会の合間もいろいろなみなさんが声を掛けに来て下さり、日ごろは工場の作業に没頭していることが多いのでプライベート的な近況報告などさせていただいたりです。

世界中を動かれている皆さんとお話していると、世界中探し回っても麻でできることというのもどこもが似たようなもので現実的には限られているというのを感じます。それほど日本人のものに対する思い入れというのは世界でも一番くらいに強く、謳いを欲しがるものです。日本以外というのはウンチクをそれほど必要としないものです。

そのウンチクというものが実際のものの良し悪しとは別の部分で、モノの付加価値要素となることも多いものです。林与自身の存在やものづくりのスタイルそのものがウンチクの塊みたいなものではありますが基本はそういう部分を語らずしてもモノから良さが伝わるというのが大事で、商売のスタイルとしても美しい形だろうなあと私自身は思っております。
2013年09月17日
今日は、午前中、京都に急ぎの糸をとりに行きました。高速道路は反対方向は混んでいたのですが、京都方面はスムーズ、でも下りてから、連休明けでかなり混雑模様です。帰りが困りました。栗東まで高速道路を使って下道に下りた途端、国道は非常にゆっくりとした流れ、高速道路が上り方向閉鎖になっている影響がモロに出ていました。

加工工場さんに頼んでいる案件があって、それを今日の午後やってもらって、夕方から作業して夜の出荷。仕事というのはやってみないとわからないことが多く、経験というものは本当に大事だなあと思います。最初から一番良い方法に当たればよいのですが、通常は試行錯誤の上に一番形になりそうな方法を選ぶもので、ちょっとずつ良い状態に近づいていく。

休み明けなので小物関係の縫製を頼んでいる業者さんとも連絡を取り合って、今週の段取りを決める。また、通信端末も今日新しいものが届いて、メールの送受信が正常に戻りました。大変ご迷惑をおかけしましたが、メールでのご連絡を再開させていただきます。
2013年09月16日
今日は、台風、ダンボールの空箱などが徹底的に飛ばされてしまいました。朝方、雨と風がひどいので、たぶん、台風だと思ってはいましたが、新聞で確認すると大きな台風が襲来。停電が7時頃から夕方まで続いてしないといけない仕事も抱えていて困った状況。外にあるコンセントに水が被っての漏電が原因のようで、夕方回復。

家のほうも、部屋も誰もいないのに2階から音がするので、おかしいなあと思うと雨漏り、仕事に終われ雨戸を閉め忘れサン伝いに雨が家の中に入り込んだ模様。

電話の社内の交換機も電源が落ちて働かず、普通の電話なら停電になっても大丈夫なのに、ライフラインが閉ざされることの不便さを感じました。今は携帯電話があるので、それほどまでに仕事などでも困ることがないのが救いです。

また、ネット通信端末の故障で、この1週間ほどメールの送受信(とくに送信)に関しましてスムーズにできておりません。連休明けには端末の届き復旧の見込みですので、ご注文をいただきました皆様には、ご不便をおかけいたしますが、今しばらくお待ち下さいませ。
2013年09月09日
シャトルの6号台の音が、「すいません、すいません」といいながら織っているように聞こえる。この1ヶ月ほど織り続けてがんばっているのに、動く音が、「すいません、すいません」、と聞こえるのはかわいそうな話。

そんながんばっていた6号台の音が、急に変に変わって、シャトルを挟むようになった。ステッキを叩く部分の鉄のネジ部品が外れてプラスチックが取れてしまったからだが、どのくらいの力で叩くかで、シャトルを挟んだり挟まなかったり。

シャトルのスピードが遅いからは糸に挟まるのではなくて、シャトルのスピードが速すぎて、反対側で跳ね返って止るために、その反対側で叩かれるときに距離が大きく、力が伝わり難いので、反対側でしっかり叩かれないことでシャトルのスピードが遅くなり、反対側から帰ってくる時に鋏んでしまうということ。

叩く力を落としてあげて、シャトルが綺麗に反対側で止るようにしてあげると、反対側でしっかりと叩かれて帰ってくる。急ぎの仕事でシャトル織機が不調になるとすごくあせるのだが、冷静になって物事をみると、どこかに正しい答えというものはあるものだ。

シャトルの6号台、元気に復活し、直ってよかった。でも、もう音は、「すいません、すいません」じゃなく、すごく偉そうな音で「ドドドン、ドドドン」な感じ動いている。本来は、この音であるべきなのだが、「すいません、すいません」といいながらがんばって動いているほうが親しみを感じることができた。

シャトル織機を修理していると手が油で真っ黒になる。そんなときに電話が鳴って、電話を取るのか取らないのか迷うが、思い切って取って話をすると、案の定、白い受話器は、油汚れで真っ黒。どうやって白くするかだが、リネンが活躍、乾いたリネン25HDのハギレで、拭いてあげると汚れも広がらず簡単に真っ白に戻ってびっくり。
2013年09月08日
今日は、工場の中でノートパソコンを触っていたら、台から落ちそうになって手で支えたけど、刺さっていたノートパソコン用のUSBの通信端末が、根元からぽっきりと折れてしまって、またまた、ネット難民モードに突入。この端末の壊れやすさは以上で、10回以上も同じ端末を壊しては購入の繰り返し。

良いように解釈すれば、通信端末が壊れることで、ノートパソコンのUSB側は壊れないということ。昔あった、PCカードタイプの通信端末のほうが壊れなくて便利だった。

新しい端末を手に入れるまでは、モバイルポイントなどでメール確認などを行いますが、ネットへのアクセスがしばらくの間難しくなりそうです。
2013年09月07日
会社のインターネットの通信回線状況がよろしくないので、光回線を検討。でも、まだまだ田舎で、回線を引こうとしてもなかなか手間が掛かります。事務所に回線を引こうと思いましたが、電柱から斜めにケーブルが事務所の前を横切りそうで、よい感じがせず。結局、電柱に一番近い工場の片隅にセッティングしてもらうことにしました。

最初は、一番電波の飛びやすい場所に設置しようと思っていたのに、それ以上に、景観のほうが気になってしまったのです。電柱や電線というものは必要だとは思いますが、効率を優先すると景観を損ねてしまいます。

昔、カリフォルニアのアーバインという町に住んでいましたが、洗濯物を外に干すことが禁止だったり、電柱や看板が禁止だったりと、それは、美しい町でした。そこまでするのかというほどに景観重視で、また、消防車が普段に回転灯等を回していたりするとそれをパトカーが見つけて消すように指導するなど正しすぎて驚いたものです。
2013年09月03日
リネンというのは水を通すと腰がなくなる。リネンは綿の4倍の吸水性を持つといわれるが、リネンが水を含んだときの物性の変化というものは生きているという感じ。リネンが人の肌に馴染みやすいのも、水に対しても天然の反応をするからで、それこそが無理のない反応だろう。

化学物質に敏感な方がたどり着かれるのが麻やシルクだったりする。植物性、動物性の違いはあっても、どちらも古来からの繊維で、人との付き合いが長いことが安心の実績。合成繊維というのはここ200年ほどの歴史。

ときどき思うのが、アインシュタインのような有能な人にしても罪な存在だということ。科学をもたらしたけど、それが人類を急速に発展させる。発展こそが良いという考えが果たして正しいのかというのは、常に疑問。本質的なものを求めるときにそれは発展とは違う形におさまるものだろう。
2013年09月02日
9月5日に、東京のアトレ吉祥寺1Fで、JUNさんによる SALON adam et rope のお店がオープンします。カフェのほか、いろいろな作家さんの作品やアパレルが集うお店。その中のアイテムとして林与が別注で織らせていただいた生地を使った、キッチンクロス、ランチョマット、エプロン、ミトン、ランチバック、トートバッグなどのアイテムが並びます。

リネンのラフさがあったり、洗いざらしのようなナチュラルな雰囲気が漂う素材も、綺麗に仕上げたものとは違う魅力で、新鮮なんではなかろうかと思います。詳しくは、http://salon.adametrope.com/ 東京でお時間のあられる皆様はお店に脚をお運び下さいませ。

2013年09月01日
9月になって雨、これは恵みの雨というものだろう。日本中が暑い夏で喉が渇いたような状態、そこに大地を潤すようにしっかりと雨。水が循環するということは、環境にとって非常に大事なことだと思う。

カリフォルニアには蚊もゴキブリもいない、ポップコーンが1週間湿ることもない、砂漠に水を引いて出来上がったオアシス。まさに楽園。人はそういう快適な環境を手にしたがるものだが、それはそれで人そのものの考え方までも変えてしまう怖さすらもある。それで国というものが滅ぶがため、満たされぬ欲望を外に向け戦争が必要となることもあるだろう。

この涼しさ仕事には嬉しい。雨が降っていることで糸にも水分が補給され織りやすい。冬場というのも同じで、雪に囲まれていると糸が乾燥をしにくく織りやすい。この夏は忙しすぎた自分の流れを取り戻すべく、秋から冬に掛けて調整を加えたい。



2013年08月27日
小物サンプルを作ってもらう予定が出来ないという話になって、とりあえず、私自身が裁断をするということに決めて、サンプルの縫製業者さんを新たに捜す展開に。どこもが仕事を抱えておられる中で急ぎの仕事をそこに入れるというのは難しい話。

何とか、各方面をあたって作ってもらえるところを見つけて出来上がるような流れに持っていけそうで、動くといろいろな人との出会いもあり、それを受けて下さる方もあって、自分で動くと自分が働いても持ち出すようなことも多いけど経験なんかは増えていくもの。

常に思うのは、最終商品までも供給できるような力の必要性、布が変わるだけで同じ商品でも、見栄えと意味がまったく違ってくるもの。
2013年08月26日
昨晩は、隣組の食事会で久しぶりの日本酒。日本酒で体が熱く、夜は仕事をする気持ちになれず、朝早くに起きてシャトル織機の調整を始める。今日は一日涼しくて動くのがまったく苦にならない。シャトルでのリネンの厚織が出来ない問題と戦う。

すべてを完璧に近い調整を施したのに、密度が上がらず筬が外れる。これは縦糸の問題、ビームの送り出しを調整を繰り返すがうまく行かない。巻き取りが足りず、ダブってしまう現象が起こる。布の巻取りを確認、ドロッパーの高さや、バックレストの動き、ヘルドノ高さ、打ち込みのタイミング、あぜ棒を入れたり、どれも正しい。

それでも問題というものはある。結局、夜の9時頃、ビームの送り出しのギアを締めるネジが完全に閉まっていないのが見つかった。すべてが氷解。今まで何十センチしかまともに織れなかったものが、何十メートルと安定して問題なく織れる。

昼が過ぎ、夕方が過ぎ、途中、たくさんの電話をいただいて、進めないといけない案件が一杯な状態で、9月末まで仕事がほとんど埋まって、10月の中ごろの仕事の話が進み始める。10月は展示会が3つある予定で、そのひとつがインターテキスタイル上海。今日は業界紙の方が取材にお越し下さるということながら、手一杯すぎてゆっくりとはしてもらえない状況ながらも、とりあえずアポイントをとった。

とにかく、今日は涼しく過ごしやすく作業に集中ができた。1日だったが、1ヶ月に匹敵するような気がする。
2013年08月25日
今日は雨が降って涼しい一日、夏も終わったかと思うほどですが、空気に秋の透明感がないので、まだ6月の雨の日のような気配。今年の夏は特に暑いといわれ、野菜なんかも水不足で高値。

今日は工場で機械の修理。どうしてなんだろう、シャトルのステッキの羽根のネジの頭が取れている。仕方がないので、他の織機から部品と取ってきての応急処置。うまく行かないので、ステッキも移すと調子よく動く。

ネジを締める緩めるの力加減などができるできないでは同じ仕事をしても大きな差になってくる。今日も字の寄りで、今の子はマッチのすり方も知らないという話だが、それは、その子供の問題ではなく、オール電化な社会の歪。物を燃やすことのすべてが害悪のように禁止されてしまうと。いざ、災害というときにも自分で生きていく力すらも備えていないということになる。社会もあんまり傾き過ぎないようにしないと駄目だろう。

昔はどこの家でも風呂を炊いていたが、それが火災の要因になったことはあっただろうけど、火の元の管理という面では、当時の人の能力は高かったといえる。お風呂に入るのも蛇口からお湯が出ることなく、自分で家の中で火をくべて炊かないとならない。そんな生活こそ、トータルで大きくエネルギーを節約していた時代ではないだろうか。電気なんて個々が節約しようが、発電所が、原子炉を火力を炊き続けている限り、何のエネルギーの節約にもならない。

それぞれの家がお風呂を炊いていたことが、雨をもたらす原因となったと思う。小さな粉塵が空に舞うことで雨の核となって、雨が降ることを引き起こす。人の生活が、自然に雨をもたらして、発生した熱を冷ます働きをする。神社の祭りなんかでも、火を炊いたりすると雨をもたらすというのが経験的な法則。木などをくべて火を炊くことにより、水蒸気を含んだ上昇気流を引き起こさせ、舞い上がった熱が冷まされたときに、雨となって降り注ぐ。自然の力を使った祈りの儀式である。

こんなに暑い夏なのに雨が降るのが珍しいというのも、電気に依存する生活になってしまっているからだろう。水の循環がないことは、地球温暖化の大きな原因となる。地表に関しても雑草ででも覆われていることこそが地球温暖化を防ぐ手立てとなる。雑草が生えるということにすらも、地球環境を一定に保とうとするような要因がある。わざわざ植樹して綺麗にみせたいのは分かるが、地球環境を守ろうとするときに雑草でも十分じゃあないのかと思う。そういう雑草の下に新たな生命が育まれるのである。グリーン化してもあらたな生命というのはいやだというエゴ的な緑化だと歪が生じ、トータルな意味で生態系が保護されることはないだろう。それが人に降りかかってくる。補完的に生えてくる雑草などの存在の意味も見つめる必要があるのではなかろうか。
2013年08月24日
今年は、米は結果、豊作なのだろうと思える。もう、刈り取りが終わったところもある。台風も来ていないのに倒れてしまっているところも多い。滋賀県というのは平地の95%以上を農地に使っているのではないだろうか。近江上布、近江米、近江牛というあたりが、近江を代表する特産品、いずれにしても良質の水が豊富というところが一番の長所。

しかしながら、農業というのは戦後守られてきたといわれる業種ながらも、個々の農家の問題というよりも国策として今では使い物にならず見捨てられてしまうような方向に誘導され続けてきた。自立して生きることの難しい業種の一つである。TPPでは、壊滅状態に陥る可能性は高い。大手のアパレルSPAの世界で一番安いところで作り上げる手法がすべてを飲み込むという形になるだろう。結果がわかってTPPに向かうのはよいけど、大丈夫大丈夫のごまかしでTPPに向かうと、繊維産業と同じような道を歩むであろう。

織物の文化というのはどの国にでもあるものだが、一方で、それが国の特色として扱われることが多い。農業も同じで、外国産の農作物に置き換えられてしまうと、人が生み出すという文化の基本的な部分希薄になり、楽は出来るのだが、苦労した国のほうが経済も文化も発展はする。トタン屋根でやっているうちは長続きするけど、社屋を建て替えて優雅な気分になるともう後戻りは出来ない。

いつの間にか日本の国も仕事が安定ということが基本であるかのように扱われてきたが、その結果、海外との競争にさらされた産業というものが日本から消えて行ったがそれは当たり前のこと。為政に携わるものは海外との競争というものを念頭において、経済や競争というのは国内だけのことではないという基本を理解している必要があろう。
2013年08月23日
先日、京都の染めの専門家であられるお友達の方が、林与が京都の三条京阪に事務所を持ったということで、趣味の木彫りで「林与」ロゴを作って、奥様とお越し下さいました。製作途中の掘り出すタイプの林与ロゴを見せていただいていたので、そちらが仕上がって、もう一つ、掘り込んだタイプの林与ロゴも届けて下さいました。どちらも世界に一つだけの林与ロゴで、手作りの味わい漂うアイテムです。スマートなプリントとかと違って揺らぎがあるので好きなのです。

そんなアイテムが届いたその場所で、ご夫妻に、生地の紹介をしていると、今までいくら探しても見つからなかった、パッチワークバージョンの初代の林与ロゴが、突然、出てきました。しかも、反物の上に顔を出す形であったのに、いくら探してもそれに気がつかなかったのは驚きです。木の林与ロゴが届いて、初代の林与ロゴが見つかったというのも、本当に不思議な話。

林与ロゴの件に関しては、始めてジャパンクリエーションに出る前日に思い立って、展示会の展示物の準備などもせずに、一日掛かりで作り上げたパッチワーク布看板。ハンドメイドチックで自己満足の世界。私自身、布の世界というのは完璧に綺麗な世界でなくても良いと考えるので、自分で作り上げた味のようなものを感じさせたいと思うのです。

中国やパリの展示会も一緒に歩んできた友達のような存在だったのに、昨年のインターテキスタイル上海では、電車に乗ってしばらくして、ロゴ看板を忘れたことに気がついて、常に心の中で探していたものでした。この春のプレミアムテキスタイルジャパンでは、切り出しタイプの2代目の林与ロゴ看板が登場しました。でも、やっぱり、初代のロゴ看板への思いは強く、見つかったときには本当に嬉しかったです。今度はなくさないようにしたいです。
2013年08月22日
今日は東京、昨晩、作り上げた商品が出荷が間に合わず持ち込みする。新幹線に乗って東京です。新幹線にしても、私が生まれる前に開通して50年近くになろうか。新幹線というのは、単に、列車部分をつくればよいのではなく、鉄道の部分も大事。リニアの話も沸いてはいますが、これから人口が減る流れの中で、リニアに収束をしていくものでしょうが、各地に沸いた空港建設ブームもそうでしたが、短期的な考えでものごとを考えると後々大きな負担になっていくことのほうが多いものです。

そのことはモノづくりにも共通していて、商品があればよいのではなく、商品をつくることのできる環境というものを持っていないと難しいということ。今あるものづくりの現場をつぶしてしまったとして、新たなところを探すような考え方というものは、ものが消耗品というよりも生産する工場自体が消耗品で、中で働く人なども消耗品のための消耗品に過ぎないような考え方なんじゃあないだろうかと思えます。

日本の中では使えるものがゴミのように扱われ、この国ほどエコの意識が低いのではないのかと思うことも多いのです。海外では空き缶にしても、リサイクルが自然に回るようにシステムが出来ています。地上デジタル化で、多くの使えるテレビがゴミとなってしまったことも、買い替えを促すリサイクルというのも個々の努力を無意味にするようなところがあろうかと思います。数年しか使えない家電製品、政治が主導したリサイクルブームの中で、物がゴミとなり物の価値というものは落ちてしまったというのを実感します。

東海道新幹線もリニアが出来上がったあとは、政治的にリニアに乗客が誘導され廃線になる可能性は高いであろうと思われますが、これから人口が減る日本で、今の新幹線ですらも十分すぎるのに、他が弱っている流れの中でそこに贅沢に資本を集中してしまうと、出来上がったときに成り立たないとわかっても遅いのです。

滋賀県にも空港建設ブームがありましたが、出来たときに自立できるものであればよいけど、伊丹の国際路線を引き継いだ関空ですらも成り立たせるのが難しく、ましてや、レストランなどが国道沿いに出来てもすぐにつぶれてしまうような状態があるのに、その何万倍ものリスクを背負うようなことがあると、一つの県の財政が破綻してしまうようなことになります。国家や市町村の財政などでも破綻することも多いので単なる笑い話ではないのです。

この話というのは、着物の話に似ています。近江上布のハギレをみて、着物用の生地がないかとお尋ねを下さるのですが、その方自身、すでにお持ちの着物を堂処分しようか迷われているのに、新しい着物をご検討されているというような馬鹿よねえ、おかしな話だと上品にもご自身で仰られます。

最近、私も電気屋さんなんかに行って、ほしいなあと思えるものがほとんどないのも私自身が末期症状なのか、家電業界が末期症状なのか迷います。一年二年で壊れてしまうことが当たり前の大型の商品だと、新しく並んでいても一年二年後には粗大ゴミ寸前状態。使い込んだとか、使い慣れたとか、愛着が沸くとか行くまでに終わってしまいます。
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