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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
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2013年07月21日
ここ数日過ごしやすいなあと思える。それが単に一日の気温の問題だけではなく、一日の気温差が大きいこと。たとえば、30度のときと20度のときでは飽和水蒸気量30.3gと17.2gと半分くらい違います。30度から20度まで下がると、夜露が降り、空気中の水の量が減り、今度温度が上がっても、カラッとしていて、湿度は低く汗ばむことがないのです。

一日中、25度よりも温度が下がらない日を熱帯夜といいますが、これは温度が微妙に下がることで、逆に湿度が上がる現象が起きて汗ばんで寝苦しいのでしょうね。本来25度なんて、快適な温度のはずなのに、寝苦しいというのは湿度が原因でしょう。

夏は、暑い昼間は休んで早朝や日の暮れから働くみたいなのが、自然の動物をみていると感じる。一年のめぐりの中でも、夏は田んぼ、冬は機織というのは、冬にいくら田んぼでがんばっても実りはないのだから、正しい生き方だったのだろうと思える。今は、一年中同じ仕事をするけど、本来は、強弱があったほうがよいのではないだろうかと思う。

無理と強弱をつける必要などなく、仕事に波あわせて強弱をつける。仕事が自然に入ってくるときにはその流れに乗り、仕事が少なくなったときには自分の仕事に入る。外の波が一様であることを期待してもお天気と同じで裏切られることがほとんど。あるときにはその仕事を目一杯できる体質でいて、ないときには他の仕事をすることも大事であろう。現実、織物の会社であってもすべてをこなそうとすると織物以外のスキルを必要とすることが多い。
2013年07月20日
今日は、パンツ用のリネン生地をファブリカ村に納品。途中、愛知川の御幸橋を渡ろうとすると夜には花火大会があるということで、たくさんの方々が準備中。ファブリカ村では、先週はお客さんがすごく多かったけど今日は比較的少なめということで、中に陳列されている作品などを見せてもらう。「かみわざ」という黄色いお面、楽しそうな雰囲気で目を惹いた。

土日しかやってはおられないけど、観光客の方のほか近所の方なども覗きに来られて、気軽に立ち寄れるスペースというのが定着。近所のお店の方が作られているピロシキがお昼のメニューとなっているそうで、それを3個分けていただいて、帰ってから家で食べたのだが中身がしっかりでこれがおいしい。

商売の話をするとやはり商売の難しさに関しては同じような共通点を感じておられていて、マーケティングに関する講演会とかよりも現実的で本質的な、損得勘定じゃないから続けてやっていけ、結局それが一番強いのだという結論に達するもの。

ファブリカ村ももうすぐ5周年を迎えられるとのこと、お話を聴いていても、ファブリカ村に作品を展示されている作家さんのお話を聞くに、結局は、モノづくりもモノじゃなくて、ものをつくる人なんだろうと思うし、精神的なものが一番大事だろうなあと思える。

夜には事務所で仕事をしながら花火の遠くに鳴る音を楽しんだ。愛知川の花火は132回目を迎える、多くの人が楽しみにしてくださるということはボランティアで動かれている方々にとって一番の救いだろうといえる。人々が花火そのものを楽しみに出来るということは人の価値が100年を超えても普遍な部分の一つ。
2013年07月18日
この前までの猛暑が落ち着き、朝夕がすこし涼しい日が続いています。6月とか7月のはじめから暑いので、この調子だとこの夏はすごく暑くなるだろうと思っていても、どこかで、うまくバランスが取れるように抑える力が働く、自然の力なのだと感じます。

今日は、倉庫で反物の検反と出荷を行った後、ロゴラベルが少なくなってしまってきたので、ひこねの組合につくりに行きました。ネットで林与の生地を使ってくださるお客様というのはハンドメイドされている個人の方や、作家さんが多いのですが、生地にロゴラベルがついていることが、林与でおつくりした生地の証でもあり、ロゴラベルも作品にご活用くださる方も多いです。

ロゴラベルについている、林与のロゴですが、これは、おじいさんのときにおじいさんが考案したもの。半世紀前の近江上布の反物を入れる段ボール箱などにもロゴが印刷をされています。おじいさんの頃というのは着物の時代、近江上布の着物というのは柄が命で、本麻着物生地のブランドとして一世を風靡するためにも、自分で作ったものを自分でブランド化して販売していくというの当たり前にやっていたのだと思います。

着物というのは形が決まっていますので、反物の柄をデザインするということはすなわちデザイナーそのものであったのではないかといえます。近江上布の反物を解くと、着物には使うこともない部分ですが、本麻の林与の布であることの文字を絣で織り込んであります。使わない部分に何時間も使うというのは無駄に思えるかもしれませんが、粋な計らいそのもので、そういう余裕が日本の織物業界にも戻ってくれば、また世界でも輝けるのではなかろうかと思うのです。

半世紀ほど眠っていた着物の時代のロゴを引っ張り出し蘇らせてみました。実は日本の繊維業界のロゴで、このようなロゴは珍しく、おじいさんが自分自身で考えたシンプルなロゴ。代々が、「與次右衛門」「與一」「與志郎」であったのに、「林与」と半世紀からシンプルな現代字体を選んでロゴ化してくれてあったことも、私、「林与志雄」にとって自分そのものに用意されていたようなもの。

自分自身がロゴを考案してもこれ以上に分かりやすいロゴはないだろうと、ロゴにしても完成されたもので良い物は良いでまったく触らないことも大事という、生地つくりにも通じる私の哲学に通じ。社名も、「林与織物」から「林与」に変えたのも、ロゴと矛盾のないシンプルなスタイルに通じます。

先代から引き継いだドタバタのときに、思い切って社名変更などもやっておかなければ、今も「林与織物」だったに違いありません。「林与織物」というのも5年前までは社名使っていたのに、今では懐かしい感じがしいろなことが蘇ってきます。
2013年07月17日
RINCROSSINGへの参加が決まりました。選ばれた商品テーマが、「本麻素材」と「リネン100%素材」。林与としては、機屋という意味では理想の二つのテーマがチョイスされた形ではあるものの、素材をバイヤーさんに買っていただくいうことの難しさの壁を、RINCROSSINGでは違う切り口で探していけるのかがポイントになるだろうと思う。

林与が素材提案をより簡単にした形が、リネン小物を手がけたこと、機屋自身がデザインしやすい小物群で、また、布に近いことで織るということを感じていただける。高級アパレルとなるとなかなか林与の素材を使ったアイテムを気軽には身につけていただけないですが、小物なら消費者の皆さんとの距離が近くなりやすい。

実際には、消費者の皆さんだけでなく、デザイナーさんなども林与の小物というものには注目を下さる方が多いです。麻を織りつづける林与が商売を抜きにしていい感じのものをつくろうとして作ったものなので、一般に市販されているものとは違うテイスト。海外の展示会などではブランドデザイナーさんたちが林与の小物を自分が使うので分けてほしいといってくださることも多く、それはそれで嬉しいことです。
2013年07月16日
菱沼良樹氏が、この7月にパリコレでオートクチュールコレクションを披露され、林与のリネン素材もプリントのベース生地としてお使いいただきました。イメージのリンク→ http://www.gettyimages.co.uk/detail/news-photo/model-walks-the-runway-during-the-yoshiki-hishinuma-couture-news-photo/172555522

菱沼良樹氏のサイト http://www.yoshikihishinuma.co.jp/ トップページの真ん中にあるイラストのアヤメのドレスが実物となっているのですがイラストはほのぼのとしているのに、実物というのは弊社以外の洋服も上品な感じがします。イラストのほのぼの感は、バックに富士山や神社、また、夫婦岩のようなモチーフが描かれていて、自然豊かな日本のイメージを世界に発信するためのコレクションではなかろうかと想像したり。着物の世界が洋服の世界にアプライされているようなコレクションで日本的だと感じました。

プリントのベースなので、プリントの柄が大事だろうと思うのですが、生地にもこだわって下さり、弊社のリネン生地もお使いいただきました。菱沼氏も、麻の質感がとても綺麗だったとコメントくださり、お世辞を下さったのかもしれませんが素直に安心しております。

このアヤメのドレスを見て麻に草木柄というのは良い組み合わせだと、林与の近江上布柄というのがほとんど草木をモチーフにしていたのを思い出しました。洋服に自然の草木をモチーフとして取り入れることは自然を愛したことに繋がっていて、また、私自身も近江上布の草木柄をプリントで再現することで、素材が麻というだけでなく、柄としても自然を大事にするような気持ちが芽生えるのにつながる布づくりをできるんのではないかと思いました。
2013年07月15日
つなぐ通信VOL2が届きました。テキスタイルツリーの成田典子氏が送ってくださって、VOL2は、まだなのかなあと待っていただけに、展示会でお会いしてからのあとも編集に精を出されていたものと思います。

つなぐ通信は、VOL1もそうでしたが、ものをクローズアップしながらも、その裏の人間ドラマを語ります。取り上げられるものというものは、昔懐かしい雰囲気のものが多いですが、それを今作ろうとしても、それを作り上げる人の感性というものが今あるのだろうかと思うと、それを育てるのには土壌が必要な気がします。

イイダ傘店さんとハマヲ洋傘店さんのストーリーがありました。「傘作りを見せてくれても、手取り教えてはいただけませんでした」というのが印象的で、実際は、これがプロの現場での物事の正しい教え方なのだろうと思うのです。下手に教えてもらいたがり癖とか助けてもらいたがり癖というものが付くと、仕事としての独り立ちというのは難しいものです。

季刊紙「つなぐ通信」が定期配本可能になったようです。配送料1000円で、年4回ご自宅にお届けということですので、ご興味の有られる方は、www.tsunagu-t.com でご確認下さい。
2013年07月14日
藍染の梅崎由起子氏がお店「藍ohako」をオープンされました。林与のリネンも藍染のベースとしてお使いいただいており、この7月のオープンの3連休のどこかで、一度現場を眺めさせていただきたいなあと思ったのですが、予定に追われすぎ断念です。8月のオープン日と私が京都に向かう他の予定とうまく合えば実現しそうです。

紺色というのは濃色なのに涼しい色をしている代表格で、夏に良く合う色なのです。藍にも色味はいろいろとあるとは思うのですが、藍という染料だけで勝負されているというのも制約が大きいようでも、それが作家さんなどの強みであるものです。
2013年07月13日
バタバタなのですが、コツコツと、前に物事を進めていこうと動いております。今日は、朝のうちに久しぶりに糸をチーズ巻屋さんに持って行きました。小さな急ぎの仕事はあるのですが、他の仕事を持っておられると結局、急ぎなので社内でやってしまうことが多く続いてご無沙汰だったのです。

もう80歳近いおじいさんではありますが、私よりも元気そうにされていて、そのことは何よりでした。昔は、近所のおばちゃんたちに来てもらって大将として工場を運営されていたのですが、今は一人仕事があると自分でカセからチーズに巻き返しておられます。

今でも若い人以上に仕事はこなされますが、それでも仕事が続くことがなく、空いた時間には、身内の電気関係の内職仕事を手伝っておられます。70歳を超えた世代でも、数少ない職人気質の方で、こういう方の仕事だと海外にも負けない日本の品質を謳える仕事だろうなあと思います。

人というのは、その仕事をするために生まれたのではなかろうですが、覚悟を決めて正しく仕事を続けられる人というのは本当に稀、よく、この仕事が好きだからやっているといわれるケースもあるものですが、仕事というのはすべてが仕事、結局、人の面倒、機械の面倒、ものの面倒、というのはどの仕事にも共通するもので、扱うものが違うだけじゃあないのかと思ったりもします。

得意な一つだけを仕事にしている人というのは、面倒を見てもらう側に回りやすく、その面倒を見る人がいなくなったらその人の携わる仕事がなくなってしまう。仕事関係のお客様なんかでも自分の仕事の面倒を見てくれる人を探しておられる方も多いものです。
2013年07月12日
今日は午前中は着物生地の織、午後からは福岡からのお客様、非常に暑い日で、福岡からのお客様でも工場の中、事務所の中で汗しておられ、滋賀県も暑いこと体感していただけたと思います。機織の現場というものはあまり見られたことがないということで、小さな工場の中でもいろいろな作業があることを見ていただきました。

織物工場なんて外の世界が変わっても、何十年も同じ作業で時間が止まっているかのような空間ですので、海外での織物というものが近代化して量産型になればなるほど、日本の進化しないモノづくりというものは、特色を増すのではなかろうかと思うのです。

スマートなモノづくりというものが果たして良いものかと思うことがあるのです。スマートに仕事ができなくなると成す術がないというのは織物の本質的な部分や人が仕事をするという本質を欠いているように思ったりもするのです。誰でも出来る形になるということは仕事としては結局終わりに近づいていくのではないのかと。

今日お越し下さったお客様も来春夏に向けて9月以降にじっくりと取り組んでいくという形の検討をお願いしております。この2ヶ月ほどで予定も含めると福岡からは3件のお客様、福岡というのは布に対する文化が根強い地域なのだろうかとも。
2013年07月11日
今日は竜王のアウトレットで、東京からのお客様をピックアップ。竜王アウトレットもオープニングということで高速道路の出口周辺にまで臨時駐車場が設けられていて、たくさんの人でした。オープンされたお店というのが最上階の3階だったので、建物の中ではありながらも上からは太陽が降り注ぎギリシャようなイメージ。カリフォルニアのときに時々、ウィンドウショッピングしたサウスコーストプラザのようなイメージで、駐車場が無料で、一日時間をつぶすことが出来き、人気なのも分かる気もします。たくさんのお客さんがおられるので別に買い物しなくてもいろいろなものを見て回ることができます。

お客様は、この秋、オープンののお店に使われる生地を検討ということでお越し下さり、林与も弊社素材がより多くの皆様に見ていただける機会が増えるものと楽しみにしておるのですが、今から寝る時間もなく動くほどでないと間に合わないだろうと。

夕方にはもう一軒、京都からお客様がお越しくださっており、京都の事務所にと林与の木彫りの看板を自分で手で掘ってつくってくださいました。林与の布のロゴ看板もそうですが、あんまりシャキッとしすぎると布の味が無くなって、プラスチックな世界になってしまうのです。揺らぎが少し残っているほうが、いつまでもそれをオンリーワンなものとして使えるものです。木を掘られるときに、彫るのが難しくなってもなるべく硬い木を選ばれ、出来上がったものが欠けたりしないように気遣われているそうです。
2013年07月10日
今日、EMSの出荷に郵便局に行った帰り、ライトをつけていて10mほど先までしかライトが届いていないという違和感、ハイビームにするとすごく明るく見えるが、ロービームは先が見えない状態で走らないとならない。

この違和感というのはライトはちゃんとついているのに遠くまで照らさない、会社に戻って、ライトを見ると、両方ともライトが少し奥に外れたみたいな状態で、やや下に落ちて、上のほうに空間が出来ている。たぶん、製造時にライトを固定するネジを付け忘れたのか何かだろう。買って一ヶ月で、一ヶ月点検に出したばかりだが、やはりトヨタディーラー扱いの新車でも、このような新車時からの製造欠陥というものは起こりえる。現場では素人が自動車を作っているのだから忘れることもあるのは仕方がないだろうけど、違和感に気がつかずちょっと暗いなあと思っていると夜10m先にいる人が見えないのだから人を轢いてしまう危なさすらもある。

自動車にしても新車だからと信用して安心してしまうと駄目で、違和感に気がつくことが本当に大事だということ。整備の人が触ったかもしれないが、整備というのが、大きな事故の原因になることも多いもの。
2013年07月09日
今日は猛暑で、朝から熱気に参りながらも、工場の中で、何台かの織機を動くように設定をしていました。8月お盆前なら分かるものの7月にこの暑さというのは珍しく、今年の夏の暑さを象徴している一日だなあと思いました。

海外の展示会の準備なども必要かと、午後からは会社案内の英語版を手伝ってくれる人を捜しに彦根に行きましたが、ちょっと難しそうなので、今度は別のルートを頼りにしてみようかと思いました。

今日も、企画の打ち合わせなどで、3件アポイントの予定をいただいたものの、7月、8月中はこれ以上案件を増やすことは実際の生産などを考えると難しくなっています。現場もやってみないとうまく行くかどうか分からないことばかりで、それを当たり前に仕事と割り切って前に進めていける人でないと仕事としても前に進まないものです。

このことというのは、今に始まったことではなく、職人さんを抱えているとやはり職人さんにしても20代、30代がピークで、40代、50代では実際の仕事で食べていくのは厳しくなるというのが現実的でよくある話。仕事なので仕事ができて当たり前というのは当たり前なのかとは思いますが実際の現場の人の力というのは限界ばかりであるもので、世界で一番安いところでのものづくりに軽く追い抜かれていくものです。

近江商人が、うさぎとかめの話を大事にしていたのも、人というものの本質を見抜いていたからじゃあないかと思います。そういう話を子供に言い聞かせるぐらいに大人自身が仕事の意味を理解していないと駄目だろうなあといえるのですが、小学生の子供のほうが大人以上に社会性があって我慢ができて吸収し成長もできる。

祇園祭なんかも、私が京都で学生をしていた頃から、曳き手をアルバイト募集という形、全国から道に溢れんばかりの観光客が押し寄せる日本の伝統的な祭りながらも曳くという作業に従事できるものは少ないもの。織物の現場というのは山を曳くのと似ているなあと。祭りでも一番大事な部分の一つであろうかと思うが、人は集まり回りの屋台などが賑わって成り立っていても曳く人からみる祭りというものは別の意味合いが非常に大きいもの。周りでお店を開いて観光客をもてなすことは自主的に出来ても、祭り本来の部分を支えることは難しいこと。
2013年07月07日
弊社の麻織物というのは、昔からお医者さんの奥さんなどにお買い上げいただいていたりだったのですが、ネットでもたくさんのお医者さんのお家の方に買っていただいております。実績のある安心なものを求めようと考えて下さっているのだろうと思うのです。

一般に流れる安全とプロの考える安全とではまったく異なることがあります。たとえば、集団予防接種などは、肝炎被害をもたらしましたが、私自身も、幼稚園のときや小学生のときに集団予防接種で注射器を使いまわしているのを覚えています。看護婦のお家の息子さんだけが予防接種を受けないと学校に表明をしていて予防接種を受けていなかったのは今となってはプロの正しい判断だったろうと思います。お医者さんも当たり前にその危険性は理解していても仕事としてお金をもらえるとなると全国中のプロであるはずの医者でもそれに従うものです。自分自身は決してそんな使いまわしたもの使わないけど、小さな子供なんて商品に見えるのだろうと思います。

管理する人間がどうでもよいという態度でいて当時から危ないとされているのをもみ消して、今になって公表しても遅すぎるのですが、原発などでも同じようにメルトダウンが意図的に隠されたり、爆発直後から放射能漏れのデータが隠匿されるなど人の命というもの扱いすらも非常に軽いものだったりします。安全基準地が20倍までOKとなったのはお笑いとしかいえません。政治力で横浜などでは国が放射能もれを隠す流れの中で、素人でもわかる原発が爆発した被災地の放射能汚染されていたであろう可能性を疑う食材が学校給食に意図的に使われたりと、原発推進のメンタリティというのは恐ろしいところまで行ってしまっています。

ある海外の大手の商品開発も既存のものをどうやって安く作るかに徹しています。今まで100円原価が掛かっていたものを半分で作る技術を提供してくれたらお金を払いましょうというビジネスで、世界中に大手の提供する安全性の乏しいものが溢れかえり、それが、人々に健康被害をもたらしている可能性は高いといえます。アスベストなんかが典型的な例ですが、それと同じようなコンセプトでのものづくりがものづくりの世界標準ではあろうといえます。安ければそれがすべてのような商品開発が、次々と新しい化学物質が溢れる生活環境を生み出し、そういうのに過敏な人たちは外での生活も出来ないという状況。

林与の麻素材というのは、着物の時代から続く、何十年も着ていただけるようなものづくりで、また、アパレル向けに素材を作り始めてからも何十年もご愛用いただいた実績、今流行の新しい加工に流れたりするのは非常に心配だったり、自社自身が、日本のアパレルの花開く最初のときに開発に携わって、今は日本の麻の定番となった顔かもしれませんが、そういうのも何十年も作り続け、使われ安全性が実証されたもので、麻においては、見えない部分でこれ以上の新しいものを求めることも難しかろうと思うのです。弊社の素材が化学物質過敏性に安全だとは言い切れませんが、多くの方にご愛用いただき、麻のプロ集団で作り上げる品質と安全性重視の変わらぬものづくりを続けて行きたいと考えております。
2013年07月06日
リネンのテーブルクロスなんですが、いつも展示会のときには会場のテーブルの上に広げるようにしています。すると、雰囲気がなんとなrく明るくなる感じがして、よく使うのはhピンクX生成Xオフ白と、パープルX生成Xオフ白の大きなチェック柄とストライプのバージョンです。

生地の端から端までを使ったとても大きな柄なので、6年ほど前に作ったときには、一柄20mほどの縦を作って織るのに3日くらいかかりますので、4配色するとそれだけで2人掛かりで2週間ほど、良いものが出来上がるかどうか分からなかったので冒険でした。出来上がったものを加工してテーブルクロスとして使ってみると他にはない感じで嬉しかったの覚えています。

テーブルクロスの布にしても、在庫の生地や定番の生地を使うこともできますが、あえてテーブルクロス用に先染で開発してみて、それが結局、自分にとっては一番馴染み深い柄で、展示会していても、ないと寂しいというか、「林与」ロゴ看板も初代はどこかに消えてしまいましたが、今は、二代目となって、これもあると安心します。

今日は、展示会でテーブルクロスに興味を示していただきご注文いただきました分の生機を製品化する工程を10枚分くらい行いました。テーブルクロスにしても長年使えば使うほど味が出てくる気がします。使い込めば使い込むほどちょっと汚れたとしてもよい感じです。
2013年07月05日
昨日は会社を空け、午前中は車の点検で会社を空けてしまい、午後はたくさんの仕事関係の方からの電話が続いて、午後は電話対応だけで手一杯でした。

見本で使った糸が手に入らないというようなお話があって、糸をつくるのは布をつくることよりも工程も少なく簡単なのだから紡績工場が小ロット対応して動けばよいものと思いますが、紡績工場というのは大手であることが多く工程自体は簡単であっても、機械をどれだけ回すかという生産性の面などあってバイオーダーでの小ロット対応は難しいようです。繊維業界では、売り切れるほど売れている糸があるというのも珍しいお話です。

海外展示会の説明会の件や麻の着物地の件、生平生地を探しておられる件、百貨店さんの件、秋冬向けの進行中の件、会計事務所からの件、他にも来春夏向けのサンプルの件、他、今日は糸のことで糸商さんの社長さんとお話させていただいて林与に残るリネン糸の経緯等を調べたり。

夜は急ぎの案件の機を増やす作業、1台を2台に増やすということで機の載せ替え作業を行いました。機の載せ替えをするとまた戻す作業が伴います。織物というのは、その工程で人が働くということ評価しないと続かない仕事だなあと思う一方で、昔から、麻織物というのは農家の手仕事として始まっている経緯があって、伝統工芸師クラスや伝統工芸師を育てるクラスでも別に食べ口がないと食べていくのが難しい仕事。本業とした場合には、技能や経験云々よりもよほど実際の仕事が出来るか出来ないか。

仕事が目の前にあること自体が繊維業界では幸運なことですが、実際に目の前に仕事があってそれを嬉しいと思える人がどれほどいるのかという問題にも繋がってくるかと思います。他産地で麻織物が盛んになるのも、仕事がなく生き残ろうとして麻織物の道を目指ざそうとされるのを知り、織物の世界で仕事を喜んでされようとする方が、今の日本におられる応援したいなあと思いました。
2013年07月04日
今日は、田中直染料店での講習会に参加してまいりました。近江上布柄のデザインを復活させたいなあと、1ヶ月ほど前にネットでたまたま見つけた「柿渋X型染」という講座。朝10時から夕方4時過ぎまで掛けて、柿渋液に、インド藍、ベンガラ、松煙を混ぜて草木染、今回は麻の生平のテーブルセンターと和紙の葉書を染め上げました。

私の選んだ紅葉柄もいい感じの深い色にそまりましたが、他の方が染められたのもいい感じです。これだけ完成度も高く、綺麗に染まるなら、商品サンプルや小ロットなら自分で作り上げることができるだろうと思いました。雑貨のお店などを経営されておられる方や染をされている方も参加されていながらも、ゆったりと時間もあって、この講習会というのはお勧めです。

その後、夕方からはレメディガーデンの京都本店にお邪魔しました。お仕事も終わって家に帰っておられた時間で、お店に、田上さんとお子さんたちが戻って迎えて下さったのですが、田上さんが布ナプキンのお仕事をされている背景に家族を大事に思う気持ちがあるのを感じ、素材に関しても安全であることを第一としてオーガニックのものや特別な素材を使った商品を展開されておられます。

生地なんかでも普通は蔵入りしてしまって流れないような最高級クラスのものでも探しておられ、普通は清水の舞台から飛び降りる覚悟でといいますが、清水の舞台から飛び降りられて普通に歩いておられる感じです。そういう方についていくと安心して、安心できるもの求めることができるのではないでしょうか。
2013年07月03日
液晶が修理されたレッツノートに電源をいれると、液晶が交換されて、画面が映るようになりましたが、なぜか暗い感じ。でも新しいのがあるので、それはスペア用に使う程度だろうからそのまま使おうかと思っています。長時間印刷用のサブマシンにするか、サーバー用のマシンとしてなら問題もなかろうかと。

液晶が暗いとか黄身掛かっているとか、液晶のロット差なんかも大きいでしょうし、人の眼というのは、それ一台を使っていると補正が効くもの。暗い液晶でも瞳孔が開いて、なれて見えてくるものです。でも怖いのは、画面の色を目が一所懸命補正しようとして、人の色彩感覚がずれてしまう可能性のあること。

色に関してもたとえば、ブルーとか、カーキとか、紺、茶とか、一般的な名称にしても、実際には、色の名称一つにしても色味の区別何十から何百種類くらいは出来てしまうものです。自動車カラーといわれる原色の12色の色鉛筆カラーとは違って、ファッションの世界は多彩な色を使いますし、特に日本のファッションの色の使い方は微妙です。

2013年07月02日
今日は輸出向けのJETROさんの商談会に朝から出発。今回は時間に少し余裕を持っての会場入りで、いつもよりはリラックスしての商談でした。商談会が終わった後、京都の事務所にアイテムをディスプレイ。

今日は、3件ほど、新しい仕事の話の件でお電話やメールをいただいて、かなり手一杯ながらも、仕事がないといわれる繊維業界ですが、かなり忙しくさせていただいていることはありがたいことです。この数ヶ月で本当にこれだけのことをこなせていけるのかが心配なほどです。

最近は多くの新しい方との出会いなどもあって、今までは織る以外の部分で出来るとも思っていなかったことが非常に簡単にできたりと、外部に力を貸してくださる方も増えました。思いっきり突っ走った5年でしたが、まだまだやりたいと思うことは多く、時間や資金に余裕があれば、そういうやりたいことを少しづつでも進めていきたいと思います。

今日も手織りで織っているといわれる方が居られ、その方というのは織物に対しての見方というものは特別だったりするのです。織物がいつもであるものというよりも、つくるものという認識をもってくださっており、プレゼント用に用意したミニキッチンクロスですが、お一つプレゼントしようとしましたら、日本に来たお土産用にほしいということでたくさん買ってくださいました。大事に思ってもらえるのほんと嬉しいです。
2013年07月01日
レピア織機でもシャトルでも織機の打ち込みを決めるギアというのは2つ付いています。これははじめは理解できないかもしれませんが、ギアが二つ付いていることで、小数点以下の打ち込みの調整も可能になるのです。

弊社のレピアの場合は37が織機側の基準のギアとなります。巻き取りローラー側に50のギアをつければ、インチ50本相当の織物になります。55のギアをつければ、55本相当の織物。弊社のシャトル織機の場合には、4%の織り縮みを計算して、織機側のギアは36を基準としているようで、実質は37が基準のギアになります。違うシャトル織機は25を基準ギアとし、織機側に25をつけたときに巻き取り側につけるギアの数字がそのまま打ち込み本数になるように設計されています。

いくつのギアとギアを組み合わせると、何本の打ち込みになるかというのは、織機のマニュアルに表となって載っているのでそれを見てもよいのですが、簡単なギア比の計算で、その表自体が成り立っていますので実質何本になるかは計算も出来ます。

ストールなどの長さをぴったりに仕上げるのは正確には2m以上織らないと分からないことですので、何回かテストを繰り返してぴったりの長さに仕上げました。先ほど理論的なギア比で成り立つということを書きましたが、実際には、ギア以外の要因があるので、織ったものの長さを測って合わせるという作業が一番大事です。
2013年06月30日
昨日、京都三条の事務所で作業が終わった後、夜の河原町界隈を三条から四条へぶらぶらと2時間ほど散策してみた。お茶1リットルと途中で買って、ただ、見て歩いているだけでも祭のような雰囲気。日本的な色柄などがいたるところに溢れているのも、和のイメージを大事にし続ける京都や奈良の特色。

何かを買うというのではなく、京都の夏の雰囲気に浸るために、歩いて回るというのもいいもの。何十年たっても、お店の名前は変わったとしてもそれほど売り場に並んでいるものが変わるということもない。

河原町を下がって途中で新京極に入って四条で東に、木屋町を上がって三条の川辺で、大道芸人がパフォーマンス。川で涼を取るというスタイルは悪くないもの。田舎の川がダムができて水が流れていないのに、京都の川というのはしっかりと水が流れていてうらやましい。

京都というのは高層化反対の運動があったがために、高層化しなかったことが、逆に、歩いて回ることのできる町を作り上げたのかもしれないなあとおもったり、また、着物の人が歩いているのを眺めるのも京都観光の一つ。夏の京都の着物といえば近江上布で、林与の近江上布絣も浴衣向けの生地。

夜は、RINCROSSINGの募集締め切りで書類の提出、日本のこだわりのモノづくりが集う集まりに参加させていただければ、一人で方向性を決めて突き進む形のものづくりも横への広がりもできるのではないだろうか、やりたいことは一杯あってそれをどのように実現していくかの糸口になるとありがたいなあと思う。最終的には自分がどこまでやるかという当たり前のことに尽きるとはおもう。
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