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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
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2014年06月16日
そろそろ、ミラノウニカとインテキ上海の飛行機の手配などの準備を始めないとと思って、飛行機を物色。ミラノウニカのスケジュールではHISで見ていると、結局、中国国際航空しかチョイスがなさそうなので、北京経由でマルペンサ空港行きを取る。

会場周辺にはホテルがあまりないので、イタリア通の久山さんに相談したら、メトロマップにどの駅の周辺のホテルを取ればよいのかをアドバイス貰った。ついでに通訳も友人の方をお願いできて、イタリア現地の方が弊社の展示に興味を示されても話が盛り上がりそう。

ホテルは、なぜか今回だけは、値段重視ではなく、場所重視にして、5泊で7万5千円くらいか?シングルルーム一泊が1万5千円というのは、林与的には贅沢すぎるのだが、ミラノ市内ではそのくらいでも安いくらいようだ。最後の晩餐所蔵の教会の近くのホテルということで、名画ではあるが「最後の晩餐」という響きよいのかどうか迷うところ。夜、市内を散策できるロケーションなので、元気があれば夜のミラノを見て歩きたい。

私自身、イタリアにはプライベートで行きたい気持ちはあるが今回は展示会オンリーなスケジュール。9月7日の夜に到着し、8日が準備日で、9、10、11日と展示会で、12日の昼の飛行機に乗って、13日に帰国。最短のスケジュールではあると思う。次にイタリアに訪れる機会を見つけることができれば、学生時代に訪れたフィレンツェに行きたい気持ちがある。

私の好きな映画に、「あなたが寝ている間に」(while you are sleeping)という映画があって、サンドラブロック主演なのだが、なぜか、映画の中の彼女もフィレンツェに行きたいという。私自身もフィレンツェでは、学生時代に感動したヨーロッパの文化との出会いがあった。それ以来、じっくりと数日、フィレンツェに滞在したいと思っている。

インテキ上海の飛行機は、10月19日の便でその日の午後に準備、そして、20、21、22、23日の夜の便で帰国する。こちらも最短の日程。国際航空は午後3時着しかないので難しく、荷物が多そうなので、東方航空は持込が1個なので止めて、名古屋発の機内預かり荷物が2個まで大丈夫な南方航空を選んだ。値段だけではなく諸条件が重要。

上海のホテルは2年から見つけて使っているホテル以外のホテルを経験してみたい気持ちもあるけど、タイトなスケジュールなので、無難に昨年と同じホテルにしようかとも思う。そのホテルの周りもそれほど観光地というわけでもないが、15分ほどあるけば、おいしい料理を食べることのできるレストランがいくつもある。そういうのが楽しみで、高級でなくても良いので現地の味を味わいたい。
2014年06月15日
今日は運転免許の更新、免許更新に行くことが出来ず更新期限ぎりぎりの日曜日。講習内容で感じたのは、私は自転車はほとんと乗らないのでよいけど、自転車に乗る人の立場が非常に厳しくなったという気がする。

田舎と都会では、生活習慣が違う。田舎で歩道を歩いている人はほとんど見かけず自転車が弱者的な立場の主たる交通手段となっている。速度の遅い自転車が、車の多い車道を走るというのは危険な気がする。都市部では電車や地下鉄を中心とした交通手段が発達し歩くことが多く、自転車が少ないからだろうが自転車を車から守る必要はあろうかと思う。

交通事情からみてやむおえないと判断した場合、歩道を走ってよいとされている余地はあるが、この改正が死亡事故に繋がるような重大事故を増やさないかが心配だ。ビデオで取り上げられている滋賀県の死亡事故事例も高齢者が歩道がある国道で車道の側道を走って後ろから追突されて死亡したので、ドライバーは注意しましょうということなのだが、このようなことは今後より起こる可能性は高くなる。たぶん、免許センターの教官たちも今回の自転車に対する法改正でこのような死亡事故が起こる可能性が高くなるということを感じて免許更新のビデオに使っているのだろう。今回の自転車に関する改正、田舎と都会では違う事情があるのだから違う対応が必要だろうと思う。

高速道路での緊急停止では、車を停止した後ガードレールの外に逃げなさいというような指導で人命を守ろうとするが、自転車というのも側道で停止したらそれ以上に当たり前に危ない状況だろうといえるが、それにも同じような人命に対する配慮があってもよいといえる。今までは片方が歩道でそこを自転車が走っていたケースもあるが、これからは左側通行が義務化されることで、電柱や草がはみ出ている危ない側道を自転車が危険とにらめっこで走ることが正しいとされるというのも、本当に正しいのかというあたり、田舎の道路状況なども加味しないとならないと思う。

冬場なんかは雪のほとんど降らない東京大阪とは違って、滋賀県でも雪が少し降るだけでも田舎の側道などは雪があり危ない、中学、高校生などの自転車通学もリスクが高いだろう。死亡事故が増えてからでは遅いのだが、死亡事故が増えるような場合には、人命のほうが大事なのだから法律が一人歩きしないように配慮をしていただきたい。
2014年06月14日
今日は朝から急ぎの織機のドビーフレームがこじれてしまっている。確か後ろのほうのフレームは動かさないようにしていたのだが、新しいカードを使ったがために、後ろのほうのフレームが動いて、ややこしくなったようだ。

朝のうち取り組んだが解決には至らず、お昼をゆっくり取りながら対策を考え、午後から本格的に修理に入った。途中、出荷関連を済ませて、夜の7時過ぎから修理再開で夜の11時にようやく織機が調子よく動き始めた。ようやく仕事を始めることができる。

仕事が暇なときに、織機をばらして、細部を掃除したり消耗したものを交換したりするということをすればよいのだが、この6年ほどその時間がないままに織機を使い続けている感じ、こういうトラブルが起こるのは予期できているけれども、織機のオーバーホールも、下手にやると部品をつけ間違えたりで大きなトラブルに繋がるので、ほかの人に気軽に頼める仕事ではない。
2014年06月13日
今日は朝はちょっと遅め、11時に大阪からのアパレルのお客様。継続してのお取引のある会社で、新しい担当の方が始めて会社に起こしになられる。アパレルの方にも、実際の織物の世界がどんなものであるのかというあたり、雑談も交えながら。また、私自身も、セレクトショップで以前働いておられた話なども興味深くお聞きする。

人が新しいものを生み出そうと動く姿勢というのは美しいものだと思う。先日もあるアパレルの方がシャツが出来たので東京に来るときにも会社に立ち寄ってほしいといわれ、喜んで下さっていることが嬉しいし、自分が費やした苦労が形になったということ喜べる。

あるアパレルさんで、ある方が1年かけてつくられた布が滑脱だかの問題で、お金は払われたもののすべて使われないことになったそうで、現実というものはそういうこともありえるもので、新しい取り組みが正しい結果となるということも奇跡的なことなのだろうと思える。私自身、昨年は3つの新しい取り組みの案件がトラブルことになり、そのトラブルの部分は織物とは違うほかの方の専門のところなのだが、そういうのも機屋である自分が解決していかないとならないことも含め、機屋というのは、工賃仕事の加工業とは違ってリスクをまるかぶりしないといけない高い仕事だなあと思える。

今日もアパレルの方に、ボツとなった布と元のサンプルを見せると濃さがまったく違いますねと、一言なのだが、その仕事をした工場の人というのはその違いというのは許容範囲だと納得がいかない様子。外から見てまったく駄目なのだが、仕事した人にとっては仕事したのだからお客が満足しなくてもお金を貰って当たり前ということのほうが多い。そういうのを解決していくのも機屋の仕事だったりと機屋が織るだけの仕事ではないので、自分以外のほかの力が落ちてくると一番に潰れてしまう。


2014年06月12日
今日は午後から、「クリエーターX伝統産業」という講習会が草津でありました。講師の先生が、手で作るというところを重視し、その背景的なところを軽んじたがため、伝統産業が衰退したというお話を聞いて、トキの保護や絶滅を思い出します。周囲の環境をボロボロにしながら一方でそういうものを保護しようなんて不可能というあたり国もわからないと駄目です。日本独特のものなんて独特の自然や文化があるから成り立っている微妙なもので、それを理解しないと存続は難しいのです。

また、達成するぞという気持ちが大事だというようなことを強調されていて、今の人の少ない時代に適合した考えをお持ちであると思いました。また、いつまでもやらないひとというのは、「しようと思っている」とか「考えている」とかの語尾。「これをやった、あれをやった」とやったことを言える人間にならないと駄目だということ実感します。私もとりあえず最初の一歩を進めてみることが大事だと思っている派で、やらないで頭の中だけで考えているだけでは何もしていないのと同じことです。

伝統産業で普通にやっていることを応用して新たな形に変えるというアプローチは、販路も含め持ち得ないとなかなか現実的には実現をしないものです。講師の先生は、販路開拓にも長けておられ、手がけた商品をシアトルの町に売り込みにいくなど行動力は抜群の方です。そういう数個からのチャンスを大事に育んで行く気持ちのある職人ならコラボは成果となると思います。まあ、伝統産業の人というのは過去の栄誉に縋り、仕事があるのが当たり前の気分でいて、一つの仕事や一つの成功を喜べるほど謙虚じゃないことも多いものです。

また、日本市場は人口がどんどん減り高齢化が進む傾向にあるのだから、とくに高齢者向けのアイテムでない場合には日本の市場規模はさらに小さくなるということ。こういうのって、現実問題として正解で、小ロット対応しているものづくりが、何十年かあとには、さらに半分の量での生産に対応しないとならないということに対しての準備は必要です。今でも苦しいといわれるものづくり産業がどう考えても超えることは無理だろうといえる壁が待ち構えているというところで、ものづくり企業の廃業は加速するだろうといえます。

日本の商慣習に関してもいわれていていました。講師の先生の考えておられることと私の考えていることというか、考え方が非常に似ていて、断片的にいろんな日本の中で仕事をする上での壁があるところ、自分で超えていかないと新しいものづくりはできないに結びついていくものです。私自身は、ものづくりで難しいところは需要はうまれても、生産や供給を成り立たせることの難しさだろうと思います。

夕方会社に戻って、東京から「セコリ荘」の宮浦さんがお越し下さいました。東京では若い方が、自分で道を切り開いておられるのを感じ、私自身も道を切り開いて産地での麻織というものが続いていて、ゼロやマイナスからでも組み上げていく、人の力というものがやはり大事だなあと感じます。私が話したのは、織る部分以外での失敗談や苦労話がほとんどそれが織物の仕事で、幸せなのは自分の作った布をよいと思って買ってくれる人がいること。
2014年06月11日
地場産業での大きな問題は高齢化というところ。これはテキスタイルマルシェのほかの企業さんとお話していても同じ悩み。先代がいるうちは次の世代が力をもって動けないという、家の中の問題が零細的な地場産業企業の活動の中にもある。若い者の力を最大限に伸ばして年寄りがそれを支えるというのが理想的な世代交代の形だろう。

企業が高齢化してしまい、業界においても年配になるほど仕事もできなくなる一方で今までやってきたということで先輩面というのも多くなり、これは駄目、あれは駄目で、会社全体もなりたたなくなるもの。失敗の経験を若いうちに積ませ、自分でその尻を拭くような経験を仕事で持っていないと、いつまで経っても通用する力というものは生まれない。

地場産業なんて昔と比べると仕事の大変さは同じかそれ以上でも、流れている量というのは10分の1とか20分の1とか、経験者ほどそういうことに疎く、勘違いも多く自分が作ったらみんなが喜んで買うのが当たり前みたいな横柄さ。現場もそういう人が増えると、経験は長くてもまともなものが作れないとか新しいものがつくれないとか。

本来は地場産業というのは優位な立場にあったもので、それを食いつぶしてしまうような驕りがどの地場産業にもあろうかと。親の七光りというのが、70歳、80歳の職人の先生クラスの方と話をさせてもらっていても多く、そういう驕りのない他産地の業者さんの懸命な商品開発のほうが上を行ってしまうのを多く見かける。

産地のものにしても実際に市場に流れているほとんどが産地で織らずに他産地や海外で織ったものというのは、西陣織にも似た状況で、産地の機の音というのは消えかかっている。厳しいといえば厳しい話だが、現場で仕事をする人が、当たり前の厳しさについていけないという厳しさは日々、内外で感じる。

商店街なんかでもお客さんが来てくれないので留守番するのが仕事みたいな状況。これじゃあ、一日いくつか売れるだけでお店をやっていても成り立たない。やるからには販売ということで、いろんな集客をしないと駄目だろうと思う。普通だと新聞の折り込み広告なんかだろうけども、コストがかさむのでブログで情報発信でよいと思う。あきらめていては人の魅力までなくなり、商品が安く溢れるのに、それで何を評価しどうやって買ってもらおうというのだろうとなる。ものづくりも同じだろう。

効果がなくても、やっているということが大事ということに気がつかないとならないと思うし、自分が食べていくためには種を蒔くことをしないと駄目だろうと思う。仕事も同じで、一人も見ていなくても続ける、そういう努力ができることが別のことをするときに成功するチャンスにつながるもので、長いスパンで考えると仕事があるないは普通で、その仕事のないときに自分で仕事を生み出し続けられるかが産業としての可能性を残すためにも大事だろうと思う。
2014年06月10日
今日は午前中、大学の同級生の女性の方が林与が阪急うめだにいるということで会いにきてくれ20年ぶりでしょうか。会計事務所で働きながら、ご主人の実家の仕事の手伝いをされているということで、引き継いだ自営業の大変さも背負われているような似ている境遇も持っておられ、まあ、何よりも会いに来てくださったこと嬉しかったです。

大学でも教室で学んだことは現実には通用しない無意味なことが多く、人間関係などはサークル活動などの先輩後輩関係などからかと思います。大学当時に卒業された先輩が久々に京都にこられることがあって、マージャンをしようということになってその先輩はマージャンのルールもしらないくらいで弱いので、当たり前に負けて、電車賃もないというのを後輩たちは笑っていましたが、朝に牛丼屋に行って、勝った後輩たちは朝になって牛丼を先輩に奢ろうとするのですが、先輩の靴下から隠していた1万円札が出てきてマージャンで負けても、牛丼も先輩らしく後輩に奢るということを当たり前にされるのです。自分たちが子供だなあと思える瞬間で、先輩というのはやはり先輩らしいなあと感じるものです。人に対する優しさというのは、自分に対する厳しさなのだろうと。

テキスタイルマルシェの最終日ですが、今日も3件仕事の関係での打ち合わせ的なお出会いもあって、生地の即売に留まらないプラスアルファな広がりもあります。産地直売のメリットというのは、作り手としては、自分がお勧めのものを直接消費者に見てもらえることや、どの生地が人気なのかがよくわかることです。買い手からすると、本物を買えると言うことが大きな意味で、なかなか産地物を謳っていても、他産地や海外生地だったりすることが多く本物にめぐり合えることが少ないなか、実際に作っている現場の人から話を聞きながら買える確かさは無比だといえます。

主催の方も今回はたくさんのお客様にお越しいただいて、やっていることに手ごたえを感じたといっておられました。次回はまだ計画中のようですが、9月の中ごろから後半にも同じ会場で行われるような流れになりそうです。また、みなさん楽しみに見に来て下さいね。
2014年06月09日
毎日、滋賀県まで帰っていますが、帰ると疲れていて仕事ができないので、少し眠って早く起きて、整経を巻き取ったり、ビームを運んだり、糸の指図を作ったり、織機の調整をしたり、在庫の確認をしたり、また、テキスタイルマルシェで配布する冊子をつくったりです。

月曜日の百貨店というのは案外お客様が多いものですね。日曜日以上かと思えるほどで活気づいていました。私自身知らなかったのですが、百貨店というのは布の世界を大事にされているなあと思えるほどにいろいろなイベントを組まれているのですね。今回のテキスタイルマルシェもリピートされ見に来られる方が多いです。手芸の先生の作品展なども興味深いものです。

私も今日は9Fの梅田ギャラリーのモンスーンアジアの布展を見てまいりました。やはり手作業の味のある世界の布には価値を感じます。アジアのデザインというのも楽しい気がします。日本の着物のデザインというのは古典的なものが多く高級感があるのですが、林与の近江上布柄を見るとアジアに負けないくらいのインパクト、和柄ながらもあります。

林与も、布マニアにとっては見ごたえのある林与の近江上布アーカイブ数千点を展示するような展示会をいつかしたいですね。近江上布プリント柄のストールが100種類くらいできあがる5年後くらいですと単なる展示だけでなく販売も伴うので企画として動いていただける気もします。布マニアのみなさんに、力強い布の世界が日本にあったことを見ていただきたいですね。

今回のテキスタイルマルシェで、ストールにのせた20点ほどをご覧いただくだけでも、懐かしく観ていただけるお客様も多いのです。ミラノウニカにも近江上布のハギレをデザインとして持ち込みます。林与の近江上布プリント柄リネンストールですが、7月1日から、阪急うめだ本店1Fギフトコーナー「FUBAKO」にて期間限定でお取り扱いいただけるようになりました。実物を確認されたい方は、7月からですが、ぜひ、阪急うめだ本店1Fの「FUBAKO」に脚をお運び下さいませ。
2014年06月08日
今日は5日目、日曜日。日曜日も道はスムーズに会場入り、ありがたやです。日曜日というのはやはりたくさんのお客様で、今日はキッチンクロスが大人気、ハギレを活用したサイズがまちまちのキッチンクロスが今回のテキスタイルマルシェでは何百枚もお買い上げいただけました。

リネンをしっかりと織った林与ちっくなキッチンクロスというのは珍しいので、触ってもらったときに面白いなあと思ってもらえることが多いようです。途中で、人気カラーなどなくなってしまいましたので、ネットで販売をしておりますのでご覧くださいね。

キッチンクロスは、70歳を超える母親が前回のテキスタイルマルシェから毎日少しづつ縫って、何百枚の数出来上がりました。ハギレを残しておいて、捨てる生地がでるともったいないのでサイズ揃えることなく作り上げました。ゆえにご奉仕品とさせていただいております。
2014年06月07日
今日は、テキスタイルマルシェ4日目。今日は土曜日ということで交通渋滞にも巻き込まれずに能登川駅までスムーズに行くことが出来て、電車も予定通りに乗ることができ、ものごとがスムーズに行くことのありがたみを感じます。

幸運で続く以外に継続して物事がスムーズに行く裏には、努力や協力が必要でそれをなくしては、物事自体が成り立たないものだと思う。また、1回1回のものごとの判断というのも、人生という長いスパンでは積み重なり大きな差となって表れてくるものだと思う。
織物業というものも、日々の判断の結果続いているだけのことだろうと思えるのです。

判断の積み重ねで、作るものや扱うものに特色が出てくるのだろうと思う。先日も今日も、生地を扱われたいという方の相談を受けて、かつて何十億円やっておられた知識も経験も実績もある生地問屋さんですらもどこもが難しいものですよ、という現実をお話しして、つくられるお店がうまく行くよう願うのです。
2014年06月06日
今朝は、早めにお店に入りました。開店前に地震避難訓練があり、10Fから12Fに移動、12Fのレストラン街の通路を利用して地震時の対応を学びました。地上で震度5でも、12Fでは、揺れは何倍にもなるということで、いくら百貨店が耐震構造といえども、ブリッジが落ちるなど阪神淡路大震災での体験談なども織り交ぜながら説明があり、想定ごとではないのを感じました。

10時に開店し、前回のテキスタイルマルシェでストール生地を買ってくださったお客様がほかの色はないのかということで朝一番にお越し下さいました。テキスタイルマルシェのようなシチュエーションでは、どこで織っているとかを大事に思ってくださる方が多く、昔ながらの麻の産地で織り続けていることに価値を感じて下さる方が多いのです。

プロやセミプロのみなさんも、麻ブームで、麻でこんなものが作りたいので、こんな生地を探しているけどなかなかないのよという相談をいただいたり、近そうなものを頭の中で検索するのですが、常に在庫があって小出しできるものというご要望が多いのを感じます。また、皆さんが具体的にどんな生地が使いたいのかという具体像を頭なのかに持っておられてそれを追い求められているというのを感じるのです。どこかで出会われた生地だったりしてそれがもう手に入らないということが本当に多いのだと思います。

私も製造業という立場にいて、材料が技術が手に入らなくなることを経験していますが、それをほかの人に頼んでもやってもらえることはまずないもので、一度消えてしまったものというのは戻らないことのほうが多いものです。
2014年06月05日
今日は朝から雨、今日は林与へのお客様は昨日よりも落ち着いた感じで、空いた時間には、ほかの出展者の皆様とも情報交換をいたしました。出展されている会社というのは自分自身で開発力を持っておられるところばかりなので、考え方が似ています。自分が面白いとか良いと思うものを作っておられるので、それが結局、大事なことなのだと思えます。

今日はお客さんが昨日よりも少なめかとも思いながらも、結構たくさんの皆様にお越しいただいたようで普通に思え始めていますが、やはり百貨店というのは集客力があるのを実感いたします。近江上布プリント柄ストールの柔らかさには驚いてもらえることが多く、触ってもらって気に入ってもらえるだけでも作ってよかったなあと嬉しいものです。

電車に乗って能登川まで帰ると疲れてて駐車場の車の中で仮眠、起きたら朝4時。会社に戻って印刷物をプリントアウトしたり、今日の生地を準備したり、アパレルさんに製品修正が完了した分を返送の準備、染工場の色だしビーカー用のカラーの準備、次の仕事の糸を割る計算、織っている一台の織機を調整していると時間がなくなり、朝7時半出発。
2014年06月04日
今日は阪急うめだ本店でのテキスタイルマルシェ初日、まだ、値札など準備ができていないこともあって、早めにイベント広場に到着し準備の続きをする。今日はお客さん来てもらえるのだろうかと心配していたけれども、朝10時に始まってから夕方4時くらいまでお客様が切れることなく来ていただいた感じで、一人では対応しきれず、テキスタイルマルシェのスタッフの皆さんにも手伝ってもらって、ありがたい一日でした。

麻のものを探しているけど変わったものがないのよね、といわれる方が今回も多くいてくださり、一生懸命に準備して持ち込み、今日も朝早くから準備した反物を多くの皆様にご覧いただけたのは幸運で本当にありがたいことです。

売り場の立っている場所の真上に照明があって、私自身汗ばむほど、百貨店はエコモードということもあって、皆さん麻素材に手が伸びるという効果もあったのではないでしょうか。午後3時過ぎのお昼、社員食堂で昼食ゆっくりと一杯食べて水分もたっぷり補給しながら朝からの緊張を解きほぐしました。

皆さん言っておられましたが今回の初日はいつもよりもお客さんが多い初日だったと。林与だけでなく、どこのお店も盛況だったようです。じっくりといろいろなもの見て良いのがあったら買ってもらえればと思っておりますので、気軽に実に来て下さいね。

2014年06月03日
今日は午後からテキスタイルマルシェの出発準備。今の時代、自分自身で売る事のメリットというものを感じるのです。たぶんマーケティングの方なら自分自身で売るよりもすでに販路を持っている人に任せたほうがよいと思われるのが普通のことですが、ありとあらゆるものが溢れている今の時代ですので、そういうのに慣れてしまうと逆に何がよいものかわからないという状態に陥ると思うのです。

モノづくりしているものがモノの価値を決められないようになったら危ないのです。モノづくりしているものが、自分の作っているものが価値のあるものかないものか判らない、材料の良し悪しも判断できない、自分の仕事の良し悪しも判断できないようになったら、問題だろうと思うのです。自分の判断と外の判断が食い違うのは当たり前ですが自分の判断というのはその道のプロなら逆に普遍的でないとならないと思ったりもするのです。外の判断というのはうつろで1年もすれば変わり行くもの。

ストール用ガーゼをリクエスト下さったお客様、すみません。テキスタイルマルシェの6月6日目以降のお越し下さい。荷物が多すぎてストールガーゼ持込が最初の数日は難しそうです。本麻レモンイエローをリクエストくださっているお客様、こちらは持ち込み官僚です。今回は、200反以上の小巻の反物のほか、林与ジャパンプロジェクトの近江上布柄のストールも見て触っていただけます。みなさんお越し下さいね。
2014年06月02日
今日は午後から公認会計士の先生が友人の方と会社にお越し下さいました。日ごろモノづくりに追われる毎日で、異業種の方とお話をすると、もっと広くできることを考えてみようという気持ちになれるものです。
2014年06月01日
今日は、暑い一日でした。夏そのものの日差し。倉庫に行って、反物を検反する合間に、西に傾く太陽をじっくりと眺めたのですが、午後4時でも強い日差しでまぶたを閉じていても目が焼けるような、また、体も干しあがるような勢いで、目の前の草のほうが強いなあと思えたり。

麻にしても植物から取れる繊維ですが、草である時間よりも糸となり織物となり洋服となり存在する時間のほうが長いのです。道を走っているとアカソがいたるところに生えていて、アカソが近江湖等地域の特色のある原料であったといわれているのに、今は使われなくなってしまったというのは残念なことです。糸で存在しても織ろうとすると気合が必要なので草から行くというのは果てしない道程で、昔の人の生地に対する思いが半端ではないのも、そういう苦労を乗り越えていたからだろうと思えます。

近江湖等地域でも大国荘というのは、古代に豊かな地域だったとされています。愛知秦商人が愛知川を治水し、水田を張り巡らせたのでしょう。かすかに、昭和40年代の後半に眺めた田んぼの雰囲気というのは、そこでここの人たちが最初に田を開いたときから続いている風景だったのでしょう。

近江の地域というのは、神仏信仰が厚い地域なのに、すき焼きの伝統文化がある。これも、なんとなく理由が推測できるのです。
2014年05月31日
この数年、PTJでお客様が途切れることがなく続いているのも、リネンブームが後ろにあろうかとは思うのですが、それ以外にもほかの方からのご紹介で弊社ブースにお越し下さる方が多いのです。私自身も、日ごろから、弊社では難しいなあという判断をしたときには、同業他社さんをご紹介することも多いのです。

その方が求められるものにたどり着いてもらえれば、それでよいのではないかという思いがあって、その方が早く解決にたどり着かれることを望んでいたりします。それは普段、何か自分がやろうとしてもなかなかスムーズに進まないことも多いので、迷っておられるよりは、思い切って解決に向かわれたらというアドバイスだったりもします。

仕事としてやるなら成功ばかりではなくもちろん失敗もあろうかと思うので、失敗が何度かで解決に向かうならやる価値はありましょうが、失敗のまま終わりそうなら別の方法を考えるのが大事でしょう。そういう意味でベストな組み合わせとなるようなアドバイスを提案してあげることが大事だろうと思うのです。

林与自身は、麻織物に関しては一つのガチンコなスタイルを持っていますが、それがすべてに通用するわけでもなく、産地とか関係なく手ごろな麻生地を探しておられる方には、切り売りのお店で探したほうが問題解決の近道だったりすることも多いかと思ったりして、切り売りのお店をお勧めしたりもするのです。

今日は、阪急うめだ本店でのテキスタイルマルシェの反物の出荷を朝から行いました。小巻ですが、200反くらいの生地を持ち込む形で、特色的なものは見ていただけるだろうと思います。PTJに引き続き、多くの皆様とのお出会いがあること期待しております。
2014年05月30日
今日は夕方から彦根の組合で総会があったので、それまでに急ぎの仕事を済ませます。ここ数日、ハニカムのキッチンクロスを織り進めています。時間を見つけては一枚一枚を半分手織りのような状況でシャトル織機で織っています。伊勢丹三越さんのくらしものさしプロジェクトのアイテムの一つとして今織らしていただいた分も6月中ごろには伊勢丹新宿本店、銀座三越、日本橋三越店頭に並ぶのではと思います、ご覧くださいませ。リネンをハニカムに織って多色ボーダーに織ったもので珍しく、キッチンが華やかに映えると思います。

林与のような機屋がこういうチャンスをいただけるのにも、裏には織物業界を取り巻く厳しさがあり、麻機屋なんて絶滅危機業種であるからだろうと思います。最近も1件の機屋さんが機を止められるというようなことを聞いて、また、別の機屋さんもそろそろ高齢でというお話。本場の麻織が風前の灯というのも厳しい話だなあと思いますが、麻が人気で他産地のほうが麻を織って若い世代が元気にされているのを見ると、この産地では昔のように引き継いでいくことの難しさというものを感じるものです。

もうこれほどまでに小さくなった麻織の本場ですので、やれることくらいは精一杯にやってみてとは思うだけで、林与も動いてはおり、そういうのを評価いただけるケースが増え、いろいろなお仕事いただきありがたいです。今回織っているキッチンクロスも、私自身の一生の思い出となるような経験で、ストールに引き続き、キッチンクロスも定番商品として、末永く織続けて生きたいと思います。
2014年05月29日
昔、NECが98という機種をつくっていました。エプソンが互換機を投入してきて、コピー商品だと叩いたのですが、結局、NECも今は、IBM/ATというかDOS/V互換機製造メーカー。現実社会では、何が正しいのかということは力関係で決まることのほうが多いようです。

サラ金にしても何十年も莫大な利益を上げてきた業種ですが違法となった途端、どこもの業者もがお金を返せない状態に。うまく渡り歩くのは、両方を食い物に出来るマスメディアと弁護士だったりするのですが、そういう常に勝ち馬に乗ろうとするものというのは商売上手ですが、周りから見るとかつての加害者そのもの。

これと同じことが政治の世界でも当たり前に、自民が調子のよいときには自民党、民主党が調子のよいときには民主党。中身がないことが一番の利益に繋がり、船が沈みそうになると一番に逃げ出す船長タイプも多い。そういう船長は非難されるがマスメディア、政治、ビジネスの世界では勝ち組って結局そんな感じじゃないのか。

つくり生み出すことが仕事でなく、取り合うことが仕事となると悲しいなあと思ったのが、ある小学校での出来事。女の子がミシンを準備して、それが出来た途端、周りで遊んでいた男の子がそのミシンを使い始める。その女の子は一番最後チャイムが鳴ってからミシンを使い始める。その光景をみて、その子達がというよりも、今の大人社会の縮図を見るようで侘しかったが、この女の子が一番強いのを感じた。
2014年05月28日
今日は駐車場に1時間ほど止めた車の車内が暑いこと、新鮮に感じて、こんなんが嬉しく思えるのですから馬鹿ですね。外は昼過ぎだと30度くらいまで上がっているようで、もう春というよりも夏ですね。

日本も砂漠化してきていて梅雨がなくなり始めています。これは、ダムを作りすぎた影響もあろうかと思うのですが、砂漠というのは悪いイメージがあろうかと思いますが、実際には水さえ手に入れることができれば過ごしやすい気候なのです。ただし、日本人が砂漠的な生活を求めると日本情緒がなくなります。

今は前栽のある家も少ないとは思いますが、日本人の道楽の一つに前栽というものがあり、木にお金を掛けて楽しむという価値観がありました。林与の家にも前栽があり、松、梅、紅葉のほか、普通の家の前栽にあるのはおかしいような大きい目のもちの木があったりします。

前栽というのは子供の頃から意識的にあまり入って遊んではいけない場所のような気がしていましたので、家の中から眺めていることが多かったように思います。今も忙しすぎて家の前栽を振り返ることもないですが、家の中に四季を楽しめる空間があるというのは非常に贅沢なことだと思えます。
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